61. 誰よりも狙われた男
銃を一切使わない重厚なスパイ映画。リアルだけれど地味すぎてちょっと趣味じゃなかった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-09-28 22:20:45) |
62. ふたりの人魚
苦手なウォン・カーウァイ監督の作品かと思ったくらい。ハンディを多用して、気だるくオシャレな詩情あふれる映画。幻想的というか寓話的というか、独特の雰囲気で酔わせるようなラブファンタジーという印象で、輪郭のはっきりしたストーリーにのめりこみたい向きには合わない。 [DVD(字幕)] 4点(2015-07-09 23:15:22) |
63. 黒猫・白猫
映画館で鑑賞したが、少し眠くなった。 ドタバタにぎやかな印象だけで笑いのツボも合わず。 映画のハイテンションとのギャップがはっきりと。 [映画館(字幕)] 4点(2013-01-12 22:55:28) |
64. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
《ネタバレ》 余命数日と宣告されているのに、そんなことはまったく感じさせないような溌剌さで強盗に励む主人公。そして、思い出したかのように都合よく病状が出て一時的に苦しんだかと思えば、また元気一杯に走ったり笑ったり。コメディーとしてノリかけても、その度にシラケてしまう。 余命幾ばくもない病気という設定が必要だったのか甚だ疑問。病気ではない何らかの事情があったというほうが、ストーリーにすんなり入れた気がする。フィクションだから嘘の世界というのはわかっているが、上手に騙してほしいのに。 主人公を追うギャング2人組のキャラはユニークだし、瀕死の病気設定以外は良かったのでもったいない。切ないはずのラストにも心がまったく動かず。リアリティもクソもなく、イケメンを愛でるためのファンタジーのようで、ボーイズラブ好きな女性には絶対ウケそう。 そういえば、『病は気から 病院へ行こう2』もヒロインが死の病にかかっていたが、全盛期の小泉今日子のかわいさだけで画面が持ったのを思い出す。ただ、小泉今日子に関心が持てなければ駄作でしかないのだろうけど。 [DVD(字幕)] 3点(2015-12-11 23:00:43) |
65. パッション(2012)
《ネタバレ》 デ・パルマ監督らしい怪しい雰囲気を持つ映画。手柄を横取りして部下を利用するだけの腹黒い女上司。そんな正体を知ったイザベルが、見切りをつけて反旗を翻したものの、酷い仕返しを受けてしまう。ミーティングで笑いものにされる屈辱に、イザベルの居たたまれなさや怒りが伝わってくる。こわばった顔のイザベルが、無理に高笑いするシーンが痛々しい。この女上司が本当に憎たらしく嫌な女なので、自然とイザベルに肩入れしてしまう。 映画館とクリスティーンの部屋のスプリット・スクリーンで、犯行時の様子を描く。ここで見せる部分と隠す部分を上手に計算しているので、犯人がわからずサスペンスフルに。その辺りまではおもしろかったのだけど、現実と夢の境目が怪しくなって、薬の副作用の芝居ともからまって混乱させられ、どんどん嫌な予感が。そして、見たくなかった夢オチ的ラストで、もうガッカリ。 イザベルの精神が壊れてしまっていたということだろうけど、どうもスッキリしない。結局、双子の姉という設定も、中途半端に終わった印象。 [CS・衛星(吹替)] 3点(2015-05-24 21:42:01) |
66. インビジブル(2000)
《ネタバレ》 透明人間になったのを利用して、シャワーを浴びる美女の部屋に忍び込んでなんて話は、コミカルな漫画かB級テイストの低予算映画の得意分野。 ところが、次々と殺人を犯して、派手な爆破もありと、相当な制作費をかけて有名俳優も主役に置いている。 ストーリーや設定も強引で、犯罪を犯すにしても天才エリート科学者が殺人鬼のジェイソンかと思えるような無軌道な暴れっぷり。 エロならエロ、ホラーならホラー、B級ならB級に徹したほうが良かった。 映像技術の進化には感心するけれど、全般的にチグハグで違和感たっぷりで、ヴァーホーベン監督がなんとも無駄な贅沢をしている印象。 [地上波(吹替)] 3点(2015-02-10 22:26:34) |
67. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
