21. 東京キッド
歌は前作の「悲しき口笛」にかなわないけれど、映画はこっちの「東京キッド」の方が好き。 花菱アチャコ、榎本健一という喜劇役者が加わっただけに、映画全体がコメディムード、特にエノケンのとぼけ具合が良い。花菱アチャコはラジオドラマ「お父さんはお人好し」でさかんに聴いただけあって、あの独特なしゃべりが懐かしかった。 [DVD(邦画)] 6点(2012-03-01 21:27:18) |
22. 泥だらけの純情(1963)
私の少年時代のあこがれは何といっても吉永小百合、歌に映画に大活躍で人気はすごかった。この映画は、どうしようもないチンピラ少年に恋する良家のお嬢様役。ちょっと親切にされ、助けてもらっただけで一途に思い詰めるところが、まさにお嬢様であり、吉永小百合にはぴったりだった。 こういう二人の成り行きはおよそ見当がつく、怖いヤクザが出てきて・・・。コロンボの声の小池朝雄の演技が渋い。声優だけあって、声に迫力があり、迫力十分。 [映画館(邦画)] 6点(2011-10-05 23:27:17) |
23. 時をかける少女(1983)
原田さんの出身中学が私の近所ということもあり、デビュー時からのファン。その私にしても、歌も演技も上手じゃないなと思ってしまう。しかし彼女は清純でかわいいだけでなく、初々しく皆から大事にされるところがある。この映画はそういった彼女の良さが前面に出た映画だと思う。 映画はファンタジックで主題歌とよくマッチしている。そして彼女を支える吾朗君がとても良い。ストーリーはいまいちだが何度も繰り返し見た映画である。 ところで、深町君の祖父と祖母を演じた二人、上原謙と入江たか子は戦前の人気スター、ここでお目にかかるとは夢にも思わなかった。 [映画館(邦画)] 7点(2011-09-14 06:15:23)(良:2票) |
24. 東京原発
驚くことが多々ある。福島の原発事故以前によくぞ作られたということが第1点、次にこの映画では東大教授によって危険性が述べられているが、これが世論に何も反響なかったということと逆に推進派から何の圧力もかからなかったこと、不思議だ。 東大教授の話はどれくらい真実かわからないが、おそらくそのほとんどは推進派からすれば問題にならなかったのだろう。 内容の信憑性は専門家に任せるとしても、映画はまさにブラック・ユーモア、キューブリックの映画を思わせる。いくら安全性を高めたところで、想定外のことが起こればそれは何も役立たないことを意味している。映画後半のカージャックはまさにその典型。 議論を高めるには良い映画だと思う。この映画で学んだ一番のことは、使用済みの核廃棄物処理方法ができていないのに、推進計画だけが進んだということ。 [DVD(邦画)] 7点(2011-08-16 22:40:27) |
25. となりのトトロ
この映画も息子と親子で見た映画。息子は「ラピュタ」の方が好きだったが、私は「トトロ」の方が好きだった。 アニメはたいがい一度見れば後は見なくても・・・だが、この「トトロ」は何度見てもすばらしい。ほのぼのとした暖かさがあり、宮崎アニメでは最高だと思う。 トトロ、真っ黒くろすけ、猫バス、夢があってユニーク。最近は変に解釈する人もいるようだが、素直な気持ちで素直に見てほしい。 [地上波(吹替)] 8点(2011-06-14 21:16:18) |
26. 遠き落日
《ネタバレ》 偉人としての野口英世を描いた本やアニメは多いし、私も少年時代の野口英世を描いたモノクロ映画を子どもの頃見た記憶がある。左手やけどの不自由な身体と貧しい生活の中で、ひたすら努力精進することによって後の成功を収める、いわゆる偉人伝中の偉人としての野口英世であった。 しかし、この映画は単に偉人としてだけでなく、挫折や失恋も含めた「人間としての野口英世」を描いている。そして彼が世界で名を馳せたのも、実に多くの人の支えがあったことがよくわかる。 少年の多分な才能を見抜き、私財を擲って高等科の進学を勧めた恩師や手術の費用を集めた友人たち、医学の道を志すにあたって経済援助を惜しまなかった人たち・・・。 しかし、何と言っても母親の愛情だろう。我が子を慈しみ、叱り励まし育てる姿はまさに日本の母親像そのものである。なかでも、後半の息子に送った手紙のシーンは、涙なしに見ることはできない。 この母親野口シカを演じた三田佳子は何とすばらしい女優であろう。いままでにも、この人の映画やドラマを数多く見てきたが、どれも大変すばらしかった。 この映画に欲を言えば、なぜ清作が英世と名前を変えたのかという疑問にも答えてほしかったし、浪費癖と揶揄される実生活にももっとふれてほしかった。 「清作、左手をポケットから出せ」と母親が言ったように、映画も醜いと思われている部分にも・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2011-06-03 18:19:28) |
