1. 地球交響曲 ガイアシンフォニー
《前投稿時の私の言が恣意的に転用されており、遺憾に思いますので刷新いたしました。》 極値(及び、そこへ至る過程)を経験した人々の洞察や人生観を淡々と綴ったドキュメンタリーである。観る者を魅きつける為の演出は皆無。故に、退屈に感じる人は多いだろう。しかし、演出皆無故の解釈の多義性こそが、このフィルムの最大の価値である。ときめいてしまう人はときめき、穿つ者は穿ち、観た者が抱く印象に、その人の価値観や事象の斬り方が如実に繁栄される点は、とても興味深く感じる。 知る人ぞ知る存在となった近年では、その解釈の多義性を逆手に取り、諸々の集団や個人(誤解を恐れずに言えば、一部の宗教団体とニューエイジ系)がツールとして"雰囲気"を利用し、自らの主張を封じ込めて伝えていることは苦々しく思う。このフィルムを貫く思想は、超自然・超能力・宗教と言ったキーワードとは無縁で、地球をシンプルに「系」と捉える、実は極めて科学的なものであるのだが…。 基本的には劇場公開を行わず、フィルムの貸し出しによる自主上映に委ねられている為、制作陣の本来の意図とはかけ離れた"使われ方"が為され始めているように思う。このフィルムに触れる機会を作る媒体が、良い意味での純粋性と多義性を残す伝え方を為して行く事を願わずには居られない。自分の頭で考える切欠を掴んでこそ、触れる価値のあるフィルムだ。 9点(2003-10-03 09:21:57) |
2. 海がきこえる<TVM>
表層的なようで、そうで無いようで。「普通さ」がただひたすら魅力の核となっている作品。本気で好きになる人15%25、なんとなく好きになる人20%25、ジブリの空気で好きになる人25%25、すんげーツマラナイって思う人40%25、って感じ? 5点(2003-08-09 08:17:43) |
3. 火垂るの墓(1988)
「2度と観るもんかっ!」って決めている。だが、この映画を観て心に打ち込まれた楔は、一生抜けまい…。 10点(2003-08-07 11:16:21) |
4. 黒い雨
「何故、戦争はいけないと思う?」その答えが、実にシンプルに描かれている。アチコチから理屈を引っ張って来て、朝から晩まで議論する必要なんて無い。そう思わされる。 9点(2003-08-07 11:06:56) |
5. パンダ・コパンダ
《ネタバレ》 相方に無理矢理見せられたが、面白かった…。パパがサラリーマンとして落ち着くオチは最高。なんでお婆ちゃんは、あんなに長く家を空けているのだ?ただの法事だろ?? 8点(2003-08-01 13:23:57) |
6. 四月物語
心の機微の最大公約数を抽出しました、系。打ち上げ花火、ほど万人には嵌まらないだろう。松、ってのも微妙だね。それだけで嫌がる人も居るだろう。まだ嫌な思いの介在しない彼氏/彼女とまったりお家で「眺める」のが良いのでは? 6点(2003-07-27 05:40:51) |
7. スワロウテイル
設定が命です、の映画かな。一昔前の香港的怪しさ。九龍城にカメラが潜入する、そんなドキュメンタリーを見ているドキドキ感と一緒なんだろう。引き込まれる理由は。だから、2度は観ないと思う。それにしても、「何処に行っても桃井です。」は凄いね。 6点(2003-07-24 20:26:14) |
8. 銀河鉄道の夜(1985)
《ネタバレ》 未完の作品に挑戦した姿勢に拍手。キャラが猫なのは、正直、原作に屈したからでは?賢明な判断であったと思うし、制作陣の原作の世界観に対する気遣いは随所に見て取れる。下手をすると「不気味な」と言えてしまう空気の表現は見事。モノトーンの中で「かんぱねるらぁ~!」と泣き叫ばせるシーンは浮いていると思う。原作に在ったっけ、そんなの? 7点(2003-07-24 05:59:25) |
9. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
これ程素直に心を鷲掴まれてしまう作品はそうそう無いでしょう。岩井俊二の真骨頂、切ない系。奥菜恵の存在感が、落とし所から誰をも逃れさせぬ魔力として効いている。恐るべし。これ、季節感が存在しない国に持って行くと、どんな評価になるんでしょうね?「夏の匂い」を共通体験として持っているからこそ、成立し得る感覚でしょ。個人的には、オリジナルのタモリのコメントが入っているヴァージョンが好み。熱を冷ましてくれるようで。 10点(2003-07-24 05:30:26) |
10. GODZILLA ゴジラ(1998)
