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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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1.  愛の渦 《ネタバレ》 
乱交パーティーに参加しながら最初は猫をかぶって真面目な堅い話ばかり。そこから本性のスケベ心をさらけ出すまでの探り合いが面白い。 本音が丸出しになると、人は人を傷つける。相手の一番痛いところをついて傷つけあう様が妙にリアル。ラストは男と女の差がくっきり。 乱交パーティーで出会った女に恋心が芽生えた男は、携帯番号を消すことを拒んで店員とひと悶着するほど。散会してもう会えないと思っていたところを、女に呼び出されて期待に胸を膨らませるのは当然だろう。それなのに「あそこにいたのは私じゃないんだと思います」と今後連絡を取れないよう携帯から登録を消してくれとのお願い。 女が男との行為中に「先輩!」と絶叫しながら喘いでいたのは、先輩への未練か願望か。どちらにしてもこうありたいとの女の本音が出たのだろうが、あれはあの場だけのものと割り切っている。が、男はそうじゃない。 「あそこにいたのが本当の自分だと思ってます」「いいですね…」 女は皮肉ではなくそのことを認める男がある意味羨ましかったのだろう。学校では友達と談笑しながらふと見せたつまらなそうな表情が物語っている。男は夢見るバカで、女はリアリスト。  『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の三浦大輔監督・脚本なので期待して観たが、その期待にちゃんと応えてくれた。この監督、やっぱり面白い。気取りがなく、斜に構えたところもない。センスがあって微妙なところを突いてくるのでニヤリとさせられる。後になってこの監督が劇団ポツドールの主宰者だったと知ったが、以前に小劇場で観劇したことがある。男の役者がパンツを下ろして自慰行為の場面があるなど相当際どい舞台だったが、この映画には確かにそのとき感じたポツドール色があった。 乱交クラブの一日というAVにありそうな設定なのに、エロ以外のドラマ部分がしっかりしている。魅力的な相手だけならいいけれど、とんでもないのもいるわけだから、よく参加できるなという印象。時々むき出しになる本音が、痛くて面白かった。 脱ぎ専のAV嬢や無名グラビアアイドルではなく、ちゃんとした女優を使っているのもいい。仮に門脇麦の演じた女子大生役を、女優とも言えないような脱ぎ専がやっていたら、あの生々しさは出ずに興ざめもいいところだった。メインキャストが腹を決めて裸を晒していた中で、三津谷葉子だけが乳首を死守していたのが妙に不自然。過去にヌード写真も披露していたはずだが、ここでの出し惜しみの意味がわからない。逆に、門脇麦は『蛇にピアス』での吉高由里子ばりの思い切りの良さと瑞々しい存在感を発揮。旬の時期に覚悟を決めて勝負できるかどうかは、女優にとっては分水嶺になるようで。身も心もさらけ出せる役者は迫力が違う。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-11 01:04:10)
2.  アフタースクール 《ネタバレ》 
内田けんじ監督は『運命じゃない人』もそうだったが、緻密に構成されたストーリーで予想の裏をかく。 登場人物の正体がなかなか明かさずにサスペンスで引っ張られる。 おおよその人間関係が把握できたかと思えば、そこでどんでん返し。 まんまと術中にはまってハッとさせられた。 予想の裏切りばかりを狙って失敗している某監督とは違い、ちゃんとベタで押さえる場面は押さえてラストでカタルシスもある。 大泉洋と常盤貴子が中学時代の淡い恋を成就させ、ハッピーエンドで後味もいい。 まだ作品数は少ないが、今後もとても楽しみな監督だ。
[DVD(邦画)] 8点(2013-06-03 01:26:12)
3.  歩いても 歩いても 《ネタバレ》 
