Menu
 > レビュワー
 > かっぱ堰 さんの口コミ一覧。27ページ目
かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647
>> カレンダー表示
>> 通常表示
521.  オカルト 《ネタバレ》 
この監督のフェイクドキュメンタリー路線の一作だろうが、今回すでにこの道を極めたようにも見える。同系統の「ノロイ」(2005)にあった微妙なおふざけ感は目立たなくなった印象があり(笑ったのは近藤という人物が公園で取材中止になった場面のみ)、また見ている人間のところにまでヤバいものがはみ出して来そうな感覚も特にない。そういったことを犠牲にしてこの形式としての純度を高めたようにも見えるので、一般的な娯楽映画としては「ノロイ」の方が勝っていると思われる。 そういうものでも当方としては一応付き合う気があって見ていたわけだが、それでも特に前半で、何が起きるか起きないかわからない状態で延々と派遣労働者の日常を見ているのは結構つらいものがあった。これが本物のドキュメンタリーだったとしても、ここまでどうでもいい映像は使わないだろうと思わせるものがあり、それでこの人物に愛着がわくならいいだろうが、自分としてはそこまで心に愛がない。またラストに関しては、21年間もビデオカメラを預かっておいてあれしか撮れなかったのかと呆れるわけだが、しかし21年間あれがずっと続いていたために、長く撮っても短くしても同じだったとすればまさに地獄である。 なお今回は、フェイクのエンドクレジットで劇中人物の名前を出した後に、本物のエンドクレジットで本物の出演者の名前を出していたのが正直な態度だった。劇中の白石晃士というディレクターはこの映画の監督本人だが、栗林忍というADもこの映画の助監督本人だったようで、本物のエンドクレジットでは出演者でなく助監督として名前が出ている。この人は一時期「いちごちゃん」と呼ばれて、その世界では親しまれていた人物らしいが詳細不明である。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-23 19:44:54)
522.  39 刑法第三十九条 《ネタバレ》 
日頃アイドル映画のようなものばかり見ている立場としてはかなりまともな映画を見た気がした。全体として重厚な印象で、映像の作り方や役者の演技など、わざとらしいところ、不快なところを含めていかにも映画的に見えて感心する。ただストーリーとしては不可解・不自然な点や作り過ぎ・やりすぎの面が目立ち、激賞する気には全くならなかった。  テーマとしては題名の示すとおりだろうが、こういう問題提起はかなり以前からなされており(個人的には昭和の特撮番組「怪奇大作戦」の欠番エピソードのあたりから)、これ自体はそれほど目新しい気もしない。しかしこの映画では犬山の遺体映像や、加害者側の弁護士が業界の常識を遺族に説明してみせたあたりで、改めてこの問題の存在を強く印象づけていたようである。 ただ自分が見た限り、この映画が本当に39条の存在自体を問題視していたのか、それとも39条を悪用することの方が問題と考えていたのかよくわからなかった。わざわざ精神鑑定を持ち出した意味としては、誤審の恐れがあるので死刑は廃止という主張と同様に、精神鑑定はいい加減なので39条を廃止せよということのようにも思えるが、その割に主人公のやっていたことは、条文の正しい運用を促すために悪用を阻止してみせただけのように取れる。しかし仮に悪用の方が問題なのだとすれば、まずは犬山の事件が悪用の事例でなければならないだろうがそのようにも見えず、かえって少年法との関係で焦点がぼやけている。 さらに主人公のいう「人権」が父親の事例から導かれるとも思われず、むしろ40条(現在はすでに廃止)との関係を示唆しているかのようで混乱する。特定の結論なしに問題提起だけというつもりならこれでいいかも知れないが、単にまとまりがつかないまま拡散して終わった印象の方が強かった。  ちなみに主人公と母親のエピソードが本筋とどう関わっていたのかもよくわからない。かなり面倒くさい感じの母子関係のため、これが最後に破綻して終わりになるのではないかと危惧していたが、途中で主人公がそれらしい解決を図ったようで安心した。この主人公には愛がある。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-15 23:38:40)
523.  ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状 《ネタバレ》 