自然支配の宗教下では、こう言う風になるんだろうね。全てにおいて彼等の「考え方」が分かり易く滲んでいる。無理も無いが、感心もしない。そもそも「形態上の違い」以外の部分なんて、彼等には伝わっていないんだろう。見終わった後、日本のミニラって傑作的なキャラだなぁ、と初めて認識した。 4点(2003-07-15 02:35:48) |
11. 猫の恩返し
バロンがカッコ良かった、と言えるのが救い。多角的に見ればもっと良い点数が付くかもしれないけど…、そこまでする気は起きない。ま、監督自身が狙った所には落ちている気がする。 5点(2003-07-15 01:41:08) |
12. On Your Mark CHAGE & ASKA
何の為に創られたのか、予備知識を持ってません。画はキレイ。チャゲは似てない。外の世界はちょっとだけ生活感があったけど、住んでいる(住める)ヒトが居るの?何の効果を狙った反復だ??う~ん、損得言いたい程の時間を消費していないしなぁ。評価が難しいね。にしても、ジブリはskid row的世界観が好きだなぁ。 6点(2003-07-12 03:41:05) |
13. ブラック・レイン
まつだゆーさくが日本刀片手に蛇のように挑発してみせる。しゃー、って。あのシーンが良かった。健さんが竹刀で返り寸止をカマすシーンが良かった。最後、殺さずに佐藤が連行されるシーンが良かった。僕って陳腐ですか?萩原が佐藤を演ってたらどうなったろうか?シナリオの別よりも、そっちのバージョンを観てみたい。親指スター・ウォーズを観る感覚で。 8点(2003-07-08 20:36:05) |
14. PiCNiC(1994)
う~ん、僕は駄目、コレ。一番印象に残ったのが先生の醜いXXXと首の骨が折れる音、だもん。。。夏郎、演技がマトモになったね。 4点(2003-07-08 20:20:24) |
15. 名探偵ホームズ1/青い紅玉の巻
いや~、劇場で親と子供が一緒に見たら、喜ぶだろうな~。狙った所にチャンと落ちてるのが上手いね。物理法則に変に則った、且つ変に則らない、独特の宮崎アクション・シーンが良い。ホームズが物盗り自体を最後まで咎めないのは、「貧乏が全て悪いんだ」ってこと? 7点(2003-07-08 19:56:05) |
16. 耳をすませば(1995)
同年代の子供達からは「こっぱずかしい生き方」と言われるだろう。通り過ぎた大人達は「あんな青春を過ごしてみたかった」と悔しがるだろう。そんな、現実のハザマに存在する結晶のような映画。実存するロータリーを車で通り過ぎる時、思わずその場でグルグル回って気持ち悪くなります。 8点(2003-07-08 19:46:44) |
17. ルパン三世 カリオストロの城
ルパンに思い入れが無いので、素直に面白いと思えました。駄目? 8点(2003-07-08 08:59:42) |
18. リリイ・シュシュのすべて
確かに、ココに封じ込められているのは一部だ。一般では無い。しかし、「存在しない」と言ってしまえる程、小さい「部分」では無い。実際、綿密な取材に基いて「映像に耐え得る部分のみを描いた」とのこと。無関心、無責任、自発的虚無の嵐。。。ま、確かに「リアル」だ。観て辛く感じる人が多いのは、救われる事実と言えるかもしれない。にしても、殺して終ってしまう(しかもバレない)最後の展開も、無責任だなぁ。ま、唯一の救いのつもりなのかもしれんが。 6点(2003-07-08 08:57:29) |
19. もののけ姫
当初、クソ映画だと思っていたが、何度も見返すウチに好きになって来た。諸々の矛盾やアブナさ、を手放していないからだと思う。「自然環境保護推進説教映画」と捉えたい人が多いのには参るが、その中で「生きろ」のコピーを推奨した糸井重里の功績は、指針として小さくないと思う(笑)。祟り神のエグさは最高っ!声優の配役は最低。狙った所に落ちていない。そもそも、何を言っているのか聞き取れない。。。 8点(2003-06-28 06:14:31) |
20. 千と千尋の神隠し
不思議且つオリジナリティの高い世界観は、素直に楽しめた。が、最後はお約束のグダグダ。時間的制約に対する開き直りを、最も強く感じてしまう作品。もうちょっと考えても良かったんちゃう??「働かざる者、食うべからず」は良しとして、「愛の力」には興ざめ。。。にしても、この「怪しくも愉しい」世界観は、欧米人に正しく伝わっているのだろうか??無理でしょ? 7点(2003-06-28 05:52:13) |