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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1631
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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101.  ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー 《ネタバレ》 
私としては、前作をハッキリと上回る素晴らしい出来だと思いました。ふたりのドラマ(コメディ)とアクションが両立しているという点では、引き続きまた(公表されてもいる)コンセプトどおりだとも思うのですが、続編とゆーコトでそのふたりのキャラがシンプルにより深まっている…とゆーのがドラマ&コメディ面に一層効いていたかな~と。加えて、掃除屋さんが男女コンビになっててコッチも面白いキャラが確立されつつあったり、あと全体的に役者さん達の演技自体もシンプルに向上してた気もしますね⇒髙石あかりチャンとか諸々と結構「やるな…」と思いましたすよ。更に更に、続編・スピンオフも益々ドンドン期待できるシリーズになって来てますね(今後に向けての期待が止まりません)。前作を含めて、この機会に是非。
[映画館(邦画)] 7点(2023-04-04 19:30:53)
102.  閉鎖病棟-それぞれの朝- 《ネタバレ》 
群像劇的なので決してソレだけの話でもないとは思いますが(+キャストがワリと豪華なので尚更)結局このお話の中心に居るのは間違いなく鶴瓶さんであって、でその彼の「贖罪」がメインなお話だと(個人的には)感じたのですね。であれば、やはりあーいう手段を最後にまた選択してしまう…とゆーのはやっぱダメでしょ!としか言い様がないのですよね(コレは「絶対に」)。例え、相手があーいう相当なワルだったとしても、今回の場合なら他に幾らでもやり様はあった筈で(証拠も押さえているのだから)そもそも渋川清彦をそんな感じの「極端」なキャラとして描いているコトを含めても、一見は含蓄が在るよーで実に短絡的な話だな、と思いました。  精神疾患をキャラの下敷きにしているコト(⇒鶴瓶さんと小松菜奈ちゃんは、実際のトコロはそーでもない…のかも知れませんケド)を含め、役者さんの演技には総じて熱も籠もって居て(率直にかなり)好かったと思うので、他方のお話の出来映えがそこそこ以上に残念に思われましたです。ワリと期待してたのですケド……
[DVD(邦画)] 5点(2023-04-03 20:41:20)(良:1票)
103.  ロストケア 《ネタバレ》 
少なくとも、この現代を生きる人間というのは、生きているコト・長く生きてゆけるコトが必ずしも「幸せ」と同義ではないから、そして残念ながら我々は未だ「幸せとは何か=人間が必ず幸せになれる方法は何か」というのを見い出せていないから、その「人の生き死に」を絶対的な尺度として社会を裁くのに用いるというのが次第に困難な時代になりつつある…というお話(=社会問題)だと思って観ていました。今作は、その部分に係る結論を導き出すというよりは、社会に対するいったんの問題提起を主眼としてつくられた作品だとも思います。全体としてもサスペンスというよりはドラマであって、特に後半は主張を違えるふたりの主人公の議論・対話と、そして彼らが一応の相互理解に至るまでを比較的穏やかに描く、という作品だったと思っています。  まず感じたのは、その問題提起としてはごく非常に分り易い・明解な映画だ、というコトでした。台詞回しやその発声からして、また登場人物のキャラクターやその背景に至るまでも実に分り易くシンプルだった、と。ある種「捻りが無い」という感覚にも繋がるモノかとも思われるのですが、私としてはそれは製作者の明確な意図・狙いだった様に思われました(=誰にこの内容をいちばん伝えたいのか、という意味での「選択」だと)。重ねて、その効果は大いに的確に発揮されていたと思いますし、キャストの方々の真摯で真剣な演技というのも、総じてそれを描き出す・表現するのに十二分に上質なモノだったと思います。見応えがありました。  個人的に、ひとつダケ少しダケ残念なコトが在るとしたら、前述どおりこの映画は「結論を出す」というモノでは(おそらく)なくて、だから主人公ふたりの議論にも明確な決着は付かない=どちらの意見にも「共感」或いは「非共感」の何れもを抱き得る、という形式で進んでゆくのですね。だからと言うか、中盤その議論がいっとき白熱するシーンというのは、それが議論であるコトは明白なのですが実のトコロふたりの主張というのは全く嚙み合っていないのです。私には、むしろ不自然なマデにふたりともに感情的で、そして何よりも言葉に「説得力が無い」とも感じられました(特に長澤まさみの方)。私としてはココだけは多少(分り易くはあるが)ワザとらしいかな…と思ったと同時に、それ以上にこのふたりであれば(結論には辿り着かないまでも)もう少し「進んだ=深い」議論ができたのではないか…というコトが少しダケ残念にも感じられましたね。  重ね重ね、作中で何らかの答えというのは提示されないのですが、あくまで私個人の考え・「答え」として、私自身は、少なくとも私と私の家族が(表向きにでも)幸せに過ごしてゆくのに求められる「強さ」を、これからも人として追い求めてゆきたい、と思います。それは、結局それがいちばん手っ取り早くて(シンプルに)「安易」だからです。