601. 刑事コロンボ/ホリスター将軍のコレクション<TVM>
《ネタバレ》 好きなシリーズなのにあまり印象に残ってないので観なおしたところ、やっぱり出来がよくない。 将軍が目撃者の女性を懐柔するためにデートに誘うのも、親子のようにしか見えずしっくりこない。 犯人に魅力がないとコロンボとの対決も盛り上がりに欠ける。 冷血で憎々しい悪人か、同情もできるような善人ならいいが、将軍は中途半端でどちらでもない。 決め手となる伝説のコルトも、紛失して複製を作ったという嘘はすぐにバレそうなもので、オチにつなげるには苦しい。 [DVD(吹替)] 3点(2013-10-18 00:07:46) |
602. 刑事コロンボ/指輪の爪あと<TVM>
《ネタバレ》 ゴルフのレッスンプロへの尋問シーンがおもしろい。 レッスンが遅い時間に変更されているのを夫人との逢瀬のためと見破ってジワジワと追い詰める。 コロンボの本領発揮で、おまけにナイスショットのオチつき。 死体の傷を指輪と推理して犯人像を左利き、短気など絞り込んで探偵事務所所長に目星をつけ、指輪の跡がないことからレッスンプロをあっさりシロとしたのも手際よい。 車を故障させた上にコンタクトを使って犯人をワナにはめ、コロンボがケニカットにネタばらしするラストもにんまりさせられる。 [DVD(吹替)] 7点(2013-10-18 00:01:47) |
603. 刑事コロンボ/構想の死角<TVM>
《ネタバレ》 人気ミステリーシリーズを共同執筆している作家の仲間割れ殺人だが、スピルバーグ監督を起用したのにこのシリーズにしては出来が今ひとつ。 犯人の追い詰め方がいつもより鋭さとしつこさに欠けるためか、コロンボの存在感がなんとなく薄い。 タイプで打って引き出しに入れられた紙が四つ折りになっていたこと、死体を見つけて慌てているはずなのに手紙を開封していたことに引っかかったのは良かったが、それ以外が物足りない。 ラストは証拠もないのに犯人の自白で、消化不良の幕切れ。 コロンボは意図的に第一の犯行手口をフェリスのアイデアとして褒め、第二の犯行手口をフランクリンのものとして酷評。 共同執筆で唯一フランクリンが考え出したアイデアというコンプレックスをついたとはいえ、それで自白するのはあまりにも子供っぽくて不自然。 強請ろうとして殺された雑貨屋のおばさんのキャラは妙にリアルでよかった。 シリーズ化されて一作目だが、パイロット版の前二作のほうがこのシリーズの面白さがしっかり出ている。 [DVD(吹替)] 5点(2013-10-16 20:12:01)(良:1票) |
604. エターナル・サンシャイン
《ネタバレ》 時間軸が前後してジョエルの脳内映像も混ざるのでこんがらがる。 整理すれば全然複雑な話ではないが、サスペンス性を出そうとした構成でややこしくなっている。 恋愛の良い時が終わってつらい記憶を削除したいという思いは多かれ少なかれ誰にでもありそうなもの。 いずれまた嫌になる、そのことの繰り返し――でもそれでもいい。もう一度始めようとしている二人のラストシーンが印象的だった。 つらいことも含めて恋愛や記憶の意味を考えさせられる。 同じ人に惹かれていく展開もおもしろいけど、ジョエルとクレメンタインの恋愛に感情移入するだけの魅力のないのが惜しい。 [DVD(吹替)] 5点(2013-10-15 21:46:37) |
605. 刑事コロンボ/死者の身代金<TVM>
《ネタバレ》 空のバッグ、銃の角度、口径の小さい銃、車のシートの位置などの小さな疑問を手がかりに、誘拐を装った殺人であることを看破するコロンボ。 妻の動機が立派過ぎる夫への嫉妬というのは少し軽い気もするが、それでもコロンボの従兄弟の例えを使った分析になんとなく納得してしまう。 コロンボが無理をしてレスリーの飛行機に乗り込んで操縦桿を託されるシーンがとても楽しい。 敏腕なる女弁護士との知恵比べは証拠が見つからず迷宮入り寸前だったが、継母と娘の葛藤を利用しての大逆転はお見事で、このシリーズの長所が存分に出ている。 『殺人処方箋』に続くパイロット版だが、次作からのシリーズ化が決定するのも納得の出来栄え。 [DVD(吹替)] 8点(2013-10-14 19:35:51) |
606. 刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM>
