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コメント数 1963
性別 男性

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321.  ニッポン無責任野郎
植木等演じるこのノーテンキぶりが素晴らしい。ここまでいい加減、ノーテンキぶり、お調子の良さ、世の中楽しく!楽しく!て感じが常に漂う。過去より未来に眼を向けて生きようではないかというメッセージまで描かれている。ところで何だか女性陣のキャストを見ると「社長」シリーズぽいなあ!て思ったらこの監督さん、「社長」シリーズの助監督をしてるとは、通りでなあ!「社長」シリーズと「釣りバカ」シリーズを足したような気楽さ、植木等の源さんの部長を馬鹿にしたあの歌が笑えた。笑えた。とにかく余計な事など考えずに楽しむに相応しい植木等の代表作! 
[DVD(邦画)] 8点(2009-03-25 20:23:15)
322.  あの手この手(1952) 《ネタバレ》 
おう!これは思わぬ拾い物!流石は市川昆監督です。何を捕らせても、どんなジャンルにおいても標準以上の少なくとも今の日本映画、いやいや、アメリカ映画よりレベルの高い作品を撮る。この作品は川島雄三監督の「女であること」に雰囲気からして本当に似ている。あちらに比べてこっちのがコミカルで楽しめる。久我美子がまずは何と言っても可愛い。可愛いて意味においては黒澤明監督の「酔いどれ天使」に匹敵するぐらいとにかく可愛い。そんな可愛い久我美子に振り回されぱなしの森雅之、こんなコメディアンぶりを見せてくれるあたりはやはり名優間違いない。女に振り回される男の弱さと女の強さ、これを見ると男って生き者は女に振り回されるのが嫌いと言いながらも結構好きなのかもしれない。えっ?お前はどうかって?ご想像にお任せします。相手が久我美子みたいに可愛い子なら大抵の男は振り回されてみたいと思うような気がします。 最後にこれ、違うキャスティングでも見てみたい気がする。例えば、若尾文子に振り回される市川雷蔵、左幸子に振り回される小沢昭一じゃ「品川心中」だよなあ!司葉子に振り回される小林桂樹じゃ「社長」シリーズか?まあ、色んなキャスティングでも十分楽しめると思います。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-03-22 11:17:56)(良:2票)
323.  (ハル)(1996)
森田芳光監督って脚本さえしっかりしていれば良い映画を撮れるんだということを証明する上で最適な監督であるように思うわけで、この映画の主人公、言葉というものの意味合い、コミニュケーション、時代の一歩先を既に感じ取っていたかのようなそんな内容のこの映画を観ると言葉って大切なんだなあ!気持ちというものの表し方、相手に対する優しさやそういう人として最も大切なものをこの映画では見せてくれているようで色々と考えさせられる。この映画を観るまでは深津絵里って特に意識したことなかったけどこの映画を観てからというものすっかりファンになってしまった。顔の知らない何処の誰とも分らないメールだけの会話、やりとりなんて凄く不安だし、もし、その相手が自分の思い描いている人とはまるで別人のような感じだとしたら私にはなかなか会おうなんて勇気が湧かないけれど、でもそれが深津絵里みたいな彼女だとしたらなんて想像するという楽しみもこの映画の魅力なのかもしれない。いずれにしてもこの映画の深津絵里はとにかく文句なく可愛い。
[DVD(邦画)] 8点(2009-03-17 22:37:18)(良:3票)
324.  ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌 《ネタバレ》 