セリフや雰囲気がものすごくリアル。 親と子では考え方も価値観も違い、チラリとのぞく本音で傷つき、また傷つけもする。 血のつながらない家族間ならナーバスにもなるし、血のつながった家族間でも根深いすれ違いはある。 余計なことをしやがってと怒りを溜めたり、なんでわかってくれないのかとイラついたり。 誰が悪いということでもないので、余計に始末が悪い。 そんなギクシャクした空気がビンビン伝わってきて、見ているこちらがいたたまれなくなるくらい。 それでも、愛情がないわけではなく、本当はもっと素直に愛せればいいと思っている。 ただ、いつもちょっと間に合わない、そんな間の悪さが親と子の間に漂っているだけ。  息子が命を落としてまで救った青年を、見つめる両親の姿が痛々しい。 毎年命日に呼ぶ理由に、母親のどうにもならない嘆きと恨みがドロドロと渦巻く。 子が親を思うより、親が子を思うほうが強いのだろう。  静かで地味な映画だけどジワジワとくる。 決して好みの作品とはいえないのだが、なんだか心に残る。 ストーリーは全然違うが、『東京物語』を見たときの感覚にとてもよく似ている。 『結婚できない男』と同じ阿部寛と夏川結衣の組み合わせがいい。 YOU、樹木希林、原田芳雄も家族を好演して、共感を呼ぶ作品になっている。
[DVD(邦画)] 8点(2013-01-23 21:27:24)
4.  愛のむきだし 《ネタバレ》 
渡部扮する神父を誘惑する女は、どうみても男が惹かれるような容姿ではない。初っ端から神父がものすごいマニアに見えてドン引きする。これって絶対ミスキャストだろうと思ったが、演出上の狙いなのか。作品全体にコントみたいなシーンが散りばめられているのを見るとそう思えてくる。  満島ひかりはフォルダー5にいたときは全然記憶に残らないほど目立たなかった。ところが、この作品での存在感はたいしたもので、こんなに変わるものかと感心するほど。かわいい若手女優はたくさんいるかもしれないが、かわいくてカッコいい人はなかなかいない。この映画の満島ひかりの輝きには目を奪われる。他のキャストも概ね良かったが、安藤サクラが印象的に残った。独特の空気を持ったおもしろい女優だ。  サイケでポップで危ない映画。わけのわからないパワーと軽快なテンポで飽きさせない。むきだしの愛を表現するのに、カルト教団からの救出は格好の設定だった。ギャグタッチでありながらもラストは感動的。途中つじつまの合わないことや意味不明なところもあるが、力技でねじ伏せられた感じ。ただ、もう少し整理すれば短く出来たはずで、退屈はしなかったけど4時間は長い。
[DVD(邦画)] 8点(2013-01-22 21:54:48)
5.  あん 《ネタバレ》 
こんなに重いテーマだとは思っていなかったが、樹木希林の存在感がすごい。キャスティングがはまった。 雇われ店主の永瀬正敏だけでなく、脇の浅田美代子もイライラさせるような嫌な女性オーナーを好演。 ハンセン病を扱った映画では「砂の器」が思い浮かぶが、あれはBGMから重々しくて苦手だった。この作品はそんな重々しさはなく、さらっと描いた分だけかえって心に染みた。
[DVD(邦画)] 7点(2016-08-03 01:59:46)
6.  愛を乞うひと 《ネタバレ》 
原田美枝子が両極端な二役を好演、まるで別人に見えた。 豊子は虐待するなら孤児院から引き取らなければよかったのに、去っていった男に対する執着が歪んだ形で表れたのか。 強姦されてできた子だから産みたくなかったと言い放つが、それも事実とは異なることで、照恵を徹底的に傷つける意図が見える。 その理由がはっきりとは描かれていないが、豊子も虐待された経験があったのかもしれない。  虐待を受けながらもひたすらに母の愛を求め続けたいたいけな姿が胸を打つ。 髪をすくのが上手だとたった一度ほめてもらったことが、鬼畜のような母を憎みきれなかった要因か。 老いた母との美容院での再会シーンは緊張感が漂う。 額の傷に受けた傷が伏線となっていたが、結局老母から娘に向けた言葉はなく、親子としての会話は交わされなかった。 照恵は虐待の理由をそれまで何度何度も考えてきただろうが、理由なんて今さら意味をなさないし理解する必要もない。 母への執着にピリオドを打ち、娘の深草の愛で癒されることで、愛に彷徨していた自身の思いは完了できたのだろう。  照恵が父の遺骨探しに奔走するのは、母が捨てたものを全部拾っていくことを決意したから。 