勿論、真に強い人間というのは、社会そのものの弱さ=作中で言うトコロの「穴」を、あくまで自分事と捉えてそれを変えてゆく+変えてゆける人間だと思いますし、そーいう人間こそが人々の先頭に立つべきだ、とも思っています。しかし、私はおそらくそこまで強い人間には為れない(というコトが、今まで生きてきて判ってしまった)のですよね。私は、今作の松山ケンイチや長澤まさみの様な「強い」人間にはもう為れないでしょう、がそれでも、散々に挫折と絶望を繰り返しても未だ、人の為に自分が強く在りたい、という意識を(いま再び)持てて居るコト自体には、どちらかと言えば(手前味噌ながらも)ごくポジティブな感情を抱けて居るのです。    今日の映画館でも、泣きながら観ている人がワリと目立っていた作品に思いました。私も、柄本明のシーンはまだ耐えたのですケド、しかし終盤のまさみちゃんと藤田弓子さんのシーンは完全に号泣してしまいましたよね。映画を観ながら泣く、というコト自体は(個人的には)決して珍しいコトではないのですケド、それでもそれで「目が開けられない」とゆーのは、ちょっとあまり記憶に無いコトではありましたですね(だから、実はあのシーンはチャンと観れてないのです…)。
[映画館(邦画)] 8点(2023-03-28 18:49:34)
104.  シン・仮面ライダー 《ネタバレ》 
私は正直なコトをゆーと「え、何でこんなに評判悪いの?」というレベルでメチャクチャ楽しめてしまったのですが、帰って来てこちらのレビューも全部読みましたがソッチにも完全に納得はしました。今サラ私が言うコトでもないでしょーが、重ねて、完っ全に「監督の趣味」でしかない映画であって、だから極めて人を選ぶ・ニッチな作品だというコトではあるのでしょう。しかし同時に、こんな奇天烈な質感を映画として楽しめるとゆーのはソレこそ、この地球上でもごく限られた領域&限られた時代に生まれたからこその「特権」だとも思いました(個人的には、特に今作のチープなCGによるアクションをアクションとして受容可能なのは、実はオリジナルの直撃世代よりはもう少し我々の世代寄り=平成・2000年代のテレビ特撮に少しでも親しんだ世代…なのではねーかと思いましたね)。私は素直に、この映画を存分に楽しめたという自分の境遇を神に感謝したいと思います。面白い映画でした。  とは言え、一言だけ言っておきたいとしたら、この映画って(立派な原作が別に在るにも関わらず)本質的な中身ってまたほぼほぼ旧『エヴァンゲリオン』と同じじゃなかったですか?(+細かい演出のコンセプトとかだってそーだし)でも、演出手法とかの「外観・見て呉れ」或いは「好きな=またやりたい」展開の運び方とかに関しては、私も別にセルフオマージュだって全然好いじゃんか、とも思うのです。ただ、例えソレが自身の最大の信念・価値観であったにせよ(そしてソレばっかり描く=貫くとゆーコトにも確かに大きな価値が在るモノだとは思えども)も~アレから30年にもなるのですよね?個人的には、ならばソレ=その「中身」は多少は変化している・してゆくべきではねーのか、とも(少しダケ)思ったりはしましたですかね(⇒ある意味、シンプルに「人」として)。  ※コレはいよいよ、私もエヴァの新劇場版を観ないといけないのでしょーかね。。事前情報を入れる位なら、直接全部観た方が好いと思うので。。  ※プラス、以下余談: 今作の採点に関しては、個人的に少し外的な要因とゆーのがあって、第一に件の『シン・ウルトラマン』よりはコッチの方を上にしたいと思ったのですね。全体的にはごく似通った質感+諸々のクオリティだとも思ったのですケド、まず(先ほど少し腐したとは言え)テーマ的な部分で今作の方がより共感可能だったコト、あと全体的なテンポも今作の方が好みに近かったコト、が理由です。しかし、実は『シン・ウルトラマン』はその直前に観た『ULTRAMAN』に(本来は5点相当なのに)心情的に6点を付けるしかなくて、だから『シン・ウルトラマン』は(本来は6点相当なのに)7点になってしまって居て、んで今作はそれ故に(前述どおり)8点とするしかなかった…のですよね。従っての結論、今作は「7点寄りの」8点という評価としてご理解頂ければ…と思います(ソレでも、個人的にも良作の範疇であるコトには変わりはねーです)。宜しくお願い致します。
[映画館(邦画)] 8点(2023-03-27 09:12:33)
105.  はらはらなのか。 《ネタバレ》 
ややコンセプトが見えづらいタイトルだと思えましたが、個人的にはたぶんコメディ、それもごくローコストな方のヤツかな…と思って観始めました。しかし観終わってみると、思ったよりも更にジュブナイルな感じではあったもののお話としてはごくマジメな方の青春映画で、かつ(私が予想していた様な)ローコスト映画というワケでも全くない、かなりしっかりとつくられた作品でしたですね。重ねて、根本的には主人公の女の子の「成長」を描くシンプルな青春映画ですが、同時に演出テクニックや表現技法として少しファンタジックで非現実感を醸す様なモノが多々取り込まれている、という作品ですかね(その意味でも、フツーの日常的青春映画よりは少~し手が込んでいる…という感じかと)。  ただ、個人的にはイマイチしっくり来ない…とゆーか率直に乗れませんでした。一言でゆーとどーにもパッチワーク的…とゆーか、諸々と少しボヤっとしている・焦点が絞り切れていない様に感じられてしまったのですね。主人公からして、一番メインな「子役から女優に成る」というお話…のみならず、亡くなった母と娘の話だとか「自我の統合」の話だとか描くべき様々なキャラを背負わされているのですし、で助演の松井玲奈とか同級生の生徒会長のコとかにもしっかりお話が在るのですし、その上で前述どおり演出の方でも日常とファンタジック・非現実を行ったり来たり…(+ミュージカルシーンだってチョコチョコと割り込んでも来るし…)となると、流石にちょっと「忙しない」と感じたのが正直なトコロですね(≒盛り込み過ぎ)。オペラを観慣れた身からすると、その表現技法の方にある種の「制約=縛り」をかけるのならば、ソレによって描くべき物語やキャラの方は(トレードオフ的に)多少シンプルにした方が無難かな…とも思いますかね。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-03-20 22:05:32)
