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ESPERANZAさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2254
性別 男性
年齢 77歳
自己紹介 団塊の世代 映画鑑賞歴50年以上 見た映画はおよそ3000本?

1960年~1985年頃はよく映画を見に行きました。その後2000年頃までは忙しくほとんど映画を見なかったのですが、DVD登場とともにまた見るようになりました。最近はメモと記憶を頼りに昔見た映画のDVDを探して懐かしんでいます。

ESPERANZAとはスペイン語で、「希望」の意味です。夢や希望、感動を与えてくれる映画は好きですが、むごたらしい映画や命を粗末にする映画は嫌いです。

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721.  故郷(1972)
こういった映画、好きだなあ、実にいい。派手な所は一つもなく、淡々と進む物語。描かれているのは古くなった石船とそこで生活している船長の夫と機関長である妻、そしてそれを取り巻く人々。そして、故郷を離れなければならなくなった家族のさびしい想い、それらがひしひしと伝わってくる。「時代の流れとか大きなもんには勝てんとか、それは何のことかいのう」と。そしてまたおなじみの寅さんとはまったく違う役柄の渥美清、よそ者でありながら、奥さんの墓を守って島に住み着く姿もまた美しい。 「家族」という映画に深い感銘を覚え、また「故郷」という映画でさらに感動は大きくなった。山田監督以下のスタッフ・キャストのメンバーのすばらしさ、私の「倍賞千恵子・山田洋次」のラインが確立された映画であった。 
[映画館(邦画)] 9点(2011-06-08 16:06:44)(良:2票)
722.  男はつらいよ 純情篇
シリーズの中では地味だけど、落ち着きがあって味のある映画だと思います。その雰囲気を醸し出しているのが若尾文子さん、どこか他のマドンナとは違う、さすが大映を背負った名女優だと感じさせてくれます。 それと何と言っても、ラストのさくらとの別れのシーン、「故郷とは・・・」と言いつつ、列車のドアが閉まる、名シーンだと思う。 また宮本信子さん、森繁久彌さんもこれだけで終わってしまうのがもったいないくらい。
[DVD(邦画)] 6点(2011-06-08 07:36:39)
723.  男はつらいよ 望郷篇
前半部のヤクザっぽさが強いのは好きではないが、汗と油にまみれて地道に働きたいという寅さんの決意は今度こそ本物ではと思わせる。事実豆腐屋で働き始めたときは順調だったし、マドンナの長山藍子に対する気持ちも、今回は勘違いだけではすまされない。むしろ長山さんの方に対して鈍感さを感じるくらいだ。 さて、前半部の見所は蒸気機関車デコイチ、SLファンには見逃せないだろう。
[DVD(邦画)] 6点(2011-06-07 21:12:25)
724.  家族(1970) 《ネタバレ》 
懐かしき映画「家族」実に思いで深い。東京五輪から大阪万博へと高度経済成長の波に乗り世界第2の経済大国へと発展していった日本、その片側には閉山危機が迫る炭鉱があり、もう片側には開拓の夢が広がる原野があった。この映画はその日本西端の島から、長崎、福山、大阪、東京、北海道と東端の開拓村にたどり着くまでの3000kmの旅の映画であり、旅する家族にとっては実につらくて悲しいものとなった。 なぜそれほどまでして旅を続けなければならなかったか、つっこみを入れたくなるのは第三者としての感情というもの。いったん走り出したからには後には引けない厳しい現実があったのだと思う。幼子を亡くしたのは実に残念なことであったが、祖父の場合はあの炭鉱節での笑顔を思うと、あれで良かったのかもしれないと少しは救われる。 この映画は日本のロードムービーとして確固たる地位を誇っているが、またそこに描かれているのは、1970年という時代のそのままの日本の姿である。若き人にはその時代風景をもぜひ見てほしい。 