仔馬の歌の替え歌を本当の歌だと信じていた友蔵爺ちゃんが最高で笑える。笑えると言えば学校の絵を描いた丸尾くんの絵を見て、四階まであるけど実際は三階だよと突っ込む永沢くんも面白い。色んな場面に笑えるシーンを用意しているのもちびまる子ちゃんというアニメの魅力です。町で出会う絵描きのお姉さんとまるちゃんのやりとりも良い。タイトルにある歌の魅力も伝わる。さくらももこさんが描く世界、子供向けアニメ、漫画でありながらも大人が見ても共感し、笑えて感動出来る作品を長きに渡り見せてくれた原作者さくらももこさんの業績は評価されて当然だと思う。2018年9月29日更新
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-03-16 22:11:48)
325.  砂の女 《ネタバレ》 
怖い。何とも恐ろしい映画であると共に話としても本当に怖い。まるで砂そのものが人間のように生命というもの、魂とでも言うべき方が良いかもしれない?生きているようにさえ思えるほどのあの砂の恐ろしいことといったらない。昆虫採集が趣味で偶々鳥取の砂丘へとやって来た男が体験する地獄のような日々、蟻地獄のような世界から何とかして脱出しようとするが、出来ない。いや、一旦は成功したものの、村人に騙され再び地獄のような生活へと戻される。人間は一人では生きていけない。何とかして自分だけでも助かろうとしても砂がそれを許さない。自分の前へと大きく立ちはだかる凄まじいほどの砂、そして、そんな砂同様に自分の前に立ちはだかる一人の女の存在がそれを許そうとしない。この映画は何とも不条理極まりない世界を描くと同時に自分だけは自由であると思ってる人への物凄い強烈なまでの問いかけ、自由だと思ってる人にも自由なんてものはちょっとした事で失ってしまう。どこでどうなるか人間の運命なんてものは解らないと言ってるように思えてならない。岡田英二演じる男が何故、一度は成功した脱走なのにまたあの地獄の生活へと戻ってしまったのだろうか?それは岸田今日子演じる女の存在があればこそであり、その存在の大きさと生きる為に砂をかいてはかいては生き延べようとする姿こそ人間本来の姿を知ったからこそ最後は自分も砂の女(岸田今日子)と同じく砂の男であろうとする。それは何も人生の諦めなんかではなく愛した女の為に自らも砂の男へとなる決心とも言える決断であり、全てを受け入れた瞬間だったのではないだろうか?
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-02-14 12:10:57)
326.  剣鬼 《ネタバレ》 
三隅研次監督、市川雷蔵主演による「剣」シリーズ三部作のラストを飾るに相応しく正に壮絶であり、まるで市川雷蔵自身が乗り移ったかのようなあの表情の鋭さと悲しみのようなものに、市川雷蔵自身の運命、宿命とでも言うべきか?40歳にも満たない若さで亡くなってしまった市川雷蔵の作品を見ていると現代劇にしても時代劇にしても男の色気、危うさ、怪しさとでも言うべきか?女性が女性に憧れ、好意を抱くように男が男に憧れ、好意を抱く。単なる二枚目でない魅力がこの俳優にはある。だからこそ市川雷蔵ファンの男は多く、私もそんなファンの一人として、この作品のあの表情からはまるで市川雷蔵自身が自分の死を予測していたか如く思えてならない。花造りの名人、剣の達人、おまけに足の速さは馬以上、女を守る。全てにおいて班平=市川雷蔵に思えてならない。ラストの大勢を相手にの戦い、花畑の中での壮絶なまでの戦いと死に様に人間の儚さの様なものを感じ、剣三部作全て見て改めて市川雷蔵の魅力ここにあり!そして、僅か38歳にしての若さでの死は日本映画界において大きな損出であるという事を思う次第であります。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-02-06 20:16:12)
327.  同胞
