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1.  凶悪 《ネタバレ》 
これが実際にあったというのは恐ろしい。でかい態度でいて乱暴な言動を普段からする須藤ではなく、善人面で凶暴さを全く示さない「先生」の方がよほど凶悪だというのは嫌な感じを覚えさせられる。  ■原作は未読だが、こちらに年表形式で内容がまとまっている(http://subaru39.tripod.com/home/sagi/misizu.html)。これを見ると、殺人に関する部分はかなり事実そのままで描き出しているようである(五十嵐の死については須藤の手によるのではなく須藤逮捕後の自殺(?)らしく、ここだけ異なる)。  ■逆に原作になくて追加されているのは藤井の妻に関する部分。痴呆の母を邪魔だと思う息子夫婦の構図は、完全に三件目の保険金殺人とパラレルになっている。藤井は徹底して「自らの手を悪に汚さない」側に立ち、殺人を告発し、一方家庭では母親の問題を妻に押し付ける。しかしそうやって自分を汚れなき側に置いているつもりの心理が、じつは一番凶悪さに蝕まれていたりする。メッセージは非常に良いが、ただ付け加えられた家庭の描写がいかにもな感じの不自然さ全開だったので、そこはフィクションだからもう少し改善できたのに、と思った。
[DVD(邦画)] 9点(2014-04-11 01:03:29)(良:2票)
2.  妻は告白する 《ネタバレ》 
サスペンスとして見るとなんてことはないのだが、しかし某登場人物同様、結局女心が全く分かってないんだなぁという感覚は抱かされた。  ■怨念か緊急避難か、という軸で持っていきながら、土台をひっくり返す心理はなるほどと思うし共感できる。ラストはまさに某登場人物と一緒に呆然と立ち尽くしてしまった。  ■しかし、裁判中の二人の行動はあまりにも軽率だし、そういう話だったら保険金を使ってさっと高級アパートに引っ越すのはどうなのよと思ってしまう。そうすれば喜ぶと思っているとしたらそれはそれであまりに「分かってない」でしょうよと。そこらへんいろいろと引っかかる。
[DVD(邦画)] 8点(2013-11-14 23:24:21)
3.  その夜の侍 《ネタバレ》 
うーん、一言で言うと「理解不能」。登場人物がみんなおかしい。でもソドムとかイディオッツみたいに最初から変な世界を描いているわけでもなく、かといって発狂しておかしくなる様を描くでもなく、端的に「行動が理解しがたい」。  ■あえて言えば木島の傲慢さに対して周りがあまりに「ふがいない」ことは一本通っているが、しかしそこから何かを展開していくような話の構成でもない。頻繁に出てくる「なんとなく」「暇」「平凡」等は鍵のはずなのだが、それがメッセージとして昇華している印象もない。登場人物は皆シュールだが、シュールさはむしろ平凡の逆を行っていて、ストーリー的に不整合に思う。  ■結局、何をやりたいか分からないまま終わった作品であった。
[DVD(邦画)] 2点(2013-08-30 23:45:18)
4.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
宮崎監督の「飛ぶことへの愛」が惜しみなく発揮されている。もともとラピュタが飛び、ナウシカではメーヴェに乗り、トトロも飛び、カリオストロでさえルパンは飛行機で侵入し、豚さえも飛び、千と千尋もメインはハクが飛ぶところ。それだけ飛ぶのが大好きな監督が徹底して「夢」を追いかけて飛ぶシーンを作り上げた作品、といっていいだろう。  ■冒頭からエンディングまで繰り返し描かれる「夢」のシーン。そしてロマンスも、菜穂子は自らの命を削ってサナトリウムから降りてきて、二郎は結局日中のほとんどを飛行機に費やし夜のわずかの時間しか会えず、それでも最期の美しくない姿は見せまいと再びサナトリウムに戻る、通常ではありえないまでの献身性。出会いから死別まで、まさに「夢」のパッチワーク。展開がトトロ的で山場がないのも、全編のそうした雰囲気を楽しむタイプの作品なのだろう。  ■裏テーマは「生きねばならない」「悲惨の運命を受け入れること」等であろう。カストルプも登場し、トーマス・マンの『魔の山』の設定はいろいろとバックにある。しかしこの作品中では葛藤(飛行機への愛と戦争利用の間の葛藤、妻と飛行機の間の葛藤など)はほとんど描かれず、主人公は飄々としている。こうした難問に対して「純朴さでもって超越せよ」ということであろうか。  ■二郎に感情移入するか、菜穂子に感情移入するかで、見え方もだいぶ変わるように思う。二郎は飛行機への愛(オタクともいえよう)は素晴らしいが、全体にピュアというか単純な描かれ方であり、対する菜穂子は自己犠牲と献身性、死に向かう姿勢を提示している。映画館で女性客の一定数がラストで泣いていたのはどこに感情移入したかもあるだろう。