[映画館(邦画)] 9点(2011-06-06 17:04:35)(良:1票)
725.  風の又三郎(1957)
小学生の頃、学校で見た映画。50年以上経っても「どおっどど、どどど」で始まるあの歌は、鮮明に覚えていた。DVD化され再鑑賞したのだが、原作のいくつかのエピソードが省かれている以外ほとんど忠実に再現化されている。 児童劇に近く、演技も決して上手とは思えないが、宮沢賢治の「風の又三郎」を知る上で、格好の材料になると思う。 複式学級の先生役を若い加藤嘉さんが演じているし、あの懐かしき左卜全さんも見ることができる。主役の山内賢さんは当時は久保賢という名前だった。 ところで鑑賞環境分類で困るのは、学校や公民館あるいは研究集会などで見た映画はどれに入るのだろう? とりあえず、試写会ということにしているが・・・。  
[試写会(邦画)] 6点(2011-06-06 06:12:07)
726.  野菊の墓(1981)
これは驚き、かつてのモノクロの「野菊の如き君なりき」が明治の民子と政夫としたら、この映画は昭和の民子と政夫を思わせるではないか。 もちろんそれが単純に悪いと決めつけるものではなく、これはこれで良い映画である。ただ惜しむらくは主人公二人の演技の未熟さというより、魅力のなさかもしれない。それに引き替え脇役陣の見事さは光るのだが・・・。 一番のまずさは、民子が政夫よりも年長とさんざん語られながらも、そうは見えないこと。アイドル云々よりも、松田聖子が実年齢より若く見えるあの甘ったるさにあるのかもしれないし、「民さんは野菊のような人だ」と政夫が思っても、私には到底思えないことかもしれない。 後にヒットしたレコードの「矢切の渡し」が、この映画の別れの場となる渡し場だったとは、恥ずかしながらずっと後になって知った。
[DVD(邦画)] 5点(2011-06-04 09:15:12)(笑:1票)
727.  野菊の如き君なりき(1955)
夏目漱石が絶賛したという伊藤左千夫の「野菊の墓」その小説の持つ美しさ、悲しさを見事に映し出した映画だと思う。もし伊藤左千夫が生きていてこの映画を見たとしたら、自分の思いが十分伝えられていると感謝したのではなかろうか。(私の勝手な想像) この映画のすばらしさは、飾らない、作らない、自然にそのままの形で美しさを表現していることだと思う。映画は淡々に、まさに水が流れるかのように淡々と進んでいる。笠智衆のぶっきら棒の表情や歌詠みも、主演の二人が名もない新人だということも、すべてが良い方向に・・・。 したがって何の説明もいらず、何の演技もすることなく、主役の二人の純粋な思いも周囲のやっかみもすべてが伝わってくる。 この時代は女子に学問は不要と考えられ、二十歳前で嫁に行ってそれが女の幸せと信じられていた時代であり、「男女七歳にして席を同じうせず」が尊ばれ、幼な馴染みと言えど、年若い男女がいつまでも仲がよいことがねたまれ、世間体が優先されていた時代でもある。そういう時代の中で、好きな者同士、女が男より年上ということがそんなにいけないことなのだろうか。とても寂しくとても悲しく胸を打つ。 良くできた映画の中でただ一つ気になるのは、政夫の回想シーンを丸く囲んだこと、作らない、飾らないことに逆らっているように感じられて惜しい。 
[DVD(邦画)] 9点(2011-06-03 22:25:23)
728.  遠き落日 《ネタバレ》 