つらい時や困った時にはいつもそれを誤魔化すように笑みを浮かべてしまう照恵は、なかなか正直に自分の気持ちを表現できない。 小さい頃から抑圧されてきたために本当の自分を見失っている照恵にとって、遺骨探しは自分探しの旅でもあった。 最後に拾ったのは自分自身ともいえる。  あれほど虐待した親を許せるものなのかどうかは想像がつかない。 再会しても恨み言の一つもぶつけずにはいられないのではと思ってしまうので、そうしなかった照恵が不思議にも思える。 ただ、娘の存在なくしては、母への思いがいつまでも決着のつかなかったことは想像に難くない。 当時は邦画も捨てたものじゃないと思わせた映画で、長らく不振だった邦画の復活を感じさせた。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-06-06 00:12:18)
7.  悪人 《ネタバレ》 
人を殺した祐一が社会的には一番の悪人だろうが、殺された女も同情できないくらい嫌な女だし、その女を物のように車から捨て去る男、祐一を捨てた母親、祐一の祖母を騙す詐欺師など、いろんなタイプの悪人要素を持つ人物が揃っている。 その中では、祐一は悪人というよりバカな奴という印象。  光代を共犯にしないために殺すフリをしたというシーンだと思うが、警察の現れるタイミングがそんなにどんぴしゃで都合よく合うものかと不自然に思えた。 祖母役の樹木希林の何とも言えない哀感がたまらない。とんでもない身内を持ったがための悲哀が滲み出ている。
[インターネット(邦画)] 6点(2019-07-05 22:48:03)
8.  IAM A HERO アイアムアヒーロー
アウトレットモールでの戦いは初代「ゾンビ」のオマージュか。結構楽しめた。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-30 00:17:20)
9.  赤ひげ
すっかり赤ひげに感化される主人公。 人の命を扱う医者はこうあるべき。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-27 23:09:34)
10.  アポロ13 《ネタバレ》 
アポロ13号の実話は知らなかったので、その舞台裏を見る面白さはある。 11号の月面着陸でクライマックスを迎え、13号にもなると宇宙飛行に慣れてしまった世間の反応の鈍さがリアル。 テレビ中継もなく、それを知らずに一生懸命地球に呼びかける飛行士たちが切なかった。 アクシデントによる危機で、一転して注目を集めることになったのが皮肉。 当初の目的からすれば失敗だけど、筋書きのないドラマなら大成功ってところか。
[DVD(吹替)] 6点(2014-10-12 00:34:41)
11.  アヒルと鴨のコインロッカー 《ネタバレ》 
前半のゆるい感じが続くのかと思えば、後半からの展開は予備知識がなかったので意表をつかれた。 ネタばらしに入ってからがおもしろい。 ドルジの日本語にまったくなまりのないのが突っ込みどころではあるけれど、うまく騙されてしまう。 もう一度見直してみると、いたるところに伏線が張ってあるのに感心する。
[DVD(邦画)] 6点(2013-08-29 22:49:42)
12.  あつもの 《ネタバレ》 
黒瀬の下衆っぷりは吐き気を催す。 金で若い裸の女にむしゃぶりつく姿は、醜くあさましい性欲の塊のエロジジイそのもの。 この人格破綻者をヨシ笈田が好演していて、緒方拳を引き立てる。  菊作りの秘伝を教えると騙されミハルを紹介してしまった杢平は、良いように言えば純朴、悪いようにいえばマヌケ。 愚直に勤めた田舎の消防署を定年退職、息子からはギャンブルで作った借金のために金の無心をされ、精神を病んで入院している妻からは別れを言い渡されている。 一方、黒瀬は自分が落ちぶれて何をやってをダメなことを、菊を作るために生まれてきたからだと言い切るほどの強い自負を持つ。 強欲で嘘つき、万人に嫌われていながらそれを自省しないずぶとさはその自負に支えられている。 二人に共通するのは、菊作りがなければ他に何もないということ。 それだけに、菊作りは意地とプライドをかけた闘いとなる。 その闘いに、援助交際に走る音大生がからんで色を添えた。 