4人姉妹のうち長女は出ていないが、3人だけでも十分に超豪華キャストという感じである。3人並んでみると、この時点で夏帆が一番背が高いことがわかる。だから何だというわけでもないが、3人並んだことで初めて目に見える事実ということだ。 ○夏帆がひたすら可憐である。「レレレ?」の表情もいいが「Q.E.D.」の時の口つきなどは見事だった。銭形零はカメが好き、という設定があったのかどうかわからないが、「もっとおっきな空飛ぶカメが好き」という台詞があったのは、この映画の公開と同年の「小さき勇者たち/ガメラ」(2006)のPRだったものか。 ○堀北真希は何といっても「世界のダンス」が見どころである。難度としては後になるほど高いのだろうが、個人的印象では最初のアイリッシュダンスが非常に可愛らしい。これには参りました。 ○黒川芽以はそういう意味での見どころが少ないが、「謎は解けたよワトソン君」のところで可愛くアピールしているのはよかった。この頃は顔がふっくらして愛らしい。 およそ以上のような映画だった。これで5点つける。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-09 23:26:52)
524.  殿、利息でござる! 《ネタバレ》 
劇中では特に説明がないが、黒川郡吉岡は伊達家重臣のいわば城下町のようなもので、そのうち町人町に当たる部分が吉岡宿である。遠景で小山が何個か固まって見えるところは「七ツ森」と呼ばれており、これが景観的にこの場所であることを印象づけている(ちなみに仙台からは反対側が見える)。現実の吉岡宿が映像に出たような場所だったかは不明だが(もっと街が大きい、家々の裏手に山林はない)、最後に現在の風景など出して連続性を感じさせるようにはなっていた。 全体としては気楽に見られる内容になっており、特に序盤では、都合の良すぎる展開を笑いに転化してスピーディにこなしていたのがよかった。終盤になるとまた極端に都合良すぎの展開になって、何から何までいいことづくめで終わったようだが、主人公が数年後に亡くなってしまったのは事実らしいので、それ以外の部分が完璧ハッピーエンドであることも気分的には正当化される。ちなみに個人的に泣ける場面などは特になかった。 キャスト面では、役柄との関係で印象深かったのが松田龍平と千葉雄大で、うち大肝煎様はまるきり年齢不詳に見えるのが面白い。ほか「暗殺教室」で見たはずの山本舞香という人がどこにいるか意識しないまま終わってしまったが、自分が気づかなかっただけで実際は結構目立っていた。  ところで江戸時代でも「大名貸し」自体は普通にあったことだろうから、相談しただけで処罰というのはコメディらしい誇張ではないか。それより劇中の事例が特徴的なのは、各種事業者が共同で地域全体の共通利益のために行ったという点であって、今でいえば商店街とか温泉街の維持発展のために事業主有志が尽力するようなものだろう。劇中の例では結局、資産家の個人的な人徳に頼る形になっていたが、「無私」などとあまりご立派なことを言わずに、われ人ともに栄えるという志をみなが少しずつでも持とうということであれば、現代にも十分通用する話と思われる。 しかしこれが実際に貸付金だったのか出資金のようなものなのか、あるいは献納を条件に実質的な交付金が出るようになったのか、というあたりは何となくごまかされたような気もした。そもそも主要街道(現在の国道4号)の伝馬を運営するための対策が、伊達家直轄領と家臣の拝領地で統一的に行われていないことが真の問題だった気がするが、まあ大昔の幕藩体制に今更もの申しても仕方ないので、今も昔もやるべきことは初めからちゃんとやりましょうという話である。
[映画館(邦画)] 5点(2016-05-28 14:11:06)
525.  砂の器 《ネタバレ》 
まず刑事ドラマの部分については普通に面白い。警視庁の刑事が普通行きそうにない場所を訪れて、「北の旅 海藍色に 夏 盛り」と詠んでおいて「ぜいたくな旅行させてもらったよ」というのが和む。この警部補は旅好きだったようだが、この映画での「旅」の意味づけが不明瞭なのは残念だった。「急行 鳥海」とか「山陰周遊券」を使って行ける現代(当時)と、徒歩で放浪した父子の対比を出そうとしたのかも知れないが、どうも説明不足に終わった感じがする。 一方で謎解きのポイントが方言だったことから登場人物の言葉には気を使っていたらしく、羽後亀田で川にいた中年女性の言葉などはかなりそれっぽく聞こえた。また奥出雲で若手警官が、東京から人が来たので言葉には気を付けていると言っていたのは、当時すでに世代による使い分けの能力差があったことを示していたようで興味深い。この土地の年寄衆の言葉はなるほど東北方言のように聞こえた。  ところで原作は読んでいないが、自分としてはこの映画を見て犯人の心情を思いやるのは無理だった。 確かに正義面(せいぎづら)の世話焼きが煩わしいというのはわからなくもないが、“息子に会いたい”以外に話題のない手紙を24年もやり取りしていれば、元巡査が息子を強く説得しようとするのも無理はない。一方で息子が再会を拒んだ理由といえば、自分が成り上がるためには父親が物理的に邪魔だった、というだけではないか。父親側が知らないと言い張ったことで免責されるわけでもない。 