81. 俺たちに明日はない
ラストシーンがとにかく素晴らしい。享楽的に他者を踏みにじってきた2人が圧倒的な力で全否定される。悲しみは全く無い。夢から覚めた直後の虚しさのような妙な虚無感を覚えた。ちょっと期待はずれだったのは、意外とボニーの活躍が地味だったことか。 9点(2004-03-29 02:00:04) |
82. イレイザーヘッド
デヴィッド・リンチの映画はどうも受け付けないのだけど、これは最高だった。大傑作。何をどう言って良いのやらさっぱり分からないけど、とにかく面白い。映像、音、空気、感情、全てが感覚を通してこちらに入り込んでくる。 10点(2004-03-29 01:54:51) |
83. ワイルド・アット・ハート
「だから何なんだ」と言いたい映画。さっぱり分からなかったし、楽しめる場面も無かった。ローラ・ダーンはオカマにしか見えない。 3点(2004-03-29 01:38:17) |
84. セールスマンの死(1985)
見終わった後の重たい感じも、語っている内容もとても素晴らしいけれど、人の話をさえぎって話す場面が異常に多く、少し不自然にやり過ぎだと思った。現実を受け入れる勇気も強さも持ち合わせないプライドの高い弱い男が、精神的な逃げ場を失って妄想の世界の住人になってしまうという、決して他人事と笑えない話。ただひたすら重い。 8点(2004-03-29 01:34:53) |
85. スモーク(1995)
男の繊細な面に焦点を当てた傑作。これと言った大きな事件も起きず、淡々と流れる日常生活。その中で生まれる、男たちの細やかな部分の感情の揺れ。一つ一つのエピソードがいいのはもちろん、作品全体に流れる空気に身をゆだねたい。 8点(2004-03-21 23:23:33) |
86. 狼たちの午後
事の顛末は、以前日本テレビ系のバラエティ番組で紹介されており、むしろそちらの方がコメディ仕立てで面白かった。事件の質から言えば笑うものであると思う。シチュエーションや起こる出来事が面白いので十分な質にはなっているが、アル・パチーノの熱演はむしろ熱すぎて余計。目指す方向を間違えたのでは。 7点(2004-03-21 23:10:59) |
87. マイ・フレンド・フォーエバー
《ネタバレ》 妙に押しが強い主人公に、気弱な病気の少年が振り回されたという印象が強く、相互の友情はあまり感じなかった。目線が一方的過ぎる。死ぬシーンの演出は見ててバレバレだったし。ラストはしっかり泣きましたが、評判ほどの内容ではないです。 7点(2004-03-21 23:06:01) |
88. ネットワーク
メディアの世界に対する強烈な皮肉と警鐘を感じた。現在のメディア界がこの映画に近づいてきていると思うのは決して考えすぎでは無いと思う。 8点(2004-03-21 22:44:38) |
89. 失われた週末
音楽やそれに伴う雰囲気は結構緊迫してますが、内容はそんなに大した話じゃない。偉大なる小品という感じ。しかし中毒になる心理はかなり伝わった。やりたいことがあるのに自信がなくてできない。そういう自分が嫌いで嫌いで仕方なく、もううまいとも思えなくなった酒を飲んで一時の現実逃避。救いの手を求めているはずなのに、手を差し伸べてくれる真面目でしっかりした兄がコンプレックスの対象になってしまい、ひねくれてしまう。一途に愛してくれている女性も負担に感じて拒絶してしまう。そのジレンマに苦しむ様子がつらく、刺さった。同じことを自分もしていないか、と。 7点(2004-03-21 22:35:07) |
90. エド・ウッド
映画が大好きで、行動力があって、弁が立って、仕事が速い。成功の要因は揃ってるはずなのに、一番必要なセンスが悪過ぎた悲劇の映画監督。のはずなのに、本人も周りのスタッフも何だかやけに楽しそうだった。多分、実際にも楽しかったのだろうと思う。「こんなに面白いのに、なぜウケないんだろう」という疑問が解けないまま死んでいったかと思うと、気の毒な反面やはり笑ってしまう。ベラ・ルゴシとの友情も素直に胸を打つ。 9点(2004-03-21 22:26:48)(良:1票) |
91. ギャラクシー・クエスト