偉人としての野口英世を描いた本やアニメは多いし、私も少年時代の野口英世を描いたモノクロ映画を子どもの頃見た記憶がある。左手やけどの不自由な身体と貧しい生活の中で、ひたすら努力精進することによって後の成功を収める、いわゆる偉人伝中の偉人としての野口英世であった。 しかし、この映画は単に偉人としてだけでなく、挫折や失恋も含めた「人間としての野口英世」を描いている。そして彼が世界で名を馳せたのも、実に多くの人の支えがあったことがよくわかる。 少年の多分な才能を見抜き、私財を擲って高等科の進学を勧めた恩師や手術の費用を集めた友人たち、医学の道を志すにあたって経済援助を惜しまなかった人たち・・・。 しかし、何と言っても母親の愛情だろう。我が子を慈しみ、叱り励まし育てる姿はまさに日本の母親像そのものである。なかでも、後半の息子に送った手紙のシーンは、涙なしに見ることはできない。 この母親野口シカを演じた三田佳子は何とすばらしい女優であろう。いままでにも、この人の映画やドラマを数多く見てきたが、どれも大変すばらしかった。 この映画に欲を言えば、なぜ清作が英世と名前を変えたのかという疑問にも答えてほしかったし、浪費癖と揶揄される実生活にももっとふれてほしかった。 「清作、左手をポケットから出せ」と母親が言ったように、映画も醜いと思われている部分にも・・・。  
[DVD(邦画)] 8点(2011-06-03 18:19:28)
729.  伊豆の踊子(1974)
吉永小百合主演の「伊豆の踊子」に較べ、ずいぶん良い。同じ西河克己監督とは思えないほど、数段の進歩と言わざるを得ない。 山口百恵は美空ひばりや吉永小百合と較べ、出演時の年齢が一番若く、原作のイメージ に近い。それもそのはず、映画初出演で初々しい。次に演出不十分だったところを宇野重吉のナレーターで補ったこと、これもプラス材料。 ラストの別れのシーンは印象的であり、この映画が成功したからこそ友和百恵のコンビが続くことになったのだと思う。
[映画館(邦画)] 7点(2011-06-02 23:41:51)
730.  伊豆の踊子(1963) 《ネタバレ》 
リメイク映画である以上、前作の美空ひばりとの比較になってしまうが、明らかにこっちの方が劣る。 原作の小説にはむしろこの映画の方が近いのかもしれない。学生と踊り子の身分の違い、結ばれるはずはない当時の気風を引き立たせるため、現代の若者(ここで浜田光男が登場)の自由な恋愛との違いを出している。この点はプラス評価。 しかし何といってもミスキャストに近い布陣、大坂志郎と吉永小百合の兄妹では年齢の差がありすぎるし、学生役が高橋英樹では元気がありすぎる。浪花千枝子も栄吉、千代子らをさしおいて出しゃばりすぎに見える。 また一番の問題点は、踊り子吉永小百合が明るく健康的すぎることか。ただし終盤の踊りは踊り子らしく良かった。 ラストの岸壁のシーンはまさに文芸作品がメロドラマになったようだ。
[DVD(邦画)] 4点(2011-06-02 22:11:28)
731.  伊豆の踊子(1954) 《ネタバレ》 
川端康成の「伊豆の踊子」は小説といっても短いものであり、一気に読むことができる。しかもストーリーも断片的で会話の部分も少ない。したがって映画化するにしても、踊り子と学生が惹かれあう様を上手に演出しなければならないし、原作にないエピソードも、雰囲気を阻害しないようにしてうまく入れ込む必要があると思う。 その点この映画は良くできている。冒頭の馬車と自動車の競争は、明治初めの時代風景描写として見事である。また学生がなぜ旅に出たのか、大島まで一緒に行くと言っていたのをどうして下田で別れてしまったのかも、よくわかるような気がする。 ただ私は「十七、八に見えていたけど、やっぱり子どもだったのだ」という学生の思い違いの部分が、原作の一つのポイントと思うのだが、美空ひばりは逆に大人びて見えて違和感を覚えた。 忘れていたが、音楽と歌は雰囲気にあっていて、すばらしいと思う。 
[DVD(邦画)] 7点(2011-06-02 20:04:10)
732.  事件
