1. スピード・レーサー
アニメ現役世代として文句なし!よくぞやってくれました。何でアメリカではヒットしなかったんだろう。主題歌に日本語オリジナル一部使ったからかな?もっとも原色ギラギラでほとんどCGの映像のせいか何度も観る気は起こりませんが…。 [DVD(吹替)] 8点(2009-05-22 03:06:27) |
2. 東京ゾンビ
まったく期待していなかったので、かえってけっこう楽しめた。それほど見ているわけではないが、哀川翔の作品中ベストでは?ハゲ頭の個性の強烈なオヤジ。ゾンビも食わないくせ者という、個性の強い役柄がハマっている。 [地上波(字幕)] 5点(2008-02-11 10:48:58) |
3. ブルークリスマス
《ネタバレ》 一時期はレンタルや中古ビデオ屋で探すのにも苦労するようなマイナーな作品だったが、「エヴァ」に影響を与えた作品として一部マニアに再評価されたせいか、ようやくDVD化され鑑賞するに至った。子供の頃劇場で、雪の上に倒れる男女の死体から流れる赤と青の血が交わる衝撃的な予告編を見た際、分けが分からず困惑したことを鮮烈に覚えている。今になって見るとさすが岡本喜八、物語の背景を丹念に描いているとは思うが、テンポがあまりにも遅くて少々ダルくなって来る。青い血液になった人々の性格が温厚に成るという、内面の変化の言及はあるのに、それが掘り下げられていないので、物語がうすっぺらになっている。そして何よりも強制収容や虐殺の描写が手ぬるいので、恐さや悲しさが今ひとつ伝わって来ない。時代的な制約があるかも知れないが、ただ血液が青いというだけで罪も無い人々が国家権力によって大量抹殺されるのだから、ここはリアルにこれでもかというぐらい陰惨にやって貰わないと……。主役以外は数人が銃口越しに撃たれる所を描いただけなんて、まるでギャグ映画。コンセプトが良い作品だけに悔やまれる。脚本は倉本聰ということで、物語やキャスティングなど「なるほど、それで…」と納得するような部分も多い。厳しい点数をつけい所だが、個人的に思い入れの深い作品なのでかなり甘め。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-11 03:09:49) |
4. バトル・ロワイアル 特別編
いわゆるカルトムービー。善良な大人達がメディアの騒ぎに乗ってしまい、却ってこの映画の観客動員に協力させられたという滑稽なエピソード付き。思春期の子供達が閉塞した状況で、生き残りを掛けたルール無用の殺し合いをする、というケシカラン設定はまともな国では製作不可能。(子供に見えない生徒もいっぱい出ていたが…)他でやらないのだから、この設定だけでもある程度成功が約束されたようなもの。もっとも、殺し合いの描写が監督の故意なのか、力量の為なのか漫画チックで、例え残忍な場面でも生々しさというより、滑稽さと一種のエロティシズムが漂っている。何発撃たれても、死なずに数秒粘っていたりして、映画というより漫画。演技も一部を除いては悲惨なレベル。設定が大人だったら、ただのいつも三流日本映画。なんだか良く意味の分からない字幕も必要ないと思うのだが。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-13 03:48:20) |
5. ALWAYS 三丁目の夕日
原作が人気漫画で、スポンサーに大手メディアがぞろぞろ。「あの頃」が本当に良い時代だったかどうかは別として、「懐古趣味で金儲け」と決めたからにはとことんその方向でやると言った感じの取って付けたような映画。出演者達の性格や行動も通り一辺倒でまさしく、マンガの登場人物のような平板さ。いくら人情を装っても、製作者にハートが無いので、こちらにも全く伝わって来ない。昨今の邦画は恐ろしいとつくづく思った。ノスタルジーを満足させたいのなら、あの頃の映画を借りて来て見た方が遥かに良い。ラストシーンに4点献上。 [DVD(邦画)] 4点(2007-10-01 00:26:33) |