[映画館(邦画)] 8点(2013-08-09 01:42:35)
5.  さまよう心臓 《ネタバレ》 
たった10分のショートだが、思ったより面白かった。  ただ、あまりに展開が唐突というか、「どうしてそういう風になった」という感じのものなので、それを「不条理な怖さ」と言ってしまえばそうだが、腑に落ちにくいという印象もある。設定がイマイチ分からなかった
[インターネット(字幕)] 5点(2013-07-06 17:00:55)
6.  アシュラ(2012) 《ネタバレ》 
内容としてはかなりタブー的なものに挑んでいる作品。人間が、まさに「人間」になるがゆえに苦しみ、そしてその罪と犠牲の中で葛藤する。アシュラはその只中を経験し、人間になりかけているところですれ違いを繰り返す。  ■若狭はアシュラの人肉を拒み「食べるぐらいなら死んだ方がいい」と言う。しかし、彼の恋人もまた若狭のために盗みという罪を犯そうとする。もし盗みがうまくいったとしたらどうなったのであろうか。恋人の持ってきた食べ物を若狭が食べるのだとしたら、それは結局「罪と汚れを他の者に被せることによって、自らの汚れなき状態を安心している」だけになってしまうのではないか。アシュラはその取りつくろいが極めて下手であり、恋人は恐らく上手くやれる。しかしそれは本質的には違いはない。「私は罪なく生きる」ではなく「いかに汚れなき生き方だと思っていても、私も罪の中にいる」と自覚し葛藤することが必要なのであろう。それが最後の法師の一言に表されている
[DVD(邦画)] 9点(2013-04-18 01:00:15)(良:1票)
7.  12人の優しい日本人 《ネタバレ》 
久しぶりにいい作品を見た。本作は有名な(しかし自分はあまり評価していない)「十二人の怒れる男」のパロディであり、また自分のあまり得意ではないコメディ調ということもありやや不安視しながら見たが、そうした不安は杞憂に終わり、日本人というか人間をよく描き出している作品だと思った。  ■「怒れる男」が「一人除き全員有罪」から出発するのに対し、こちらは「一人除き全員無罪」からの出発。しかも理由が「被告人が美人だから」「可哀想だから」という議論をする以前の状況。しかしそうした心情も一方では理解できるものでもあり、なかなか興味深い。  ■また、「怒れる男」がフォンダによって有罪を一人一人無罪に切り崩していくという展開で、変化も「有罪→無罪」の一方向なのに対し、本作は有罪と無罪を一人の人の間で行ったり来たりして、「人間の考えは簡単に変わる」ということがよりよく表れている。 「怒れる男」がそのため基本的に「フォンダ=ヒーロー=正義」的な位置付けであったのに対し、本作は軸となって仕切る人物が次々と交代していき、展開も目まぐるしく変わって、より現実的である。今まで全然筋の通った意見を言えていなかった人が核心を突く指摘をしたり、今まで理路整然と話していた人が少し不利になるといきなり感情的になったりと、「議論で制圧する」よりも「一人一人の話を真摯に聞く」ことの重要性を訴えているように思う。  ■結果的に見れば、無罪から始まって無罪に戻っているわけだが、議論の過程によってさまざまな「見落とし」や「偏見」が明らかになり、そして論拠を明確にしてきちんと納得する形で結論に至ったという点で、「結果が同じだからいい」のではなくて「その結果を支える論拠は何なのか」という部分の大切さをも、この映画は伝えているように思う。  ■一つ難を言えば、しかし最終盤は基本的に弁護士「役」によって突き崩して決していく展開で、あれを一人の人によってではなく色々な人の「気づき」の積み上げでいければなおよかったように思う。特に最後の「あなたの奥さんが裁かれているのではない」というセリフは、弁護士役によってではなく他の、最も目立っていなかった人によって言われるとより効果的であったように思う。  ■とはいえ、十分に見ごたえのある作品であった。 
[DVD(邦画)] 10点(2013-02-24 23:52:52)
8.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 