また劇中曲は芸術音楽というより映画音楽のような薄さだが、それは使用目的に合わせたことなのでまあいいとして、そもそも共感できない人間の心情を切々と訴えられても到底受け入れられるものではない。この男にとって大事なのは自分を表現することだけで、自分が孕ませた女を死なせてしまったことなどはこの曲の中で表現されてないだろう。 大体そのような理由で、自分としては犯人が一番悪いと言って終わりにしたい映画だった。ちなみに題名の意味をこの映画から読み取るのは難しいのではないかという気がする。  なお余談として、療養所の老人の嗚咽と元巡査の説得の言葉、及び警部補がハンカチを取り出す場面ではさすがに泣かされた。警部補の隣にいた刑事(丹古母鬼馬二)までが柄にもなく目を伏せていた。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-28 14:11:00)
526.  昆虫大戦争 《ネタバレ》 
登場人物の説明によれば、劇中の「亜南群島」は「二十数年間日本の手を離れてた」とのことで、これは小笠原諸島を念頭に置いていたものと思われる。この映画の公開は1968年だが、実際に小笠原諸島は同年6月26日に日本に返還されており、劇中の黒人兵が死んだのが1968/10/19だったのをまともに受け取れば返還直後だったことになる。劇中で妙にアメリカ軍がのさばっていたのはまだ完全に影響を脱していなかったということか。そうした歴史的背景のほか、映像的にも微妙な南の島感(熱帯ではないが本土でもない)が出ており、これは撮影地が八丈島だったことによるものかも知れない。  ストーリーとしては、戦後の東西対立と日米の微妙な関係に加えて前大戦の亡霊のようなものが劇中にまとめられており、単純な二項対立の構図に終わっていないのが好印象である。その上で、昆虫の集団意思のようなものが人類に宣戦する、という大きな動きが見えて来る展開は悪くなかった。また序盤からいきなり重要人物が外人女と浮気していたり、その新妻が雇用主に乱暴されそうになったりするのはその後の月並みでない展開を期待させる。複雑そうに見えた人間関係がやがて解きほぐされていき、ラストの意外さも単なる肩透かしに終わることなく、未来にわずかな望みを託すような終幕はわりと良心的に感じられた。これ自体が面白いかどうかは別として、他の松竹特撮映画と比べると、地味ながら普通にまともな感じの映画だったのが感動的である。  ところで登場人物としては、劇中に男女の組み合わせが2つできていたが、まともな大人同士の方はいいとして若い方はいかにもバカップルに見える。誰も頼れる人がいない、というのは自分ら(特に男)のせいだろうと言いたいところだが、虫を捕る以外に生活の道がないというのも情けない話で、頼りがいのありそうな学者先生と比べるといかにも愚かな連中に見える。アメリカ軍にとっては「虫けら」同然だろうが、それでも最後に互いの愛情が本物だったのを見せたのが哀れを誘うということだろう。ここが昆虫とは違う人間の証と言いたかったのかも知れない。 新藤恵美という女優の最盛期はよく知らないが、この映画では悲しげな表情が愛らしい人だった。またキャシー・ホーランさんが今回は大活躍で、なかなか色っぽいところを見せていたのもよかった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-21 09:27:25)
527.  ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣 《ネタバレ》 
ゴジラ系列に属しない正統派の昭和怪獣特撮である。地味だが真面目に見ればそれなりの味わいがある。 題名の怪獣3匹が同時に大暴れするわけではなく、最初にイカ、次にカニを人間が退治して、最後にカニ(二代目)とカメをまとめて現地在住のコウモリが撃退したので計4匹が出ていたことになる。最後が火山ネタというのは日本特撮伝統の安易なクライマックスだが、南洋の火山島には噴火が付き物だといえなくはない。 出ていた怪獣は全て現地の生物が巨大化しただけのものらしく、これを普通の人間が銃や爆発物などで攻撃していたのは新鮮な印象だった。これなら旧日本軍が組織的に当たれば対抗できた感じである。最初の攻撃のとき、現地住民が旧日本軍の武器を持って来て日本人に渡していたのは、こういう場合は日本人が率先して戦うはず、と思い込んでいたようで可笑しかったが、その後は現地住民もその気になって一緒に戦っていたようである。 なお現地住民によればイカ怪獣は人の心がわかるとのことで、実際に島から逃げようとした者を目がけて襲ったような場面もある。これはその後の逃げられない恐怖感を予想させなくもなかったが、実際はそういう展開でもなかったのは残念だった。また元凶になった宇宙生物の設定は、個人的に嫌いな映画「吸××ゴ××××」(名前を書きたくない)を思わせるので好きになれない。  ところでキャストに関して、特撮ファンとしては現地住民役の小林夕岐子さんが見どころなのかも知れないが、実際はただいるだけのようであまり活躍していない。しかしこの人が突然現れて「わたし、結婚します」と宣言したところは驚愕の展開だった。また今回ヒロイン役の高橋厚子さんは特撮関係ではあまり見ない人で、明らかに美形とはいえないが昭和的に可愛らしいので和む。この人の“乙女の涙”が悪人の心を動かすのは感動的だったといえなくもない。 ほかにも東宝特撮おなじみのキャストが多いので安心する。もう佐原健二氏の悪人役も定着してきた感がある。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-14 20:08:34)