山田洋次監督の温かさ、応援歌のようなものを感じることがこの映画を通し、また、出演者全員の演技、表情から伝わってきて、やっぱり人間て良いなあ!田舎って良いなあ!私自身が田舎で生まれずっと田舎で生活してるから余計にみんなの頑張ってる姿に応援したくなります。田舎者の田舎者による田舎者達への励まし、青春という言葉の正にこれは若者よ!頑張れば報われる。てメッセージがこの映画にはある。山田洋次監督作品、それも山田洋次監督と言えば誰が何て言おうが絶対に男はつらいよ、寅さんシリーズなのだ!のそんな寅さんシリーズの常連である賠償千恵子、更に下條正巳に三崎千恵子のおいちゃん、おばちゃんコンビにそして、何と言っても渥美清、このメンバーだけで内容なんか気にならないぐらい嬉しくなってしまいます。寅さんシリーズにゲスト出演していた井川比佐志や大滝秀治など、とにかく寅さんシリーズのキャストが沢山、見られるだけで良いのだ。皆さんが書かれてる通りこの頃の山田洋次監督作品は良いものが多い。しかも、寅さんを毎年二本づつ撮りながらである。凄いことだ。
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-01-20 21:33:07)(良:1票)
328.  南の島に雪が降る(1961) 《ネタバレ》 
これは本当に悲しくも切ない話だ!まず何よりもこれが実話というのがとにかく泣ける。日本映画の歴史において偉大なる多くの監督さん、黒澤明に小津安二郎、成瀬巳喜男に溝口健二、岡本喜八に川島雄三に増村保造、マキノ雅弘に豊田四郎、稲垣浩に小林正樹に鈴木英夫に内田吐夢に今井正に市川崑、吉村公三郎に伊藤大輔、山中貞雄にそして、この映画の監督さんである久松静児といった名前を挙げればそれだけでこの俳優の凄さが解る加東大介という偉大なる名役者、それもほとんど脇役としてどの作品でも存在感抜群の演技と人間的魅力で日本映画ファン、それも昔の日本映画ファンの多くの方にこの人、無くして日本映画は語れないと思わせるだけの魅力的なこの加東大介という俳優の戦争の体験、実体験の元に作られた作品であるからしてのこのリアリティーの凄さ、他にもこの映画のキャストに眼を向ければ伴淳三郎に三木のり平にフランキー堺に渥美清に森繁久彌という何たる名喜劇俳優勢揃い、今時、これだけの凄い喜劇役者など絶対に揃えるのは不可能である。そのぐらいの顔ぶれである。これだけの名喜劇役者達が演じるからこそ余計に伝わるものがこの映画にはある。そんな凄い凄い名喜劇役者達と一緒に志村喬に西村晃など名前を挙げたらきりがないぐらいの素晴らしい俳優達の共演!フランキー堺のあのピアニストの何とも言えない無常感、悲しみがこの映画を物語っている。いずれせよ、喜劇と悲劇は紙一重、喜劇役者たるもの、名喜劇役者=言葉のトーンと背中で泣かせることの出来るというのが私なりの考えであり、それを全て見せているこの素晴らしき名役者の名演技あればこその作品であることだけは間違いなし!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-01-15 22:00:45)(良:1票)
329.  どん底(1957) 《ネタバレ》 
黒澤映画の中でも、特に白黒の黒澤映画の中にあっても比較的評価が低く、一般受けもされてないような作品ではあるが、私はこの映画も好きです。単なる貧乏な人間の集まりの話でありな゛らそれが何故、面白いのか?と聞かれたら私はこう答える。貧乏長屋に集まる貧乏な人達、ここに集まってくる貧乏人達の中には狂気というものが充満している。例えば長屋の大家である中村鴈次郎はいつも何かに怯えている。その女房の山田五十鈴は物凄い悪女ぶりでまるで人間というよりも獣の如く、鬼のような表情で常に狂ってる。山田五十鈴が愛する男である三船敏郎の泥棒には善と悪との両方の顔を持ち、香川京子に対して惚れてるからこそもう、泥棒なんて辞めようと思ってる。そんな二人の仲の良さそうな所を見て嫉妬し、狂乱し、その後、起きる殺人事件について香川京子を罠へとはめよとする。