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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2257
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1101.  蝉しぐれ 《ネタバレ》 
ふくが江戸へ発つ前に文四郎と会えていたとしても、やはり結ばれることはなかったでしょう。そのことは、2人とも分かっています。しかし、それでも“もし”という想いは残ります。ふくが出家する前に、つかの間心を通わせる2人。会ってもどうすることもできないし、どうにもならない。でも会わずにはいられない。まるで“あの時会いたかった”という想いを遂げるかのごとく。これからも2人の心に想いは残り続けるでしょう。でもその想いに蓋をして生きていく。切ないです。恋する気持ちに時代は関係ありません。主家のお家騒動に端を発する一連の流れ。現実の社会(職場)でも、これに近い理不尽な経験をされた方もいると思います。親子の絆、友情にしてもそう。時代劇という設定ながら、本作で描かれる事柄はどれも身につまされるもの。それだけに心を打ちます。個人的にもこういう話は大好きです。でも表現がどうにも薄い。軽いです。画的な格好良さを優先させたかのような無理な展開や現実的でない描写が目に付きました。若手俳優陣も弱い。今田やふかわにしても、彼らに非はありませんが、本作向きではなかったと思います。物語自体は好きなだけに残念でなりません。そのため点数は辛めになりますがご容赦ください。なお、ヤマカガシは毒蛇なので見かけた時はご注意を。(有毒であると知られたのは、今から30年くらい前のこと。当時の認識としては、無毒で正しいです。)
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-24 18:48:13)
1102.  着信アリ2
前作の補足説明的な価値はあると思いますが、それ以上の価値は見出せませんでした。気になったのは、前作とは別の“呪いのルート”を台湾に求めた点です。いくらフィクションとはいえ、この手の嫌悪を抱くエピソード(呪いの元凶)を外国の方に押し付けるのは、どうなんでしょう。外国ならではの要素(日本との時差とか文化の違いとか)をギミックとして利用するのであれば、まだ意味は分かるのですが…。物語的には破綻していると思います。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2006-08-17 18:02:30)
1103.  着信アリ
お化け屋敷感覚の作品なら『呪怨』の方が潔いと思いますし、ストーリー的な面白さを追求するなら、『リング』の方が優れていると思いました。全体的に画面が暗く、また台詞が聞き取れない部分があり、ストレスを感じました。思わせぶりなラストは、たちが悪いと思います。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2006-08-17 18:00:28)
1104.  ALWAYS 三丁目の夕日
やっと観ることが出来ました。人情ものとしては良く出来ていると思います。面白く無いということはありません。堤真一は流石に上手いと思いました。あと子役も。ただ演出にあざとさを感じる部分がありました。あざとく感じるか感じないか(あるいは、あざとく感じても良いと感じるかどうか)は紙一重です。ほんのちょっとのことで感じ方が変わるが映画。自分の場合、大仰しい音楽で冷めてしまったところがあります。でもそれ以上に引っかかるのが、“あの頃は良かった”というメッセージの強調ぶりです。60代以上の方が本作を観て「あの頃は良かった」というのであれば、文句はまったくありません。自分の生きてきた時代を肯定するのは当然ですし、そうありたいとも思います。でも自分のような現役の世代は、「あの頃は良かった」と言われても「そうですか」としか言いようがありません。やっぱり「今だって悪くないさ」と言いたくなります。過去を振り返り懐かしむだけなら今じゃなくていい。そうも思います。天邪鬼かもしれません。でも自分は似たテイストの作品なら「クレヨンしんちゃんオトナ帝国の逆襲」の方がずっとずっと好きです。
[DVD(邦画)] 6点(2006-08-15 00:53:45)
1105.  海猫 《ネタバレ》 