《ネタバレ》 まったくどんでん返しになっていないラストに呆然。 あまりにも見え見えだったので、それがミスディレクションでもう一ひねりあるだろうと思ったくらい。 ところが、早くから予想された通りの真相で、拍子抜けもいいところ。 レイプ殺人の被害者とされた女と、犯人とされた同僚の男が、ともに死刑廃止の活動家ということで、事件の真相は見えてくる。 それに、ケヴィン・スペイシーということで、どうしてもカイザーソゼのイメージがあって、素直に冤罪の被害者で終わるとも思えない。 そこで死刑撤廃を目的とした計略が疑われるが、それにぴったり合致するようなシーンが続く。 デビッドがビッツィーへ孤独と不安を抱える二人が愛し合ったところで、やっぱり二人は共犯だったと予想が確信に。 愛する女の思いを遂げさせ、一緒に死んであげるというのは、究極の男の純愛か。 愛というよりは共感と、冤罪ですべてを失ったことへの絶望と復讐のような動機かもしれないが。 ただ、中盤から真相が見えてしまい、謎解きやどんでん返しのサスペンスの醍醐味は味わえず。 そういったことを抜きにしても、内容的にもスッキリはしない。 死刑廃止の思想も、それを実現する手段もまったく共感できないし、生死をかけてそこに突き進んでいくことに違和感を覚える。 コンスタンスがデビッドも犠牲になる偽装計画に反対しなかったのも解せない。 [DVD(吹替)] 3点(2015-02-10 22:25:31) |
68. 愛のめぐりあい
《ネタバレ》 4編のラブストーリーから成るオムニバス。 なんだか芸術的で哲学的な映像とストーリー。 さまざまな男女の愛の形が描かれるのだが、中にはよくわからないものも。 恋の始まりやアプローチが唐突であったり動物的なほどアグレッシブだったり、これが西欧文化との違いなのか、情緒的にもついていけない。 『ありえない恋の物語』など、その言葉通りにありえなくて理解できない。 巨匠アントニオーニ監督の紡ぐ哲学的なセリフに煙に巻かれた印象。 一話『ありえない恋の物語』でイネス・サストル、二話『女と犯罪』でソフィー・マルソー、三話『私を探さないで』でキアラ・カゼッリがそれぞれ美しいヌードを披露。 四話『死んだ瞬間』イレーヌ・ジャコブも気品のある美しさで、各話それぞれ女優の美が印象的。 [DVD(字幕)] 3点(2015-02-08 23:54:09) |
69. ナイト・オン・ザ・プラネット
《ネタバレ》 5つの都市でのタクシーを舞台にしたオムニバス。 ①「ロサンゼルス」ウィノナ・ライダー扮する蓮っ葉なドライバー。 そのタレント性を見出した業界関係の女性客がオファーしても、生き方がブレずに素っ気なく断るのがカッコいい。 ②「ニューヨーク」黒人客が拾ったのは、運転もろくにできない東独からきたばかりのドライバー。 業を煮やした黒人客が代わりに運転席に。 ③「パリ」コートジボワール移民の黒人がドライバー。 黒人酔客二人の態度に我慢できずに途中で降ろし、次は盲目の女性を乗せることに。 ラストは事故って、盲目に引っ掛けたちょっとしたオチもついている。 ④「ローマ」客の状況を考えずにやたらしゃべりまくるドライバー。 薬を落としてそのまま逝ってしまった老神父にやっと気づいてオタオタする、たいして面白くもないコメディ。 ⑤「ヘルシンキ」不幸なことのあった客より、もっと不幸な身の上だったドライバー。 なんだか不幸自慢対決のようで。 5編通じてウィットが効いてちょっとオシャレな感じ。 でも、それだけといえばそれだけで心に残りそうなものはない。 夜のタクシーでの会話と雰囲気は独特のものが感じられるが、おもしろいとは思わない。 オムニバスを傑作にするには難しい。 この作品でもやっぱりそう感じてしまった。 [DVD(字幕)] 3点(2015-01-30 21:49:42) |
70. 奪還 DAKKAN アルカトラズ
《ネタバレ》 セガールの体が重そうで、アクションが俊敏に見えない。 設定やストーリーも雑。 サーシャが潜入捜査官だとあっさりニックに白状して、たいした山場もない。 潜入捜査官が実はニックだとかの捻りもないので、どこにも意外性がない。 派手な銃撃戦や爆破をやってりゃいいってもんじゃない。 [地上波(吹替)] 3点(2014-11-28 00:15:56) |