他にも鋳掛屋の東野英治郎にしても常に怒っているし、その妻もまた他人に対して怒りをぶつけている。役者崩れの藤原鎌足、遊び人の三井弘次、殿様と呼ばれている千秋実、いずれの人物にしても人間て如何に馬鹿な生きものであり、感情を抑えようとすればするほど抑えられなくなるものであるというものを見ているようであり、謎めいた部分が多く、お遍路としてやってくる善人のような老人、左卜全にしても見掛けは良い奴かもしれないけど、本当は悪い奴なのかもしれない。気まずくなった途端に去って行っていってしまう。長屋というたった一つの空間の中だけで色々な人物による何とも可笑しなやりとり、あの変な歌、トントンちきめ♪トンちきめ♪こんちきしょう♪こんちきしょう♪地獄の沙汰も金次第♪仏の慈悲も金次第♪て歌に合わせて踊る男達、ここには人間なんて所詮は馬鹿な生きものなのさ!とでも言ってるようであり、またあの三井弘次の残した台詞「ちぇっ、折角の祭りが台無しだぜ」には何だか昭和の名人と呼ばれている人達の古典落語でも聞かされているような震えに襲われたのと当時にどん底に生きる人間の哀しさや辛さのようなものを見た思いでいっぱいになりました。
[DVD(邦画)] 8点(2009-01-11 11:59:58)(良:1票)
330.  越前竹人形 《ネタバレ》 
水上勉の原作で主演に若尾文子とくればどうしたって観たい。しかし、どこのレンタル屋さんを探しても置いてないし、テレビでもやってくれないし、当分やりそうにもない。我慢も限度です。まるでこの映画の若尾文子や西村晃のようでして、そんな訳でDVD買ってしまった。水上勉原作に共通して言えるのはどの作品も女の悲しさ、辛さ、愛する男への募る思い、それなのに相手の男は自分を本気で愛してくれようとしない。本当は愛してくれているのにもそれが解らないのである。喜助の留守中にやって来たかつて自分が遊郭で働いていた時の馴染み客の一人である西村晃演じる男に身体を許してしまう玉枝(若尾文子)の姿が何とも悲しい。喜助に対しての愛、それは喜助の所へ嫁として嫁いできた玉枝が喜助が何日経っても自分を本当の嫁として見てくれてないのではと感じ「私の事、嫌いなのですか?」て問う場面によく現れている。その問いに対し、喜助は亡くなった母の面影を忘れられないのである。だからこそ本心は好きで好きでどうしようもなく、抱きたいのに玉枝を抱くこすら出来ない。正しく男の本心、辛さ、これは男と女の愛のドラマであり、又、母親を忘れられない男の物語でもある。喜助に別の男との間の子が出来てしまつたことなど言えない玉枝(若尾文子)の演技がとにかく凄い。西村晃の所へ出向き医者を何とかして欲しいと頼むも再び犯されそうになって逃げだした後、川で出会う中村雁次郎との二人きりの場面、あの流れる川の水の美しさ、船の上での若尾文子の黒髪が水面に浮かぶ場面の美しくも恐ろしい描写などは溝口健二監督の作品を思わせるぐらいの美しい映像、同じカメラマン、宮川一夫のモノクロの美しさと若尾文子の美しさ、この映画は何かもが本当に美しい。そして、やはり怖い。喜助が玉枝が布団に入ってる時にも一人、ギコギコと竹人形を作ろうとしてる場面のあの音も耳から離れなくなりそうです。
[DVD(邦画)] 8点(2008-12-23 12:52:25)
331.  曽根崎心中(1978) 《ネタバレ》 
うわぁ~これまた完全に増村映画になっている。何とストレートな愛情表現、男も女も全くもって嘘が無い。愛する者のためになら一緒に死ねる。これぞ増村映画らしい男と女の本物の愛、主演の二人、宇崎竜童の徳兵衛と梶芽衣子のお初の二人の眼には常に相手の姿が映し出されている。全くもって視線を離そうとはしない。徳兵衛のお初に対する愛が痛すぎるほどに壮絶なシーン満載です。徳兵衛の「俺が愛した女、可愛いと思って抱いたきた身体に傷が付けられるものか!」というあの台詞こそ男の哀しさ、辛さ、愛というものが何もかも伝わってきて泣けてくる。