この手のお話は、昼メロドラマで免疫がついていたつもりだったのですが、本作はダメでした。テレビだと、どんなお話でも笑って許せる部分があって、めちゃくちゃなお話ほど面白いと感じるのですが、本作は正直腹が立ちました。それだけ『映画』だと本気になってのめり込めるということかもしれません。鑑賞後の率直な感想は「みんなバカだな」というものです。とくに薫と広次は底抜けのバカとしか思えません。2人の娘(ひとりはまだ乳飲み子)のことを一切考えず自殺する母。兄の妻と分かっていながら粉をかける弟(+後追い自殺)。”愛”という免罪符があれば何でも許されるというものではありません。「薫はみんなに愛された悲しい女」。薫の母にしてみれば、そうでも思わないといたたまれないのでしょう。でも第3者からみれば、そんなに上等なものだとは思えません。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2006-08-14 01:36:52)
1106.  ホテル・ハイビスカス 《ネタバレ》 
ハイビスカスの住人のように、毎日楽しく暮らせたら人生きっと楽しいと思います。もちろん描かれない部分での苦労があることは十分想像できます。人生に苦労はつきもの。でもそれは捉え方次第。ハイビスカスの住人(とくにお父さんとお母さん)の姿には、見習うものがあります。もっと肩の力を抜いて。ひとつの素晴らしい生き方です。ハイビスカスの家族に憧れます。でも自分(観客)は家族ではありません。いうならば、作中では能登島(ハイビスカスに長期滞在しているお客)の立場です。そのために、ちょっとだけ本作には引っかかるものがあるのです。能登島にとってハイビスカスは一時の寄り道のはずです。人生に寄り道はあってもいいです。でもそこは永住の地ではない。だからこそ、彼がハイビスカスから旅立つ描写を入れて欲しかったのです。ハイビスカスは素晴らしいところだけど、それはこの家族が作り上げた“家族のための楽園”。もちろんお客は大歓迎(そもそもホテルだし)。家族同様のおもてなしをします。でもお客はやっぱりお客。彼はまた自分にとっての楽園を“自分の力で”創る必要があると思います。それが人生。そういう気がしました。字幕なしの分からない沖縄弁がちょっとあったのが難点でしたが、こんなホテルなら泊まってみたいです。美恵子に会ってみたいと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-08-13 13:13:13)
1107.  笑う大天使
上野樹里目当てで本作を観にいきました。上野樹里は相変わらず「上野樹里」らしく、また久しぶりに広川太一郎節が聴けて良かったです。その点については満足しています。ストーリーについては、後半のぶっ飛び方が凄かった!かなりの暴走ぶりです。原作未読なのですが、原作漫画のあの“ほわっ”とした絵柄から想像するに、映画は相当「別物」になっている予感がします。というか別物のはずです。もっとも個人的には、こういう荒唐無稽なお話も嫌いじゃありません。ただ、CGの使い方は気になりました。実写で表現できないからCGを使う。あるいはCG表現の方が実写より勝っている場合なら、CGもOKだと思います。でも本作の場合はそういった理由よりも“CGの方が楽チンじゃん”という制作姿勢を感じてしまい、がっくりきました。自分は、本物(生きているもの)が伝える熱にかなうものはないと信じます。美少女わんさか系B級作品として楽しむ分には問題ないと思いますが、それ以上の何かを期待するのは厳しいと思いました。 (06年8月12日追記:後ほど原作をみる機会があったのですが、別物というよりは、味を思いっきり濃くした感じでした。塩ラーメンを注文したらトンコツラーメンが来た感じです。いやチキンラーメンか。それでもやっぱ別物?)
[映画館(邦画)] 4点(2006-08-12 19:15:46)(笑:1票)
1108.  スウィングガールズ 《ネタバレ》 
基本的には本作を嫌いではありません。何より上野樹里のファンですし。でも消化不良でした。「観衆の前でジャズを演奏するエンディング」と「素人がここまで上手くなったんですよ」のみが重要視され、それ以外の部分がおざなりだった気がします。例えば小澤先生のエピソード。楽器もろくに扱えない素人が、陰で努力し生徒を指導するなんていい話です。この部分を放置してしまうのはもったいない気がしました。また、演奏会の出演に至る過程も疑問です。電車の中の演奏シーン。音楽でメンバーが一体となるいいシーンです。演奏会に出ることなんて小さなこと。演奏するのに場所は関係ない。そこにジャズがあればいい。メンバーがそういう結論を出した重要なシーンだったと思います。思い通りにいかないこと、努力が報われないこと、それも含めて青春さ。そんなことを表現しているように思ったのですが…ここでミラクルを起こされても、軽薄に感じてしまいます。ジャズでスウィングすることは、軽快で心地よいです。でも軽快さに内容の薄さを比例させる必要はなかったと思います。