この映画が作成された頃の野村芳太郎監督といえば最高だった。「砂の器」「八つ墓村」と続き、この映画を挟んで「鬼畜」と次々と日本映画史上に残る名作を生み出していった。 事件の裁判を正面から堂々と描いた映画で、検察と弁護側の駆け引きもさることながら、証人の思い込みや捜査の見込み違いなどが公判を通して明らかになっていく。そしてその真相は?と映画のラストシーンまでまったく目が離せない。 また一人の男を姉妹で争う心理描写も実に見事であり、男女の愛が理屈通りの単純なものではないことがよくわかる。大岡昇平の原作が野村監督個人の力だけでなく、新藤兼人の名脚本と芥川也寸志の素晴らしい音楽とも結びついて生まれた名作だろうと思う。日本アカデミー賞に輝いたのも当然といえば当然だが、松坂慶子や渡瀬恒彦の汚れぶりも遺憾なく発揮されているし、大竹しのぶも「青春の門」での清純派デビューから、演技で見せる女優へと生まれ変わる一歩であったと思う。
[映画館(邦画)] 8点(2011-05-28 09:19:24)
733.  ゴジラ(1954)
怪獣映画と日本の特撮技術の原点となる映画で、歴史に残る貴重なものであろう。だから評価が高くなるのは当然だが、私にすればいくら何でも点数が高すぎるのではなかろうかと思う。 ゴジラの出現は水爆実験に起因していて、自然災害とは異なり、人間が生み出した恐怖の象徴として描かれていたはずだ。いわば人間の愚かさに対する警鐘である。それが次々と続編や類字映画が出現するにつれ、子ども向けの怪獣映画、こわかった、おそろしかった、でもやっつけてよかったという娯楽映画になってしまった。 私が言いたいのは、その誤った方向へ導く要素が、この映画にすでにあったのではないだろうかということである。
[DVD(邦画)] 6点(2011-05-24 07:43:47)
734.  典子は、今 《ネタバレ》 
「こころに夢を抱いて たどった旅路に~」(主題歌の歌詞) なつかしいなあ、あれから30年も経ったのだ。DVD化されたことも今まで知らずようやく再鑑賞した。 映画が作られた頃、私はすでに教壇に立っていた。そして「障害者をかわいそうだと思ってはいけない。少し不自由なだけなのだ。だから君たちには進んでお手伝いをしてほしい」と熱く語っていた想い出がある。 典子さんが一人で広島まで旅をするが、その途中で何度「すみませんが、・・・していただけないでしょうか」を言ったことだろうか。これからの世の中は、この「すみません」が半分くらいですむようになってほしいと願わずにいられない。 それともう一つ、典子さんが映画出演を引き受けたいきさつについてだが、実は映画の前にもテレビドラマのドキュメンタリー出演依頼もあったそうである。しかし、彼女はテレビを断り映画を選んだ。 テレビが悪いというわけではないが、興味本位で見てほしくない。見るからにはお金を払ってでも見てくれる人、障害者をありのままに見て理解してくれる人に見てほしい。だから映画を引き受けたのです、というようなことを聞いたことがある。 彼女はみんなは私より余分に手が付いているだけ、とても便利そうに見えるが私はほしいと思ったことはないとも言っていたように思う。
[試写会(邦画)] 8点(2011-05-23 10:49:19)(良:1票)
735.  チャッカリ夫人とウッカリ夫人
私の子ども時代の人気ラジオ番組に「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」というのがあり、13年も続く長寿番組となった。この映画はシリーズ化された最初のもので、DVD発売によって見ることができた。 柳家金語楼、横山エンタツという名喜劇俳優や後に社長シリーズで活躍する森繁久彌らが登場し、おもしろさ満載である。 これらの登場人物に混じって、香川京子がチャッカリ夫人の妹を演じ、姉に負けないチャッカリぶりを発揮する。
[DVD(邦画)] 7点(2011-05-22 15:11:33)
736.  上海帰りのリル 《ネタバレ》 