71. アンダーグラウンド(1995)
《ネタバレ》 マルコとクロの顔の区別がなかなかつかなくて混乱。 後半になってやっと見分けがついてきたほど。 初めて見る外国人俳優が同じような体格、髪型、ヒゲ面だと、見分けるのに苦労する。 シリアスな歴史ドラマか、シニカルなコメディか、はたまた社会派ファンタジーか、いずれにしても個性的で癖のある映画。 だけど、その独特の世界観がとっつきにくく、あのやたら騒がしいノリもどうも合わない。 身内ネタでハイテンションに盛り上がるパーティに出て、付いていけなくて隅っこで固まっているような居心地の悪さ。 終盤になってようやく面白くなってはきたが、それまでが長すぎる。 3時間近くある映画だが、もう少しコンパクトにまとめてくれないと。 内容も旧ユーゴの歴史に馴染みが薄いのであまりピンとこない。 そうしたことに詳しいと、皮肉に満ちたメタファーももっとはっきり伝わるのだろうけど。 いろんな点で、苦手なタイプの作品。 [DVD(字幕)] 3点(2014-11-19 00:17:07) |
72. スクール・オブ・ロック
文字通り子供騙しの映画。 サッカーの授業でやたら生徒の中に入って自分でゴールを決めたがる体育教師がいたが、その時の皆の冷めた目を思い出した。 あまりにも素直に付いていく健気な子供たちが不憫に思えてくる。 それに、バンドってメンバーの数人以外は物足りなくて、クラス皆が盛り上がるには一番向いてないと思うけど。 [DVD(吹替)] 3点(2014-08-20 19:03:32) |
73. インフォーマーズ セックスと偽りの日々
《ネタバレ》 ドラッグとセックスに溺れた退廃的なセレブの世界。 欲望のおもむくままに体を重ねる男と女。 副題からB級エロ映画と思われそうだが、意外や豪華キャスト。 さすがにキム・ベイシンガーも若くはないのでヌードはなし。 代わりにアンバー・ハードが誰とでも寝るような女を演じて脱ぎまくっている。 私生活でジョニー・デップをメロメロにするだけのことはある。 でも、見どころはそれくらい。 人間関係が複雑で、頭の中で整理するのが追いつかない。 あの男とあの女が不倫で、あの男の妻はこっちの男と関係があって、それが息子の友人で… もう肉体関係、血縁関係、交友関係が入り乱れて、何が何だかわからない。 もっと核となる人物を絞らないと、深いところまで描ききれないだろうに。 ラストも「え?これで終わり?」と口がポカン。 広げた風呂敷を広げっぱなしで置いていった感じ。 冒頭の交通事故死から始まって、ドラッグ、不倫、夫婦の崩壊、子供の誘拐、親子の断絶、最後はエイズと負の要素が連なって、退廃と閉塞感で後味も良くない。 出演者はそうそうたる顔ぶれなのに、無駄遣いでもったいない。 この顔ぶれなら日本でもある程度集客を見込めそうなものだが、ようやく製作6年後にテレビでオンエアされたものの、劇場未公開に終わったのも無理もない。 豪華キャストといえば、レンフロとミッキー・ロークにエンドロールまで気が付かなかった。 本作はレンフロの遺作になったけど「マイ・フレンド・フォーエバー」「17」の頃のシャープな美少年ぶりが跡形もない。 ロークの若い頃からの変貌ぶりにもビックリ。 花の色は移りにけりないたずらに――女だけでなく男にも言えることなのか、特に美形で売っていた人には残酷だ。 [DVD(字幕)] 3点(2014-08-07 18:56:17) |
74. ウェディング・プランナー
よくあるパターンのラブコメでハッとするものが何もない。 このストーリーではジェニファー・ロペスにも魅力を感じない。 [ビデオ(吹替)] 3点(2014-04-09 23:11:00) |
75. ロード・オブ・ドッグタウン
《ネタバレ》 スポーツはたいてい何でも食いつけるが、スケボーは見ていても何が面白いんだかさっぱりわからない。 興味のないジャンルを舞台に何が起こっても、全然関心が沸いてこないので退屈。 カッコいいとも思えず、冷めた目で見つめるしかない。 だいだいプロスポーツものの映画化自体が難しい。 演じるのがスポーツの素人なので、本物のプロの技を見せられないからだ。 この映画でも役者がスケボーの大会で技を見せているが、すごさがまったく伝わらなかった。 それなのに、すごい技が決まった態で話が進行するので、そのギャップに戸惑う。 メインのキャラクターも好きになれない。 無法者のギャング映画は好きだけど、なぜだかこの映画のティーンはウザく感じた。 中途半端で傍迷惑なガキがメインでは、ストーリーに乗れなかったのかもしれない。 青春ものは好きなジャンルの一つではあるけど、この作品は生理的に合わなかったようだ。 ただ、時を経てそれぞれがまったく違った人生を歩んでいる姿には感じるものがあった。 ラストで4人が昔の仲間に戻ってプールで遊ぶシーンは、退屈じゃなかった。 [DVD(吹替)] 3点(2013-01-06 00:50:25)(良:1票) |
76. ホーリー・モーターズ
映画を作るとき観客のことをまったく考えていない、観客より自分自身のことを考える。そう言った監督の言葉通りの印象。 シュールで前衛的かつ哲学的、最も苦手なタイプの映画。 [DVD(字幕)] 2点(2016-11-03 06:40:55) |
77. 快楽の悪の華
《ネタバレ》 弁護士事務所を解雇されたのに妻には言えず、男娼で稼ぐ男が主人公。この男が政治家の夫と寝る寸前までいったときの写真をネタに恐喝しようとして逆襲を食らう。 身から出た錆としかいいようがなく、主人公を叩き潰そうとする悪党のほうに肩入れしてしまった。主人公としての魅力がないし、ストーリーもありきたり。主人公は素人なのに闇組織の人間なのかと疑うほど、殺し屋を使ってくるような相手にやたら強気なのにも違和感。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2015-08-26 20:49:51) |
78. エアフォース・ワン
《ネタバレ》 大統領役のハリソン・フォードが、特殊工作員並みの活躍でテログループに一人で立ち向かう。 そんなリアリティのない設定より、やっぱり大統領は主人公に守られる存在であったほうがすんなり受け入れやすい。 大統領がテログループに狙われる映画は今まで幾つもあったけど、どの作品も大統領は守られる存在だった。 大統領に工作員並みの活躍をさせないのは、それをやるといろいろぶち壊しになるからってことだろう。 殺されたパイロットの代わりに大統領が操縦までしだしたのには笑ってしまった。 おまけに、最後は大統領が助かったことで、多くの犠牲者が出たことなどなかったことのように大団円の拍手喝采。 カタルシスも何もあったものじゃない。大統領バンザイのバカ映画。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2019-07-01 20:37:10) |
79. 闇のあとの光
《ネタバレ》 大嫌いな独りよがり系の映画。馬鹿にはこの俺の芸術がわからないとかなんとか嘯きながら、精一杯シュールに独自の世界観を作っているのが透けて見えるよう。エフェクトのかかった映像にもイラっとする。シーンの繋がりも不明。ラグビー部のシーンが挿入されたかと思うと、サウナで夫婦が乱交に加わったり、セリフが違う国の言葉になったり、成長した子供の姿があったりで、シーンによって場所、時間が脈絡もなく飛ぶので、散漫でまとまりのない他人の夢を見せられているみたい。 まるでマイルール、独自の文法を使って綴っているようで、わけがわからない。映画なんて観客に伝わらなければ何の意味もないのに。お金を取るプロならば、多くの人にわかりやすく正確に伝える工夫ぐらいはするべき。あまりにも客におもねったり説明のすぎる演出はかったるいけれど、これはあまりにも客を無視しすぎ。監督自身は「観客をリスペクトし信じているからこそこのような語り口になった」と語っているが、それさえも独りよがりなこじつけに聞こえる。 セブンが自分の首を引っこ抜いたときに至っては、こちらも邪悪なサタンに生気を抜かれたようで、もう口あんぐりで脱力状態。カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞してはいるが、既存のものから意識的に外して斬新さをアピールしているようで、いかにも玄人狙いでカンヌで賞を取りにいった感がする。少なくとも大衆向けの作品ではない。賛否が分かれて受賞時には大ブーイングも起きたらしいが、そのブーイングのほうに同調したい。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2015-05-15 00:28:04) |