528.  劇場版 幼獣マメシバ 望郷篇 《ネタバレ》 
TVもこれ以外の劇場版も見ていないので基本的知識が全くないが、非常に変なものを見てしまったという印象だった。 まずは主人公の人物像にはかなり抵抗感がある。こんなのが主人公で大丈夫かと思うわけだが、話を聞いていると語彙が豊富で表現も的確であり、どうも頭の回転は速い人物らしい。遠慮がない代わりに他人の言うことも率直に受け止める裏表のなさは好印象である。 また今回の舞台は隔絶された離島ということになっており、主人公が来るのも出るのも路線バスだったのは変ではないか(撮影は三浦半島)と思うが、背景音楽を局限して環境音を多用した静穏な空間が表現されており、現世を離れた奇妙でファンタジックな劇中世界ができていた。  ところで物語としては何が言いたいのかよくわからない。主人公が訪ねた男は引きこもりから一応脱却したようだったが、その後も無理をせずにこの村とともに生きることにしたらしく、これは「やれることだけ、やります」の実践例ということか。 しかしその村自体が選挙の結果、今後とも引きこもりを続ける(やがて滅ぶ)ことを選択したのはまことに非常識である。最後に変な歌手を招いて局所的に盛り上がっていたのも高齢者施設の慰問のようにしか見えない。「日本沈没」の「何もせんほうがええ」と同じとすれば一つの見識とも取れるが、本来は個々人の問題である「引きこもり」を、無理に地域社会レベルまでスケールアップしようとして変なことになった印象もある。まあシリーズ全体の事情がわかっているわけでもないので、とりあえず変な映画だったということで終わりにしておく。  なお、救済の女神のようにして出る謎の美女(と美少女の中間くらい)は劇中唯一の潤いに見えたが、この人が巫女の格好をして神酒を持っていたのは結局意味不明だった。ちなみにこの女優は当時19歳くらいなので、いきなり結婚などというのは早すぎる、とお父さんじみたことを言いたくなる。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-09 21:05:13)
529.  劇場版 仮面ティーチャー 《ネタバレ》 
マンガ・TVとも見ていないのでよくわからないが、どうも仮面ライダーのパロディのようなものらしい。ただの人が仮面を被るだけなので外見的には貧弱だが、ヒーローものらしくアクションには力が入っていたようである。また学校内の暴力ということで深刻な内容なのかと身構えて見たわけだが、実際はコメディ要素がかなり含まれていたようで、仏頂面の男どもが失笑ギャグを演じる場面があったりもする。他の映画などでは普通に美少女なり美女なりをやっている竹富聖花さんが、美少女のままコメディエンヌに挑戦しているのも微笑ましい。 今回は劇場版ということで主人公の原点が明らかになるのと、その正体が周囲(特にヒロイン)に知られてしまうという変身ヒーロー最大の盛り上がり部分をまとめた形になっているようだった。  出演者のうち上記の竹富聖花さんはレギュラーだったようだが、今回ゲスト出演の北山詩織という人は他の映画でも見たことがあり、相変わらず長身で細身で顔が小さく泣き顔が可愛らしい。また後の「暗殺教室」でヒロイン役になった山本舞香という人も本来はレギュラーだろうが、ほとんど顔が見えなかったのは編集段階で落ちたということか。ほかにも本編で使わずに終わった箇所が多かったようで、竹富聖花さんの「焼きそば教室」の件などは本編になく、またエンドクレジットに役名付きで出ていながら所在不明の人がいたりするのも残念だった。 そのほか男の登場人物には基本的に関心がないわけだが、ジャニーズ系以外でいえば「ひぐらしのなく頃に」(2007)で主人公(バカ)役だった前田公輝が逞しい感じでなかなか頼もしく見えた。ほか遠藤憲一氏も相変わらずの大活躍でお疲れ様である。  なお本来のテーマと思われる教育の問題についても意外に真面目なことを言っていたようだが、主人公の身体的な強さということが前提条件になる以上、これが現実の教育論としてそのまま通用することはないだろう。ただし熱血先生の学園ドラマとしては特に異論はなく、終盤の展開などはベタだが少し感動的だった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-09 21:05:10)
530.  チョコリエッタ 《ネタバレ》 