《ネタバレ》 刑事コロンボシリーズの最大の魅力はキャラクター。 第一作目からコロンボと冷徹な犯人のキャラがしっかりと描かれていた。 本作の犯行自体は特筆すべきことはないものの、コロンボの仕掛けたワナに小憎たらしい精神分析医がやりこめられるカタルシスがある。 フレミンゴがラストで手の内をペラペラばらすのが決め手になるのは若干物足りないが、自信過剰で傲慢な人物が勝ち誇った言動なので無理筋に見えないようにはなっている。 フレミングが帰宅したときに一度も夫人の名を呼ばなかったこと、旅行の行き帰りでトランクの重量が違ったことなど、細かいところに気づいてチクリチクリと追及する持ち味のしつこさも出ている。 このパイロット版が3年後にシリーズ化される際には、局側からフィードバックされたそうだがその指摘の内容に呆れる。 「初めから犯人がわかってしまうのでサスペンス効果がない」「コロンボの登場が遅すぎる」「シリーズにするにはコロンボの他に部下のレギュラーが必要」「会話が多くてテンポが悪いので、アクションシーンを増やし緊張感を出す」「登場しないカミさんというアイデアはおもしろくない」――どれも刑事コロンボならではの特長で、これがあるから面白いのに。 ということは、本作がいかに今までの「常識」の枠を超えていたかということだろう。 共同執筆したリチャード・レヴィンソンとウイリアム・リンクのコンビが、自分たちの作品を守るために局の要請を退けてシリーズでも自分たちでプロデュースを兼ねた。 生みの親である二人の英断に感謝したい。 [DVD(吹替)] 7点(2013-10-12 23:27:51)(良:1票) |
607. めぐり逢えたら
気軽に楽しめるポップな内容で、運命の赤い糸で結ばれた王道のラブストーリー。 妻を亡くしたサムの息子がキューピッド役で奮闘するさまが健気。 メグ・ライアン扮するアニーが婚約者もいるのにラジオで聞いただけの見ず知らずの男にそこまで惹かれるかは疑問だけれど、あまり深く考えずに恋の奇跡を楽しむべき映画なのだろう。 [ビデオ(吹替)] 5点(2013-10-11 23:48:28) |
608. 8月のメモワール
《ネタバレ》 反戦、反人種差別、家族愛などをわかりやすく描いた優等生的映画で、仮に文科省推薦で学校の芸術鑑賞会に使われたとしても不思議はない。 子供のケンカが歯止めがきかずにエスカレートして戦争にも通じるところが感じられるような構成。 姉弟が父の亡き後もその教えに恥じないように育っていくさまは、ベタなストーリーではあるがまとまっている。 ただ、父親があまりにも良い人すぎてちょっと嘘っぽく感じられるし、演じるケビン・コスナーも貧乏人の設定とイメージが合わない。 ストレートに泣かせようとする内容だが、パターンの枠から抜け出せていないのでそこまで感動できず。 [ビデオ(吹替)] 5点(2013-10-10 01:03:51) |
609. スターシップ・トゥルーパーズ
《ネタバレ》 ヴァーホーヴェン監督らしく露骨にも感じられるエンタメ性でサービス精神と批判精神にあふれる演出。 グロテスクな残酷描写、エロティックなシャワーシーン。 わかりやすいストーリーの中に皮肉がたっぷりこめられている。 宇宙船で行き来する時代なのにペナルティに鞭打ちの刑があるなど、前近代的なところは湾岸戦争で捕虜を虐待した米軍に通じるものを感じる。 巨大な昆虫型異生物との宇宙戦争はきわめて漫画チックでB級テイスト。 戦いでは人が虫けらのようにどんどん死んでいくが、最後は正義の大円団のようなCMを使った締めくくり方が胡散臭さを醸し出す。 すべて監督が確信的にやっていることだろうが、中には皮肉ではなく単純に軍へ志願したいと感じる観客もいそう。 観る人によって反戦映画にも好戦映画にもなるような。 [DVD(吹替)] 6点(2013-10-08 20:26:52) |
610. アニー・ホール
《ネタバレ》 ウディ・アレンの代表作だが、最初見たときは全然ピンと来ず。 個性の強い映画で、好き嫌いが分かれそう。 ずいぶん後になって観なおしてみたが、やっぱりチャップリンが絶賛したようには惹かれない。 会話は皮肉に満ちてリアルだが、言葉の洪水というかセリフ量が多すぎてうるさく感じられる。 これといった芯のあるストーリーではないので冗長。 当時としては画期的な演出で、独創的で遊び心のある工夫や知性は感じるものの、心が揺り動かされることはなく飽きてくる。 なにより神経質で理屈っぽく自虐的で皮肉屋な主人公が好きになれない。 ただ、ところどころシニカル&コミカルなシーンに才気を感じてハッとさせられる。 自殺願望の青年の車で送られる主人公の表情は笑えた。 自分を雌鳥と思い込んだ弟の卵を待つ小話もラストをオシャレな締めくくっている。 [ビデオ(字幕)] 5点(2013-10-08 20:23:04)(良:1票) |
611. オーシャンズ11