こんなにも有名なのになぜか敬遠していて今まで見ていなかったのでついに鑑賞。ううむ、確かに単なる娯楽映画でも怪獣映画でもないし、邦画として世界に名だたる理由も分かる。  ■なかなか姿を見せないのはパニック系の鉄板だが、容赦なく船が沈められるのに姿は一向に見えない。そして出現が白昼いきなりで、しかも山の向こうからというかなりの不意打ちで上手い。  ■ミニチュアのセットなどはいま見るとあまりにお粗末であり、むしろ可愛らしいぐらいだが、その辺は時代を割り引いてみるべき。それでも、東京中が火の海になるのは、戦後間もない映画としては相当に衝撃的だったはず(他のレビュワーさんによると、ゴジラの通った経路は東京大空襲のそれと同じらしい)。撮影の裏話はプロジェクトXで以前やっていたが、相当苦労したらしい。  ■しかし何と言っても最大のジレンマは、大量破壊兵器(水爆)の生んだ怪物は、大量破壊兵器(オキシジェン・デストロイヤー)で倒すしかないというあたりか。メッセージは明確に反戦ではあるが、それへの対抗としては武器をもってするしかなかったという苦渋さが感じられる。最後は科学者の良心が自らを投げ打って日本を救うわけだが、全くすっきりはしない終わり方。
[DVD(邦画)] 9点(2012-12-31 00:17:47)
9.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 
圧倒的に不愉快な作品(褒めている)。精神に余裕のないときには見ない方がいい。相当に疲れ果てるし、人間の見たくない面をよく描いている。暴力描写も多いが、バイオレンス的な描き方ではないのでなおさら辛い。ただ精神衛生上あまりによくないのでこの点数  ■社本が散々うじうじしているのは、間違いなく観客に「しっかりしろよ」「やられっぱなしでなく少しはやり返せよ」と思わせるためであろう。そしてあの展開。見事なまでに観客の心を弄ぶ。
[DVD(邦画)] 7点(2012-10-30 00:29:06)
10.  CUT(2011) 《ネタバレ》 
ここまで平均点9.00点ですか・・・うう~ん、メッセージは痛いほど分かるのだが、映画の商業化批判、本当の映画への回帰という文脈と、ひたすら殴られる部分とがメタファーレベルでしかつながっていないのは、物語としてどうかと思う。確かに最近の映画にはない味はあるけど、なんかこのベクトルは間違えている気が。  ■基本的には殴られているシーンばかりで構成されていて、心理や人間を描く云々という余地はあまりない。映画全体がメタファーであり、メッセージのために構成されている作品であるように思う。しかしそれだけのために2時間をかけるのはちょっとあれ。  ■「簡単に分かるのはダメだ。語らない分からなさこそが真の映画だ」という通の雰囲気のある主張なのかもしれないが、それに対しては、意図的に曖昧にした「分からなさ」によって内容の判断を留保させたままにして、そこから高尚性だけを出して煙に巻くのは、さまざまな領域において用いられている手法ではあるけど、それは本質的にはペテンに過ぎないと私は思っている。  ■映画の投影されている床の上に主人公が寝ているシーン、あれはうまい構図だなと率直に思った。ありそうでなかった手法。
[DVD(邦画)] 3点(2012-10-25 00:11:38)
11.  麒麟の翼~劇場版・新参者~ 《ネタバレ》 
邦画の刑事ものの中ではわりと楽しめたが、しかし全体の構成に無理がある気がするのでこの点数、という感じ。  ■謎の刺殺事件が発生し、被疑者が交通事故であっけなく死んでしまう。早々に解決と見られたが・・・というありそうな話。結果的に犯人は別にいるのだが、かなり強引な展開。  ■一つ一つの物語は、青柳父子と過去の事件をめぐるそれも、中原・八島カップルも面白いし、あまり深められないが加賀の父子関係も気になるところではある。だが、それらがちょこっと接点があるだけで、あとは全部勝手に並走している感じなので、強引な謎解きにしないで、どれか一つに絞って深めた方がよかったように思う。  ■特に、「麒麟像にたどり着きたかった」が結局謎。父が本当に贖罪を考えたなら、自分はひとまずは救急車で運ばれて助かった上で、吉永君への償いをするべきであろう。麒麟像の前で倒れたらそれで贖罪というのはあまりに乱暴な発想。そして、かつての派遣社員がたまたま居合わせて盗みを働いて云々もこじつけに近い。  ■そして他の方も指摘しているが、みんな自分勝手に「贖罪した」と思い込んで、結局吉永母子には具体的に何もできていないところがあまりに残念な感じ。うむむ
[DVD(邦画)] 5点(2012-09-30 23:46:18)
12.  ディア・ドクター 《ネタバレ》 
