641. あふれる熱い涙
設定からそれなりに期待したのですが、冒頭の主人公が家を出て行くシークエンスで、物語としては終わっていました。あとは思いつきで決めたような場面が連続するだけなのですが、輪をかけて、ほとんどの役者の無感情棒読み台詞が、テンションの低減を増幅しています。 [DVD(邦画)] 4点(2014-03-27 00:46:24) |
642. メイン・テーマ
出てくる役者の誰1人としてまともな演技をしていない、凄まじい作品。スタッフは撮影していて何か疑問を感じなかったのだろうか。大体、それぞれ何しに沖縄に行ったのか、さっぱり分からないのだが。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-03-19 23:18:48)(笑:1票) |
643. 秘密(1999)
《ネタバレ》 この種の和製ミステリは、映画になると、扇情的な部分が幅を占めてグシャグシャになることが多いので警戒していたのだが、意外に悪くなかった。原作の肝の部分を上手く拾い上げて一本の筋でまとめているし、大きな脱線はしていない。台詞にしてしまうとかなりの説明を要するはずのオチの部分も、手際よく一瞬でまとめている(ただ、あそこまで分かりやすくなくてもよかったのではないかという気もするが・・・)。広末・小林・岸本というキャスティングも、原作の世界にフィットしていると思う。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-03-13 01:12:23) |
644. 遊びの時間は終らない
《ネタバレ》 設定は最高。ビデオを見直して銃弾の位置を確認する下りとか、空気札を下げたマスコミとか、その設定を最大限生かした凄い切れ味の部分もある。なので、他方でやたらださい部分もある(シュプレヒコールの執拗な繰り返しとか)のには目をつぶりたくなります。ただ、ラストはいかにも中途半端で、オチはきちんとつけてほしいところでした。 [DVD(邦画)] 7点(2014-03-11 01:07:54) |
645. 夜叉
《ネタバレ》 途中で健さんの背中の刺青がばれる場面が重要なポイントになるはずなんだけど、その前とその後で、登場人物の行動も話の展開も何も変わっていない。したがって、制作者はこの刺青を何のためにつけたのか、という話の根本が存在しないのです。つまり、舞台となる港町と飲み屋を外形上作り上げた時点で満足してしまったということ。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-03-10 01:13:21) |
646. ぐるりのこと。
《ネタバレ》 何でつまらないのかを考えると、肝心の年月の経過が字幕以外でほとんど表現されていないこと。全体で2年くらいの話ですと言われても通用してしまうのではないか。裁判のシーンが随所に出てくるのも、対象となる事件の選択が恣意的で安直だし(そういう事件もあったね、という中途半端なノスタルジー以外に効果がない)、そもそも法廷画家としての立ち位置や心境にどのような影響があってどう変化したかという点が捉えられていないので、意味がない。あ、妻の方は、導入部の時点でめんどくさいヒス妻にしか見えず、主人公とする意義が分かりませんでした。 [DVD(邦画)] 3点(2014-03-08 02:17:10) |
647. ホタル(2001)
戦時経験者の回想をもっともらしく映像化しよう、という程度の表現意欲だけで作られたプラスチック作品。テーマが何も存在しないし、全体を通じる安っぽい照明が象徴するかのように、すべて向こう側が透けて見える。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-03-07 21:33:58) |
648. いつかギラギラする日
《ネタバレ》 導入部はスピーディーでコメディチックでもあって、深作監督がこんなハリウッド~なことをやるのかと驚きます。しかし、後半、重心が慶子ちゃんと一八に動くにつれてこけていきます。むしろこの2人は、若者がどんなに頑張っても本職のギャングやヤクザには一蹴されてしまった、の方がかえって存在感が出たのでは?他方、せっかく千葉さんと石橋さんをはめ込んでおきながら、石橋さんは早々に退場、後半復活して何かやると思っていた千葉さんも、あっさりフェイドアウト。何でそういうことになるんでしょうね。これでもかというほど潰しまくった車の山がもったいないです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-02-26 00:54:08) |
649. マリー・アントワネット(2006)
中途半端にシリアスっぽく、中途半端に前衛的。要するに、監督も自分が何をやりたいのか分かっていなかったのではないだろうか。結果、中身に何のテーマ性も存在せず、完全に衣装負けしてしまっている。大体、「ベルサイユのばら」というアントワネット関連芸術の金字塔を知っている日本人に、このレベルのものを見せてはいかんよ。 [DVD(字幕)] 4点(2014-02-20 00:21:13) |
650. 南へ走れ、海の道を!