6. 天使のたまご(1985)
映画を見ながらめったに睡魔に襲われることの無い私が不覚にも睡魔に襲われ、見終わるのに倍以上も時間も懸かってしまった。絵も古臭く、繊細さに欠け、構図も監督が言うほど優れているとは思えない。ストーリーは言うまでもなくジャンク。(それでも絵が綺麗ならゆるせるが)とにかく誉めようにも誉めるところが無いので、イライラしてくる。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2007-09-30 01:28:27) |
7. 日本のいちばん長い日(1967)
これは凄い映画を見てしまった。ある意味ハリウッドの『パールハーバー』の対極ともいえる作品ではないだろうか。通常の反戦映画は戦争に対して批判的、もしくは消極的な庶民を主役にして少々押し付けがましい所があるのだが、この映画は天皇を頂点として戦争の幕引きをしなければならない日本の各部署のリーダー達の一日が描かれている。戦争終結の報に接しても「日本男児の半数が特攻すれば勝てる」とか「死んでいった者に申しわけない」と本土決戦を企てて東奔西走する熱血将校や町の警備隊長など、洗脳された狂犬のような連中が「正義」を振りかざして現場で指揮をとっていたのだから、当時はなんと住み難い世の中だったことか。もっとも形は違えど、自らの野望や保身のために、さまざまな権威や思想を持ち出してとんでもないことをやらかす輩、そんな連中は世界中に今でもうじゃうじゃといる。「戦争は最悪の選択」を再認識するためにも日本人だけでなく全ての人類が見るべき映画。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2007-09-07 03:05:15)(良:1票) |
8. Avalon アヴァロン
この監督のアニメ基本的には好きなのだけれど…。 机上で全てが自由になるアニメと違って、実写映像ではクリエーターは現実世界を素材にしなければならないからいろいろと制約が掛かるのだろう。自分のイメージを探してポーランドくんだりまで出かけたり、画面をセピア色にした上で、映画全編にデジタル処理を施したり、凝り性なのは分かるけど、誤魔化すなら方向が違うのではないだろうか?本質として観客はアニメでのあの堂々とした迫力のある、これでもか、という凝った映像を実写で観たいのですよ、天然色で。『攻殻機動隊』に影響を受けたという『マトリックス』の方が、映画づくりの「姿勢」も「実力」も遥かに上ですな(もちろん評価も当たり前のことだが)この映画を観てから『攻殻』観るのも少々白け気味になってしまった。「香港の風景をした東京」って前から違和感があったけど。それでも日本がどこにあるのか分からないような、欧米のアニオタは雰囲気だけで喜んで乗って来てくれるだろうけどね。監督の己知らずの勇気と野心に3点献上。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-08-30 00:23:36) |
9. 北の零年
かなり前に録っていたのを見た。皆様のおっしゃる通りあまりにもヒドイ。ストーリは壮大で深刻なハズなのに、観ているうちにバカバカしくて頭が痛くなって来るは、若作りの主人公に気持ち悪くなり吐き気を催してくるは…。海外に恥を撒き散らかさないよう警告の上封印すべき作品、と言っても万事手遅れか…。 [地上波(邦画)] 1点(2007-07-08 18:40:26) |
10. パッチギ!