かなり甘い。それでも筋の噛み合わせが抜群に良く、見てるうちに乗せられてしまう。夢の無い現状に慣れきった登場人物たちが、段々気合を取り戻していく過程がとても爽やか。見終えた後、「アメリカの映画見たー」って感じになる。 8点(2004-03-21 20:40:25) |
92. プラトーン
悪くないとしか言いようが無い、ほどほどの映画。想像を裏切るような展開も特に無く、いかにも常識に溢れたビジネスマン的な性格の監督だな、という感じ。「このシーンを見せたい」という気持ちが強すぎて、ややあざとく感じられるのが難。戦争の皮をかぶった社会人一年生物語。 6点(2004-03-21 20:33:01) |
93. 駅馬車(1939)
典型的と言ってしまえばそれまでの多様なキャラクターが乗り合わせ、各々の性格通りの行動でドラマが細やかに描かれている。ジェロニモに襲われるシーンのスピード感溢れるアクション、ジョン・ウェインの不器用な恋など、エンターテインメントの全てが注ぎ込まれた傑作。 10点(2004-03-17 01:36:14) |
94. マンハッタン
イヤミなくらいシャレた大人の恋愛映画。クラシカルな音楽からNYの風景まで、ウディ・アレンの美学が指先まで浸透している。どうしようもない現実にあきらめるラストの多いこの監督の映画にしては、珍しく希望が見えるラスト。教訓としては、やたら理屈ばっかり述べるくせに不倫という理屈に合わない行為をしている女は、やはり幼児的な依存心を持ち続けていて信用できないなと。 9点(2004-03-17 01:30:36) |
95. パピヨン(1973)
脱獄ものの割には全然スカっとしない不思議な映画。途中まではもちろんマックイーンを応援しますが、終盤は、もうやめとけよと止めたくなる。あきらめない不屈の精神というよりも、脱獄するという行為に依存しきった哀れな男の生き様を感じた。 7点(2004-03-15 00:06:04) |
96. 情婦
《ネタバレ》 原作の短編「検察側の証人」が切れ味抜群の幕切れなだけに、ラストのもう一ヤマは蛇足としか思えない。看護婦とのかけあいといい、ビリー・ワイルダーが何とか自分の世界に塗り替えようとした感じ。弁護士のイカすキャラクター脚色は素晴らしいけれど、やはりどんでん返しのあるミステリーっぽいミステリーには向いてない監督だ、と思った。 8点(2004-03-14 23:59:12) |
97. マーティ
人が日常生活の中で感じる色々な負の感情が満載。意地やプライドを捨てきれないひねくれた寂しい姑。屁理屈言いながら傷をなめあい寄りかかり合ってるモテない男たち。その中でもマーティとその親友の空気の読めなさは最強。だからモテないんだよ、と他人事のように笑った。一人のモテない男を中心に据えた細やかな群像劇とも言える。人が幸せになるためには、つまらないプライドや見栄をいかにして剥がしていくか、という大きな宿題をもらった気分。 9点(2004-03-14 23:52:16) |
98. 天国から来たチャンピオン
《ネタバレ》 とにかく雑。いろんな行動の後始末が気になって仕方が無い。70年代映画のもつ空気やテンポの良さは好きですが、そこまで絶賛されるほどではないな、と。ラストが友情ではなく恋で終わったところが、ものすごく胡散臭くてイヤでした。 6点(2004-03-14 23:39:07) |
99. ギルバート・グレイプ
妥協と絶望と無抵抗を綺麗にラッピングしたような映画。とにかく人物設定があざとい。まともな神経の人間とそうでない人間が嘘みたいに綺麗に分けられている。「サイダーハウスルール」を見た時も思ったが、とにかく下品。下衆。 4点(2004-03-14 23:33:30) |
100. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
《ネタバレ》 見てる途中、命令される快感のようなものが湧きあがってきた。ナイーブで優柔不断で押しの強い人間に抑えられてしまうチャーリーにとって、フランクが精神的に頼れる父的存在になってくる。救いだらけのいい話ではあるけれども、これほど主役が何も変わらないのも珍しい。救いに値する、本当の友人かどうかを考えるべきでは?と思った。 8点(2004-03-14 01:46:45) |