自慢にならないがフェリーニという人の映画は見たことがない。 159分もある映画だが、何が言いたいのかがわからない。原作の方はまだしも何を問題にしているかが明瞭だが、この映画は変に小難しいのと、必要性が疑わしい不純物を含んでいるため素直に肯定できなくなっている。この世界はクソだとのことだがクソに交われば臭くなるのであって、クソを持ち出した時点でこの映画もクソの臭いを付けていることを自覚してもらいたい。  しかし一方で、主人公の存在がこの映画の価値を高めているのは間違いない。159分もある映画だが、この人を見ていれば何とか耐えられる。髪の毛を取り払ったことで細く長い首筋が引き立ち、またいわば顔が素っ裸にされたような感じになって、素材のよさをそのまま生かした奇妙で愛すべき少女像が表現されている(友達になりたいとは思わないが)。自分にとってはとにかく強烈な森川葵映画だったが、この女優本人は当然として、主人公の人物像をこのように作ったスタッフにも敬意を表すべきなのだろう。 また細かいことでは、主人公が左手で書いた文字が見事な出来で感心した。エンディング曲は誰が歌っているのかと思ったら主演女優が気の抜けた感じで歌っているのだった。  以上、全体としてあまりいい点はつけられないが、とりあえず主演女優、及びその母親役(の女子高生姿)に点を入れておく。自分としてはこの母親役の女優も結構好きだったりする(16歳、と本人が言ったところで笑ってしまった)。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-29 08:34:12)
531.  渇き。(2014) 《ネタバレ》 
オープニングがマンガじみたハードボイルド調で、昔の刑事ドラマのような大都会に沈む夕陽の映像も出ていたが、その大都会が新宿副都心などではなく、さいたま新都心というのは微妙な滑稽さを出していたかも知れない(現地感がないので想像)。本編では相手構わず喧嘩を売りながら暴走する主人公が痛快で、劇中世界が異常なだけでなく本人からしてかなり非道な輩に見える。しかし鑑賞者の倫理基準の隙間をくぐるような展開のため、善悪がどうとか言わずにとりあえず面白がって見ているか、という気にはなる。妻夫木聡のぶっ飛び方が非常にいい。 しかし最後は雪山の場面でクールダウンさせられてしまい、また観客の感情移入先を元担任の方に振り替えたような形で終わるため、結局は一般人の常識的な世界に回帰したような印象もあった。考えてみれば劇中人物の全員が異常だったのではなく、元担任のほかに高校の同級生(橋本愛)など、意外にまともな面を見せる人間もいたのだが、それが異常な劇中世界に見えたのは、主人公の目で歪められた世界がそのまま映像化されていたせいかも知れない。こういう異常な人間につき合っていると自分も変になってしまうということだ。 現実世界でも未成年者がヤクとかウリとかいうものに関わる機会は多くなっているのだろうが、だからといってそれが当たり前でも普通でもないわけである。やはり善良な市民としては、煽情的な報道や下劣な映画などに惑わされることなく、一般常識をしっかり持って平和な社会を維持するよう努めなければならない。そういうメッセージをこの映画が発していたかどうか不明だが、自分としては勝手にそのように受け取った。非常に陳腐な感想だが。  ところで主人公の娘は本当に死んだということでよかったのか。劇中では2つの時間系列が並行していたこともあり、どこに出るのか出ないのかわからないバケモノのような印象を生んでいた。死んでも殺してもしつこくまた出て来そうで、貞子とか「富江」のように扱えばホラーシリーズ化するのではないか(富江のイメージに近い)。この人物だけはそもそも人間扱いする気にならなかった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-29 08:34:01)
532.  チチを撮りに 《ネタバレ》 
高評価が多いので書きにくいが、自分としては引っかかるところがかなりある。 そのうち“父親を恨むかどうか”に関して書くと、まずこの姉妹に恨む気持ちがないならその場でそう答えればいいだけのことで、また仮に恨んでいたとしても、正当な理由があって恨むのは倫理的に悪いこととは思えない。これが劇中の台詞ではいい子悪い子の教育的問題のように聞こえていたのは違和感がある。 また個人的感覚では、他人を恨むこと自体が自分を惨めにするとは思えない。惨めなのは悪いこと全部を他人のせいにして、死ぬまで恨み事を言い続けるタイプの人物だろう。この姉妹が母親から受け継ぐべきものは、要は“人としての矜持”であって、自分の決断の結果を自ら引き受けようとする覚悟なのだろうと思うが、これが劇中では恨むかどうかという現象的なところで止まっていたようでもどかしさを感じた。 以上のほかにも“逃げ道”とか“ユメよりコメ”の件などに関して苦情を言いたい点はある。また全般的に理屈で作った印象が強く、題名の付け方もそうだが、伏線を張りました→回収しました、という関係が線で結んだように見えたりするのも気に障る。 