121. 男はつらいよ 翔んでる寅次郎
男はつらいよのシリーズも始まって10年、満男君も作文を書く歳になったんだなあ。変わらないのは寅さんだけ、相変わらずの勘違いおさがわせの失恋かと思いきや今回は少し雰囲気が違う。田園地帯のマドンナ桃井かおりは花嫁衣装で結婚式から逃げ出すなど役柄がよく似合っているし、シクラメンの布施明は最後は本職の歌で締める。旅館の坊ちゃま湯原昌幸が良い味を出していた。 [DVD(邦画)] 6点(2014-05-09 11:25:42) |
122. シンプル・プラン
元々は警察に届けないでほとぼりがさめるのを待つだけの単純な計画だったのに、偶然が重なり思わぬ方向へと進んでいく。殺さなくてもよかった人間まで殺してしまうことになり、最愛の兄までも・・・。よくありがちなストーリーにもかかわらず、しっかりとした構成と巧みな心理劇で良質のものになっている。冒頭の真っ白な雪と真っ黒なカラスも印象的。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-05 21:55:44)(良:1票) |
123. テルマエ・ロマエ
古代ローマの公衆浴場テルマエと平たい顔族の銭湯、なかなかおもしろいアイデアだし娯楽映画として十分楽しめる。プッチーニやヴェルディのオペラの有名なアリアをふんだんに使ってイタリアの雰囲気を出しているのも良い。 [DVD(邦画)] 6点(2014-05-03 07:09:01) |
124. あした来る人
山を登るためには会社も妻も捨ててしまう男、かじかの研究一筋の男、無駄な投資は決してしない男、さまざまな男たちが登場しそれをとりまく女性たちが描かれる。不倫かロマンスかと思わせつつもそうはならない、それぞれの人間の心情を描いた映画。しめくくりの山村聡の言葉が印象的。三橋、新珠による川島映画は何と言っても洲崎パラダイスだが、こちらの方が前年なのか。中盤がやや中だるみの感じがする。 [DVD(邦画)] 6点(2014-05-01 06:22:26) |
125. つむじ風
コンパクトにまとまったコメディですごくテンポが良い。見ていて爽快感がある。人騒がせなつむじ風が起こり、最後は丸く収まる、いかにもぴったりの題名だ。渥美清や伴淳三郎はコメディはお手のものとしても、伊藤雄之助や殿山泰司までもがしっかりとその一員になっている。ところで主演の陣太郎さんは本当に御曹司? 探偵? それとも・・・? [DVD(邦画)] 7点(2014-04-18 07:23:04) |
126. 夜のピクニック
80kmの半分すら歩いたことのない私が言うのもなんだが、高校生らしいはつらつさが感じられない。だらだらと歩いているだけのように見えるし、告白タイム云々のみが青春ではないと思う。見る方が疲れる映画。ただ何かあったときの責任の所在が問題視される今日、夜間歩行を実施している学校には敬意を表したい。 [DVD(邦画)] 3点(2014-04-17 17:41:44) |
127. フィッシュストーリー
一見バラバラの馬鹿馬鹿しくさえも思えるエピソードが見事にまとまってひとつの物語になる。まさしくフィッシュストーリー! 繋がった瞬間あっと驚いたのは私だけだったろうか。好きだなあ、こういう展開は。最初やかましいだけに思えていた主題曲も、最後は好きになってしまった。 [DVD(邦画)] 8点(2014-04-15 16:39:53)(良:1票) |
128. 重力ピエロ
レイプ犯と放火犯か、ミステリーとしてはずいぶんこじつけたようなところもあったけど、ドラマとしては結構おもしろかった。遺伝子のA・T・C・Gがどうこうのはちとむずかしかったけど、落書きのアートは芸術的、消すのがもったいない。 [DVD(邦画)] 6点(2014-04-09 11:36:33) |
129. どら平太
役所広司のお奉行ぶりは飄々としていておもしろい。これならもっとコメディに徹してほしかった。だけど巨匠が勢揃いした脚本のためか、勧善懲悪の筋書きに目新しさがなくどこにもあるストーリーになってしまったのは残念。それにあれだけの悪人を追放とは、自分の藩内さえ良ければということになってしまう。悪事はよそでやってくれということか。 [DVD(邦画)] 4点(2014-03-26 06:57:57) |
130. 60歳のラブレター
黄色いハンカチならぬシーツに描いたラヴェンダーはさすがにやり過ぎだと思うが、優しさと心の温かさが込められた良い映画だと思う。思いを伝えるには見栄も外聞もない、体裁を気にする必要もない。へそくりで夫にそっとプレゼントしたギター、そのギターで妻の枕元で歌うビートルズの「ミシェル」夜の病室で歌うのはもってのほかという常識を越え感動が伝わってくる。 [DVD(邦画)] 8点(2014-03-25 16:56:27)(良:1票) |
131. 死闘の伝説
終戦直前の疎開者と地元の人間との対立なのだが、地元有力者の息子との縁談を断ったことから騒ぎが広がってくる。その展開はわからぬでもないが、描き方がどうも好きでない。好きな岩下志麻が出ているのに残念。木下監督向きの映画ではないのかもしれない。 [DVD(邦画)] 4点(2014-03-24 20:32:19) |
132. グッモーエビアン!