朝鮮学校生と日本人高校生の交流(と言ってもほとんどケンカ)を大胆に描いた作品。もっとも、いろいろな意味で朝鮮に関心が集まっている昨今、監督の「機を見るに敏」な性格が鼻につく。 この監督、反体制=格好良い、と思っているフシのあるステレオタイプ型の人間で、時代遅れの「ヤクザ」から注目の「在日」にスタンスを変えてようやく日の目を見た。 もっとも「人情」をベースにして「トンチンカン」と「時代錯誤」を作品で訴えるのが常套らしい。せめて青春映画としてまともに物語を描いているのかと思えば、実はそういうわけでもない。主人公の恋愛も、結ばれることが前提の予定調和。 朝鮮人の「悲劇」「恨み」を登場人物に語らせるのは良いが、それに対して主人公は人のいない所でヒステリーを起こすだけで(惚れたが弱みでしようが無いかも知れないが)、ギターを叩き壊した挙句、(なのになぜか)ラジオ局に駆け付けてイムジン川を朝鮮語で熱唱したりする。ラジオ局のディレクターも奇妙な人で、「朝鮮総連や公安から抗議の来ている問題の曲は放送できない」と社会人として正論を吐く上司を問答無用の暴力で黙らせて、主人公にイムジン川を歌わせる。 この映画、ほんとうに「何も知らない」人には良い部分もあるのだが、監督自身、日本人であるのなら、せめて他人から聞いた歴史ではなく、自分でちゃんと歴史の勉強して欲しい。 アメリカのキング牧師の話しも出てくるが、見る人に寄っては、アメリカのアフリカ系と日本の在日を同系列で考えているのだろうか?と常識を疑われかねない。 金儲けと売名のために、頼まれてもいないのに特定の人々のスポークスマンを買って出るような、陳腐な映画をつくってはクリエーターとして恥ずかしい、と思わない所が恥ずかしい……。本人、バラエティーで見る限り、おもしろそうなおっさんだが。 [地上波(邦画)] 5点(2007-05-20 01:24:18)(良:5票) |
11. おかあさん(1952)
珠玉の作品とはまさにこれのことでしょう。この映画で描かれている下町の風景や家族の日常は、懐かしさを通り越して、すでににどこかアジアの外国映画を見ているような感覚にさえ襲われた。しかし、この人々の素朴さや美しさは紛れもなく、半世紀ほど前の日本人の姿である。時代が変われば、人の価値観や生き方も変わるのは当然だが、失ってしまったものを愛惜するような、心の琴線に触れる大事なモノに出会ったというべきだろうか。家族の情愛というのは人類共通で、日本語がよく分からない外国人も、目に涙を溜めてこの映画を見ていた。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2006-02-19 08:27:41)(良:1票) |
12. スパイ・ゾルゲ
最近の日本映画の中では、見ごたえがあった。有名な事件であるにも係わらず、誰も手を出さなかった昭和史に焦点を当てたことは、この監督の功績と評価したい。この映画が左というのは嘘でしょう。激動の時代に翻弄された人々が、それぞれの思想、立場で平和と幸せを求めていたというこで、軍国主義の狂気が支配する日本で、共産主義に突き動かされた人々とその家族の悲劇がよく描けていたと思う。ラスト、ゾルゲの確信犯的な、「共産主義万歳」という叫びは、彼の怪物ぶりを表すと共に、本当に痛々しい。今じゃ半ば当たり前のことだけど、原理主義的イデオロギーじゃ戦争はなくならないし、人も救えない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-02-14 08:18:17) |
13. 吸血鬼ゴケミドロ
私の自身のトラウマ映画ナンバーワン。幼かった私は、映画と現実をはっきり区別することが出来ず、見た後、何日もうなされ、人知れず人類滅亡というあまりにも大き過ぎる悩みを抱えて苦悶したのでした。見なければ良かったと何度後悔したことか。恐い、恐すぎる。特にラスト、やっと悪夢から逃げだした男女を待ち受けていた運命、そして…。 [地上波(字幕)] 7点(2006-02-05 15:42:33) |
14. マタンゴ
「吸血鬼ゴケミドロ」に並んで、幼い頃のトラウマになってしまった作品。この作品で海に対する恐怖心を植えつけられてしまったような気がする。遭難者達が生のキノコや長芋を争うように食べていたシーンがとても印象的で、自分も食べたくなってしまったのを記憶している。 [地上波(字幕)] 7点(2006-02-05 15:32:12) |
15. ゴジラ FINAL WARS
