1. バーニング・ムーン
物凄くとんでもない鬼畜大スプラッター映画位の意気込みで観たので拍子抜けしたのが第一印象です。Blu-Rayで観たのですが画質が鮮明になればなるほどチープさが浮き彫りになり作り物感が出てしまうかもしれません。オープニングや音楽はそこそこカッコイイですが話はあって無いようなもので、終盤の血みどろ以外はあまり見どころがない気がします。既視感のあるような描写(ゾンビやサンゲリアぽい点や死体はネクロマンティックぽい)が多く目新しさもありません。神父のケツがだらしなくてしかも白いのも不快でした。ビデオよりフィルムのほうがチープさは隠せますね。1992年に観るのとCG全盛の30年以上後に観るのでは描写への捉え方が違うかもしれません。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2023-11-12 20:53:09) |
2. アンチクライスト
《ネタバレ》 トリアーは演出家として役者の煽り方は毎回凄いと思う。この作品以外でも役者は皆とりつかれたかのような演技で観るものを圧倒します。この映画の主演2人も本当に鬼気迫る素晴らしい演技でした。ただあまり宗教的な部分を理解できていない自分としては、悪魔がどうとか森の中で異変を起こしていく過程と、息子を亡くした心情がシンクロして何故こうおかしくなっていくのかあまり繋がらなかったです。あと神とか悪魔とか人間の域を超越したテーマっぽいのに、突然生々しいセックス描写が出てきたり股間打ちつけたり性器切り取ったりする俗っぽい演出がこれでもかと入ってきた瞬間、ああ、良くも悪くもトリアーらしいなって残念な感じがしてしまって。ストーリーが難解だと言われていますが、鬱の時に作ったトリアー自体、そこまで明確なメッセージ持たずに作ったんじゃないかと思いました。点数つけるのものすごく難しいですけど、トリアーと予め理解して観たわけで、それなりに覚悟と期待をしてた自分の鑑賞後の気持ちでつけます。 [DVD(字幕)] 5点(2014-11-09 16:43:34) |
3. クライモリ(2003)
《ネタバレ》 こういうマジメなホラー映画って、時にどうでもいいシーン(本編に関係ない登場人物の恋愛とかエロ描写)が物語のテンポを悪くする事もあるんですが、この作品はそれが最小限に抑えられており、導入部の早さと展開の無駄のなさで84分、小気味良く進みます。 マウンテンマンと呼ばれてる殺人鬼3人は確かに怖く、途中までは「悪魔のいけにえ」を彷彿とさせました。中盤からは主役2人が森をさまよいながら脱出を図る展開でしたが、闘い慣れてるヒロインもご愛嬌として面白かったです。先を急ぐ必要のある男が、その道路(森)に行かざるを得ない巻き込まれ方もいいですし、グロ描写もやりすぎず刺激もそこそこありで良かったです。 でも冒頭の、近親者での子供がどうとか、それで畸形が産まれたみたいな説明と、ホラーの定番のあの終わり方(まだ生きてるぞってのも、ヒットしたら続編やりたいですってメッセージにしか聞こえない)の2つは不要ですね。ホラーに限れば多少話が破綻してても怖ければいいくらいの感じで作って欲しいです。 ヒロインの人は確かに美人、それでいて主役の男性と恋愛関係にならないのも逆に新鮮でした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-26 00:32:56)(良:3票) |
4. ファニーゲーム U.S.A.