大泉洋によるコメディとばかり思っていたら、「家族って何?」の問いに始まるなかなかのドラマだった。冒頭のやかましい音楽に少々うんざりしたが、ラストのライブ音楽はこっちもうきうきした気分になった。同じ音楽でも映画を見る前と後では随分変わるもの、ロックも捨てたもんじゃないと改めて思った。アキって呼ぶから能年さんかと思ったらお母さんの方だった。(あまちゃんの見過ぎのせい) [DVD(邦画)] 7点(2014-03-23 06:38:30)(良:1票) |
133. 今年の恋
悪友高校生の片方は美人の姉、もう一方はハンサムな男となれば、いかにも正月映画という雰囲気が漂っていてなかなか良い。田村正和の若き姿が評判になるけど、ちょっとちゃらんぽらんしすぎに思える。 [DVD(邦画)] 6点(2014-03-12 12:24:07) |
134. 風雪の海峡 青函トンネルは、今… <TVM>
NHKプロジェクトXや映画「黒部の太陽」「海峡」と較べてみるとやはり見劣りをしてしまう。青函トンネル工事を背景にした家族の絆の物語なのだろうが、テレビドラマとしてはまずまずでも映画としては迫力にも深みにも欠ける。ただそれらより早くトンネル工事着工中作られた作品としての価値は十分考えられると思う。原田美枝子の若き姿を久しぶりに見られたのは良かった。 [DVD(邦画)] 5点(2014-03-11 07:47:39) |
135. にっぽん泥棒物語
山本薩夫と言えば当代きっての社会派映画監督だ。戦争と人間の三部作や白い巨塔、華麗なる一族、不毛地帯など数多くの名作を作り、どの映画にも深い感動を受けた。この映画は題名からしてコメディっぽく、泥棒稼業の主人公らにもとぼけたおもしろさを感じる。ところが列車転覆という事件が起こるとやはり山本監督らしい社会派映画となった。他の方も言われているように、伊藤雄之助のねちねちとした追求と三國連太郎のとぼけた言い逃れが非常におもしろい。だがやはり前科者の更生のむずかしさや証言と新生活の葛藤なども良く表現できていると思う。 [DVD(邦画)] 8点(2014-03-08 07:42:21) |
136. 旅路(1953)
岸恵子、佐多啓二と言えばもちろん「君の名は」の真知子と春樹だが、その「君の名は」と前後して作られた大佛次郎の新聞連載小説の映画化。しかし雰囲気は純粋なメロドラマとはまったく異なる。そもそも笠智衆の高利貸というのもまったく似合わないし、佐多啓二のブローカーというのにも驚きだ。この映画では佐多啓二よりも若原雅夫の方が純粋な役柄を見せる。 [DVD(邦画)] 6点(2014-03-06 20:35:36) |
137. 喜劇 一発大必勝
冒頭いきなり「お婆ちゃん、墓場行きですよ」と脅かされる。ボルネオ帰りのゴリラ男が出てきて、骨をすりつぶした汁を無理矢理飲ませるシーンには目をつぶりたくなるほど、かなりアクが強い。山田洋次というより森崎東の映画という感じ。長屋だってオンボロだし汚いし、左門を除く男たちはだらしないし・・・。だが掃きだめに鶴、いやつるちゃん、私の好きな倍賞千惠子が何と言っても良い。ポパイとオリーブにそしてブルートーといったコンビを思わせるドタバタ喜劇なのだが。ところで死んだ馬さんの写真はいかりや長介だと思うが・・・。 [DVD(邦画)] 6点(2014-03-03 10:50:08) |
138. 善魔
三國連太郎のデビュー作としての価値は認めるものの、題名の「善魔」からして主題をつかむのはなかなかむずかしい。おそらく小説としては名作なのだろう。しかし小説の文章がそのまま台詞になったような堅苦しささえ感じる。若い桂木洋子は本当に愛くるしく死んでいくのはもったいないようなかわいそうなような・・・。 [DVD(邦画)] 6点(2014-02-28 21:42:33) |
139. 時雨の記
秋の美しい紅葉から冬そして春の桜と移りゆく情景がすばらしい。それに古都と寺院、藤原定家と時雨亭、日本の情緒もまた良い。そしてまた多江と壬生の恋も大人の愛を感じさせてくれる。この小説でしぐれ族ということばも流行したそうな。「堀川さんち、今日はお客さんですね」と景気のいい魚屋さんに思わず笑い。 [DVD(邦画)] 7点(2014-02-27 22:51:07) |
140. わが恋せし乙女(1946)
上映時間が短くしかもシンプルなストーリー、それでいてやはり木下恵介、情のこもった映画である。血の繋がらない兄妹、ゆくゆくは夫婦にという母や兄の願いむなしく「私好きな人がいるの」と捨て子の赤ん坊だった妹、よくある物語なのに感情表現が細やかで心打たれる。この映画の主題歌を歌っている栗本尊子、今も90才を超えて美声を持つ奇跡の歌い手である。 [DVD(邦画)] 7点(2014-02-26 17:44:26) |