106.  君は永遠にそいつらより若い 《ネタバレ》 
第一に、シンプルな作品だな…と思いましたが(以下、私の感想も実にシンプルなコトを言ってるダケに為ってしまいました)同時に(素直に)好い映画だな…と思いましたし、個人的には主役の佐久間由衣さんにも(比較的高度に)共感してゆけたのですね。ゆーて、どーしたって(女優さんなんだから)フツーにカワイイ娘だよな…(=コレで彼氏出来ない~とか言われても…)とも思いはしましたが、それでも、オマエに児童福祉士なんて無理だ!と言われて落ち込む辺りとか(⇒残念ながら私もソコは「確かに…」と思いましたし)あとは決してキャラにそぐわない「攻めた」髪色をしているトコロのワケとか、必ずしも悪い意味ではなくて「分り易くて」好かったな…と思いました(ソコは)。  でもまあ、そーいう「外見的」なコトとも(=コトとすら)あまり関係も無く、その「自己肯定感」の確立ってのは誰しもにとってやはり中々に困難なコトだ…とは思うのですよね(そもそも、ソレが自分には簡単「すぎた」てのもソレはソレで…と思いますし)。で結局、ソレって(=自分の「価値」って)やっぱどーしたって自分では決められない=ひたすら他人がソレを決める、とも思ってるのですね。だからその意味でも、いずれは必ず誰もが社会=人の海=友人関係だの恋愛関係だの仕事関係だの、の中に出ていくしかないのだと思うのですケド、その時にも多少の自己肯定感を予め装備しておかないとその泳ぎ出し自体が実に苦しい…てのが一種の「悪循環」だとも感じられるのですよね。今作でもテーマとして少し触れられてはいましたが、その「初期装備」ってのは基本は親・家族との関係性の中で育まれるモノだとゆーのも、作中からは十分に汲み取れた⇒より深い共感に繋がる「分り易い」物語の構成だった、と思います(⇒だから、またその意味でも子どもの虐待とゆーのはとても罪深いのだ、と)。   ※あと、コレは『まともじゃないのは君も一緒』を観た時にも(大いに)感じたコトですが、自分の周りの「普通の人々」と自分を比べて一喜一憂する…なんてのも決して全くオススメできるコトじゃあないと(個人的には)思ってますよ。ごく真っ当な人で在れば在るホド隣の芝なんてのは青く見えるモノなのですから、どーしたって「分が悪い」ですよね。そーいう「普通の人々」が普通に備える(と言われる)個々のアビリティを全項目完備してる人間なぞハッキリ「超人」だと、寧ろその他人が皆偉く見える自分自身の劣等感こそが(⇒他人の「善い」トコロを全力で評価する)貴方の「優しさ」と「謙虚さ」の顕れだ、とでも思っておく方が余程健全だと思いますね(「思い上がれ」と言いたいワケではねーですケドも)。   個人的な理由となって恐縮ですが、点数は(また実は)かなり迷いました。直前に観た『ひらいて』との前後関係で言えば、個人的にはアッチの方が好きだとゆーのは(私としては)「固い」トコロなのですよね⇒ソレはいったん、文芸映画としての「文学性」の観点が主たる要因だ…というコトにしておきます。ただ一方で、じゃあ今作を1点(マデ)下げてしまうのが正しいか…という点にもかなり違和感が在った(⇒前述どおり非常に高度に共感して観てゆけた身からすれば)のを重く見て、ココは高めに寄せて置きました。以上です。
[DVD(邦画)] 8点(2023-03-10 01:44:40)
107.  ちひろさん 《ネタバレ》 
ゆったりした間合いはまた監督の空気感ですが、印象は全体的にだいぶポップにも感じられました。で、とにかく非常に心地好いとゆーか、多少は在るホロ苦いシーンですらモ~心地好いとゆーか、でも「こんなにひたすら心地好い…のにタダ浸ってるダケで好いのかな?」と不安にすらなって来るとゆーか、ごく終盤までは描かれるのはストーリーと言うよりはちひろさんのキャラクターそのモノ(+ソレがもたらす単なる暖かさ)の方なのですよね⇒他にも色んな人の様子もふんだんに描かれてゆく…とは言え。結局、その終盤に少しダケちひろさんのお話の方が動き出す…あたりが個人的にはより面白く観れた、というコトを含めても、やはり私は2時間を一つのストーリーが一貫する映画の方が好みだというコトなのでしょーね。確かに、ある面で(どちらかと言うと)配信向きな作品なのかも知れません⇒重ねて、ごくゆったりと長尺なコトも含めて(内容のワリには)。  完全に楽しめた!とは言え、点数自体はかなり迷ったのですが、ココは逃げずに高めに寄せました。理由はやはり、そのちひろさんのキャラクターにごく共感できたコトです(結末部分も含めて)。生きていれば辛いコトもあるし、時にはソレを受け止め切れずに壊れてしまうコトもあるのが人間だと思うのです。そーして失った諸々のモノは、やはり完全に取り戻すコトは出来ない、とも(心身の健康とか、流れ去った時間など尚更に)。でも、ソレでも人は立ち直れるし、前向きに生きていけば(そーいう辛い出来事も)いつかは笑い話に、糧に、本当に本当の意味でごくポジティブなモノに変わる日だってきっと来るのだ、と最近は(個人的にも結構)実感していたりするのですよね。中々、好い時にこの作品に出会うコトが出来た、と心から思いました。
[映画館(邦画)] 8点(2023-03-04 00:39:12)
