1001. ライトスタッフ
音速飛行、宇宙開発に実際に挑んだ男たちの生き様を描いた展開は、非常に興味深く濃厚なリアリティはあった。しかし、長い尺のわりにはそれぞれのキャラクターの人物描写に深みがなく、ドラマ性が伸び悩んだ感がある。トップパイロットでありながらひとり宇宙開発に対し背を向けたイエーガーの存在を全体的にもっと強調してほしかったと思う。 6点(2004-02-04 18:26:27) |
1002. リクルート
ストーリー展開のどんでん返しの妙を多少大げさにプロモーションしていたせいもあって、ストーリー的にはやや終盤伸び悩んでしまったように感じる。ただそれでも何が真実か分からない展開は緊張感に溢れ、この手のサスペンス映画としては充分のクオリティだったと思う。キャラクター的にはやや希薄だったが、濃厚なアル・パチーノの存在感が映画にハクを持たせている。 [映画館(字幕)] 6点(2004-02-01 22:54:31) |
1003. マトリックス リローデッド
映像面でもストーリー面でもやや破綻してしまっているというのが正直な感想。映像的には、めまぐるしく動き回るアクションシーンの創造力は確かに圧倒的であるが、それがクオリティ高くまとまっているかと言えば疑問が残る。いろんなものを詰め込みすぎてどのシーンも少しずつ完成度を欠いたという感は否めない。ストーリー的には、3部作の中間作ということを差っ引いてもあまりにも混乱しすぎである。特に終盤怒涛のごとく繰り返されるコンピュータ用語の連発には、詳しくない者には少々参ってしまう。娯楽大作と割り切ってしまえば、充分に完成された映画と言えるが、これが「マトリックス」である以上、そういうわけにはいかない。 6点(2004-01-30 22:28:27) |
1004. クロッシング・ガード
思想的にかなり偏った描き方のようにも思うが、そこがショーン・ペンらしいといえばそうで、監督として彼の持ち味なのだと思う。ジャック・ニコルソンの存在感が高く、彼を尊敬してやまないペンだからこそ描き出せた悲哀に満ちたダンディズムがそこにある。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-30 22:02:24) |
1005. 北北西に進路を取れ
主人公が理解不能のままとにかく逃げ惑う中盤までの展開は斬新さと緊張感に溢れた優れたサスペンスを見せてくれるが、中盤以降、主人公が妙にスーパーマン化してしまいパフォーマンスが大げさになる分、リアリティが薄れた。予想以上に平凡なラストの顛末もやや拍子抜けする。サスペンス映画はやはり終盤こそ起伏に富んでほしい。 6点(2004-01-30 18:13:45)(良:1票) |
1006. チェンジング・レーン
ベン・アフレックの大根役者ぶりは個人的には頂けないが、演技面ではサミュエル・L・ジャクソンが巧くカバーしていた。多少詰め込みすぎという感はあるが、誰にでも起こり得る日常のサスペンスを興味深く描き出すことに成功している。映像的な工夫がもう少しあれば、現代のヒッチコック映画とも言える雰囲気を持っていると思う。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-30 18:09:41) |
1007. ディナーラッシュ
緊張感のある厨房内の映像をはじめとする映像感覚は非凡で目を見張るものがあった。予想外のラストも小気味良く満足感はあったが、中盤の群像劇にもっと秀でたドラマ性があれば更に膨らみをもった秀作に仕上がっていたと思う。 6点(2004-01-30 18:04:25) |
1008. シカゴ(2002)
決して悪い映画ではなく良く出来た映画だと言えるかもしれないが、今作が真の好評を得るのは米国でしかあり得ないという印象を持った。特に主演女優2人が白いマシンガンを持って歌い踊るラストシーン、賛否はあろうが、個人的にはあのシーンこそアメリカ社会を象徴するものに他ならないと思う。今作はオスカー作品である。アカデミー賞がアメリカのものである以上、至極当然のことなのだろう。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-30 17:51:42) |
1009. スパイダー パニック!