心中シーンも悲しくもあるけど、美しくさえ思えてしまうほどこの二人にしか理解出来ないようなやるせなさ、悲しさというものを増村監督は容赦なしに遠慮することなく描き切る。この監督のそんなストレートなまでの愛の描き方はどの増村映画を見ても同じであり、今作の二人の血塗られた本物の愛に感動さずにはいられない。ただあまりにもみんなして、熱すぎる演技に少しぐらいは生き抜きも必要かと思ったりもして、いずれにしてもこれは、いや、これもまた増村映画!増村保造というこの監督にしか描けない男と女の愛の世界!主役の二人以外にもどこまで嫌な奴ぶり全開の二人、橋本功と左幸子の悪人ぶりも強烈です。なにわともあれ、本当に悲しくも切ない男と女の物語である。増村映画はけして、万人受けする映画ではないし、好き嫌いがハッキリと出る。分かれる映画きりだと思うけど、私はこの監督のストレートなまでの感情表現、愛情表現、ぐいぐいと引き込む力強い演出、大好きです。この監督の作品に一度でもはまってしまうともうやめられません。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-12-18 21:05:21)
332.  晩菊 《ネタバレ》 
成瀬映画と言って思いつく女優は?と質問されたら大抵の人はまずは高峰秀子の名前を真っ先に挙げるであろう!次はとなると原節子か香川京子が司葉子かまたまた草笛光子かいやいや、やっぱり浦辺粂子だろ!とかええ?杉村春子でしょ!とかまあ、色々な意見が飛び交うことであろう!で今作はというと成瀬=高峰秀子である彼女も出てなければ原節子も香川京子も司葉子も出てない。それなのに面白い。ここらがこの監督さんはただ者ではない。三人の中年女性が主人公の話なんて普通、つまらんだろうと思うものだが、そうならないところが成瀬巳喜男という監督は素晴らしい監督である。普段は脇役専門の杉村春子の凄さを引き出す演出の凄さ、人間の欲、金に対する欲望、金貸し女のずるがしこさ、いやらしさというものを徹底的に描き出している。人生についての本音の部分、年老いた中年の女にしか解らないであろう本音の部分を包み隠さずに堂々と見せつける。これぞ人生の辛さ、人間の持っているいやらしさというものを上手い役者の抑えた演技で見せてくれていて面白い。あのラストの方の望月優子のマリリン・モンローの物真似、変てこな歩き方の場面の面白さ、やはり成瀬映画は面白い。成瀬映画を見ていると川島映画を見ている時のような人間のだらしなさと人生に対する皮肉みたいなものが画面を通して迫ってきてこの監督さん、今じゃ川島雄三監督と並んでやめられなくなってしまった。成瀬映画も全部観たいぞ!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-12-03 20:23:13)
333.  綴方教室 《ネタバレ》 
「綴方」とは今で言う作文の事を言うのですね。初めて知りました。この映画の高峰秀子を少しは見習いたい。「綴方」=作文など自分がガキだった頃、まともに書いた覚えはない。いつも適当に書いていては先生に叱られていたような気がします。高峰秀子演じるこの映画の原作者豊田正子の少女の眼から見た戦争の跡地、面影、高峰秀子の少女のあの眼からは本物の少女らしい眼を感じると共に早くも天才子役としての、また、後の日本を代表する名女優への未来を予感させる凄さが見られる。作文を発表する場面や弟と遊ぶ場面もいずれもこれが子供だというものを演技とは思えない演技ぶりで見せてるところが本当に凄さを感じる。そしてこの映画、最初と最後に、子供達が暫しも休まず槌打つ響き♪て「村の鍛冶屋」を疑いながら子供達が歩く場面があるけど高峰秀子でこの曲を聞くと私にとっては生まれて初めて高峰秀子という女優を見た「二十四の瞳」を思わずにはいられない。まあ、なんだかんだとにかく高峰秀子が見せる演技を超えてるような初々しさ、小津映画でも見てるような何かほっとするそんな作品になっていて心が温かくなりました。 天才子役は大成しないは高峰秀子には当てはまらない。例外ではないでしょうか? 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-23 18:52:23)(良:1票)