108.  リング・ワンダリング 《ネタバレ》 
うーん……最後まで観ると結局、お話のコアの部分はSF・ファンタジーに類する代物なのですよね。その面での中核となる中盤のシーンを挟む様に、漫画家志望の主人公のパーソナルな困難 or 悩みが提起⇒解決される様子が描かれるという構成でソッチの部分は大いにドラマ的だったりもするのですが、また結局そのファンタジックにせよ(片や)ドラマにせよ、ちょっと内容的に在り来りすぎて(この尺の映画の題材としては)残念ながら「弱い」かな~と。個人的には正直、かなり退屈してしまったと言って過言ではねーです。  ただ、映画自体としては全体的に個々のシーンはどれもかなり丁寧に撮られていた、とも感じるのですよね(監督が「撮りたい」シーンを撮ってるのだろーなーという感じもしましたし、キャストも率直に地味ながら中々に豪華だとも思いましたし)。おそらく雰囲気映画の方…としてウマ~くその空気の中に溶け込んでゆけた人なら、もっと全然面白く観てゆけたのではないか…とも思うのですね。とは言え個人的には、私が何故今作を「雰囲気映画」として観てゆくコトにも失敗したのか…という点もワリと(私の中では)明確なのです。よくあるこの方面のメソッドとしては、やはり「音楽」や「画づくり」といった部分でちょっと普通・日常とは異なる質感をつくり込んでゆく…というコトではないかと思ったりしますが、今作はその点では部分的(=中盤のファンタジックな「過去」のシーン)にはそこそこそーいうモノを感じ取れるトコロもあるのですケド、その他のシーンは(序盤とラス前の「漫画の中の世界」にせよ)ごく現実感の強い方の質感で撮られていたと思うのですね(⇒音楽はそもそもあんまし使ってないですし、画面の感じとか台詞とかもごくかなり日常的だし、で)。あともう一つ、先にも述べましたが(内容の薄さも踏まえた上で)雰囲気映画に仕上げるにしては少~し尺自体が長い気もしましたかね(⇒決してソコまで長尺な映画でもねーのですケド)。そこら辺の意味でも少なくとも、件の「漫画の中の世界」を二回もあんなに長々と描く意味は(少なくとも私には)あまりピンと来なかった…とゆーのがまた正直なトコロですかね(長谷川初範はまたカッコ好かったですケドね)。
[DVD(邦画)] 4点(2023-03-02 19:02:01)
109.  楊貴妃 《ネタバレ》 
『雨月物語』に文句など(ほぼ何一つ)無いのではありますが、一点だけ、コレをカラーで撮ってたらどーだったろうな…とは思ったのでして、で今作はワリと同時期のカラー作品、かつまた主演二人が京マチ子&森雅之+歴史もの+話の中身も(ある部分では)ごく似てる…と思って観始めました。全体の尺とかも同じ位なのですが、お話の内容自体のボリューム・密度という点では率直に今作の方がだいぶ軽めで、まあその二人の(恋だ愛だの)お話に限って観てゆくならナンとかならんコトもねーかな…という感じではありましたかね。  ただ、ゆーてココまでボンヤリした感じになってしまうなら寧ろ、皇帝と貴妃以外の人物(⇒安禄山はまだしも、ソレこそ楊国忠とか高力士・李林甫あたり)をもっと実態に即したエゲツない人物としてチャンと描写すれば好かったのではねーか…とも思いましたかね。あと、今作は全編セット撮影かと思うのですが、ソコで別に屋内のシーンは全然問題なかったとも思うのですが(美術面のクオリティやゴージャス感とかも)やっぱ歴史ものでもあるコトからしても多少スペクタクルな、とゆーか壮大・壮麗なシーン(デカい宮殿とか)が殆ど無かったのは、特に中国のお話としては少し痛かったかもな~と思いますね(正直あんまし中国の話に見えなくて)。
[インターネット(邦画)] 6点(2023-02-27 00:58:26)
110.  雨月物語 《ネタバレ》 
久し振りに再見しましたが、やはり面白いですね。特にラスト、源十郎が村に帰って来て宮木と一夜を過ごすシーンは、改めて観ると(技巧的にも演技的にも)最初から最後まで凄まじい完成度だと思いました。もちろんそこまでも(全体としてもコンパクトサイズなワリには)お話の内容も含蓄もミチッと詰まっていて(=人の物語としても、或いは人でないモノの物語としても)その点でも完成度が高いなあ、と。  中でもやはり、京マチ子さん演じる亡霊とゆーのは、このごく生々しい物語の中でも一際「超常のモノ」たる存在としての好い意味での「浮いた」感じが見事でした。それは彼女が備える類稀なルックスの効果も確かに大きいとは思うのですが、もう一つ、所作の巧みさも非常に効果的だったと(今回改めて)感じたのですよね。劇中でも実際に能を舞うシーンがありましたが、その他のシーンでも多分に日本舞踊的とゆーか、着物を着たうえでの滑らかで・しとやかで・かつ艶やかな種々の動作とゆーのが、実に美しくも妖しく(スペシャルなモノに)感じられたのですね。コレは類似の映画として『怪談』の雪女役・岸惠子さんを観た時にも感じたコトなのですケド、だからコレって現代で年頃の役者に演らせよーとしたってモ~ちょっと中々に無理だろーな…とは思ってしまいましたよね。。
[インターネット(邦画)] 9点(2023-02-26 17:02:05)
111.  ある用務員 《ネタバレ》 