東宝の子供向けジョークシリーズのファイナルと銘打つ作品。本当にファイナルにして欲しい。同じゴジラをアメリカ人が作れば娯楽大作になるのは証明済み。過去の栄光にすがって、もうこれ以上世界に恥を晒すな。ゴジラはこちらが本家と言いたいのなら、もっとマシなものをつくれ!頭でっかちでプライドばかり高く、クリエイティブな能力の全く欠如した日本映画の現状を証明するような自己満足的な作品。戦闘シーンはところどころ鑑賞に堪えうる場面もあったが、ストーリーと演出が酷すぎる。子供映画だからって子供をバカにするな!と言いたい。 [地上波(字幕)] 1点(2006-01-03 16:26:56)(笑:1票) |
16. 誰も知らない(2004)
監督は「子供達がどんなに充実した時間を過ごしたか伝えたかった」とか云っていたが、それが描ききれていない。実際に起こった悲惨な事件に取材して、その中から子供達の健気さを汲み取ろうとした野心は理解できなくもないが、それを描くには製作者の力量が全く不足していて、何とも中途半端で陳腐な映画になっている。「火垂の墓」があんなに受けたのだからと、同じコンセプトを現代の殺伐とした社会に置き換えて再現したのかも知れないが、単純にモノマネすれば良いというものではない。 [ビデオ(字幕)] 3点(2005-12-19 23:42:34)(良:1票) |
17. ご存知 ! ふんどし頭巾
役者くずれで、怪獣ショーのぬいぐるみに入っていた父親を持つ主人公。うだつのあがらない父親を見て育ち、いつか自分は本物のヒーローになるんだと思いながらも、小さな幸せにしがみつく平凡なサラリーマンになってしまった。会社でも家庭でも全く存在感のない生活。そんな彼が、ある夜、道端でチンピラに絡まれる女性を目撃。周囲の人々は見て見ぬフリをするだけ。その時、子供用のパンツを被った滑稽な男が現れて女性を救出。好奇の目でパンツ男を取り巻く野次馬に「あなた達は私を笑っているが、私はあなた達を笑ってやる。悪いことには悪いと言いましょう」と諭して去っていく。後に、この時のパンツ男が知り合いのサラリーマンで、人助けの最中に命を落としたことを知った主人公は、彼の遺志を継ぐことを決意する。父親の遺品のふんどしを握り締めて。 絶妙で観る者に勇気(?)を与えてくれる大人の童話。ただ難を言えば、ストーリーの中心が、会社の汚職事件になってしまい、こちらは引き気味になってしまう。会社の中のどうでも良いような事件をネタにするのではなく、主人公にもっと違う活躍の場所を与えて欲しかった。ハリウッドで映画化してくれないかしら? [ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-15 15:34:28) |
18. クロスファイア(2000)
全く期待していなかったので、意外におもしろかったです。怪獣映画っぽい雰囲気、と思っていたら、やっぱガメラ?主役の矢田亜希子も初々しくて良かったです。悪役が中途半端でイマイチ、もっと主人公に活躍の場を与えて欲しかったですね。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-09-14 08:13:06) |
19. 回路
支離滅裂。話しが進めば進むほど、内容の無さが露呈して痛々しい。それを挽回せんと、インターネット、赤いテープ、研究室のモニターの白点などなど、次から次へと思わせぶりな小道具が意味無く登場するが、それら全てがストーリーの中で噛み合っていないのでバカバカしい。この程度だったらテレビの深夜番組30分枠で十分。 [ビデオ(字幕)] 1点(2005-09-14 07:59:59) |
20. 火垂るの墓(1988)
旅行先で偶然見付けてDVDを購入。約20年ぶりに見たが、いつまで経っても色褪せない映像とストーリー。野坂昭如の半自叙伝はとてつもない悲劇ではあるが、兄妹にまつわる詩的な映像表現、時には残酷な戦争の描写、繊細で美しい音楽、どれをとっても素晴らしい出来。この作品によって日本アニメ界は、アニメで実写映像を超えたリアルな感動を表現できると世界に示したと言っても過言ではない。特筆すべきはアメリカのある映画サイトでは、この「Grave of the Fireflies」は総合ランキングでかなり上位に入っていて、日本よりも遥かに評価が高い。旧作のアニメとしては異例のことで「今までに見た最高の映画」と評価する人も少なくない。何かと好戦的なイメージのある国だが、さすがに映画の国だけあって、映画愛好家の良心と質の高さを感じるような気がする。 日米で多い批判が(視点が少々トンチンカンなのだが)「兄があまりにも愚かなのでこの作品は嫌い」という内容。確かに兄は愚かな行動をするのだが、だからと言って作品全体を愚かと断じてしまうのは、劇中、兄妹の生死に無関心だった軍国主義体制下の「善良な日本人たち」と同じ立場にいるのだ、ということを分かって欲しい。 [映画館(字幕)] 9点(2005-09-06 19:47:03)(良:5票) |