自分に才能の限界を感じていたミハルが、いつも黒瀬に負けていた杢平にシンパシーを感じたのは自然の流れか。 ミハルに身を投げ出されたのに、途中で思いとどまった杢平。 ミハルを犯そうとして首を絞め、自己弁護に終始する黒瀬。 ここでも二人は対照的。  黒瀬は杢平とミハルの仲を嫉妬して、未成年を監禁していると警察に嘘の通報をするような汚い手も使う。 ところが、コンテストで杢平に負けたとき、杢平は審査の不正を悟って負けを認めたのに、黒瀬は自分の衰えと相手の実力を認めた。 この時だけはスポーツマンシップに通じるような清々しさがあった。  生きる目的を見失っていたミハルは、首を絞められ死の恐怖に面したことで、そのとき頭に浮かんだ家族のもとこそ自分の帰るべきところだと気づく。 楽しそうにしていた隣の家族の一家心中、杢平の妻や息子との関係も並行して描かれ、家族との関わりや生きることについてがテーマになっている。 初老の男二人の菊作り対決がストーリーの軸なので地味な印象は否めないが、人間模様が交差してよくまとまった作品。 いい役者が出ているのに内容が地味なため興行的にはヒットせずあまり知られていないが、フランスのベノデ映画祭(その価値は知らないけど)でグランプリを受賞している。 園芸にまったく興味がないので感情移入はできなかったが、そこに関心があればさらにハマるに違いない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-30 21:18:07)
13.  悪の教典 《ネタバレ》 
学校での殺戮は「バトルロワイヤル」を彷彿させるが、こちらはサイコパスによる犯行。こういうのはそのサイコパスっぷりで作品のインパクトが決まる。 生徒に人気の高校英語教師は、子供の頃から共感する能力に欠け犯罪を重ねていた――このサイコパス像は、予想から外れることはなかった。 それに、犯行も大胆といえば聞こえはいいがずさんな面もあるので、これでずっと捕まらなかったというのは説得力がない。電車の中での殺害が誰にも見つからず、ホームの監視カメラにも映っていない。その上、殴った跡が残ってるはずなのに自殺と処理されるとか、リアリティもクソもない。 最後は犯行を隠すための破れかぶれのような大量殺人。男子生徒との同性愛教師の無理心中偽装工作は「あまりにも乱暴なストーリーかな?」と犯人のセリフ通りの無茶苦茶ぶり。最後はお決まりの精神病による責任能力回避を臭わせて終わり。サスペンス性はあるので最後まで引っ張られるが、最後の殺戮シーンがやたら長い。 原作を読んでいないので幻想的なシーンでの外国人とのくだりがよくわからなかった。どうやらアメリカ時代の回想だったようで、詳細は伝わらなかったが殺人を重ねていたことだけはわかった。 明るい音楽で残虐なストーリー展開は、園子温作品に通じるところもある。 穴だらけのストーリーなので矛盾点を気に掛けるよりも、三池監督流のバイオレンスを楽しめばいい映画か。確かに、たまにこうしたバイオレンスやサイコホラーものが観たくなる。 役者は先生も生徒もそれぞれハマってた。生徒では二階堂ふみより水野絵梨奈が印象に残ったが、E-girlsにいたとは。
[DVD(邦画)] 6点(2013-06-05 01:43:52)(良:1票)
14.  AKIRA(1988)
ずいぶん前に観たときは、圧倒的な絵の迫力は感じたが、ストーリーがわかりにくかった。 改めて見直しても、世界観には何となく惹かれるが、ストーリーはシュールで消化しきれない。 原作未読だと、なかなかつかみづらいのか。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-07-25 01:40:20)
15.  アウトレイジ ビヨンド
バンバン人が死んでいく。目が離せないが、一本調子で印象に残りにくい嫌いも。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-09-02 00:18:48)
16.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 