これまでの監督の他作品と比べると全体的に少し雰囲気が違うとゆーか、終い方なんて特に「ワリとマジメに」つくってる感じが強いのですよね(音楽とかも)。前半だって結構チャンとドラマしてる感じですし、だから結局要所で(他作品では出て来ない様な)フツーに名前を聞いたコトある役者さんが出て来たりもして、その辺も雰囲気の差には確実に繋がっては居ますよね。ただ一方、ごく「いつもの」感じの面子の方もままゴツ盛りではあるのでして、だから部分的には(当然)監督らしさとゆーのもそこそこタップリ感じられる…とも言えるのです。  で個人的には正直、ソコまで悪い作品だとは思わなかったのですが、ソレでもやっぱり「違和感」を強く感じた部分が何箇所か在って、結局ソレは(監督の個性たる)「チープさ」が(今作では何故か)好くないモノの方に見えてしまった…というコトではねーかな、と。おそらくソレは前述したある種の「ツギハギ」が原因ではねーかと思うのです。つまり、山路和弘の思いがけない熱演にアレッ?と引き込まれた直後に、その手下の組長のポンコツな長台詞を聞かされたり…だとか、平時だったらとても可愛らしく&面白く観てゆける髙石あかりちゃん&伊澤彩織ちゃんとて、一方でごくシリアス&シビアな芋生悠ちゃんの演技と並べちゃうとバランス悪く見えちゃったり…とか。映画ってやっぱり「全体の統一感」って結構大事なのかな~と思ったりしましたですね。  結論、ソレでもやっぱ別に『黄龍の村』とそんなに面白さに差が在った…とは思っていないのですケドも、迷いに迷ってこの点数としておきます。
[インターネット(邦画)] 4点(2023-02-16 20:34:49)
112.  ひらいて 《ネタバレ》 
いや~シビれましたね~コレぞ文芸映画ですね!(原作の方も間髪入れずにAmazonでポチってしまいました)  否、所々では(痺れたのではなくて)むしろゾッとした…と言った方が好いと思います。まずはモ~主演の山田杏奈ちゃんからしてとにかく最初っからナンだかミョ~に怖い…のですよ。ある面では確実にサイコパスとゆーか、分かり易く言うとひたすらに自己中心的とゆーか、でも最後まで観ると私にとってより一層の恐怖の対象だったのは残り二人の方だったのですね(=今作で恐れ戦かされるのは実は杏奈ちゃんの方…だという)。  芋生悠ちゃんはコレも冒頭から病気という「業」を背負っていて、ソレがある種の「納得いく理由」となっている…とも思うのです、が一方の作間龍斗にはソレが当初は見当たらない…が故に、彼の方は一体どんな「闇」を抱えているのか(=ナニがどーなったらこんな人間に為り得るのか)という点がごく終盤まで非常に心地悪い不安として在り続けたコト。そして何より、そんな彼と彼女二人があまりにも人として「かけ離れた場所に居る」為に、杏奈ちゃんの方が(=杏奈ちゃんですらも)彼と彼女の世界には決して入り込めないのだ…という絶望的で絶対的な実感を共有してしまったコト、そのものの恐怖とでも言いますでしょーかね。  いや、杏奈ちゃんが(例えば端的に)ガキだから…とかいう単純なコトではないとだって確実にそー思われるのです。彼女は彼女で比較的ごく完成された人格を備えた方の、子どもとは決して言えない・見做せない様な女性だとも感じるのですね。だからその「差」とゆーのは(まず年月やそこらでは)埋まり得ないのではないか、ソレは恋愛においては正に死刑宣告の様なモンだとも思うのですよね(ソレこそ白鳥に恋する豚の様なコトであって)。コレもむしろ杏奈ちゃんの方こそが人間らしい(=人間臭い)人間だと見えていた私にとっては、彼と彼女二人とゆーのはむしろモ~「人間」に見えなかった…恐らくはソレこそが私の感じた「恐怖」の真なる源泉だったのではないか、と思います(思えば悠ちゃんの方だって、杏奈ちゃんと同じ様にやっぱ終始ナ~ンか怖いのですよね…少なくとも私にとっては)。  最初にも述べましたが、肝心な場面のキメ台詞の(決して気取らずも)実に文学的な趣きが超絶に心地好かったコトも含めて、少なくとも中盤以降はマジでシビれっ放し!でしたですね。大いにオススメしたい良作です。
[DVD(邦画)] 8点(2023-02-15 00:15:43)
113.  HOKUSAI 《ネタバレ》 
日本が世界に誇る人類史上最高峰の画家・葛飾北斎の生涯を描いた映画。だが、北斎の実際の経歴&人物像とゆーのは細部までが詳らかになっている訳ではないのだろうし(⇒殊にその絵画製作の動機とかいった部分に関しては)その意味では本作はその「ストーリーの軸」として、江戸幕府の芸術・出版に対する弾圧(=北斎が関わった人々が実際にその被害にあったコト)を用いて個々のエピソードを繋ぎ合わせてゆく、という手法を採っている様に見える。調べると確かに、本作に登場する蔦屋重三郎・喜多川歌麿・柳亭種彦らがその犠牲となったのは事実である様だ、がそもそも肝心の北斎自身が公儀の咎めを受けたという事実は無い様なのであるし、何よりも彼がその方面において何らか「成果・業績」を成し遂げたとゆーのも(当然)真実とは異なるのだ。  なので、コレばかりはどー描かれたトコロで(どーしたって)我々の知る歴史そのものと本作のストーリーがリンクしてゆくコトは無いのであり、だから個人的には正直ナニがしたかったのか=ナニが描きたかったのか分からない…という類の映画にも感じられてしまう。特に、北斎の実際の作品(富嶽三十六景とか)とそのストーリーが全く繋がってゆかないのはモ~致命的だ…とも思いましたよね(⇒生首の図の話はまだしも…と思うものの)。根本的に、もし「事実」を並べて「真実」を(説得力を持って)描くことが出来ない=「事実」と「架空」を綯交ぜにして描くしかない、のであるなら、全体の質感は「架空」の方に寄せるしかない、のではないか…な~んて思ったりもしましたよね(⇒そーじゃないと正直「観方」が分からなくなって、で結果としてメッチャ心地悪いのですよね)。映画自体としては(物理的には)諸々と結構好くつくり込まれた方の時代劇だとも思ったので、この脚本のイマイチさは実に残念です。  もう一点、実質60年近くの長い年月を描いてゆく映画として、登場人物の実年齢と役者の感じが所ドコロかな~りミスマッチなのも興を削ぎましたよね。冒頭、師匠に破門された(柳楽優弥演じる)北斎とゆーのは実際には34歳の様なのですケド、柳楽くんの若々しい感じ+ごく傍若無人な振舞い(⇒からの自暴自棄になって却って一皮剥ける青臭い様子とか)を見るに正直20代前半にしか見えてこず、第二章ではまたごくそのままの若い感じで(今度は)実際には50手前の北斎を演じていたり、他にも(当時30代後半の永山瑛太演じる)柳亭種彦だって死んだのは60間近のハズ…なのですからね。もう一つ言うなら、第三章から柳楽優弥がいきなり田中泯に変わるのだって流石にコレには無理とゆーのを感じてしまいますですよ。そんな意味でも、具体的には例えば第二章とかゆーのは率直に(ナンなら)丸々要らなかったのではねーか…とすら思いますよね(で、大した内容が在った様にも全く思われないので…)。