《ネタバレ》 薄いですねー、映像作家として何も成長していない気が…。オリジナル版も胸くそ悪い映画で、不快と思わせる事が最高の賛辞みたいな作品でしたけど、わざわざこんな題材を10年も経ってからセルフリメイクしたことに全く意味を感じないんですよね。まぁ確かに勧善懲悪の映画作品が多い中、敢えて救われないバッドエンドの作品は希少ですし、実際人生なんて、不幸があってもそこから奇跡の逆転を遂げる事のほうが少ないですけど。そんなこと言われなくても皆さんとっくに気付いてるよって話ですから。娯楽作ではない事は確かですが、じゃあ狙いは一体何だったんでしょう?突然災難は降ってくるよって警告でしょうか?もしそうだとしたら、じつに余計なお世話ですよね。私は映画に希望や感動を見出したいですから、ハネケとは対極の気持ちで映画を楽しみたいです。 [DVD(字幕)] 0点(2009-11-17 11:28:20)(良:2票) |
5. イーグル・アイ
《ネタバレ》 監視と言うと「エネミーオブアメリカ」や「マイノリティリポート」、コンピュータの暴走は「2001年宇宙の旅」を思い出し、目新しさや驚きはないものの、中盤過ぎた部分で冒頭の誤射と繋がって「うまいなぁ」と素直に感心させられました。ご都合主義に危機をかいくぐるのもまぁ主役が簡単に死んでしまうと成り立たない事を考えれば仕方ないです。起承転結もしっかりしてて構成や演出も全て及第点ではないでしょうか?アリア位の優秀な人工知能の場合は、双子で声帯が完全に一致しなくても、中で細工して勝手に一致させてそうですけどね(笑)ただラスト、一番緊張の高まる部分での音符「~♪」表示!あの親切は過剰演出というか、さすがに要らないですよ~。俺がアリアだったら、回りくどい指示とか出さず、途中で車を吊ったあのUFOキャッチャー形式で、直接シャイア君を心臓部まで一気に連れてきますよ。 [DVD(吹替)] 7点(2009-06-25 09:52:49) |
6. バリスティック
《ネタバレ》 90分の尺なのに何故かものすごく長く感じる・・・。多分中身が薄いからでしょうね。2002年にこんなノロいアクション映画作るとは・・・。バンデラスに清潔感もカッコ良さもなく、ルーシー・リューの動きはまるで「ハイパーゆっくりマトリックス」というか「超スロー版ウルトラヴァイオレット」というか(制作年からいけばあっちのほうが最近なんだけど)。 お金かけてる部分だけ迫力見せるためにわざとスローにする演出とかは珍しくないけど、スナイパーが落下する所までスローなので思わず「ここじっくり見せる必要あるか?」と画面に突っ込んでしまいました。 中盤まで主役2人が対決姿勢だった所までが4点なら、組んで一緒に戦い始めてから2点てとこでしょうか。しかも組んでからのバンデラスは人が変わったかのように強い。序盤まではなんだったんでしょう?音楽の使い方もセンスの良さを出そうと過剰にかけてるんだろうけど、それが逆にチープさを醸し出しており、同時にアクション映画の肝となる緊張感までなくしていますし。 爆発もすごいっちゃすごいけど、そこまで珍しくないですよね。ジェリー・ブラッカイマー作品とか、レニー・ハーリンの映画ではもっと上をいってる気もしますしね。本当は2点にしたいんだけど、バンデラス好きなのと、銃を乱射してる時のルーシーのほっぺの揺れに萌えたので+1点しちゃう。 [地上波(吹替)] 3点(2009-04-27 11:33:24) |
7. 善き人のためのソナタ
《ネタバレ》 出だしでは精神的に数十時間も寝かさずに尋問する冷徹な主人公が、徐々に善い人に変わってきて、結局盗聴してた芸術家の執筆に目をつぶる。心が移り変わるきっかけは盗聴先のあの曲にもあるでしょうが、むしろ一連のドライマン(盗聴されてた芸術家)の周辺の事情や彼の信念に基づいた行動に触れたからではないでしょうか? 印象的だったのは、エレベーターで乗り合わせたボールを持った子供が主人公に「シュタージ(国家保安局)は悪い人だ」と言う所。それに対して「誰にそう教わった?」と聞き返すと少年は「パパに」と答える。そこで「名前は?」と聞かれると、子供ながらに父親を守りたい気持ちから「僕の名前?」ととぼける。そこで少し間を置き「その持ってるボールの名前は?」と言う。あの段階で既に彼はすっかり善い人になってたんだな思いました。 ヴィースラー大尉、ドライマン、ドライマンの奥さん役の人、皆すばらしい演技でした。当時の東ドイツが置かれていた監視社会の実像を目の当たりにしてみて、改めてこの国の自由さにありがたみを感じました。悲しいけれどあそこで奥さんが犠牲になった事で、ドライマンもヴィースラー大尉も助かりましたね。そして皆さん仰るように最後が素敵。「これは僕のための本だから」。ドライマンが直接お礼を言うのではなく、作家らしく本にお礼をしたためた辺りがいい。 最後に救われる映画です。8点の評価内容そのまんま「見た後、率直に面白かったぁ・・」って言える作品です。 [DVD(吹替)] 8点(2009-02-01 22:42:18)(良:3票) |