ただ、母子・姉妹の関係を密度濃く描いた映画というのは間違いないと思われる。その濃密さが部外者の立ち入りを拒むように感じたのが自分としては最大の問題点だったのかも知れないが、喧嘩しても甘ったれた感じとかは嫌いでない。バカっていうな、というのを互いに言い合っていたのは理屈っぽさがなくてよかった。  [2017-01-13「湯を沸かすほどの熱い愛」鑑賞記念で追記] “ユメよりコメ”の件に関して、米屋との間で金銭によらず物とサービスを直接交換していたことを匂わせるエピソードが前半にあった。それ自体の是非について自分がどうこう言う立場にはないが、そういうことを劇中の母親像とセットで観客に受け入れさせようとするのには反発を覚える。ただの一観客として、劇中人物の個別事情にどこまで付き合わされなければならないのかという気分である。それとも娘(人材豊富)を売らないで自分を売ったのがまだしも良心的ということなのか。自分としては東野圭吾「白夜行」を読んでからそういう方向に考えが行くようになってしまって仕方ないが、とにかく変に露悪的なものは見たくない。 またついでに書くと、ラストの魚は圧倒的に意味不明である。こういう支離滅裂かつ笑えない趣向を褒める気には全くならない。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-22 23:44:26)
533.  琥珀色のキラキラ 《ネタバレ》 
まずは題名が意味不明だが、たまたま主人公にとってはこの色で、この時期の記憶が色づけされて残ったのだということか。また終わり方が唐突なのも困るが、これは映画の内容がハッピーエンドとかどうとかいう小さくまとまった物語ではなく、その後も続く人生の一部を切り出しただけのものと示してみせたのかも知れない。 そういう前提でいえば、いいことばかりでもない人生の中で、いわば珠玉のように輝いている記憶をそのまま映画にしたようなものと思えばいいのだろうか。その割に最後は一言で済ませてしまっており、これは本人としてはそれなりに寂しい結果だったろうと思うが、代わりに自分が少し大人になったということかも知れない。少女の後姿は甲斐甲斐しく健気で、意外に突き抜けたような清々しい終わり方だったのはよかった。 ただし排泄物をなめてみるのが家族愛の証、ということまで主張しているとすると、さすがに自分としてはそのまま受け入れることはできない(子どもならまだしも中年男のものなど想像するのも嫌だ)。どうも観客が嫌悪を催す領域に微妙に踏み込んだ感のある映画だった。狙ってやっていたのだろうが。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-22 23:44:22)
534.  アウターマン 《ネタバレ》 
この監督のバカ特撮路線の延長上のように見えるが、今回は主人公が男のため「地球防衛少女」「…ガールズ」「…未亡人」のような華がないのは不満である(ヒロイン役と少年役はいる)。 題名は架空のTVシリーズ名だが、実質的にはいわゆるウルトラシリーズを扱った映画であり、主なターゲットは40~50代男子ということになるか。ヲタク度が高く小ネタが満載でいちいちコメントする気にもならないが、「モタモタすんな!」は正にその通りであって爆笑した。また故郷を失った宇宙人に対し、地球に住んではどうかと呼びかけた場面は正直感動的だった(「侵略者を撃て」のほかに「他人の星」を連想)。  ところで「日本バカ映画の巨匠」という割に、今回は変に真面目でどこがバカ映画かわからない。 とりあえず劇中の出来事を観察すると、まず子どもの頃に正義の味方に憧れた人々も、今は当然ながら世間の不正義には失望している。特に原発事故がらみ?のことで政府は不信感を持たれていたようだが、少なくとも防衛当局に対しては、事に当たってその責務を果たすことが強く求められていたようである。 劇中でも現実世界でも古典的な“正義”の観念は滅んでしまって久しいが、だからといって“正義の味方”的な行動様式が失われていいわけはない。人間誰しも守りたい人がいるはずで、その延長上にみんなを助けたいという意識も生じうるわけだが、この映画では特に、自分を信頼してくれる者に報いたいという思いが出発点になっていたようである。 一方で、劇中では「自分たちが住んでいる星への愛」はあって当然、という趣旨の発言もあったが、これを国家レベルで考えれば今でも一定の反発を食うだろう。しかし故郷への思いは震災復興の原動力にもなっていたはずで、一概に悪と決めつけられるものではない。みんなを助けたいという思いを互いに持ち合わなければと、少なくとも劇中の宇宙人は訴えていたように感じられた。 だいたい以上のような認識がストーリーの背景にあったように見えたが、特に新奇なところがあるわけでもなく、むしろ現代にふさわしいヒーローのスタンダードを示したものとも思われた。  なお最後に勝った宇宙人を無責任に称賛していた群衆は、その時々の雰囲気で態度を反転させる有権者一般の姿にも見える。これが皮肉だとすれば、政治家でも政府機関でもなくわれわれが受け止めなければならないものと考える。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-19 00:33:43)