[DVD(邦画)] 4点(2023-02-15 00:10:41)(良:1票)
114.  おもいで写眞 《ネタバレ》 
まァゆーて邦画に限らず…とも思いますが、本作も実にまァ邦画的と言いますか、映画でもドラマでもモ~散々に観てきたよーなオーソドックスでベタな内容だとも思えます(「おもいで写真」というコンセプト面のアイデアは別にしても)。主役は一貫して深川麻衣ちゃんですが、比較的雑多なエピソードを幾つも積み重ねてゆく(+部分的には群像劇っぽく)という点でも、どちらかとゆーと質感としては映画よりもドラマ向きかな~とも思いましたし、その個々のエピソードにしてもまたごくベタだな~とゆーのも正直な感想ではあるのでして。ただ、本作は同時にワリとテンポ重視とゆーか、ソコまでパワフルでもないエピソードでもソレを実に小気味好くポンポンと語ってゆくので比較的にも観易い方=最後までフツーに観れちゃう感じな方だったかな~とも思いましたかね……とは言えド初っ端、麻衣ちゃんが出てきて数分でいつの間にやら「おもいで写真」なるモノを撮るコトになって団地に「遺影撮りませんか⁉」と押しかけてゆくサマには、率直にかなりギョッ⁉としたのも事実ではあるのですケド。ソレでも、吉行和子さん&今作が遺作となった古谷一行さんの味わい深い熟した演技も含めて、全体としても(個人的には)全然悪くはない作品だとは思いました。お暇ならまァどーぞ。
[DVD(邦画)] 6点(2023-02-13 22:54:41)(良:1票)
115.  大コメ騒動 《ネタバレ》 
一見は非常にタイムリーかつ(ある意味)ホットな題材かと思ったのですよ。貧富の格差や戦争による物価高・社会不安、そんな理不尽に対して団結して炸裂するウーマン・パワー!という、むしろ今ならこそ大いに共感してゆけそーな(+ごくテンション高く観てゆけそーな)お話かな~と正直私もワクワクしてたのです…がナンでしょう、その意味で私がいちばん観たかったモノとゆーのはホントにホントの最後数分間で一発ダケで、ソコまでの100分間ってのは実にごく暗くて重くてローテンションで…と率直に全く気分を盛り上げてゆけなかったのですよね。調べると確かに米騒動って、ゆーて(地域単位では)たぶんソコまで凄まじい大反乱みたいなコトになったって話でもなくて、地方政府も結構さっさと対策してカタが付いた…というコトなのかな~と思いました(全国単位だと2か月弱続いて時の内閣も倒れているのですから、確かに歴史的事件ではあるのでしょーケド)。だから事実に即せば暴動のシーンを何回も長々とやるワケにもいかなくて、ソレをカバーする為に序盤~中盤はドラマの方をつくり込んでいるのですがソレだってごくシンプルな(貧乏で辛い!って)話にしかなり得ないので、結局ナニもかもが少し「予想通り」すぎる…という印象ですかね。  もう一点、主演の井上真央ちゃんって、少なくとも私の中ではやっぱどーしたってごく「元気な」女優さんだ…というイメージが強くて(⇒コレも確かに最近はそーでもないワリと多様な役に挑戦されてるのも当然知っては居るのですが)その彼女からしてごく終盤まではまた随分と大人しいキャラなんだよな…てのが(映画全体としての)ローテンションさ・盛り上がらなさにも残念ながら効いてしまっていたかな、と思いました。替りにテンション高いのが室井滋さんなのですが、コッチはまたモ~妖怪レベルの山姥キャラなモンですから…
[DVD(邦画)] 5点(2023-02-11 23:31:25)
116.  白夫人の妖恋 《ネタバレ》 
日本三大怪談の一つ『牡丹燈籠』は三遊亭圓朝作の落語作品だが、コレの原作は中国の怪奇小説『牡丹燈記』というヤツなのだそーで。んで、この映画の元ネタもまた中国の小説『白蛇伝』なのだケド、映画を観て第一に感じたのが「コレ『牡丹燈記』にソックリやな…」というコトなのでして、調べたらやはり『牡丹燈記』は『白蛇伝』の原作の一つだ、というコトらしーのです。ただ『白蛇伝』自体は(『牡丹燈記』とは違って)様々なバージョン違いが存在するというヤツらしく、ソレこそ怪談調のモノから純愛ものっポイのまで(時代や地域に応じて)色んなタイプがある…とのコトだそーです。その意味では、日本で観れる『白蛇伝』原作の映画も実は幾つか存在するよーですが、観比べたら意外にたぶんジャンルは様々…だったりするのかも知れませんね。  この映画は、どちらかとゆーと悲恋ものの系統とゆーか、製作者側が一番感情移入させたがっているのは恐らく山口淑子の白蛇サマだと思うのですね。しかし、コレも恐らく元ネタ(=種々の実際の『白蛇伝』)の要素をワリと真面目+素直にまんま取り込んでいるとゆーか、現代の一般的映画作品のシナリオと比べると率直に少~し所ドコロで一貫性を欠く様なきらいが在るとも思われるのですよね。観てゆくと結構お話の焦点が絞り切れない様な展開運びをしてゆくし、またキャラクターの観点からもやや取り留めが無い感じも覚えるのですね。