『仁義なき戦い』をドライに現代風味にしたようなヤクザもの。裏切りと暴力の連続だけどまとわりつくようなジメジメ感はなく、あっさりと小気味良い印象さえ受ける。小国の大使館が闇カジノに利用されているのが劇画的。 破滅型の主人公が部下がすべて殺されたのに一人だけ自首したのが腑に落ちない。そこに至るまでの暴走ぶりからすれば、一人でもボスの首を狙って特攻しそうなものなのに。これまでの北野映画での主人公のイメージを変えたかったのかもしれないが、キャラがブレたような気がする。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-08-26 20:48:23)
17.  遊びの時間は終らない
短編小説が原作で、アイデアがユニーク。 原作も読んだが、小品として読む分には面白いものの、2時間近い映画にするには何か足りないような。 所詮は訓練なので緊張感がなく、笑うにはパンチが弱いし、ラストも消化不良。
[地上波(邦画)] 5点(2014-11-11 22:05:59)
18.  あの夏、いちばん静かな海。 《ネタバレ》 
詩情が感じられる映画。 聾唖のカップルがメインなので、会話がほとんどない。 黙って寄り添う二人が微笑ましい。 説明的なものを一切排して、淡々と静かに映像で語りかける。 茂の事故場面や貴子の涙も見せず、行間を読ませるような作り。 その行間を垣間見せるラストの回想シーンと音楽が切ない。 ただ、そこに至るまでが静かで淡々としすぎて少し退屈。 サーフィンが好きならもっと楽しめただろうけど。  障碍者を描きながら、障碍者を意識させない青春映画。 北野映画にはバイオレンスのイメージのほうが強いが、こういう引き出しも持っていることに懐の深さを感じる。
[DVD(邦画)] 5点(2014-10-15 20:09:54)
19.  甘い鞭 《ネタバレ》 
石井隆ワールド全開。 拉致監禁で虐待された間宮夕貴の傷だらけになった体が生々しい。 グラドル出身ながら難しい役も体当たりで熱演。 それに対して、壇蜜はいつもの壇蜜。 こういうキャラにも新鮮さがなくなってエロくも感じないし、それをカバーする演技力があるわけでもない。 壇蜜よりも間宮のほうが存在感、インパクトがあった。  間宮は壇蜜の少女時代の設定だけれど、二人は容姿も声も雰囲気もまったく似ていないので違和感がある。 陵辱された女子高生と、SM嬢の顔を持つ女医が一向につながってこない。 犯人を殺した時に味わった甘い味。 それを確かめるためにSMの世界に走った主人公。 狂気が暴走する惨劇となるが、その性癖が現実離れしすぎてピンとこない。 もともとあった特殊な性癖に目覚めたのか、それとも凄惨な状況の中で精神を保つために快感を見出したのか。 高校生の自分を殺すのを止めた手は誰なのか、はっきり描かれてはいないのでスッキリしない。 正気を保ったもう一人の自分が狂気の自分を止めたということか。  監禁男はどこかで見たようなありがちなキャラだが、真に迫った緊張感が二人の間にあった。 でも、SM倶楽部は皆が大真面目に演じるほどに何だか間が抜けていて笑ってしまう。 上手くもないナレーションの多用も耳障り。
[DVD(邦画)] 5点(2014-10-08 21:10:23)
20.  AIKI/アイキ 《ネタバレ》 
加藤晴彦が障碍者となった苦悩をヤツ当たりや我が儘など弱さやカッコ悪さを晒しながら演じていた前半はリアルで良かった。 ところが、ステレオタイプの悪役空手家との対戦が雰囲気をぶち壊した。 素人相手ならともかく武道家との真剣勝負で合気道を描くとたちまち嘘っぽく見える。 合気道はどうみても実戦格闘技大会向きではない。 しかも経験の浅い白帯が車椅子で圧勝してしまうのだからバカバカしくてシラケてしまう。 このマンガ的茶番がなければもっとシリアスで締まった秀作になったのに。 せめて、負けたけれど舐めていた空手家を思わず本気にさせたくらいに留めて、相手に認めさせる流れにしておけば随分印象が違ったと思う。 絵空事に走らず、リアルに克服する話にしてほしかった。  実戦で空手家に勝つことが障碍を乗り越える道ではないのだから。
[DVD(邦画)] 5点(2014-09-27 14:54:08)(良:1票)
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