「船を見つめていーたー、ハマのキャバレにいーたー」で始まる歌を聞いたことがある人もおられよう、「上海帰りのリル」という歌である。私が生まれた頃はこの歌がラジオから流れ、それは知らない人がないというくらいに爆発的にヒットした曲である。 そしてこの爆発的なヒットを元に作られたのが、この映画なのである。私はようやくこの映画にたどり着くことができた。 しかし、お世辞にもこの映画は名画とは言い難い。監督を初め出演者陣も不出来である。しいて見所を探せば、社長シリーズで人気を得る前の、若き森繁が見られることだろうか。そして映画の中で歌っている歌手こそ、大ヒットをとばした津村謙その人である。 ところで今でこそ「上海帰りのリル」が有名だが、戦前には川畑文子、ディック・ミネ、江戸川蘭子らの歌手が歌った「上海リル」という歌があった。私個人は「上海帰りのリル」よりも、江戸川蘭子の哀愁を帯びた「上海リル」の方が好きである。
[DVD(邦画)] 4点(2011-05-22 08:52:50)
737.  うつせみ 《ネタバレ》 
不思議な映画だ。こういう映画を撮る監督はよほどの天才なのだろう。問題は視聴者がどうとらえるかだろうが、私は好きである。 役者には台詞が重要とされるが、もし台詞がなければどう表現する? 表情(特に目)、しぐさのひとつひとつだろう。この映画はそれで十分すぎるほどよくわかる。 ラストの体重計、二人で併せて0というのにはしびれたが、欲を言えばあの間違えて飛んでいったゴルフボール、けがを負った女性はどうなった? あのままほっといて良いのか?
[DVD(字幕)] 9点(2011-05-21 23:15:35)
738.  いつか来た道(1959)
子どもの頃に見たのだが、記憶にしっかり残っている映画である。山本富士子さんの美しさは当時から相当の評判であり、それは何にもたとえようがなかった。 映画は、ウィーン少年合唱団と若い(私と同年代)二人のヴァイオリニストとの交流を通し、家族のふれあいを描く、実に心温まる映画であった。 
[映画館(邦画)] 7点(2011-05-21 09:29:34)
739.  坊っちゃん(1977) 《ネタバレ》 
映画やTVドラマで数多く制作された「坊っちゃん」であるが、映画はこれしか見たことがない。当時中村雅俊といえば青春ドラマで大活躍中だったし、マドンナが松坂慶子であれば、ためらわず見るほかなかった。 イナゴ事件や風呂で泳ぐべからずなど、原作のエピソードを忠実に表現しているかと思うと、ヤマアラシとの出会い(人力車競争)のように、原作にない部分もある。それはそれで良いだろう、映画なのだから。 しかし肝心の、主人公がなぜ「坊っちゃん」と呼ばれていたかがはっきりしない。映画の初めに出てくる下女(今使うと差別用語だろう)の清が坊っちゃんと呼んでいたことに由来している。松山で先生をする前の、この清との関わりをもう少し膨らませてほしかったのだが・・・。(興味ある方はぜひ原作を) 次に、松山中のくせ者揃いの先生方、その性格描写は及第点、役柄がよく合っていたと思う。特に教頭赤シャツの米倉斎加年はテレビでも赤シャツを演じていたほど。 赤シャツといえば、この赤シャツを主人公にした青年座の演劇も見させてもらったが、実に興味深かった。 「ヴィオロンのため息」ヴェルレーヌの落葉の詩もこの映画で知った。ヴィオロンとはもちろんヴァイオリンのことだが、あの調子はずれの音はマドンナの演奏か?  
[映画館(邦画)] 6点(2011-05-21 07:29:26)
740.  雨あがる
脚本は黒澤明だし、キャストからスタッフまで黒沢劇場という感が強い。さすがに主役は三船俊郎ではなく寺尾聰だが、三船の息子史郎まで出ている。これでは監督もさぞやりにくかっただろう。 映画は黒沢映画らしいコミカル調で、おもしろいと言えばおもしろい。しかしどうしても作りすぎ、作為的感が強い。その中で剣の達人ながら人情家の主人公を演じる寺尾聰が光る。ミュージシャンに転向かと思っていたら、さすが宇野重吉の息子である。 宮崎美子はさておき、原田美枝子にはもう少し活躍してほしかった。
[DVD(邦画)] 5点(2011-05-20 19:21:11)
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