「その嘘は、罪ですか。」が内容を言い表している。過疎地の無医村における偽医者、その嘘を皆で真実にしつつ、土壇場になったら手のひらを返す村人たち。偽物であり、自分とは関わりのないことだと言い張りつつも、全否定はせずにどこかでその意義を皆が認めている。そうしたギリギリの難しい問題をこの映画ではまさに投げかける。  ■なぜ釣瓶が偽医者になろうと思ったか。当人は「撃たれたから返し、を繰り返していただけ」と瑛太に語り、香川照之はわざと倒れそうになって警官が手を差し伸べたところに「なぜあなたは手を差し伸べたのか。自分を愛しているからではないですよね。それと同じだ」という。最初の動機は楽な金もうけも多少はあったのかもしれないが、来てみると全く違ったのであろう。そこは最終的には観る者に投げられたままだ。  ■八千代薫、井川遥母子の関係は非常にうまい。全体として皆素晴らしい中でこの二人の演技は際立っている。井川が泣くのをこらえるシーンは名演。
[DVD(邦画)] 9点(2012-05-05 00:49:14)
13.  八日目の蝉 《ネタバレ》 
話題だったので今更ながら見たが、なるほど面白い。かなりずしりと重い内容だが、見応えはある。  ■一度ずれてしまった歯車は二度と戻らない。誰かが決定的な悪魔というわけでもなく、軋んだ運命は巻き込まれた人々を不幸にしていく。「悪」と「糾弾」の構図を拒絶するのが冒頭の「感謝はしても謝罪も反省もしない」という裁判シーンであろう。  ■巻き込まれたものは元には戻せない。それは八日目まで生き残ってしまった蝉のように不幸に引きずり込まれる。しかし、八日目まで生き残ったのは事実だが、それが本当に「不幸」なのか、それは分からない。違う世界が見れたことで広がるものもあるかもしれない、ともするとそれはそれで幸せなのかもしれない。確かに普通に見れば不幸な人生かもしれないけど、でもそうした人生を歩んできたからこそ掴めたものもある。それを取りこぼさずに生きることが重要なのかもしれない。
[DVD(邦画)] 9点(2012-01-06 01:01:23)
14.  誰も知らない(2004) 《ネタバレ》 
実際の事件(参考:http://ifinder.jugem.cc/?eid=190)とは大分違うが、この事件をそのまま描いたらすさまじく陰惨な映画にしかならないことは想像に難くないので、この程度の描写が限界だっただろう。そうであっても、この映画が描き出している事柄は重い。  ■この映画での長男は、並大抵の大学生よりはきっと「大人」だろう。誰かにやさしくしてもらいたいくらいの年頃で、誰にも頼ることもできず、一人で3人の弟・妹の面倒を見続けてきた。(頼ってくる人はいても)頼れる相手がいないという意味では「孤独」だったのだろう。一方の弟・妹も、(恐らく)生まれてから一回も外に出たことがないような生活を強いられるというのは想像を絶する。  ■子供を産むということは、それだけ責任を伴うということだ。それまでは自分の好き勝手に生きることを許されていただろうが、親になってしまえば自分を頼ってくる子供がいるのであり、それに答えられる人間に親はならなければいけない。この映画の母親は、そのステップを踏みそびれてしまい、「のんきに遊んでいられる一若者」の精神で子供を次々作ってしまったのだろう。  ■ただ、映画の展開としていくつか気になるところもあった。例えば、途中からかなり尽力してくれる紗希が中学で激しいいじめを受けているという設定があまり生かされていないように感じた。彼女は数少ない外側の世界との接点なのだから、そこはもっと踏み込んでもよかったと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2011-08-27 01:34:12)(良:2票)
15.  マルサの女 《ネタバレ》 
あー、脱税ってこうやってやるんだぁ、というのと、それを暴こうとする者との知能戦を見せてくれる作品。といいつつも、地味に地味に動き続けてガサ入れ一発で終わりというのはまあ非常にリアリスティックだが同時にあっけなく終わってしまった感はあるかも。
[DVD(邦画)] 8点(2011-08-26 00:51:32)
16.  黒い十人の女 《ネタバレ》 
横で少し見てた母親の「こんな男が10人もの女と関係を持つようには到底見えない」が一撃必殺すぎた。
[DVD(邦画)] 7点(2011-06-26 11:45:25)
17.  クライング・ゲーム 《ネタバレ》 
これは「予備知識ゼロで見てほしい作品」。その意味ではオチを知ってしまっていた自分は残念な感じだった。  ■写真ではなかなかきれいな感じだったのに、現物があれれだったのは残念。確かに女っぽい顔つきではあるがしかし実際あれなのと、声がやはり低すぎるのと。。。それと、そのショックの展開が前半の流れとあまりうまく連関してこない感じなのは残念。  ■扱っているテーマは「愛の形」など非常に深く難しいものだと思うのだが、話が「IRA関連」と「恋愛」の二つに分裂してしまっている感は否めなかった。。。
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-25 01:00:59)