豪華キャストの割りに11人のキャラが描ききれていない。 有能な人材を集めてハイリスクの仕事をするのはよくあるパターンだけど、もっと人数を絞ったほうがよかったような…。 よく言えば軽快、悪くいえば軽くて薄っぺらい。 ストーリーに起伏がなく意外性もないので後に残らずすぐに忘れてしまいそう。 ルパンの仲間を多くした劣化版といった印象では続編を見る気にはなれない。 [ビデオ(吹替)] 4点(2013-10-06 00:43:49) |
612. ジュラシック・パーク
映画館で2回見た記憶があるが、ストーリーがわかっている2回目でも迫力があって楽しめた。 リアルな恐竜を表現したCG技術にも感心。 [映画館(字幕)] 8点(2013-10-03 19:31:47) |
613. ターミネーター2
《ネタバレ》 どこまでも追いかけてくるT-1000が夢に出てきそう。 作品世界に取り込まれて思わず力が入って疲れてしまうほど。 エンターテイメントの要素がぎっしり。 1にあった恋愛色の代わりに、少年とターミネーターとの間に生まれた友情が胸を打つ。 [地上波(吹替)] 7点(2013-10-02 21:30:09) |
614. ターミネーター
《ネタバレ》 SFアクションの中のラブストーリーが効いている。 ガソリンスタンドで撮ったサラのポラロイド写真が、将来カイルへと渡るドラマをイメージさせて余韻が残る。 [地上波(吹替)] 7点(2013-10-02 21:29:05) |
615. ブラッド・ダイヤモンド
《ネタバレ》 発展途上国の内戦が第三国の利害も絡んで泥沼化、その犠牲者の象徴が少年兵だろう。 洗脳されて躊躇なく引き金を引く少年達の姿が恐ろしい。 問題提起を含んだ社会派の作品だが、わかりやすくエンターテイメントを意識したことで先が読めてしまうところが少し物足りない。 ストーリーは起伏もあってよくできているが、格別惹かれる役者が出ているわけでもなく、どっぷり感情移入できるキャラもいなかった。 黒人の親子愛にも今ひとつ感動できなかったのが残念。 [DVD(吹替)] 7点(2013-09-29 19:49:56) |
616. サイドウェイ
《ネタバレ》 小説家志望で超マイナス思考の高校教師と本能だけで動くような女好きの売れない俳優。 この対照的な中年コンビのダメっぷりが実にいい。 ダメ男にも嫌悪感を催すタイプと憎めないタイプがいるが、特にマイルズは後者のほうか。 傷心のマイルズを励ますつもりが傷口に塩を塗りこむようなジャックの無神経さが笑える。 マイルズに降りかかる不幸もマヤのようないい女ならすべてチャラにできそう。 人生の折り返し地点を越えて夢もかないそうにない冴えない男に生じた希望。 救いの見えるラストが後味のいい余韻をじんわりと感じさせてくれる。 [DVD(吹替)] 8点(2013-09-19 01:46:08) |
617. アルゴ
実話物で結末はわかっているのにハラハラさせられる。 ギリギリで切り抜けていく演出がうまい。 [DVD(吹替)] 7点(2013-09-18 00:57:09) |
618. 幸せへのキセキ
《ネタバレ》 爽やかでウェルメイドなストーリー。古典の名作に通じるものがある。 親子の葛藤、廃業状態だった動物園の再生、妻を亡くした喪失感の克服、動物や自然との触れ合い、新しく生まれた恋。 いかにもといった風な王道のアイテムで構成されていて、ベタで安定感はあるけれど新しさという意味では物足りなさはある。 プラス思考のメッセージが強く、奇跡を生む「20秒の勇気」は力を与えてくれる。 マイナス思考から抜け出したいときにはオススメ。 [DVD(吹替)] 6点(2013-09-16 08:38:24) |
619. フェイク
《ネタバレ》 潜入捜査官とマフィアの悪党の間に生まれた友情にいつしか感情移入してしまう。 冴えないマフィアのアル・パチーノが醸し出す哀愁と裏切られて死を覚悟した潔さが印象的。 ジョニー・デップもかっこよく、FBIとしての使命と友情との葛藤で苦悩する姿も様になっていた。 マフィア映画は裏切りや報復などをドライに描くものが多いが、これはウェットな感じで珍しい。 [DVD(吹替)] 7点(2013-09-14 00:46:10) |
620. 交渉人(1998)
《ネタバレ》 ハメられた警官が人質を取って篭城するが、そこまでするかという違和感。 交渉する同僚の実力のなさを小馬鹿にするようなところも、主人公として好感が持てない。 腕利きの交渉人同士の対決は、もっと頭脳戦が繰り広げられるのかと思えばそうでもない。 エンターテイメント性はあるので退屈はしないが、深みは感じなかった。 [DVD(吹替)] 5点(2013-09-10 22:55:19) |