《ネタバレ》 単なるB級アクションかと思いきや、意外にちゃんとした出来でした。細かいところには荒っぽい演出や稚拙な芝居も多く、ストーリーも一歩誤ったら荒唐無稽だったりもします。しかし、殴り合いのシーンや銃撃シーンにやたら力が入っているのを筆頭に、とにかく主人公を格好良く撮ってあげたいという執念が全体に満ち満ちているのが良いのです。ガンアクションをここまで前面に出した日本映画って、あまりないのでは?後先のことを考えていない無茶な締め方も、この作品には合っているかも。 [DVD(邦画)] 6点(2014-02-15 22:40:30) |
651. まぼろしの邪馬台国
《ネタバレ》 とりあえず吉永小百合と竹中直人を出しておけば文句は出ないだろう、という制作者の1日以上先のことを考えていない安直な姿勢が、すべてを象徴している作品。ステレオタイプな登場人物の造型、ト書きをそのまま台詞にしたような杜撰な脚本、その場に来て初めて決めたような適当なカメラと照明など、こんないい加減な出来のものを見せられてどこを見ろというのだろうか。何よりも腹立たしいのは、この素材を対象としていながら、主人公(これもそもそもどっちなのか分からないが)をここまでのめり込ませた邪馬台国や魏志倭人伝というものについて、それがどういったものであるかを伝えようという気が制作側にまったく感じられないこと。 [CS・衛星(邦画)] 0点(2014-02-12 01:26:48) |
652. 日本沈没(2006)
《ネタバレ》 どの角度からどう切っても論外な点が満載なのだが、問題の根本はやはり、テーマが何も存在しないということ。公共側の人間も民間側の人間も、要するに、最初から最後まで右往左往しているだけであって、意思もなければ行動もない。映像面でも、「各地の災害の模様を撮りました」という表面的な絵面があるだけであって、そこに表現は何もない。●一番目についたのは、とくに柴咲コウのレスキュー隊員と大地真央の防災大臣において、能力というものがまったく感じられないこと。ここで活動能力や計画能力、現場対応能力を出しておいてこそ、それでもかなわない災害の容赦なさ、過酷さが表れるはずなのだが、この2人がただ騒いでいるだけなんだから、別に日本が沈没しなくても十分危機になってるじゃん、と思ってしまう。●あと許し難いのは、いざというときに、国宝の仏像などを海外に移転させていること。こういった仏像を含めた神仏は、災害時やパニック時にこそ民衆の安寧を祈念する存在として必要なのに、民を見捨てて我先に海外に逃避する仏像など、その時点で国宝に値しないし、そもそも寺社がそんなことを許可するはずがない。かりに原作でそういう描写があったとしても、そんなものはカットするのが映画制作者の良心であるし、映画に取り入れた時点で制作者の責任は発生する。 [CS・衛星(邦画)] 0点(2014-02-06 21:19:18) |
653. 天城越え(1983)
《ネタバレ》 この設定だったら、例えば「伊豆の踊子」程度にはロマンチックな世界と、そしてそれを現代から回想する視点を通じたほろ苦さや虚しさというものを(勝手に)期待するのであるが、全然そうはなっていなかった。何よりも、道中のハナとのやりとりにほとんどウェイトが置かれておらず、ハナは少年をどう感じていたのか、少年はハナのどこにどのように惹かれていったのかが不明確なので、肝心の場面に説得力がない。そもそも、現時点からの主人公の回想で進んでいるはずなのに(そうでなければならないのに)、主人公が見ていない警察の捜査や取調の状況をいくら拡げたところで、視点のブレと混乱を招くだけなんですが。 [DVD(邦画)] 3点(2014-02-01 00:00:20) |
654. それでもボクはやってない