18.  羅生門(1950) 《ネタバレ》 
黒澤を「世界のクロサワ」に押し上げた記念碑的作品。尺も90分以下というコンパクトさ。印象としては、音の聞き取りにくさはあるものの、画は現在でも十分に勝負できるものだと思った。  ■カメラワーク、構図の取り方がうまい。そして実は細かな工夫をいろいろしている。例えば雨が見えるようにするために、あの雨には実は色が付けてある(墨を溶かしたと聞いた)とか。  ■ストーリーは、各人のエゴによって真実が「藪の中」にされていく過程が描き出される。各人が何を守りたく、そのためにどういう物語を語るかというのは、きちんと考えてみるとなかなか面白い。各人の話の中では、皆語り手が「(仕方なく)殺した」と、殺人の役は引き受けているところがまた興味深い。  ■個人的には、最後に真実らしいものを志村が語ってしまうところと、最後に希望を見出してしまうところとが若干残念。こういう流れなら最後の最後まで真相は「藪の中」にするような構図にしてほしかったし、志村が短刀を盗んだとはいえ善人、というポジションはなんか息詰まる展開をラストで抜いてしまっている。志村を最後で超悪人のようにしてしまってもいいし、そうでないなら三人の言い争いをもっと引っ張ってもいいと思った。
[DVD(邦画)] 7点(2011-03-05 00:24:40)(良:1票)
19.  飢餓海峡 《ネタバレ》 
重厚な映画。戦中戦後の壮絶な時期と、そこにおける人間の悲哀を、一本の事件を軸にして10年という歳月にまたがって描き出している。  ■前半の事件から、八重に助けられて八重が東京に出ていくまでのシークエンスは、人間の苦境、愛、悲しさ、欲望、そうしたものがうまく映し出される展開。そして後半が、まさに犬飼が捨て去ったはずの「過去」を知る存在として八重が現れ、彼女のそのけなげな気持ちが逆に当人の死を招くという皮肉。ラストの飛び込みは戦慄。 だが、10年後の展開は、特に書生を殺すところなどあまりに乱暴だし、犬飼の幼少期と事件前後の心境はもっときちんと描き出してほしかった。警察の動きはサスペンスとしてもぞんざいだし、人間ドラマならばもうちょい縮めていい部分。  ■他のレビュワーさんも触れているが、やはりこれは「砂の器」と比較したくなる作品。隠しておきたい過去、過去を捨て去っての成功、過去を知る善良な人を殺す運命といった展開は、まさに「砂の器」を彷彿させられる。 しかし、だからこそ、だからこそ10年後の八重殺しをめぐる犬飼の心境と、最初の事件までの犬飼の苦境とをもっと描き出してほしかった。  ■とはいえ十分満足の作品ではあるが
[DVD(字幕)] 9点(2011-02-13 00:13:21)(良:1票)
20.  生きる 《ネタバレ》 
「人は何のために生きるか」という思い問題を投げかけてくるが、自分はむしろ「人は何で変わるか」という方に興味を持った。  ■本作が「死期を前にして公園づくりのために全力を注ぐ公務員の話」かと思っていたので、踏ん切りのつかない前半にはかなり拍子抜け。なんだかんだ、やってることは元同僚の女をおいかけ回してるだけじゃん。あれはもうちょいコンパクトにまとめてよかったと思う。あと全般的に志村さんの声が全く聞こえないのがつらい。  ■後半、やっと死ぬ気で頑張りだす志村さんが見れるかと思いきやいきなり通夜でびっくり。けどこのやり方はなかなか巧妙だったと思う。回想のなかでしか存在しない志村さん。通夜の最初の方のありえない叩かれよう(いくらなんでも故人の通夜の席ではあんなこと言わないでしょう)からの一転はうまい。決してヒーロー的な活躍を見せるのではなく、終始だんまりでさえない感じでいるあたりが、自分たちと同じ等身大でありながら、本気を見せるとあそこまで成果を上げれるのだということを見せつける。  ■しかし、その思い出を回想し「よし、自分たちも変わろう」と言って何も変われなかった同僚たちが非常に印象的。とあるツイートで「人間が変わる方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目はつきあう人を変える。この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは『決意を新たにする』こと」ということを見たが、まさにそれを思い出さされた。志村さんは「死期」ということによって環境が激変した。他方、「決意を新たにした」だけの同僚は結局何も変われなかった。
[DVD(邦画)] 9点(2011-01-02 01:21:50)
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