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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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481.  グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版 《ネタバレ》 
ジャック・マイヨールは実在の人物なので、本作は海とイルカを愛した彼の人生へのオマージュですね。そのエッセンスを叙情的に切り取った秀作という印象です。言葉少ない彼の海への憧憬が綴られてゆく内に、彼の本当の願いが見えてくる。それは海と同化すること。彼は海に魅入られたというより、海に還って行く人でした。ベッドルームの天井から海水が溢れ海中を漂う幻想を見るシーンが象徴的。そんな浮世離れした願望を、あたかも自然なことのように捉えているジャック。その危い存在感に畏れを覚える。でも、実名を使った映画ということは、ジャック・マイヨール本人も同様に海を捉えていたのでしょう。本作におけるダイビングの深度とは海とジャックの同化を演出する記号でしかなく、ノーマル人間のエンゾに勝機は無かった。でも、映画としてはエンゾの存在は欠かせなかったです。幼なじみの友人であり、気丈にジャックをライバル視しつつも、海とジャックの関わりを最も理解していたのはエンゾだったと思います。無名に近かったジャン・レノの存在感は主人公より記憶に残りました。余談ですが、福岡の空港でマイヨール本人を見たことがある。彼が亡くなる直前のことでした。年齢的にはヨボヨボに近い老人なんだけど、背筋がピンと伸びてがっしりした体格も目を引いたが、なにより纏っている雰囲気が只者じゃなかった。あのオーラは形容できません。一緒にいた友人がジャック・マイヨールだと教えてくれて、この映画を観た後だったこともあり納得しました。その姿は今も記憶に焼きついています。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-22 22:47:21)
482.  サロゲート 《ネタバレ》 
頭髪があるブルース・ウィリスと無いブルース・ウィリスが共演してました。基本設定は面白いと思う。人の感覚器官を代用するロボットがサロゲートと呼ばれている。尻尾はないけどアバターですな。ちゃんとセックスまでやります。サロゲートを破壊して、そのサロゲートとシンクロしている人まで殺した犯人を刑事役のブルール・ウィリスが追うサスペンス仕立て。それと並行して主人公の素性も少しずつ明らかになり、生身では接触しない夫婦間のいびつなコミュニケーションが描かれます。テーマはホストと五感を共有できるサロゲートによって人や社会はどのように変わって行くか?ということだと思うのだけど、その考察が浅い。ほとんどの人が活動領域をサロゲートに譲ってしまうことに説得力を覚えません。仕事を代わってもらえることが嬉しくても、娯楽まで代用させるだろうか? また、ラストで主人公が全サロゲートを破壊しますが、その選択もどうかと思います。「機械には血が通っていない」的なステレオタイプな描写に面白味はありません。しかも、あれは夫婦だけの問題でサロゲートの存在に責任転嫁する内容ではない。元々は体の不自由な人のための機械だったはずで、その需要を無視して良いのかとも思う。まぁ、少し真面目に考えてしまいましたが、本作はそのあたりを放棄してお気楽なエンタテイメントに逃げています。偏差値低いです。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-02-22 15:32:21)(良:1票)
483.  ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ
いい具合にミステリアスに進行していたのに、まさかと思っていたオチをそのままやられました。鑑賞中から、そのオチへの反証となる描写をいくつか確認できていたので、ちっとも騙された気がしない。反対に、裏切られた気分。作る側はこんなもんで良いと思ってるんですかね。いい具合だった前半を引っ張っていたのは紛れもなくダコタ・ファニングの無表情演技だったので、それを収穫にします。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2011-02-22 12:08:53)
484.  デンジャラス・ビューティー 《ネタバレ》 
これは、サンドラ・ブロックが美しく変身してミスコンで準ミスになることが面白い映画では無く、もともとそれなりには美人であるサンドラ・ブロックが素行が粗野なブスまがいを演じることが面白い映画ですね。でも最後のスピーチで、同性から認められて本心を覗かせ涙ぐむところがとても可愛く、ちょっと感動的だった。なんだかんだ言っても、美点を評価されるって嬉しいものなのです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-21 22:03:41)(良:2票)