[地上波(邦画)] 6点(2006-08-11 17:33:37)
1109.  怖い顔
ストーリーはシンプル。テーマはストレート。演出は稚拙に感じます。特に主人公の「怖い顔」の表現(怖い顔を見た周りの人の反応)は大げさで、まるでコントのようです。(そもそも顔がそれほど怖いとは思えません。)また、ヒロインの演技も低調でした。それでも、自分は本作を気に入りました。何といっても主人公の雰囲気がいい。鋭い目。渋い声。奇妙な動き。惹きつけるものがあります。さらにヒロイン役の長崎莉奈。台詞は棒読みで、ハッキリいって演技は上手くありません。でも逆に今時の若い娘の雰囲気がよく出ていました。なんでも彼女はグラビアアイドルとのこと。アイドルにしてはごく普通のルックスというか、ブスカワイイ感じ(けなしているわけではありません。メイクの仕方も大きいと思う。)が個人的にストライクでした。ストーリー的には、今時流行らないもので著しく現実感に欠けます。でも、いいんです。一所懸命なのはやっぱり好きなのです。主人公、ヒロイン、金融屋の雰囲気の良さが本作の魅力です。客観的な出来は良くなくても、何となく好きだなという作品があったりします。自分にとって本作はそういう作品でした。ですから点数は甘めで。
[DVD(邦画)] 7点(2006-08-10 18:57:46)
1110.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
登場人物それぞれの視点でひとつの事象(及びそれに付随する事柄)を描くスタイルは、目新しいものではありません。しかしそれでも唸らされます。それほどにつくりが巧妙です。芋づる式に明らかになっていく真相。ごく普通のラブストーリーと思われた本作が、いつの間にかサスペンス、気付くとコメディに化けています。いくつもの顔を見せる作品に、どんどん引き込まれていきます。BGMの使い方も秀逸で、作品づくりの技術の高さを感じさせます。また、登場人物たちも皆いい味を出しています。人を疑うことを知らない男、友人思いの探偵、女詐欺師、組長さん、そしてひとりぼっちの女。それぞれに暑苦しくない、いい雰囲気がでていたと思います。そして主軸となる2人の恋物語。ラストがいいじゃないですか。物語の構成といい、偽りのエンドクレジットといい、観客をいい意味で欺き続けてきた本作。「運命じゃない人」というタイトルも、もちろんフェイクですよね。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2006-08-08 18:42:49)
1111.  座頭市(2003)
北野作品は食わず嫌いというか、難しそうで敬遠していた部分があったのですが、本作は素直に面白かった!基本的な構成は実にオーソドックスで観ていて安心感がありました。さらにテクニカル。見せ方の上手さ、構図の美しさを随所に感じました。そしてなにより意外だったのは娯楽性の高さ。これほど観客を楽しませることを意識してつくられているとは思いませんでした。流れるような殺陣も見ごたえあり。また、時折挟み込まれるベタなギャグが、いいアクセントになっていました。さしずめ牛丼における紅しょうがのよう(違うかな?)です。有名なラストのタップダンスについては、それまでの伏線(というか軽い予行演習)など、作品に溶け込ませようという工夫が見えました。これはこれでアリだと思います。ただ、娯楽性を追及しすぎたためか、物語の展開に(テレビ時代劇でみられるような)ご都合主義を感じてしまったのは、ややマイナスでした。それでも自分がこれだけ北野作品を楽しめるとは、嬉しい誤算でした。続編をぜひ観たいです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-05 21:55:31)
1112.  さよならみどりちゃん 《ネタバレ》 
不幸体質の女性の恋のお話。最初は、「そんなに辛い恋愛ならしなければいいのに」とか「この男、最低だな」とか思って観ていました。でも恋愛は理性でするものじゃない。そういうことを久しぶりに思い出しました。ゆうこからは、“理屈ではなく人を愛おしむ気持ち”を、ユタカからは‘人と深く交わることへの恐怖“”愛されることへの渇望と不安“が伝わってきました。2人とも器用に振る舞いながら、本当は不器用。それは理解できます。でも今2人の関係を”よし“としていいのか。今の状況からは光が見えません。やっぱり一歩前に踏み出すべき。自分はそう思います。「私を愛してよ」と本音を吐露したゆうこ。スナックを辞める決断をしたこと。頑なに拒んでいた歌を歌ったこと。満面の笑みで歌い踊るゆうこからは、恋する女性の切なさがにじみ出ていました。でも今の状況から踏み出す一歩、いや半歩も同時に見えた気がします。やっぱり女性は芯が強いのかもしれません。物語には痛々しいくらいのリアリティがありました。キャスティング的にはメインからスナックの客に至るまで良くはまっていたと思います。とくに星野真理は役を自分のものにしていたと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2006-08-03 17:57:29)(良:3票)