白蛇サマがラスト付近では完全にメンヘラストーカー的な愛の亡者と化してゆく一方で、その彼女(+その手下の八千草薫演じる青ヘビの精)も中盤ではフツーにかなりキレキレな悪事もやらかしていくのですし、円谷英二を招聘した特撮映画だから…というダケなのかも知れませんがクライマックスの特撮シーンでの振舞いはモ~完全にバケモノのソレでありますし。結論を言うと少なくとも私にとっては絶対に恋愛対象には為り得ない…というキャラなのですよね(まあゆーて「異類婚姻譚」なんて皆そう…だとも思いますケド)。もう一点、前述どおり原作由来の要素を(注釈とか無しに)まんま放り込んでいる箇所が思いの外多い…ので、そーいった中華的概念(仙人とか道士とか)にある程度通じていないとそもそもワリと何が何だか分からない(≒用語がまずピンと来ない)という恐れも大いに在ったりもするかと。  しかし、また今作はかなり気合の入った作品でもあるらしく、映画として諸々のつくり込みの質は(コレも率直に)かなり高かったりします。オールスタジオ撮影のそのセットの豪華さ・煌びやかさは最初から最後まで実に素晴らしいですし、前述の特撮シーンも中々悪くないと思いました。何より、主要キャストの見映えの好さ+キャラにマッチしてる感じも相当にグッド・ジョブだったかと思います(山口淑子の美しくも凄み・思い詰めた感じを兼ね備える様子も好かったですし、八千草薫もこの上無く可憐で優れた緩衝材になっていましたし、んで池部良もシンプルに超・イケメンで私から見てもごく眼福でしたし)。中々評価自体の難しい映画なヤツかとも思いますが、個人的には観て損とまでは言わなくても好いかな…と思いました(暇潰しには十分…位なクオリティは余裕で備えているかと)。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-02-05 21:38:11)
117.  セーラー服と機関銃 《ネタバレ》 
鑑賞後にWikiとか見てもズバリそー書いてあったのですケド、私も全っ然「思てたんと違う」映画だとは感じてしまいましたよね。言い尽くされたコトでしょーが気になったのは二点、まずはとにかくカメラが遠い=顔が見えない=今観るとキャスト豪華なんだケド正直誰が誰だかわかんない、というコト。もう一点は(コレもとにかく)ま~長回しばっか=実にテンポ悪い、というコトですわね。  まあ、終盤に向かうに連れてその緩いテンポと(展開自体の)シュールさには流石に多少慣れていって、何となくソレは一味違う「オツ」な感じの方にも近づいていったかな…とは思うのです。が、ソレでもやはりカメラの遠さには最後まで私も慣れるコトが出来なかったのですね。2021年の『シュシュシュの娘』という映画もそんな感じの演出方針でその時も全く同じコトを考えたのですが、やっぱどーしたってシンプルに「物語に入り込めない」という感じがしてしまうのですよね(個人的に)。逆に、現実感がナンだか薄れる…という感じもあるのでシュール系の映画をやりたいのならシンプルにワリと効果的なのかもな…とは思いますケドも(=今作も『シュシュシュ』もある面ではシュール系…だと思いますし)。結論、コレだけカワイイ薬師丸ひろ子の「活かし方」という観点からは、どーしたって最善とは言えなかったかな…と思います(女子高生使って撮る映画じゃねーかな、と)。
[インターネット(邦画)] 4点(2023-02-03 23:30:52)
118.  セーラー服と機関銃 -卒業- 《ネタバレ》 
いや、だからフツーにつくれば好いのに…(まあ、そりゃ無理か…)  でもゆーて実質はリメイクに近いと思うのですが、いちおう設定としては前作の続編というコトで、演出方針も(当然の様に)ある部分で継承してる…てのが結局「長回しの超・多用」なのですよね。しかし、イクらナンでもコレは永い・タルい・まだるっこし過ぎますよ。中盤のキャバクラのシーンは私もモ~耐えられなかったですね~ナニをダラッダラダラッダラと20分以上もワンシチュエーションでバカがバカ騒ぎしてんのか…(+終いにはスローモーション演出⇒からの幻想空間突入、て!)…題材やら主演の環奈ちゃんやら、また滅多矢鱈にキャラが多くて実際の配役も無意味に豪華なトコとか、んで肝心なクオリティが…てな辺りで思いっ切り今般の『バイオレンスアクション』をも彷彿とさせられましたが、個人的には僅差でアッチの方がマシ…てなコトすらあり得るかな~とも。  あと(コレはその様に聞いたコトはあったものの)その様に感じたコトはあまり無かったのですが、今作はまた環奈ちゃんの「声の好くなさ」が少し際立っていたかな…と。結構ドスの効いた声で喚き散らすシーンが多かったのもあるのでしょーケド、個人的には「え?伊藤沙莉?」と思ってしまいましたよね(⇒いや、伊藤沙莉があの声なのはキャラとか諸々「調和」してるから全然好いと思うのです…勘違いなさらず…)。あと演技とゆーか役柄的にも、薬師丸ひろ子さんと比べてしまうとドコか風格とゆーか(母性的な)包容力とゆーか、要は親分・組長=人の上に立つものとしての何らかが正直モノ足りないな…とも感じました。んで重ねて、完全なるプロ歌手である薬師丸さんと比べると声&ラストの歌の効果もまた確実にモノ足りなくはありましたですし。
[インターネット(邦画)] 3点(2023-02-03 23:13:19)
119.  恋する寄生虫 《ネタバレ》 