485.  ゾンビランド 《ネタバレ》 
ゾンビ映画としてはかなり風変わりなテイストを持った作品。そもそも、ゾンビから逃げることに重点が置かれていない。「ソーシャル~」「アドベンチャーランド~」と立て続けにアイゼンバーグ主演作を観た後だったので、相変わらず内省的なキャラしか出来ない兄ちゃんだなぁと思いつつも、それがゾンビ撃退のルールの細かさに似合っていてハマリ役である。そのルールがクライマックスのオチにも使われる工夫が好感でした。中盤でちょっとダレて来たところにビル・マーレイが実名で出て来る。「ゴーストバスターズ」ネタでひとしきり映画ファンを楽しませてくれるんだけど、あそこでゾンビの真似しちゃ、そりゃ撃たれるよね。そのおマヌケなところが実名出演でもやっぱり映画の中のビル・マーレイで、ヌケヌケと楽屋オチで笑わしてくれる。ん? 主人公って殺人犯か? まぁ、ゾンビ映画に殺人罪って概念はありませんな。死んで笑わせるビル・マーレイを除くとメインキャラは誰も死なず。窮地に陥っても死ぬような気配が無いから緊張感も無いんだけど、見返りとしてたくさん笑ってホカホカと心が温まる。とても人に薦めやすい。こりゃゾンビ映画の風上に置けない(笑)。
[映画館(字幕)] 6点(2011-02-19 14:33:12)(笑:1票) (良:1票)
486.  私の中のあなた 《ネタバレ》 
臓器提供を拒否して提訴した後も姉妹は仲が良く、見事に割り切って接していることが不思議でした。やはり異国の方々のメンタリティは理解できないなぁ、と思っていたらオチがありました。仕組まれた裁判だったとは言え、それが契機となって夫婦・兄妹・親戚・法廷関係者がタテヨコナナメに家族の繋がりを反芻する流れには無駄な描写や無理な押し付けが無く、じっくりしっとり描かれる。共感する部分はたくさんありましたが、テーマは母親のスタンスですね。本作は突き詰めるなら、母親の子離れの話でした。私は、人は究極的には自分の為に生きる存在であると思っているので、たとえ家族と言えどもドナーになることを当たり前のように考えていた母親の認識は認めたくありません。でも、否定もできない。理由は単純で、もし子供の頃の私が白血病に罹っていたら、私の母親もキャメロンみたいになったと思うから。いや、容姿の話じゃないですよ。子供の命を救うことを全てに優先させるって意味です。この命題には答えが出ない。病人である姉が最も冷静に事態を見つめていたことが、この作品の救いになっていました。本作のテーマは「母の愛情」の糾弾ではないので裁判の判決は控えめに表現されていましたが、実はガチンコの法廷ものに転んでも違った意味で考えさせられる良い映画になったと思ったのでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-17 22:20:50)(良:1票)
487.  ドリームキャッチャー 《ネタバレ》 
何がダメかって、正体不明のものを重ね合わせること。登場人物の不思議な能力に興味を持たせておきながら、それを説明する前に悪意を持ったエイリアンが出て来て焦点がボケボケ。下手くそです。更なる余計がモーガン・フリーマン。お話の展開上、彼はいなくても良い存在で、映画を分かりにくくしているだけでした。こんなに存在意義のないモーガン・フリーマンは初めて。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2011-02-17 01:54:24)
488.  ザ・フライ 《ネタバレ》 
SFホラーの金字塔だと思います。古典である「蠅男の恐怖」を当時の世情に見事に蘇らせました。「蠅男の恐怖」を観たことのある者にとって、最初の転送でセス・ブランドルがポッドから出てくるシーンには緊張が走る。しかし、何事も起こらず肩透かしを食らう。これはどうしたことだ?という疑問を整理しようとするうちに、興味の尽きない怒涛の展開が始まる。肉体の変調に不安を覚えたブランドルがテレポッドのコンピュータで何が起こったのかを追及します。答えは蠅=フライとの「fusion」。私はここに痺れました。首がすげ替わるだけだったオリジナルと違い、遺伝子レベルでの「融合」が起こる。しかしコンピュータの回答は単語ひとつ。その呆気なさと重篤な事実とのギャップから漂うSFの香りが堪らなかった。ブランドルの肉体の変化と心境の変化がシンクロして進むシナリオも良く出来ている。ハエの生態を人の肉体に転写して行く描写が巧みで、グロさよりもアイデアに感心する。ブランドルは死を予感し、悲嘆し、やがて受け入れ、しかし最後は人間に戻りたいと願う。その心情が違和感なく受け取れるから、結末が複雑に残響する。SFの面白さとは大ウソをひとつ捻り出して、そのウソに基づいた描写で全体を固めること。グロさに目が行きがちだが、本作はテレポッドの機能を遺伝子融合装置へ転化させたところにSF作品としてのワンダーが集約されており、堅実にセオリーを守っていることが見応えに直結していると思う。私の中では「ターミネーター」と並び、B級からスタートしてA級に転じた数少ない傑作です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2011-02-15 14:07:30)(良:2票)