334.  女の暦 《ネタバレ》 
私は何を隠そう香川京子が大好きです。いや、別に隠す程の事でもなければ隠しちゃいないと思うが、とにかく香川京子が大好きです。香川京子の魅力、それは姉思いの優しき妹を演じてる時に最もその魅力が現れる。杉葉子の姉への優しい態度、あさがおの花を見て楽しそうな顔つき、特に私は香川京子のあの鼻が大好きです。噛み付きたくなってしまいます。笑ってる表情は勿論、泣きだしそうな時に見せる香川京子の表情も私は好きです。この作品、壷井栄原作だけに雰囲気は「二十四の瞳」に近く、姉の杉葉子の教師、写し出される小豆島の美しさ、更に出演者の顔ぶれは成瀬作品を思わせる。三島雅夫と田中絹代、この二人と香川京子が同じ一つの作品の中にいるのを見ると成瀬作品を思わずにはいられない。作品全体の包み込む温かさを出演者の演技から感じることが出来る。そして、やはり香川京子がダントツに素晴らしい。あの笑顔、拗ねる表情、何もかも香川京子にしか出せない魅力でぎっしりと詰まった作品です。香川京子ファンは間違いなく満足出来るはずです。最後に久松静児監督、もっと評価されて良い。評価されるべきであると言いたい。いずれにせよ、これまた日本映画らしい良い映画、この映画を見て私は益々、香川京子が好きになったのと杉葉子も今まで以上に好きになった。そしてこの映画を撮った久松静児監督も好きになりました。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-15 09:59:56)
335.  ドラえもん のび太の宇宙小戦争 《ネタバレ》 
久しぶりに見て改めて感じた事の一つ8歳にして大統領とはすげ〜な!しずかちゃんの入浴シーンでのサービスカットは大人向け?いや、子供向けだよねと初めて見た時は友達と会話したのを思い出します。しずかちゃんと飯のどっちが大事だとスネ夫に食ってかかるジャイアンの言うことは正しい。どんな状況でも立ち向かおうとするジャイアン、今作でもジャイアンは相変わらずかっこ良い。かっこ良いと言えば何時もは逃げ腰なスネ夫がかっこ良い。しずかちゃんの為に頑張るスネ夫の姿が見られる作品としても忘れられないドラえもん映画!忘れられないと言えば、既に何人もが書いてるけど武田鉄矢の歌う少年期が素晴らしすぎる。ドラえもん映画史上最高の音楽だ!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-09 08:43:51)
336.  雪国(1957) 《ネタバレ》 
芸者駒子を演じている岸恵子、これはもう皆さん指摘の通りであり、おそらくこの映画を一度でも観たことのある方なら誰もが思うに違いない。岸恵子という日本映画の歴史において間違いなく名を残す大女優の演技、あの眼、表情、拗ねる時の顔付き、甘える表情、そうかと思うと笑ったり、泣いたりと色々な表情を自然体に表現しているところなど正しくこれが女優の演技であると言いたい。その美しさ、それは表情だけでなく振る舞いから何から日本の女性の美しさ、本当の美しさというものを見事に演じている。そして、私がこの映画の中で最も痺れた瞬間、鳥肌が立った瞬間は駒子演じる岸恵子が池部良演じる島村という男の前で三味線を弾く場面で、この時の手の動き、流れる音の美しさ、この場面のあの緊張感ある中でそれを全く感じさせずに演じきって見せた岸恵子、この時のあの三味線を弾く場面、相当練習したんだろうなあ!そうでなきゃあんなにも素晴らしい音など出せる筈がない。この経験があったからこそ後の市川崑監督、岸恵子の代表作と言える傑作「悪魔の手毬歌」の中で同じように三味線を弾く場面が出てくるけど十分に生かすことが出来たと思えるし、この映画のあの駒子の三味線を弾く場面だけでもこの映画は岸恵子という女優にとっての忘れられない代表作に挙げても良い。そして、勿論この美しい四季の香りを残しつつ女が強く生きて行く人間ドラマとして見応えあるものを作り上げた監督、豊田四郎監督の代表作の一つと言っても間違いない。最後にもう少し!岩下志麻の駒子の「雪国」もあるけど、岩下志麻の駒子も観てみようかなと思う。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-03 10:30:49)(良:1票)
337.  疑惑(1982)
ここ何年もずっと思ってることの一つに俳優の演技で見せることの出来る映画が少なくなったと思う今日この頃、1980年以降、本物の役者魂、女優の凄みで観ることの出来る数少ない作品がこの映画だと思うぐらい二人の女優、桃井かおりと岩下志麻の演技、醸し出すオーラ、凄みというものにとにかく圧倒させられぱなしで、ぐいぐいぐいと引きずり込む力強さ、桃井かおりって女優さん、私は苦手だし、嫌いではあるが、この映画のあの役はこの女優に正しくぴったりの役ではないかと思うぐらいのはまり役!夫の通夜の日に一人だけ派手なかっこでやってくる所からして、この映画の凄さが見ることが出来る。法廷シーンにおける女と女の戦い、そして、不利な証言に対して見せるあの桃井かおりの演技、暴れぷり、見ていて本当になんて嫌な女だ!こんな女はとっとと有罪にして死刑にしちまえと言いたくなるぐらいの嫌な女を演じているが、この女優だからこそ出せる嫌な女ぷり全開、とにかく見ていて腹が立って仕方ないものの、犯罪映画としても裁判映画としても面白いこと面白いこと!この映画を見て私はいくらお金の為といえ、絶対に弁護士なんて職業にはなりたくないと思ったのと(最も頭の悪い私には弁護士になることなど無理だろうけど)男の弱さ、だらしなさと女の強さ、恐ろしさというものを知らされた気がして、あぁぁぁ~やっぱり女って恐ろしい生きものだと思わずにはいられません。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-10-13 13:12:34)(良:1票)
338.  夜の河 《ネタバレ》 
これは人間の心理状態というものを色で表している。山本富士子演じるヒロインが想いを寄せる大学教授竹村(上原謙)に初めて身体を許すシーン、画面全体のあの赤い色は山本富士子の演じる女の情熱を表していると思いました。好きな男にはきちんとした奥さんもいれば、娘もいる。山本富士子が相手の奥さんが病気で亡くなった後に上原謙に対して別れを告げるシーンでは青が強調されているが、あれは自分は女としてのプライド、誇りをかけて愛した男との別れを選ぶ。それは女としての辛さを青い色として見せているようにも感じるし、その色使いの見事さ、美しい映像は宮川一夫という日本映画史上最高の名カメラマンによる功績が大きい。主演の山本富士子の色気、黒髪を洗う場面のあの色っぽさ、心が強くて誇り高い京女としてのプライドの高さを見事に表現して見せた演技なくしてこの映画は語ることは出来まい。そのぐらいこの映画の山本富士子は素晴らしい。小沢栄の酒癖が悪くて口も悪い嫌な男に何を言われても負けまいと強い女を演じている姿など正しく強い女の象徴である。小沢栄のご機嫌取りを飄々と演じている山茶花究の姿も忘れがたい印象を残します。山本富士子と上原謙との初めての夜のあのシーンにしてもちっとも嫌らしさを感じない。男と女が抱合う場面の色気、全くもって嫌らしさを感じさせずにそれでいて官能的に見せる演出の上手さ、ここらが昨今の日本映画にはなくて昔の日本映画にはある。この映画を見ると益々そういう気持ちにさせられる。裸になどならなくても伝わる女の色気と愛情、その伝え方、こういう映画を見て昨今の日本の監督は大いに勉強し、見習って欲しい。映し出される京都の街並みの美しさ、宮川一夫のカメラ、そして、やはり山本富士子の美しさ、この映画は何かもが美しい。ラストの山本富士子の表情には女として自立し、強く生きて行くことへの思いが現れているようです。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-10-05 21:51:03)
339.  旅の重さ 《ネタバレ》 
これは一人の少女の眼から見た母への思いを手紙を通して伝えると共に自分が求めている男、理想とする父親探しの旅の物語だ!高橋洋子の映画デビュー作品とのこと、何という初々しさ、少なくともこの映画一本で高橋洋子という女優を私は忘れない。そのぐらい強烈な印象を残します。旅の途中で出会う色々な人達との交流、葛藤、三國連太郎演じる一座の親方、あの旅の一座を見ている時の高橋洋子の笑顔の素晴らしさ、また、旅先で出会った一人の女に誘惑され、身体を許してしまう姿がとても痛くて、苦しい上に切ない。四国の美しい風景、海、砂浜に裸で寝そべる高橋洋子も、倍以上歳の離れた男、高橋悦史とのやりとり、高橋悦史が食べているパンを後ろから美味しそうだとばかりにジュースを飲みながら見ている表情も、更に二人で逆立ちをする場面も強烈な印象を残します。高橋洋子が求めていた愛とは何か?父親の愛に飢えた少女の男への愛情表現も何とも不器用ではあるが、その不器用さが何とも言えない余韻、刹那さを残します。あっ!そうそう、これが同じく映画デビュー作となる秋吉久美子の可愛さも忘れられないぐらいの印象を残します。そして、映画や出演者と同じように吉田拓郎の名曲中の名曲「今日までそして明日から」も一度聞いたら絶対に忘れることは出来ないほどの印象を残します。映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツオトナ帝国の逆襲」の原恵一監督はもしかして?この映画の大ファンなのかな?「今日までそして明日から」のこのタイトルに相応しいこの作品は少女が大人への階段を一つ一つ登る。見つめながら自分探しと理想の男、理想の父親像を描いた青春映画の秀作の名に相応しい映画だと感じることが出来る。そして、この映画の成功はやはり高橋洋子、高橋洋子の存在なくして語れない。高橋洋子あってこその映画でもあるというのが私のこの映画の感想でございます。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-10-03 22:14:04)(良:1票)
340.  大地の子守歌 《ネタバレ》 
増村映画に常に付きまとう女の苦しみ、痛み、傷ついても傷ついても、直向きに生きる少女おりん、原田美枝子の演技力、この当時若干16歳にして、この迫力、昨今の女優気取りのタレントなどとは大違いである。これが女優の演技だ。おりんが発する「この馬鹿たれが~」は自分に対する思いと自分をこのような世界、女郎へと引きずり込んだ男、佐吉への恨み(叫び)、また、自分を置いて死んでしまったばばあに対する思い、自分の事を何も解ろうとしない周りの連中への叫び、素直な気持ちの現れだと見ていて感じる。おりんがもう女になどなりとうないという気持ちが何とも痛い。牧師に対し船に乗せてくれというあのおりんの姿に少女としての本当の意味での女としての悲しみが滲み出ていて泣けてくる。眼が見えなくなったおりんが船を漕ぐあの姿にもおりんの悲しさ、切なさが現れてる。それにしても女優に対しとことん演技というものを追及する増村保造監督の演出の凄さ、今、これだけ女優に対し凄まじい演出を追及する監督はいないのではないだろうか!
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-09-14 14:04:39)(良:1票)
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