「寄生」とゆーのは、つまり「一緒に生きているケド、片方だけがソコから利益を得て、もう片方は害を被る」という生物同士の関係性のコトである。似た様な形態として「片利共生」とゆーのがあって、コレは「一緒に生きているケド、片方はソコで利益を得るも、もう片方には利も害も無い」というヤツである。昨今、そーいった寄生(或いは共生)生物とゆーのが、その宿主の行動様式(=つまり、もし宿主側に思考と呼べるモノが在るとするならその思考そのもの)を自分の利益の為に操作している…とゆーのは、比較的広く知られる様になってきた事実なのではなかろーか。しかし、そーいった寄生とゆーのはまた、宿主となる生物種に依っては決して物珍しい現象というワケではなく、寧ろその種の個体の大半がその手の寄生生物に冒されており、だからソレがもたらす(操作された)行動様式とゆーのがそのまま宿主の種としての特性となっている…というコトすら在り得るとゆーのは、こちらはあまり知られていない事実かも知れない。そしてそーなってくると最早、その類いの「共生」とゆーのが果たして「片利」なのか「片利片害=寄生」なのか、或いはも~「相利」と言うべきモノなのかとゆーのは、一概には容易に判断できないのだ、と(=例えその行動が寄生生物自身の利益の為に操作・誘導されたモノであっても、その特性を特性として宿主がイチ生物種として成立して存在している以上、そのコト自体を否定するのは難しい or 「意味が無い」から)。  誠に勝手ながら、ごくマジメで実際的で(ナンなら)少なからず社会的な方のテーマを擁する人間ドラマだろーな…と思い込んでいたのです。が、観てみると今作ってフツーにSFの類い、しかもSF恋愛映画…という方のヤツだったのですよね。つまり、人間を種々の「社会不適合者(※劇中の表現そのまま)」に変えてしまう一方で、同じ虫を体内に抱える者同士を強力な恋愛感情で結びつける…という寄生虫が存在する、と。かつ、その状況設定を通して今作が観客に問うてくるのは「自分以外のモノに植え付けられた(恋愛)感情は、ズバリ是か非か」というテーマなのですよ。前段で長々と語らせて頂いた様にコレ、寄生生物というモノの現実の在り方との関連を含めて、まずは実にごく興味深い・面白いテーマだな…と思ったのが(個人的には)正直なトコロなのですよね。  ただ、結論から先に言うとコレも、個人的には今作には結局あまり嵌れなかった・共感に至れなかった…とゆーのがまた正直なトコロなのですね。とにかくまず根本的に、人間が自分のその思考・感情を何者にも干渉されずに自分だけのモノに保つ、とゆーのは、個人的にはワリと絶対的な価値観として在るコトなのです。もう一点、私が特に『惑星ソラリス』とか大好きだから…というワケでもねーのですが、例えSF的で「特殊」な状況設定を用いたとしても、その中に描くべきヒトのヒトたる人間性とゆーの自体はしっかり「リアル」なソレであるべきだ、とも思っているのですよね。今作って「架空」の状況設定の中に描かれるのも「つくりもの」の感情…という、その点でシンプルに「真なるモノ」が見当たらない作品だ…とも思われて、そーするとどーしたって(私としては)ラストのあの二人に共感してゆくのが非常に難しかった…としか言い様が無くて、ですね。  もう一点、ちょっと理屈っぽい話になりますケド、この寄生虫が宿主を(重度の潔癖症とかの)「社会不適合者」に変えるのは、ソレによって寄生されていない一般人との関係性の構築を著しく困難にし、却って寄生されている個体同士を結びつけるのを容易にする為…だと思うのですね。しかし、その症状が今作の二人の様なごく重篤(ナンならごく「極端」)なレベルになって来ると、そもそも彼らがイチ社会人として生活・生存していくコトすら困難になり兼ねず、結果として宿主の環境への「適応」自体が下がってしまう様にも思われるのですよね(=そーなれば畢竟、寄生生物の適応だって下がるだろ、と)。そこら辺、少~しSFとして設定のつくり込みが雑かなあ…とも。更に言うなら、重ねてココまで「極端な」症状とゆーのが実際に在るにせよ無きにせよ、潔癖症も視線恐怖症もやはり実在する疾患なのは明らかであって、ソレを「寄生虫の所為なのです!」と言い切ってしまうのは(例え架空のSFの中だとしても)キョウビちょっと「危うい」かもな…と(少なくともやや安直かな…と)。もう一つの結論、また残念ながら今作はそーいうツッコミどころ(=詰めの甘さ)てのも単純に少なくない作品だったかな…と(=ソレってやっぱ特にSFとしては宜しいコトだとは言えないよな…と)。
[DVD(邦画)] 4点(2023-01-29 23:08:04)
120.  戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版 《ネタバレ》 
劇場版とのコトなのだが、キャストや演出・特殊効果とかには特にスペシャルな感じも覚えないし、尺とかもいつも通りだったりする(ナンなら通常映画サイズなのは『最終章』の方)。終盤は特に裏ストーリーのかなり大袈裟な話になってゆくので若干足が地から離れだしてゆくのだケド、前半はホラーとしてはごく『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』的な森の中でのPOVをやっていて個人的には決して悪い気もせず(≒なんか懐かしく)面白く観てゆけましたね。で、前作『劇場版・序章』のレビューでも書きましたが、ラスト付近にはこの裏ストーリーの根幹をなす最大のトリックの提示⇒ごくアイデアフルかつかなり衝撃的なワンシーンを見事に撮り切っていて、一番やりたかったのはココかな…と思いました。重ねて、ソコのクオリティはごく保証できるモノですので、是非ネタバレ厳禁で=Wikiとか覗かずにナンとかココまで観てきて頂ければと思います(もし観ると決めたのならば)。
[DVD(邦画)] 6点(2023-01-27 11:10:47)
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