27. 東京暮色
《ネタバレ》 小津映画の中にあって、この映画はどうしても異色に思える。それほどシリアスなのだ。 有馬稲子はどういうわけか不幸な女性を演じることが多いが、この映画もとてもかわいそうだ。うわごとで何度も「死にたくない。初めからやりなおしたい」と言っていたのに残念である。 かわいそうと言えば、有馬稲子だけではない。原節子も笠智衆もそれに家族を捨てた山田五十鈴もすべて不幸であり、寂しさだけが残る。 そしてまたそれは、東京物語の一抹の寂しさと較べると、赤裸々で強烈に感じる。 [DVD(邦画)] 8点(2011-04-24 15:25:11) |
28. 東京物語
《ネタバレ》 「秋刀魚の味」で小津映画を知り、すぐさま代表作「東京物語」を見た。何と秋刀魚の味よりも10年近くも古いこの映画で、笠智衆が老人を演じている。息子や娘役の山村聰、杉村春子と何歳かしか違わないのに・・・。それがほぼ年相応の東山千栄子と夫婦をくみ、うちわを仰ぎながら二人でたたずんでいる。まさに絵になる情景だ。 この映画が作られたのは、私が生まれてまもない頃、映画設定はそれ以前だから、はるか大昔。その頃家族は、両親と子供たち以外に祖父祖母がいっしょに住み、長男が必ず親の面倒を見なければならなかった。その時代にあって、こうした家族の問題を取り上げたのは画期的というもの。 子供たちの誰が良くて誰が悪いという問題ではないだろう、核家族へ向けての提言であったのかもしれない。しかし、小津映画の世界とはいえ、親が危篤というのにのんびりしたものだ。喪服の心配ではなく、何が何でも飛んで行くべきだろう、それが親子というものだ。 [ビデオ(邦画)] 8点(2011-04-24 08:02:38) |
29. TRICK トリック 劇場版2
テレビドラマシリーズからのファンであり、仲間由紀恵が好きな私には、この映画も問題なく好きなのだが、周囲の評判の悪さが少しは気になるようになった。 したがって、このシリーズもこれでお終いかなと想いながら、じっくりと味わった。ところがところが、昨年「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」が出たと聞き、驚き桃の木・・・。はたしてこれも見るべきどうか迷っている。 堀北真希、平岡祐太の若手がどこかで見た顔と思いつつ、トリック2を見た時は思い出せなかった。 [DVD(邦画)] 6点(2011-04-15 07:49:49) |
30. TRICK トリック 劇場版
テレビのドラマシリーズが結構おもしろかったので、この映画も当然のようにして見た。仲間由紀恵の山田奈緒子と上田次郎の阿部寛の凸凹コンビは依然として健在、それぞれにはっきりした個性キャラクターがあり、いつもながら楽しませてくれる。 [DVD(邦画)] 6点(2011-04-15 06:10:29) |
31. トラ・トラ・トラ!
《ネタバレ》 陰謀国と無謀国の戦争がどうして起こったのか、なぜ回避できなかったかはこの映画ではほとんど説明不可能のように思える。 昔見た時は、日米合作で双方の国の立場を互角に表現した良い映画だと思っていましたが・・・ 今になってみれば、米国の楽観的な態度や日本の非道さが目立つと思う。またそれが眠れる獅子を起こし、米国の「パール・ハーバーを忘れるな」の反日感情を高めてしまった。 前半部分は、私たちが知っておかねばならない重要なエピソードもたくさんあるように思われる。しかし、それが短時間で余りにも断片的に流れるために理解するのが難しい。省略せずにもっと丁寧に時間をかけた演出が必要だと思う。(ハル・ノートに対する対応や戦争回避の外交など)逆に後半の戦闘部分はほとんど不要なくらいだ。 [映画館(字幕)] 6点(2011-03-17 21:34:20) |
32. 東京オリンピック
そういえば、「記録」か「芸術」かの論争がありましたね。制作時に映画館で見た時の感動は薄れたものの、何十年もたって見たDVDはとてもなつかしいものを感じました。 好きな競技はあっという間に終わってしまうし、あれもこれもと入れて編集すれば長くなるし、本当にむずかしいものです。 しかし、なんと言ってもこの映画の良さは競技そのものよりも、昭和の時代の風情を記録として残していることだと思います。 [映画館(邦画)] 6点(2011-02-02 20:17:51) |