1113.  ハウルの動く城
「もののけ姫」は久しぶりに監督がやりたいようにやった作品という感じがします。完全に大人向けの作品。大コケも有り得る一種の賭けだったと思います。でも賭けに勝った。次作「千と千尋」では一転ファミリー向けに戻し、確実に成功を納めます。この2作でいろいろな意味での貯金が出来たのでしょう。本作で再度賭けに出ます。反戦という裏テーマを抱えつつも、ハウルとソフィの恋物語が主軸の本作。「コナン」「ラピュタ」と同じ、監督18番の題材です。しかし今までとはだいぶ様子が違います。基本設定等ほとんど説明のないまま、どんどん進む物語。しかも肝心の恋物語の部分の出来がいいとは思えません。宮崎作品で一貫して存在した、そして支持された理由の「娯楽性」や「観客の視線に立ってのものづくり」が本作には感じられないのです。自分もそうですが、宮崎作品に分かり易いエンターテイメント性を求める人には不評だと思います。賭けには勝った(興行的には成功した)が、代償(信用の失墜)も大きかったというところでしょうか。“ヒットの呪縛”から抜け出すために、あえてこの手法を選んだのでは?とさえ思えてしまいます。完成度では前作を遥かに下回ります。でも自分は本作を憎めません。確実に商業的な成功の見込める無難な作品より、監督がやりたいように作った作品なら、それでいいという気がします。そこに“宮崎駿”を感じられれば。本作には宮崎駿の“きらめき”がありました。だから自分は本作を支持します。
[地上波(邦画)] 7点(2006-07-26 19:03:44)
1114.  NANA 《ネタバレ》 
同じ“なな”では具合が悪いし性格も犬っぽいという理由で、相手に“はち”というニックネームをつける感覚。そしてそれをよしとする人間関係。浮気された友達のために、相手の女を殴ろうとする連帯感。親友を元気づけるために彼氏のコネクションで大好きな芸能人を自宅に呼んであげる優しさ。これらのことが親友の証だとするならば、自分には理解し難い価値観です。好きな少女マンガ家は?と聞かれて、「岡田あーみん」と答えるような輩や、バスタブシーンで「乳を揉まないかな」などと考えてしまうようなダメ人間が、観る作品ではなかったのだと思います。ビジュアルや台詞、ストーリーは、自分が抱く現代少女マンガのイメージどおり。原作読者層、主に若い女性には受け入れられる世界なのだろうという想像はつきます。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2006-07-25 19:31:37)
1115.  平成狸合戦ぽんぽこ
扱うテーマは「自然環境保護」「人間と野生動物の共存」。ジブリ作品の十八番です。一般向けエンターテイメント作品としての水準は高いところにあると思います。宮崎作品のように芸能人声優が気にならない点も良いです。ただ、面白いかと問われると、正直そうでもないです。他に見たいテレビ番組がなければ見ようかなくらいの感じです。地元出身のたぬきが出てくるのが個人的にはちょっと嬉しいです。
[地上波(邦画)] 5点(2006-07-20 19:11:02)
1116.  スチームボーイ STEAM BOY
歯車の付いたアナログな機械がガチャガッチャするところ。そして蒸気がプシュー、プシュー、モワモワっとなる画。機械類の描写力には目を見張るものがありました。美術だけなら満点級です。ただ、映像以外の点で訴えかけるものを感じませんでした。冒険活劇っぽいわりに娯楽性に欠けていたように思います。あと多くの方が指摘していますが、声優陣について。大友作品独特の乾いた空気(スチームボーイなのに変ですけど)にはいわゆるアニメ声の声優は合わないです。しかしだからといってプロの声優を使わなくてもOKというわけではありません。鈴木杏のように作品の世界に合っていれば、多少技術が伴わなくても“味”として受け入れられますが、それは稀有な例です。やはり“餅は餅屋”。本職に任せたほうが作品のレベルは確実に上がると思います。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2006-07-19 21:08:35)
1117.  嫌われ松子の一生