《ネタバレ》 作品がもたらす問題意識、そのテーマの今日性と普遍性、制作におけるメッセージの強さと揺るぎなさという点においては、間違いなく10点。2時間20分を緩まず見せ切るテクニックも文句なし。しかし、理不尽な評価で本当に申し訳ないのだが、描写があまりにもリアルで生々しくて、この社会に対する絶望がひたひたと押し寄せてきてしまうところから、この点数とさせていただきたい(それでも、最後の主人公の静かな強い意志には、幾分か救われるのだが)。なお、捜査や公判の描写の仕方もいちいち丁寧なのだが、さらに鳥肌が立ったのは、小日向文世演ずる裁判官の、弁護側証人や被告人に対する、口調は丁寧で表情も穏やかながらも、言っていることは物凄い揚げ足取りな尋問の仕方。そして、判決理由においては、「被害者」が若年女性だからというだけでその供述を無条件に全肯定するダブル・スタンダードっぷり。これ、誇張でも何でもなく、「現実に」そうなんです。 [DVD(邦画)] 7点(2014-01-30 01:29:32) |
655. 落葉樹
《ネタバレ》 母親との想い出はいろいろあるのだろうが、ここでの場面選択根拠は、おそらく「主人公が想い出した順」。したがって、各場面に関して、何があったからこうなったとか、どこを受けてこれがあるとかいう関係が希薄であり、全体がほぼ並列である。なので、映画というよりも、再現フィルムを見ているような感じ。 [DVD(邦画)] 5点(2014-01-19 00:28:39) |
656. 東京オリンピック
《ネタバレ》 マイナーな競技もきちんとカバーしているのが良い。選手のみならず、ボランティアスタッフの動きもきちんと捉えているのが良い。当時の日本人の服装、髪型、表情、ときには街中の風景も収められているのも興味深い。ああそれと、一番良かったのは、淡々と冷静に話しながらも、必要な情報は伝えており、無表情というわけでもなく感情もこもっている、アナウンサーの実況中継。ただ叫んだり大騒ぎしたりすることを盛り上げと勘違いしている人たちは、この作品を見て勉強し直すべきだ。あと、映像はいろいろ興味深いのだが、ドキュメンタリーである以上は、今映っている競技の開催日や場所なんかの基本的データもきちんと記しておいてほしかった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-12 23:37:26) |
657. 最後の忠臣蔵
《ネタバレ》 何と予想外に面白かった。誰もが知っている忠臣蔵は背景にずどんと設置し、そこでは注目されない脱退藩士や寺坂にスポットを当てる。そして、登場人物が「その先」へ向けてきちんと機能しています。途中、全員が全員の正体や状況を知っている状態になって、その先どうするのか?と思っていたら、そのまま堂々と嫁入り一本で押し通す自信満々ぶりにも驚きました。俳優陣では、安田成美の芝居が随所で場を引き締めており、ここまで存在感のある人とは思っていませんでした。脚本全体では、ところどころおかしな日本語や言葉遣いはありますが、目をつぶります。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-01-08 01:07:51) |
658. 深呼吸の必要
5人の若者がみんな同じ顔をしている時点で、創作としては失敗。各人が過去を語らないということは、各人に過去や背景がないということを意味しない。明示的に表現しないのであればなおさら、人格について丁寧な作り込みを行わないと、登場人物としての必然性がなくなってしまうのだが、この作品はそこまで考えていない。結果、サトウキビ畑の風景や作業そのものに寄りかかってしまっただけ。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2014-01-07 00:55:05) |
659. 卍(1964)
2人のヒステリー女に見る側が延々とつき合わされている、という印象しか持ちませんでした。描写に背徳性もなければ耽美性もなく、台詞で説明しているとおりのことをただ実行しているだけです。 [DVD(邦画)] 3点(2014-01-02 01:14:57) |
660. 忠臣蔵(1958)
この超王道ストーリーでこの豪華キャストならば、つまらなくなるわけがなく、素直に見て楽しんでいれば良いわけです。ただし、浪士側の個々の面々が、せっかくの俳優陣を揃えていながら、鶴田浩二の岡野を除いてはさしたる目立った場面がなく、まとめてすまされている感があるのが残念。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-02 01:09:29) |