8. アンダーワールド(2003)
ぐるぐる回りながら床に銃を乱射して、床をズボっと抜いてキチっと着地体勢を取ったベッキンセールがめちゃカッコよかった!ストーリーはありがちだけど、ヒロインの魅力とアクションで飽きさせなかったです。長いコートを着て敵に向かう主人公の絵って「マトリックス」以降急に増えましたね?カッコいいから構わないんですが。 [地上波(吹替)] 5点(2008-01-29 18:36:17) |
9. M:i:III
《ネタバレ》 追い詰められて大逆転はアクション映画の常套手段だけど、今回は追い込まれ過ぎて観てて息苦しかったですね。それに↓にも書いている方がいたけど、結婚という転機を描いた事で、このシリーズでは別に見せる必要も無い「イーサンの心の葛藤」が中心となり、終始攻められる構図になってしまったことで、世界が狭くなってしまった気がします。アクション映画に成り下がった2作目と比べると少しは良いのですが、やぱりこのシリーズには「頭脳戦」を期待してしまうので辛口です。「一度死んでも生き返らせればOK」がスタンダードになると「死んでしまう!!」という危機感を持った楽しみ方が出来なくなってしまうのではないかなという危惧もあります。トム・クルーズなのだから、もっとバリバリカッコいい映画に終始してもいいんじゃないですかね?少なくともこのシリーズだけは。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-11-19 11:51:55)(良:1票) |
10. ボーン・アルティメイタム
《ネタバレ》 絶対映画館で観てほしい!!これぞスパイアクションの完成形だと思う。ちゃんと「スプレマシー」復習しておくと興奮は3倍に!「スプレマシー」から変わらない(敢えて変えない?)音楽も、相変わらず無敵のボーンも、カーチェイス(バイクチェイス有)の迫力満点のカット割も、「少し休んだほうがいい、疲れた顔してる」のデジャブであってデジャブじゃない所も!屋根伝いの追いかけっこも全部全部スゲーーよーーーーー!!!!!!下に書いてらした方いたけど、最後「3日経っても遺体が上がらない」のニュースが流れた瞬間、ニッキーの微笑みとともに「スプレマシー」のラストと同じ音楽でかかって!あの瞬間全身の鳥肌がゾゾゾゾーーーーーッときた!ポールグリーングラス監督は「ユナイテッド93」も良かったけどアクション本当に上手い~!ネタ晴らしして誰も読まないかもですが、絶対劇場で大迫力の中でボーン誕生の秘密を知るべきだと思います!最後に。マット・デイモンはもう「リプリー」のダサパンツじゃないです。屈強なマッチョ・デイモンです!!こんな凄いエンターテインメント3部作を作った皆様に感謝したい気分です! [映画館(字幕)] 9点(2007-11-13 00:01:26)(良:1票) |
11. ボーン・スプレマシー
マットもすっかり男ですね(=^^=)カーチェイスシーンの盛り上げ方も秀逸! [地上波(吹替)] 8点(2007-11-11 18:33:26) |
12. ボーン・アイデンティティー
まさかマットをカッコいいと感じる自分に出会うとは…。リプリーの頃は想像すらつきませんでした。 [地上波(吹替)] 8点(2007-11-06 13:42:09) |
13. ジャーヘッド
《ネタバレ》 ほとんど盛り上がる事のない、全く面白くない戦争映画だけど、戦地行ってる人間にしたら、戦争に面白いも面白くないもないんだよなぁなんてしみじみ・・・。ジワリ「戦争・人間・アメリカ」の狂気が迫ってくるような秀作です。従来の戦争映画の形を忘れて、頭をからっぽにして観るべし。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-10-26 00:55:51) |
14. ワイルド・スピードX2
私は車好きではないですが、カーアクションとして無難に楽しめる作品だったと思います。お決まりのハッピーエンドは見えているし、別にハラハラもしないけど、ある程度のスケール感もあるし及第点の作品だと思います。少なくとも3作目よりは全然面白いです。デヴォン青木ちゃんが初めて可愛く思えました(^^) [地上波(吹替)] 6点(2007-10-08 01:56:34) |
15. エントラップメント
ゼタがレーザーをくぐる練習してる時の、彼女のケツを凝視するショーン・コネリーの顔にとても親近感を覚えました。さすが007、お歳をめしても男ですね、最高です(^^)話的にはかなり無理がありますが、まぁ映画の世界だし後味も悪くないからOKという事で! [地上波(吹替)] 5点(2007-09-30 23:59:53) |
16. ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT
ワケのわからないなんちゃってジャパンがまた観られました。予想通りのダメ映画。せめて日本を舞台にするのなら、主要キャストは日本人で固めて欲しい。カーチェイスにしてももういい加減マンネリな感じで・・・。最後の最後に出てきたヴィン・ディーゼルが嬉しかったので3点にプラス1点で。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-09-26 00:50:26) |
17. マイアミ・バイス
マイケル・マンらしい重厚な男のドラマであり、演出も見応えがあるが、イマイチ観た後に心に残らないというか、後半の盛り上がりに期待した割にはアッサリで残念な面がありました。それでも出演者は皆好演してるし、特にジェイミー・フォックスとコン・リーは非常に上手かった。ただ終盤の銃撃戦、画面が暗くて(夜の戦いだから仕方ないとしても)撃たれたのが敵か味方かよく分からない感じに少し戸惑いました。そしてベッドシーンはあそこまで何回もは要りません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-09-26 00:45:20)(良:1票) |
18. トゥームレイダー2
《ネタバレ》 全くピンチを感じさせないヒロインってどうなんでしょう?ハラハラしないし(パンドラの箱とか扱ってるのにまぁ映画の雰囲気が全体に軽い)どうせハッピーエンドなんでしょと思って観るから、無難と言えば無難だけど、新鮮味もありませんでした。彼氏の死に方も最後までぶざまでしたね(笑)しかしヤン・デ・ボンは作品に恵まれてないなあ・・・。「スピード」のように全編緊張感溢れるアクションをまた撮って欲しいです。というわけでアンジーの見事な肉体に4点献上。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-05-15 00:11:08) |
19. 16ブロック
《ネタバレ》 酒びたりで過去に汚点を持つ刑事が、過去の自分を精算して正義感を取り戻すという、一見目新しさの感じられない話も、敢えて無駄な脚色やエピソードを減らし、スケール感も抑えたこの作品では見事良作にまとめる事ができたと思います。「リーサルウェポン」のリチャード・ドナーと「ダイハード」のブルース・ウィリスのコンビなので、派手な作品を予想して観るとちょっと違和感を覚えますが、悪徳刑事仲間との決別、護送する囚人との友情に加え、警察の中にいる内通者の存在にドキドキもさせられ、見所が沢山あります。DVDに収録されていた別エンディングは非常に切ないので、本編どおりのオチは綺麗すぎる感もありますが個人的には好きです。しかしデヴィット・モースって凄く目が優しいのにこんな役が多いですねー・・・。あと妹の存在は、逃げられた女房的な感覚を一瞬、観客に騙す為だけにあったのかな?後半、バスを乗っ取った後、もう一盛り上がりあれば更に興奮できたのですが、それを差し引いても中々のヒット作だと思います。哀愁漂うブルースの見事な表情と役作りに8点献上。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-13 13:27:09)(良:1票) |
20. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
《ネタバレ》 サスペンスとしたらかなり面白い。でも死刑制度の是非や、オチを考えると満点とは言いがたい。脚本も無理に練りすぎている気がして、展開の要所要所がなおざりになっている感じもした。死刑制度に本当に反対なら、生きて戦うべきであり、1人の人間が死を軽視或いは身を持って証明した所で、何が変わるんだ?と思ってしまう(権威ある専門家の驕りとも思える)。学生の誘惑に負けて関係を持ったり、奥さんに離婚を突きつけられたり、そんな自分に自暴自棄になったからこその行動なのか?と考えたらあまり彼の行動は釈然としないし、彼の死を志なかばの非業の死とも思えなくなってしまう。あと社会派ドラマを目指すのであれば、観客を驚かせようとする部分はさほど無くてもいいと思うし、第一ケビン・スペイシーを主役に置いた時点で観客は(このままじゃ終わらないだろう)と疑ってかかる。彼は本当に上手い役者だが、ドンデン返しを狙う作品に使うのは少し間をあけた方がいいのではないか?ここまで続くと(ドンデン返し俳優)と思われ、観客は、はなから彼を疑い、結果映画の本筋を楽しめなくなってしまうかもしれない。でも死刑制度云々よりも、結果死を軽視した者が死刑によって命を絶たれた部分に考えさせられる作品だった。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-06 13:39:20)(良:2票) |