どこか他人事のように感じてもおかしくないほど、壮絶なお話です。しかし本作で描かれている、“人から愛されたい”“他人に自分を理解してもらいたい”という想いは、人が持つ切なる願いです。ですから自分自身の物語として、本作は強く心に迫ってきます。この作品を目の当たりにすると、人生を“素晴らしい”とか“つまらない”あるいは“正しい”とか“間違っている”と言うことが、無意味なことだと気付かされます。もちろん喜びは多く、悲しみは少ない方がいいに決まっています。でもそれだけのこと。生きること自体の尊さを痛感しました。この悲惨な物語をどう観客と向き合わせるか。それが本作の課題だったと思います。ガレッジセール・ゴリの存在も大きかったですが、やはりミュージカルの要素、そしてCGとアニメの彩りが、直接的な痛ましさを和らげていたように思います。しかしその一方、明るい音楽や色彩により、強く哀しみや切なさといった情感をかきたてられもしました。矛盾しているようですが、これは自分が抱いた率直な感想です。鑑賞後は喜怒哀楽のどれでもない、言葉では表現できないような感情に襲われました。道に飛び出して大声で叫びたいような、でも心の内に秘めておきたいような。自分でも理解しきれない涙が溢れて溢れて仕方ありませんでした。この不幸な物語を、映画館で、それもおそらく日本で一番この作品を観るのにふさわしいと思われる映画館のひとつ、新宿歌舞伎町の映画館で観られたことは、自分にとって本当に幸せなことだったと思います。
[映画館(邦画)] 10点(2006-07-18 19:47:35)(良:5票)
1118.  私立探偵・濱マイク/罠
(シリーズ全体の感想も含んでいます。)前2作品「我が人生~」「遥かな時代の~」で描かれたのは、“戦後の日本”という時代の空気。レトロ感あふれる台詞回しと映像が印象的でした。2作品で1つの世界を形成しているという感じです。本作で描かれたのは、江戸川乱歩を思わせる陰鬱とエロスの世界。前2作品とは一応別の路線ではありますが、濱マイクの世界観(2枚目半の主人公をはじめとする登場人物たちの明るさと、それに反するような影ある物語)は健在でした。本シリーズは、この世界観を楽しめるかどうかがすべてだと思います。ストーリー云々は二の次。自分は、この独特な陰陽併せ持つ雰囲気が好きなので、3作とも満足しました。(好みの順だと3>1>2です。)音楽も良かったです。(余談ですが、自分が大好きなCGアニメ「ポピー・ザ・パフォーマー」「ガラクタ通りのステイン」の音楽を担当している、めいなCO.さんの名前を見つけることが出来て嬉しかったです。)個人的なお気に入りキャラは星野くん。スピンオフで星野くんが主役のお話を作ってくれたら映画館まで観にいったと思います。シリーズ3作品を通して観ると、いかにTV版が一般向けにアレンジしてあるかが分かります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-07-10 17:54:03)
1119.  私立探偵・濱マイク/遙かな時代の階段を
1作目と打って変って今度はカラー。台詞回しにも前作のような50~60年代を思わせる雰囲気は薄くなっています。それでも物語冒頭は70年代くらいの雰囲気かなと思いましたが、観終わってみるとほとんど90年代という感じ。はじめ、このタイトルは狙いすぎかなと思っていましたが、いやいやよく考えられている題名だと思いました。本作のストーリー自体も戦後の日本という”時代”を色濃く描いていますが、1作目、2作目と明らかに”時代”の経過を感じさせる作りになっていて、タイトルにマッチしています。3作目を観てみないとなんとも言えませんが、本作までは2作トータルで、イイ感じに仕上がっていると思います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-07-09 20:18:57)
1120.  私立探偵・濱マイク/我が人生最悪の時
台詞まわしや小物などから、50~60年代の日本を思わせる空気感があります。しかし時代設定を明確にしているわけではなさそうで、あくまでそう思わせる雰囲気のある作品という意味です。モノクロ画像もいっそうその雰囲気を助長しています。モノクロの使用は、ちょっとあざとい感じがしないでもないですが、自分はこの雰囲気が好きなのでOKということで。「星くん」「濱くん」と呼びあう永瀬と南原の掛け合いが気持ち良いです。後のTVシリーズに比べると地味に感じますが、そこがまたイイです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-07-08 21:02:18)
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