535.  かぐらめ 《ネタバレ》 
冒頭で「都留市制60周年 協賛映画」と表示されるからにはご当地映画だろうが、そのわりに地元PRの意図はほとんど感じられない。それ自体はいいことだと思うが、あまりに欲がなさすぎのようで、さすがにもう少し都留市というのがどういうところか見えるようにした方がよかったのではと言いたくなる。 ストーリーとしては納得できない部分が非常に多く、また素人ながら神事というものの扱いが本当にこれでいいのかという疑問もあって、素直にいい映画だったとは全くいえないのが残念である。しかし生真面目な印象があることも間違いなく、見る人によって共感できる部分も多いだろうとは想像する。エンディングの雰囲気(テーマ曲)はかなりよかった。 キャスティングとしてもいい役者を揃えたようで、決して見どころのない映画ではないだろう。主演の武田梨奈という人はこれまで知らなかったが(「ワカコ酒」という言葉だけ知っていた)感じのいい女優で、この映画では笑顔があまり見えなかったのは惜しいかも知れない。ちなみにご当地映画としても、もう少し楽しい場面があってよかった気がする(うちの地元の映画で、あまりにシリアスな内容だけのため怒ったことがある)。 なお疑問点として、陽子という人が神楽の後に一人で去ったのはどういう意味だったのか。これで本当に父娘のもとから消えてしまったのならこの人が哀れであり、またこの先にあるべき家族の再生というようなことを見通す上でも不足が生じる気がする。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-12 20:02:10)
536.  ひとまずすすめ 《ネタバレ》 
群馬県藤岡市が舞台になっているが、積極的に地元PRをしようという意思は見えない。たまたま主演女優(斉藤夏美)がここの出身だったので地元としても協力した、という程度のことらしい。 本編は30分の短い映画だが、ほかに17分のスピンオフ「ひとまずすすんだ、そのあとに」も制作されており、これは3話オムニバスで後日談と続編を含んでいる。さらにマンガ版というのがあるが内容は前日談である。このマンガ版を本編・続編のリアルな実写版と比べると、身も蓋もない現実をこのように美化するのが少女マンガだ、ということを示したようで面白い。以上がDVDには全て入っており、全部見るとかろうじて通常の映画1本を見た気分になる。  ストーリーとしては人生の特定時期に、特定タイプの人物に起こりそうなことを淡々と描いた感じで、そのタイプに該当すればかなりの共感をもって見られるかも知れない。これが実際どの程度広く受け入れられるものかわからないが、宣伝文にある「現代の空気」というよりは、もう少し普遍的な内容になっているように思われる。 ただし当然ながら女子の都合に合わせた話になっており、かつファンタジーでもなく現実感のある内容のため、自分(男)としては素直に受け取れないところも少しある。まあそれはいいとしても最大の問題は、あまりにも話が普通すぎる、ということではないか(少し呆れた)。映画に刺激を求める人々には全く受けないだろうが、しかし、そういうものをあえて平然と作ろうとする態度は悪くない。これで普通の人々が元気をもらえるというなら他人事ながら喜ばしい。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-12 20:02:07)
537.  死臭 つぐのひ異譚 《ネタバレ》 
前田希美さんが出ているのでとりあえず見た。 最初の方で映画の趣旨説明が出ていたが、読むと人間世界の因果というより場所の問題だと解されるので、以後はずっとそういうつもりで見ていた。 撮影場所は静岡県熱海市(廃校?)と群馬県桐生市(マンション周辺)、及び東京都内だったようだが、このうち都内の撮影場所で、女子中学生が電話を取った場所や女子高生が襲われた場所から4km前後の位置に、現実世界で心霊スポットとして有名なマンションがある。そこは建物の構造が特異なほか、地名に「宮」の字がつくのに意味があるとかいう指摘があったりして、その方面に関心がある人々にはよく知られている。 別に制作側がそんなことを意識していたと思うわけでもないが、しかし個人的にはそういう先入観があるために、女子高生が襲われた場所が神社の前だったというのが何やら意味ありげに見えた。あわせて映像面などから来る劇中世界の雰囲気もあって、悪しき因縁のある街というイメージを十分に受け取ることができた。 一方で、人より場所の問題だとすれば、殺された恨みがあるとか犯人を殺せば恨みが消えるとか考えても仕方がないということになる。要は、その土地にたまたま住んだ人間に致命的なトラブルが生じる恐れがある(生じない場合もある)のであって、劇中では“ゆきえ”さんを含めて全員が被害者だったのかと思えなくもない。 さすがに終盤の展開などはまともに見ると意味不明だが、それでも全体としては意外にいい印象を残す映画だった。  なお登場人物としては、やはり前田希美さん(女子大生役)の色香に気を引かれてしまう。が、ほかに女子高生と女子中学生も見どころ扱いになっていたようで、主役としての存在感が若干削がれてしまった感じもするのが残念だった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-07 19:55:07)