489.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 
近所のシネコンのリバイバルで観賞。最近観た映画の中では、最も親近感を抱く主人公だった。主義や主張を持って結婚しなかった訳ではなくとも、結果的に独身生活を長く続けた男の生活には独自のペースがある。講演できるほどうんちくも溜まる。女性との付き合い方に対しては一種の諦観があって、それを気負うことなく正直に言葉にすると、学生を終えたばかりの女性には酷い男と映るらしい。分かる分かる。独身主義ではないから、相手によっては特別な関係を築きたいとも思う。でも、それは相手のあることだから、映画のようにすんなり行かない。この映画の、すんなり行かないところに大いに共感させてもらいましたよ。彼のように自分のスタイルが昂じると、マイルを貯めるといった副産物に執着したりする。ちょっと状況が変わるだけで、執着がいきなり無意味に変化する虚しさにも覚えがある。結婚の意義も、逆の意味でマイルと同様に扱われていました。そこに絶対的な価値を置かないニュートラルなスタンスが本作の良心です。ちなみに私はこのサイトで1万レビュー貯めることに執着してるけどね(笑)。達成したらプラチナカードとか、貰えないかな。
[映画館(字幕)] 8点(2011-02-14 20:08:08)(笑:1票) (良:1票)
490.  RED/レッド(2010) 《ネタバレ》 
若者の青い葛藤を見せるのが「青春映画」なら、これは人生経験豊かなベテラン勢の老練な対応力を楽しむ「実年映画」。彼らは基本的には静かに暮らしたいと思っているが、難癖を付けられたら喧嘩(戦争?)もするし、生意気な若僧がいれば懲らしめるし、新しい恋も見つけます。そんな元気な初老世代の心意気を見せてくれる作品でした。変わり者で笑えるマルコビッチをはじめ、ベテラン勢はみんな加齢をポジティブに味付けしてあって面白い。まぁ、命を狙われるのはご勘弁だけど、世間と接触せずに暮らすよりは、たまには起伏のある出来事も良いんじゃない、ってノリのアクションコメディでした。CIAエージェントがラストでブルース・ウィリスを「おじいちゃん」と呼びますが、あれは反語表現で、十分に現役で通用するという賛辞だったと思います。
[映画館(字幕)] 5点(2011-02-12 01:30:34)(良:1票)
491.  アドベンチャーランドへようこそ 《ネタバレ》 
「ソーシャル~」のジェシー・アイゼンバーグ主演の青春映画。その「ソーシャル~」と同様に、彼がガールフレンドにフラれて始まることに笑ってしまう。こちらの主人公像は天才でも金持ちでもなく、特別なものを何も持たない普通の学生。総合評価としては普通以下かも。でも、常識的な道理をわきまえている人物。ひと夏の遊園地のアルバイトで同僚の女の子を好きになって、その恋心の顛末が描かれる。甘酸っぱい気分に満ちた良作でした。主人公に共感するというより反感は持たないって感じですが、殊更に個性的なキャラクターを設定しなかったことが本作の良さだと思います。彼が好きになるバイト仲間をクリステン・スチュワートという女優さんが演じていて、これまで特に意識していなかったけど、子役の頃から何度も観ていました。これからを楽しみにします。ちなみに、主人公がやたらと童貞呼ばわりされるんだけど、英語では処女も童貞も「バージン」なのね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-10 11:02:12)(良:1票)
492.  市民ケーン 《ネタバレ》 
スピルバーグが25歳の若さで「激突!」を撮ってデビューしたのは有名な話だけど、その30年前に同じく25歳でこの映画を撮ったオーソン・ウェルズという人は、少なくともこの映画においてはスピルバーグより偉大だったと思う。学生時代に読んだお勉強系の映像本には必ず「パンフォーカス手法を確立した映画」として本作が紹介されていた。パンフォーカス自体は今となっては見慣れた手法だが、奥行に被写体と演技を対比させる構図はもとより、シャドウとハイライトの印象的な使い分けや、時間を行き来する構成、その時間軸に照明の明暗を振り分けるアイデアなど。何本か観た同年代の映画に較べると、全てが斬新で画期的なことだったと想像できる。しかもストーリーがミステリータッチで「バラの蕾」という臨終の言葉を追いかけ、大金持ちの孤独を解き明かすことをテーマに据える。それが幼少の頃に失くした親からの愛情の象徴であったというオチまでを含めて、極めて完成度が高い作品だと思う。余談だけど、つい最近の「ソーシャル・ネットワーク」も大金持ちの孤独を描いた作品でした。ケーンとザッカーバーグは、富を得る手段も違えば、孤独のカタチも随分と違う。この2作は面白い対称を成しています。その間を流れるのは70年という時間。現代の視点から観た面白さとしては6点。映画表現に残した足跡に敬意を表して、不遜ですが1点プラスさせてください。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-10 05:52:08)(良:1票)
493.  バッドボーイズ(1995)
楽しみどころが分かりにくい作品でした。よく喋る割には手際よく進んでいると思えない捜査とか、証人を刑事の自宅で保護して危険に晒すとか。少しイラっとします。刑事の個性を楽しませようとしたのか? あんな程度でバッドボーイズなの? それならティア・レオーニを見ている方がまだ楽しめる。暫く前の作品ではあるけど、さらに10年くらいは時代を遡ったような作り方に思えました。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-02-07 21:55:36)
494.  パーフェクト ストーム
この監督の代表作である「Uボート」みたいに、悲惨な状況が報われずに終わる暗い映画。だけど嫌いじゃない。あのカジキ漁船の船員達がどのように遭難したか、実際のところは謎ですが、嵐の海を表現したかった作品と思えば、これは立派なドキュメンタリーですね。ストーリーはどうでも良いと思えるほどそちらに力点が置かれていて、私にはかなり見応えのある作品でした。壮大にうねった海は山が動いているようで、そこを上下に昇降する漁船が遊園地のアトラクションみたい。海って怖いなぁと思いました。劇場で観ていたらきっと船酔いしたことでしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-03 14:57:05)
495.  グリーン・ホーネット 《ネタバレ》 
悪くは無いと思いますが、私には少し期待はずれな作品でした。CG技術によってコミックの世界が映像化できるようになってからヒーロー映画も随分とたくさん作られています。差別化の視点は悪をやっつける能力と正義の動機。加えて悪役側の魅力でしょうか。本作は能力と動機に特別なものを感じないという意味で、ちょっと珍しいヒーロー映画でした。カトーの機械いじりと格闘の腕前が無かったら成立しないヒーローだけど、言いだしっぺと資金の面倒をみている自意識過剰の若社長がリーダー風を吹かして喧嘩を始める。たくさん家財を壊すけど中味は子供の喧嘩。でも、この喧嘩がイチバン面白かったような(笑)。冒頭の方で親父の銅像の首を落すイタズラがやっぱりよろしくない。最後に付け直すんだけど、死者に対する行為として私の中ではほとんどレッドカードでした。秘書役はキャメロンじゃなくても良かったですね。これを等身のヒーローという気にはなれず、全体としてリアルともフィクションとも言えない半端で微妙な見応えでした。っていうか、こいつらヒーローか?
[映画館(字幕)] 4点(2011-02-02 22:59:00)(良:1票)
496.  ハドソン・ホーク
この面白くなさを表現するのは難しい。腹が立たない範囲で最大級に面白くない映画でした。出来の悪いルパンみたい。それも、ハードボイルド色が一切なくなって、馴れ合いだけに堕ちた後のルパンです。(わたくし、ルパンはTVの最初のシリーズのファンなもので…)
[CS・衛星(字幕)] 2点(2011-02-02 18:31:11)(良:1票)
497.  トム・ホーン 《ネタバレ》 
トム・ホーンと云う人は実在した西部開拓時代の賞金稼ぎらしい。作中ではすでに伝説に近い存在だが、マックィーンが描きたかったのは時代の流れに付いて行けなかった人物像。無法がまかり通った開拓時代を生きたライフルの達人も、需要が無くなると居場所も無くなる。本作の放牧牛の見張り番のように特技を活かせる仕事もあるのだが、やり方が時代に適合しないことを証明するのが本作のストーリー。その視点が残酷だ。決して凶悪な人物ではないが、怒りに任せると絶命した者にも銃弾を撃ち込み続ける描写に本質が顔を覗かせる。このあたりの「感覚のズレ」の演出は上手い。やがて無実の罪で牢屋に繋がれる。そこから遠望する山並みに何かを感じて脱獄を計るのだが、それは「パピヨン」が目指した自由とは全く異質の解放への希求だった。彼は何かを目指して逃げたのではなく、規律と道徳が整い始めた「西部」から逃げたのだ。逃走は敢え無く失敗に終わるが、観ている側に失望感はない。それが前方に目的を持たない逃走だから。そして、本人もそのことを自覚していたと思える。裁判や絞首刑に臨む態度には時代への諦観がありありと浮かぶ。戦国時代に遅刻したのが宮本武蔵なら、西部開拓時代に取り残されたのがトム・ホーン。武蔵は多くの人の助けを得て剣を筆に持ち替えたが、トム・ホーンを助けてくれる人はいなかった。一世を風靡しながらも、廃れて行った男の哀れが滲む。「タワーリング・インフェルノ」以降、本作と「民衆の敵」「ハンター」の三作にしか出ていないマックイーン。Wikiには「カッコーの巣の上で」「遠すぎた橋」「未知との遭遇」「地獄の黙示録」などの主演オファーを断ったと書かれている。出演した作品と断った作品のを並べると、彼の心情が見える気がする。映画の魅力のひとつであるスペクタクル感を捨て、じっくりと「人」を演じようとした。稀代のアクションスターは、次のスタイルを確立する前に世を去った。
[ビデオ(字幕)] 5点(2011-01-30 02:54:00)(良:1票)
498.  ウォール街 《ネタバレ》 
新作を観るための予習として観直しました。その昔はチャーリー・シーンが正しいんだなと思ったけど、これは生き方の違いで正誤の話じゃないですね。特にマイケル・ダグラスが製紙会社の株主総会で「欲は善だ」と演説するシーンは、その迫力も手伝って良いこと言ってると思いましたよ。お金を転がしてバブルを膨らませることに生き甲斐を覚えるマイケル・ダグラスは信念を持ってやっているようなところがあり、やみくもにそれを真似ようとしたチャーリー・シーンが追従できなかっただけのことかと。若いうちはチャーリー・シーンのようなタイプはたくさんいると思うけど、いずれマイケル・ダグラス派とマーティン・シーン派に別れるのでしょう。ただ、冒頭からやりまくるインサイダーは明らかに犯罪なのでお縄になって当たり前で、こういう人たちがリーマン・ショックなんかを起こすんだと思うと、もう少し貧乏人のことも考えてくれよとは言いたくなる。
[ビデオ(字幕)] 5点(2011-01-30 02:07:44)(良:2票)
499.  イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 《ネタバレ》 
ニューヨークの華僑ギャングをヤンキー刑事がやっつける話ですが、公開当時、一番のみどころはTVレポーターのお姉さんが住んでいるマンションでした。広さ・見晴らし・インテリア。目を見張りましたね。特に壁に仕切られていないお風呂。そんなもの、本作以降では見たことがない。若い女性レポーターの年収で買えるのかと不思議でしたけどね。そのお姉さんも妙に色気があって良い脱ぎっぷりだったけど、こちらも本作以降は見かけなくて残念です。公開から25年の月日が流れ、当時に観たときと微妙に印象が違いました。その昔は、正義感を振り回すミッキー・ロークが子供のような純粋さで無茶をやっているように思えたんだけど、今回は黄色に対する人種偏見を感じました。「俺の国から出て行け」って声が聞えそうな雰囲気。でも、ジョン・ローン側の対抗策もワイロで釣れないと分かるや、ミッキー・ロークの奥さんを巻き添えにするとか、先述のTVレポーターを強姦するとか、遣り口が単純で低脳。遣られたら遣り返す、がエスカレートして行く。完全にガキの喧嘩ですね。その対決の図式がシンプルで、最後はタイマンを張るあたりが本作の見応えにもなっています。現在のチャイナ・タウンのことは分からないけど、どちらかというと中国にヤンキー・タウンが出来そうな時代。上海にヤンキー・マフィアがはびこって、中国人刑事が取締るような映画があったら、きっとそちらも異物を排除するような見え方になることでしょう。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-28 15:21:16)(良:1票)
500.  マッチスティック・メン 《ネタバレ》 
主人公が観客もまとめて騙す映画は多々あるが、よってたかって騙される映画って少ないんじゃないかな。しかも騙されたまま終わる。新鮮でした。でも、本作の良いところは騙された後の流れです。娘と思っていたアンジェラと再会するが彼女を責めない主人公。それは、偽りの関係だったとしても、彼女との時間を大切にしたいと思ったから。彼女に騙されて失ったものより、彼女が残してくれたものの方が大きかったから。だから彼の中ではいつまでも「愛娘のアンジェラ」なのでしょう。神経症が治り、スーパーのレジ係の女性と再婚するオマケも付きました。ニコラス・ケイジの心情に暖かい灯を残すことが本作のテーマだったと思いますが、さすがにリドリー・スコット。スペクタクルだけではなく、この種の作品でも手堅い手腕を見せてくれます。計算するとアンジェラ役のアリソン・ローマンは当時24歳。ラストの見え方が本来の彼女です。女性のヘアスタイルとメークと衣装には騙されますね。ということで、ストーリー以外にしっかり観客騙しがありました。騙されて清々しい珍しい快作。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-28 01:09:57)
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