大作映画監督であると同時にB級映画監督でもあるローランド・エミリッヒならではのB級テイストへのこだわりが存分に味わえるモンスター映画だった。半端のない巨大グモの大量発生&強襲はB級モンスター映画ファンにはたまらないものだったに違いない。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-30 15:50:51) |
1010. ストーカー(2002)
まずい邦題に惑わされがちだが、今作は決して“ストーカー”を描いた映画ではないと思う。現像所に持ってこられる家族写真に自分の理想と人生を被せる主人公の行為は明らかに異常であるが、今作で描かれるものは、その哀しい男のやるせない生き様と犯罪である。世の中のすべての人は、この男になりえるのかもしれない。中盤の展開がややかったるく、テンポの悪さは気になったが、非凡な映像センスには驚いた。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-30 14:42:13)(良:1票) |
1011. マイノリティ・リポート
流石スピルバーグとうならずにはいられない映像世界には圧倒された。しかし、スピルバーグのテイストはフィリップ・K・ディックのオリジナルの持つクセを消してしまっているように思う。それくらい他のK・ディック原作映画と比べるとあまりにストーリー展開が凡庸である。物語の持つテーマ性に対して映画の結末はあまりに安易で、チープだった。スピルバーグでなければあの映画世界はなかったかもしれないが、やはり他の個性派監督が撮っていればもっと興味深い映画になっていたように思う。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-27 23:50:37) |
1012. コラテラル・ダメージ
いち消防士があれほどまでテロリスト相手に大立ち回りしてしまうリアリティの無さは、普通は認められないものだけど、それがシュワルツェネッガーであれば何の問題もなく、むしろフツーのこととも思える。肯定的な意味で非常にシュワちゃんらしい今作は、近年の彼の低迷振りを払拭するエンターテイメントを提供できていると思う。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-01-27 18:51:53) |
1013. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
こういう音楽性を存分に打ち出した映画はあまり得意ではないのだけれど、主人公のキャラクターとその生き方は凄まじいまでのエネルギーが伝わり、作品としても熱情に溢れたものに仕上がっている。 6点(2004-01-26 18:00:36) |
1014. アトランティス/失われた帝国
ディズニー映画といえばミュージカルシーンがお約束というものだが、今作ではそれが一切なく、SFアドベンチャーが徹底して展開される。映画自体の出来としては、エンターテイメント性に富んだストーリー展開を楽しめるものだったが、やはりディズニー映画らしさはなかったかもしれない。 6点(2004-01-26 17:56:27) |
1015. インソムニア
大ヒットした「メメント」に続くクリストファー・ノーラン監督の作品だったので、分からなくもないが、プロモーションにおいてあまりに濃密なサスペンスを強調したことは失敗だったと思う。確かにサスペンス映画には違いないかもしれないが、今作の場合重点的に描かれるものは主人公の因果と良心についてのドラマであり、サスペンス要素は極めて薄い。なので作品的には良く出来た映画だと思うのだけれど、当初の印象とは異なる展開に違和感を覚えてしまった。この映画に限らず、監督や俳優の前作の印象による安易な宣伝は多いので何とかしてほしい。 [映画館(字幕)] 6点(2004-01-18 02:50:08) |
1016. タイムマシン(2002)
予想を遥かに超えるVFXのクオリティの高さは見事で満足度も高かったが、ストーリー的に最後の最後で躓いてしまった。大筋の展開としては空想と説得力に富んだものだったのに、ラストの顛末で一気に興ざめしてしまう。その手前で終わっていれば、時間の概念を真摯に捉えた秀作に仕上がっていただけに、あまりに安易で幼稚な締めは惜しいの一言に尽きる。 6点(2004-01-17 04:42:19) |
1017. エネミー・ライン
全く期待せずに当時働いていたレンタルビデオ店のサンプルを暇つぶしに観たのだけれど、リアリティを排除した潔い娯楽性が意外に楽しめる要因となった。宣伝コピーが戦争映画を想像させるが、まったくの娯楽アクション映画と割り切れば充分に楽しい映画だと思う。 6点(2004-01-17 04:25:28) |
1018. ウィズ・ユー
ケビン・ベーコンの演技も悪くはなかったが、それに打ち勝つ子役の少女の演技が見事だった。愛らしく理知的な心優しい少女を実に魅力的に演じていたと思う。最近では「アイ・アム・サム」のダコタ・ファニングにも驚かされたが、アメリカの子役たちの演技レベルはどうしてあんなに高いのだろう。 6点(2004-01-17 03:52:48) |
1019. ゴースト・ドッグ
黒人の殺し屋に武士道を語らせるという設定は実に鮮烈でインパクトの強いものだったけど、そのインパクトを生かせるだけの盛り上がりが映画自体に欠けたように感じた。ジム・ジャームッシュの作風的にエンターテイメント性に足らない部分は仕方ないのかもしれないが、設定自体は相当にエンターテイメント性に溢れるものだけに、ローテンションに終始してしまったことは残念だ。 6点(2004-01-13 15:37:50) |
1020. チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
ここまでメチャクチャにやっちゃえば、ストーリーが陳腐なんてことは関係なく、一級のエンターテイメントに間違いない。前作でもそれは言えたけど、続編となる今作はさらにさらにパワーアップ☆破天荒なアクションと躊躇ないセクシーさで圧されまくる。単純さもここまで突っ走れば、素晴らしい。 [地上波(吹替)] 6点(2004-01-13 15:08:39) |