538.  大失恋。 《ネタバレ》 
8つの物語が同時進行ということで、一つひとつは軽い話だが、多数詰め込んだことでの充実感は出ている。 結構な豪華キャストのため、個々の役者に注目して見ればそれなりに面白い。序盤でこれが西島秀俊だろうかと思った人物が、その後もほとんど目立たずそのまま終わるのかと思っていたら、最後になってやっと出番が用意されていたのはよかった。また鈴木京香ほどの人が簡単に騙されるはずがないと思っていたら、実はちゃんとそれなりの人物だったのはいかにもという感じである。「嘘でしょう!」のところではまだはっきりしなかったが、「行きましょう」と同行を求めたあたりからはそれらしい雰囲気が出ていたようである。 自分としてはかつて山口智子という人が大好きだったので、久しぶりに顔を見ていて切なくなった。この人のエピソードが最もスタンダードな失恋話になっていたのも切ない。また中谷美紀が当時18歳くらいで、この人にしては変に可愛らしいのも見どころだったかも知れない。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-03 11:47:33)
539.  映画 みんな!エスパーだよ! 《ネタバレ》 
TVシリーズは見ていない。夏帆が出ていないのは残念だが、代わった人がかなりいい感じなのでその点にはこだわらない。 内容的には確かにエロいがエロければ誰でもいいということにはならず(主人公と違って好みの問題がある)、またコメディといいながらそれほど笑えるわけでもないが、クライマックスの「あたしはオカズじゃない…」のところだけは爆笑した。ここで主人公は敵の実力行使を完全に無力化した上で相手に打撃まで与えていたが、しかしこれは単に男子の妄想力の問題であって超能力も何も関係ないではないか(笑)。オチを見る限りは普通に健全な若年男子のお話だったらしく、これは自分としても否定する気にはなれない。また無理に一般化していえば、物的なものを至上とせず、かつそれとは切り離した形で精神面・感性面に価値を見出そうとする点で、文化というものの本質に迫る映画だったといえなくもない。 なおエンドロールを見ると、現地のフィルムコミッションはまあいいとして、豊橋市なり豊川市といった公的機関がこんな映画にあからさまに撮影協力しているのはかなり呆れる。そうまでして地元PRをしたいのなら、自分としても「東三河」「豊橋」「豊川」といった地名を見るたびにこの映画を思い出すようにして協力していきたい。
[DVD(邦画)] 5点(2016-03-27 00:25:09)
540.  最後の晩餐(2004) 《ネタバレ》 
わざわざ好んで見るものでもないが監督の名前で見た。2006年にスコットランドのホラー映画祭("Dead By Dawn” Scotland's international horror film festival)に出品したとのことで結構評判がよかったらしい。 内容としては造形物やグロ描写にリアリティがなく、その一方で料理は普通に食えそうに見える。また同情したい登場人物が誰もいないこともあって、結果的に人肉嗜食自体にはそれほど嫌悪を覚えず、かえって人を食うに至る過程に一定の説得力を持たせた映画になっている。妙な理屈をつけて正当化しながら実は残虐描写の方で客を呼ぼうとする映画などよりよほどましである。 また登場人物としては、食われ役の三輪ひとみと香港の女優はさすがの美貌だが、一方で後半に登場する初老の刑事がまた強烈な印象で、これはいわゆる怪演の部類と思われる。主人公がこの汚い男まで食ったりしなかったのは当然だが、そのことからすると逆に、食うならやはり美女だという発想そのものは間違っていない気がした。 なおストーリー的には、主人公の同僚2人に対する感情が不明瞭なため、最後に式場でしでかしたことの意味がわからない(「光る通り魔」の真似?)。せっかくなので、もう少し人の心を打つような要素があってもよかったのではと思う。 ただ映像面と音楽はそれなりの印象だったので点数は少し高目につけておく。
[DVD(邦画)] 5点(2016-03-20 18:49:50)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS