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まさかずきゅーぶりっくさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 848
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 思春期の学生時代、何気なく見た水曜ロードショー「ローマの休日」でアン王女との運命的な出会いをしてからウン十年、ひたすら好きな映画を何十回観るような偏食家です。

ホラー&感動映画&難解映画大好き♪ホラー映画も好き!監督別にも観ます。キューブリック、リンチの2人は別格!スピルバーグも大好き!ホドロフスキーもナタリも好き!ハネケは苦手!

レビュー点は相対的に甘めです(ボーダーは6点)。期待に背き大ハズレ、虐待モノ、悪意を感じるバッドエンドな作品には低い点も付けますがよっぽどです。逆に最高点は9点に設定し、10点は人生観を変えられる程大好きな作品だけにしてます。人生であと何本10点の映画に出会えるか、ワクワクしてます♪

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  タイヨウのうた 《ネタバレ》 
YUIの透き通った力強い歌声が劇中に流れる度に鳥肌が立ってしまいました。そしてこの映画は、YUIの存在無くしては成り立たない作品でした。映画初出演だった彼女は、難病を抱えた16歳の女性、雨音薫を背伸びせず等身大且つ自然に演じていました。彼女の歌っている時以外の顔があまり知られていない事も功を奏して「YUI=雨音薫」が自然に重なり、冒頭からすんなり映画に入り込めました。塚本君もサーフィンを趣味とする彼氏を微笑ましく熱演、スクーターに2人乗りするシーンやストリートライブする薫を見守る表情は本当に温かいものでした。印象深かったシーンは終盤、防護服を着た薫が両親や孝治と共に日中の海に出かけるシーン。岸谷五朗演じる父に「そんな服脱いじゃえよ」と言われた時の「嫌だよ。だって死んじゃうじゃん。私死ぬまで生き続けるんだから」という薫の台詞です。孝治との出会いで、生きる事に前向きになった薫の心情を象徴する台詞で、それを聞いた父親の「いつの間にあんなに大きくなって…」という言葉も重なって思わず目が潤んでしまいました。このたった1つのシーンで残り少ない人生を普通の子と同様に生きさせたい親と、好きな人の為にも精一杯生きたいと願う薫の心情が汲み取れました。決して大作ではありませんが、どこか思春期の純粋な気持ちを思い出させてくれるようなとても温かい恋愛映画です。薫の死を目前にしても、また死後も、周りの人は皆、彼女の残した「歌声」に勇気付けられ、薫が個々の心の中で生き続けている事を象徴しています。感情を押し付けるような演出が少ない事も功を奏し、逆に切なさが増しました。映画のラストで流れる主題歌「good-bye days」を、それまでの2時間を思い出しながら薫の気持ちに立って詞を聴き返すとその魅力は何倍にも膨れ上がります。私の中ではいつまでも心に残る恋愛映画の傑作となりました。YUIのファンだけでなく、甘酸っぱい淡い初恋に思い出がある方なら必ず満足できる映画だと思います。YUI曰く「私は演じるのではなく、スクリーンの中で雨音薫を生きた」彼女の精一杯の生き様に釘付けです。こういう作品に出会えた事は財産です。文句無しで満点です。
[映画館(邦画)] 10点(2006-06-17 13:09:55)(良:4票)
2.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 
今までのエヴァは、思春期特有の、説明の難しい心の不安や葛藤を、視聴者側の心にまで踏み込んでくるような所もありました(勿論トータルで言えば大傑作ですが)。そして時には陰鬱な何ともいえない気持ちになったり(精神世界に踏み込んでこられ、観る人によってはシンジやアスカとシンクロしてしまったり・・・)。  あれから14年。エヴァも新たなステージへ。画の美しさに留まらず、時代や庵野監督の微妙な心理の変化が全ていい方向に向かっています。むしろTV版エヴァのラストの学園エヴァとまでは突き抜けなくとも、希望と再生の物語をエヴァに求めた方なら、この新劇場版2作目の展開は理想に限りなく近かったのではないでしょうか。シンジは自身の思う所で動き、レイはTV版より更にヒトの心を強く持った。「碇くんといると・・・ ポカポカする」レイのこのセリフは、またもやファンの心をくすぐりますね。アスカのエロッぽさとレイの可愛らしさは対極にある魅力です。  目の前で展開される使徒との闘い、ユーモラスな登場人物の雑談のやりとりを離れると、結構エヴァの世界は難しく感じる方もいますが、分かる部分を堪能するだけでもエヴァの世界は十分魅力的です。「え?2号機の裏コードであんななっちゃうの???」みたいな驚きにも満ちています。TVシリーズ初見時のワクワク感も戻りました。  登場人物は皆どこか不安げで満たされていない。それがなぜか共感できてしまったり。それでも今ある環境に自問自答しつつ精一杯奮闘するシンジやその仲間が愛しく感じます。  新劇場版・破 は、また一歩、エヴァを突き抜けた感じです。既存の作品を再構築する労力って並大抵のことじゃない。庵野さんの才能に敬服します。この世には1人残らず全員が好きって作品はありえません。エヴァに全く興味ない方も逆に嫌いな方も多いでしょう。ただ、嫌悪感を持たずにワクワクしながらこの世界に浸れることが出来てる自分は、幸せものだと思います。新劇場版もここで折り返し。3作目「Q」も劇場まで足を運びます。やはりエヴァは並の作品ではありませんね。   シンジとレイの抱擁で思わず泣きそうになりました。あそこを見たいからもう1回劇場行きたくなる程(笑)
[映画館(邦画)] 9点(2009-06-28 11:28:46)(良:1票)
3.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 《ネタバレ》 
ただの総集編・ダイジェストに見えようが、絵が綺麗になっただけの焼き直しに見えようが、ミサト役の声優さんの声が老けたように感じようが、あのエヴァが戻ってきたというだけで限りなく満点です。  庵野が果たして新版エヴァをどう持っていきたいのか、それはまだこの序だけでは全く分からないですが、TV時にシンジに親近感を持ってしまった私からしたら、10年経って見てもやはりエヴァの世界はしっくりきました。親に認められたい、褒めてほしい、居場所が欲しい、怖いものから逃げ出したいなんて、14~5歳の時にはまるっきり同じ事を考えていましたから。やはりエヴァはただのアニメを超越した何かを感じずにはいられません。  細かな作画も非常に丁寧で、ヤシマ作戦の迫力と音楽は圧巻でした。最後に綾波が笑う所も本当に癒されますし。アスカが出る前でつづくだったんで「ここまでか~」という少し残念な気もしましたが、渚カヲル&数年後上映の「破」の予告で、まさに想像もつかない更に進化したエヴァが始まるんだと思うとワクワクせずにはいられません!第6のエヴァって言ってましたからね。首を長くして待ちます!エンディングのヒッキーの歌声も、どこか切ないエヴァの世界観にマッチしてました◎
[DVD(邦画)] 9点(2008-12-29 02:52:09)
4.  ガチ☆ボーイ 《ネタバレ》 
佐藤隆太さんは、いつもニコニコしてる好青年のイメージですが、印象そのままに事故後の記憶を翌日まで憶えていられないというハンディを背負った主人公を好演。もっと先行き暗くして絶望的に見せたくなりそうな題材であるにも関わらず、ベストキャスティングとも言える彼の熱演で救われています。脚本も、主人公が記憶を無くす直前に胸を打たれた学生プロレスに参加するという意志を当初は反対するものの、最後には意志を尊重し、彼の頑張りを応援するという流れが○。ナンセンスな笑いは賛否ありそうですが、重度のハンディを背負った主人公との対比ではこの点も必要だったかなと。   前日までの事を思い出すように、頻繁にポラを撮りメモも欠かしませんが、サエコ演じるマネージャーに告白するシーンはメモしてないのが秀逸。彼の中に「今回はダメだけど次はわからない。メモした時点で諦める事になる」という意識が働き、敢えてメモしなかったのだと思いますが、そんな彼がいよいよメモしようとするシーンは号泣。司法試験を目指してたほどのエリートだった自分が事故がきっかけで進路こそ諦めたものの、他の事まで簡単に諦めてたまるかという想いが伝わりました。   泉谷しげる演じる父が、表面上は普通に接してた息子が実は心の奥では死にたいと思う程苦しんでいた事をノートを読んで理解するシーン。きっと父はたまらない気持ちになったのでしょう。心の裏側にある哀しい気持ちを親にだからこそ見せたくないと働く主人公の内面との対比でまた号泣。   そして最後のプロレスシーン。記憶が戻るはずのない彼(マリリン仮面)が、仲間との練習を思い出し、奇跡的に数々の必殺技を繰り出すシーン。ドロップキック1つでこんなに盛り上がるか!やられてもやられても立ち上がるのも感動!そして死闘の後のリング上での最後の決めポーズ!とどめは、当初はプロレスに反対してた父親が、開場の後ろの方から観戦していて、笑顔で拍手を送るシーン(小生のツボの1つが親子愛)。オーラスにふさわしい盛り上げ方となりました。   願わくば父がもっと昔ながらのガンコ親父だったら、最後との振り幅が大きくなって感動が倍増したかな?主人公が裏で苦労する部分の描写ももう少しあれば・・・。きっと監督は敢えてそれを描かなかったのでしょうね、あざとくなるから。でも大満足の作品!限りなく満点に近い9点♪
[映画館(邦画)] 9点(2008-03-08 00:52:30)(良:2票)
5.  フラガール 《ネタバレ》 
昭和40年の福島県いわきという閉鎖的な時代の閉鎖的な田舎を舞台に、未来に生きる人々の輝きを嫌味無く描いた見事な作品です。こういう映画に対して、細かなディテールに何1つケチを付けずに感動出来る自分に嬉しくなる作品です。  とにかく無駄なエピソードが何ひとつなく、伏線も全て「人との心の繋がり」という意味で生きていて、出演者も軒並み素晴らしい演技をしていました。先祖代々から受け継いだ炭鉱の仕事をしながらも、フラダンスの練習に頑張る妹を温かい目で見守る兄役のトヨエツ、都会を追われた身でありながら、いわきの地元の人々との触れ合いにより少しずつ優しさを取り戻す先生役の松雪さん。頑なにフラダンスを反対しながらも、娘の頑張る姿に徐々に閉鎖的な考えを取り払うお母さん役の冨司純子さん。そして何よりフラガールの皆さんのあの頑張り。何度見ても目頭が熱くなります。泣けるシーンがふんだんです。お兄ちゃんが酒場で先生に「たった一人の妹を宜しく頼む」と頭を下げるシーン、紀美子をフラダンスに誘った親友との別れ、町を追われる事になった先生に向かってホームでフラダンスの振りをするフラガールの熱い気持ちに触れるシーン、そして最後の見事なチームワークの演技と蒼井優ちゃん演じる紀美子の情熱的なダンス!  無理にアラを探してケチをつけるような作品ではありません。未来を見据えて頑張る1人1人の真剣さと演技、人々の絆に素直に涙したい。そして落ち込んだ時にはフラガールのあの笑顔とダンスに心から酔いしれたいです。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-10-07 00:57:46)
6.  シムソンズ 《ネタバレ》 
この映画最高!!俺こういう映画大好きですよ!ヘタな小細工一切なし、正攻法の青春映画の秀作です!シナリオに笑いもあるし、友情あり亀裂もありでハラハラさせながら、徐々にど素人チームが強くなっていくサクセスストーリーに思わず笑顔になってしまいます。ソルトレーク五輪で活躍したチーム青森を基にした、ただの便乗映画で終わらなかった要因は、恐らく出演者が皆好演しているからです。シムソンズのメンバー4人(加藤ローサ、藤井美菜、高橋真唯、星井七瀬)は、各々が持つ女優のイメージに合ったキャラを熱演しているし、何より全員が純粋にカーリングを楽しんでいる様子が全面に表れていたので、自然と応援したくなります!あとやはり大泉洋の芸達者ぶりにも感心!そして王道の泣かせのツボと言うか、大泉洋演じるコーチが、道具を拾ってきたというシーンや、河原の五円玉のシーンの藤井美菜ちゃんのセリフ、逆境でも誰かが必ず笑顔を呼びかけ励ますシーン、コーチ資格を剥奪された大泉演じる男が息子の書いたスケッチブック片手にエールを送るシーン等、本当にジーンときます。それに何よりメンバー全員可愛いですからね!画面からマイナスオーラが出まくってました!個人的には孤高の天才役を演じた、藤井美菜ちゃんのあの存在感には今後も期待したいです。直球青春映画で感動したい方には是非とも観て戴きたいです!
[DVD(邦画)] 9点(2006-08-24 10:44:12)(良:2票)
7.  七人の侍
この映画を観るのは2度目でした。一部声が聞き取りにくい事を考慮して、日本語字幕を入れながら観ました(DVDならではの計らいですね)。やっぱり台詞の全てを咀嚼しながらこの作品を味わうと、極上の世界観が堪能できます。207分といえば3時間半近いんですが、全くその長さを感じさせません、映画の世界に入り込むというのはこういう事を言うのでしょうね。シナリオも侍のメンバーを集める1部、侍と村の人間との交流と作戦立ての2部、野武士との決戦を描く3部とその全てにムダがなく、しかもアクションシーンは大迫力で心からワクワクさせてくれます。侍7人だけでなく、村の人間にも個性的な人物が多く、それを描き切ってしまってるのが本当に凄い。本当に今更なんですが、技術も音楽もカット割りも文句のつけようが無いですね。侍は全員カッコいいけど、リーダー役の志村さんの照れた時や考え事をする時の頭を撫でる仕草から、三船さん演じる菊千代の型破りな侍のサマと豪快な殺陣にバカ笑いとその存在全てが至宝ですね。名作名作とマスコミが煽って実はクソみたいな作品も多い中、観客から支持され、世界の映画ファンにも支持され、名実共に日本の伝説的代表作となったのはダテじゃないですね。極上のエンタテイメントってのはこういうものを指すんだな~と誰しも納得できる世界的大傑作だなと思います。
[DVD(字幕)] 9点(2006-07-17 18:41:04)(良:1票)
8.  椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 
まず96分という短さ、テンポの良さがいいですね。「用心棒」は中盤説明に時間をかけるのでゆっくり進む部分があるんですが、こっちは常に一定のスピードで進みます。コミカルな部分も多く、皆で敵の偵察に行く時も、三十郎の後ろに9人もゾロゾロ付いてきちゃって「お前ら、金魚のウンコじゃねえんだから」とか突っ込み入れるし(笑)「仲間9人でも、戦うしかない!」と言ったら三十郎が「いや、10人だ」とか言ってるにも関わらず、三十郎が相手の屋敷に情報収集に入り込んだのを謀反だと仲間が疑って付いてきちゃったり、屋敷の水流に椿を流す名シーンもムダが無いなぁ~。   最後の仲代達矢との決闘シーンも秀逸。20秒近くの間合い・沈黙が続いたと思ったら一瞬で決まる決着!斬られた室戸の胸元から吹き出る血の豪快さはインパクト十分!しかも助けてもらった9人が土下座でお礼をする中、去り際の最後のセリフは「奥方の言う通り、いい刀は鞘に納まっているんだ。お前らも大人しく鞘に納まってろよ・・・・・・、あばよ!」ですよ! あんなに「あばよ!」が似合うのは、三船先生か柳沢慎吾位ですよ! ミフネ超カッケ~~♪男が惚れる男だよありゃw しかも口はめっぽう悪いけど、女の前じゃ紳士だったりする! テンポアップしつつ、斬ってる人数じゃ「用心棒」より上!もし観られていない方で、男くさい感じの侍スキーな方はご覧になってみてください!立ち振る舞いから仕草から全てが画になってる役者なんて、今の時代には残念ながらいないなぁ~。織田裕二が「椿三十郎」をリメイクするらしいけど、ちょっと心配です。。。
[DVD(邦画)] 9点(2006-07-10 14:53:47)
9.  仕掛人・藤枝梅安2 《ネタバレ》 
一作目も完成度高かったですが、二作目の今回はアクションシーンやハラハラさせられる展開が多く更にあっという間に感じました。暗殺感は弱まったものの、当事者以外から見れば死因不明に見えるのでOKです。  脚本もテンポも良く、登場人物の描写も丁寧なので、序盤から魅入ってしまいました。彦次郎の妻への復讐と、梅安が過去の因縁から命を狙われるエピソードの織り交ぜ方も完璧でした。終盤はナレーションも相まって(もしや梅安も仕掛人同士の抗争で危ないのでは?)と思わせられドキドキしっぱなし。エンドロール後の2大ヒーロー奇跡のニアミスにもニヤニヤしてしまいました。  この二作で、どの先人とも異なる豊川悦司さんの藤枝梅安像を見事に見せてくれました。ダークヒーローの梅安が時折見せる優しさ、か弱さ、彦次郎と共に美味そうに酒や食事を嗜む姿などそのすべてが魅力に映りました。他の役者さんも軒並み見事な演技でした。特に椎名桔平さん、佐藤浩市さん、一ノ瀬颯さんはとても憎たらしくて怖かったです。  ただレイティングこそGですが、流血描写や性暴力の描写が多めな点は不快に感じる方もいるかなと思いました。
[映画館(邦画)] 8点(2023-04-08 22:28:54)
10.  みをつくし料理帖 《ネタバレ》 
原作もテレビドラマ版も知らない私は比較対象がなくて逆に幸福だったかもしれません。非常に丁寧な演出も相まってとても良い作品で心から感動しました。  まず何よりヒロインの二人、松本穂香さんと奈緒さんのピュアさがこの作品の美しさを際立たせていますし、二人を囲む主要キャストの演技も軒並み素晴らしかったと思います(特に若村麻由美と中村獅童は抜群!)。展開もハラハラさせられたり感動させられたり。  陰と陽、紆余曲折の人生を真っ直ぐに生きた二人が最後の最後で一瞬だけ再会する場面に救いを感じます。日本的な心の機微と美を全面に感じる見事な映画です。美味しそうな料理の見せ方も○!若干丁寧に描きすぎて冗長な場面や、わざと泣かせにきている演出部分が残念ではありますが、それを差し引いても、何度観ても新たな感動を生むようなドラマに仕上がっていると思います!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-04-03 20:22:29)(良:1票)
11.  仕掛人・藤枝梅安 《ネタバレ》 
これまで何人もの先輩俳優が演じてきた藤枝梅安を豊川さんが演じましたが、決して先人に負けていなかったと思います。ダークヒーローの梅安が、身体も大きく陰のある豊川さんの雰囲気にとてもマッチしていました。相棒の彦さん演じる愛之助さんも良かった。仲が良すぎるのも微笑ましかったです(笑)  彦さんの設定も、原作では梅安より年上の設定でしたが全然問題なし(萬屋錦之介バージョンでも実弟の中村嘉葎雄さんが演じてましたし!)。お二人以外のキャスティングも総じてハマっていました。天海祐希の凄み、梅安が妹と気付く瞬間、そして妹が自分との思い出を忘れていなかったことを知る瞬間の豊川さんの目の演技が特に秀逸でした!  また京都の自然やライティング、血を一滴も出さずに殺す針の演出など河毛監督の細部にこだわる演出が見事に生きていました。  この作品を映画館で観る方はおそらく原作好き、時代劇好き、トヨエツ好きが多いので自然と高めの評価がつくと思いますが、河毛監督の原作、時代劇への想いも投影されていて素敵な作品に仕上がっています。第二弾も楽しみです。 作品観てると酒を飲みながら温かい鍋が食いたくなります、レイトショーだとツラい(笑)
[映画館(邦画)] 8点(2023-03-04 20:12:03)(良:1票)
12.  ラストレター(2020) 《ネタバレ》 
岩井俊二がぜんぜん変わってなくて安心しました。 今日本で一番描写の美しい監督さんじゃないでしょうか。 「花とアリス」見た時に感じた、この監督さんの女性的で非常に淡い描写の 上手さを思い出しました。  生まれ育った故郷の変わらぬ情景を見て、懐かしさに浸るあの感覚。 誰しも持っている幼い頃の甘酸っぱい思い出とシンクロさせて観てしまいました。  そして出演者、特に女性は皆ナチュラルで伸び伸びとした演技で好感が持てました。 「この恋あたためますか」を観てから、森七菜ちゃん目当てで遡って見ましたが、 清潔感と透明感がありまくり、輝きまくっておりとっても素敵でした。  しかしなんで遺書として遺すほど好きだった高校~大学時代それほど好きだった人と 別れてしまったのだろうか。不幸な生活の中で鏡史郎に相談できなかったのだろうか、 何とかやり直せなかったのだろうか、と、なんとも言えないもの悲しさを感じました。 (あの時にああしていれば・・・)という後悔が主題ですね。  ただ脚本も比較的淡々と進む話でもあり、大きな展開もさほどないので、 岩井監督の美しい描写、出演者の自然な演技、俳優さんのファンとか何かが刺さらないと 物足りない作品に感じるかもしれません。私は岩井監督の描写に心地よさを感じるので とても満足でした。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2021-01-16 17:16:05)
13.  三匹の侍
時代劇専門チャンネルでテレビドラマの第4~6シリーズを観て面白かったので、劇場版を借りてきました。 1本のチャンバラ映画としてすごく面白いです。三匹が出会う前の設定でテレビドラマより尺の長い94分ということで登場人物も展開もじっくり見せる描写です。 本線はありつつ三人それぞれに女性とのエピソードが混ぜられたり、三者三様の立ち回り、あまり拝んだ事のない丹波哲郎さんのヒドいやられ方など(笑)テレビとは違う面白さがありました。 ただテレビ版よりもだいぶ硬派な印象ですね。26話でエピソード毎に遊べるテレビと違って予算がある反面あまり遊べない規制もあったと思いますが、もうすこしユーモアのあるシーンが多くても嬉しかったかなと(特に長門勇さんファンは)。丹波哲郎さんカッコ良かったです!
[DVD(邦画)] 8点(2016-08-29 01:11:50)
14.  Sweet Rain 死神の精度 《ネタバレ》 
原作既読の伊坂信者です。だいたい原作ファンだと映像化に落胆したり首を傾げるんですけど、これは上手くまとめたなー、素晴らしいです。  まず金城さん演じる千葉がいい。日本語セリフがちょっと棒読みな所とか感情を入れずに飄々と話す部分など、人間の世界のレトリックやシャレなどを理解しきれてない死神の役にピッタリです。髪型や衣装で若者やヤクザになりきれてしまうあたりもいい。伊坂さんが映画化の条件として彼を指名したのも頷けます。映像化にあたり少しだけ設定をドライにしたのも良かったし、連絡電話を犬に代えたのも◎。年齢設定を少しずつずらしたのも問題なし。  クレーマー対応の女性を演じた小西真奈美さんも歌声素晴らしいなあー。原作ではもう少し垢抜けない印象だけど声の可愛らしさ、歌声の素晴らしさ、まさに歌手の原石。彼女しかいなかっただろなーと思わせます。  光石研さんも富司純子さんも良かった。伊坂さんの作品は一見バラバラに展開する話がリンクする妙が持ち味の1つですけど、それが上手い事絡んだと思う。原作の1・2・6話目をなるほど上手く映像化の際に繋げたなって嬉しくなりました。終始雨で暗い映像でも悲壮感がなく、これだけ上手に映像化したのは久しぶりに見ました。  藤田の死体を前に阿久津が泣くシーンと、3つ目の話のお掃除ロボットの設定だけは不要だったけど、それを抜いても軽く8点は献上します。エンディングの小西さんの歌声にふわーって気持ちよくなれました。原作の映画化作品、どれもこの作品位のクオリティを保って欲しいなあ…。
[DVD(邦画)] 8点(2010-12-05 03:06:40)(良:1票)
15.  おくりびと 《ネタバレ》 
納棺師という仕事の存在を知らずにいました。大変であるとかそういう事を抜きにして、大事な仕事ですね。誰でもいつか必ず死にますから。  私は過去に父をおくりだした事があるので、最後にモックン演じる大悟が、30年生き別れた父に仕事をする時のあの仕草がたまりませんでした。自分の父があんなぞんざいに納棺されそうになったら、誰しも無碍にはできないでしょう。  広末さん演じる奥さんが、夫の仕事を知ったときに「汚らわしい」と言ってたのですが、そう感じる方もいるんですね。そこは私には理解できない部分でしたが、女性ならではの感じ方もあるかもしれません。でも大悟は妻に仕事の事を言えずにいる時と、伝えた後に妻が出ていっても仕事を続けてる時では、明らかに後者のほうが生き生きしていて、なるほど天職っていうものなんだなー(社長さんも仰ってましたが)と思いました。  この映画がアカデミー賞で外国語映画賞を獲ったと聞き、やはり日本的で独特な文化をそのまま投影している部分が良かったのではないかと思いましたが、そこに様々な愛が重なったのも良かったです。  過去に1人でも愛する人をおくりだした経験をお持ちの方であれば、この作品は決して茶化せないでしょう。重みがあります。  モックンも山崎努さんも余さんも上手かったし、広末さんも頑張ってた。広末さんのあのしゃべり方のトーン、終盤ダンナを理解して包み込むような優しさが見事に出ていたと思います。  ただもう1人、火葬場で働く役(銭湯の常連さん)の笹野さんも本当に素晴らしかったです。この役者さんは本当に器用ですね、武士の一分ですっかり好きになりましたが、いい味を出しています。ますます好きになりました。  観る人が観たら、中盤~終盤の「愛」の描写がしつこく受けるように感じる方もいるかなと。久石譲さんの音楽も素晴らしいけど、素晴らしすぎるので一瞬冷静になってしまう方もいるかなと。それでも1度は観て損のない作品だと思います。死んで終わりではない、まさに「死を見届けるだけではなく、違う世界へおくりだす門番」役の見事な仕事ぶりに触れて、改めて「生きる」という事も考えさせてくれます。いい作品だったと思います。
[地上波(邦画)] 8点(2009-09-22 00:03:15)
16.  アフタースクール 《ネタバレ》 
今年見た邦画の中では個人的にナンバー1です。多分オチを知ってから2度3度と見返すともっとジワジワ来ると思う。キャスティングも脚本もほぼ完璧で、一部強引な展開や、辻褄合ってるかな?と疑問の残る所はあるけど、非常に完成度が高いです。観客を見事に思い込ませます(騙すとも違う)し、力関係が中盤~終盤に変わってくるような気がするけど、実はスポットを当てている部分が違うだけで、最初から同じ方向に進んでいるだけというのも斬新。1カット目からいきなりそれが始まってるのが見事。「アフタースクール」ってタイトルもいいですね。選挙演説が生徒会長選挙と重なったし、理科室とアダルトショップは確かに臭いが近い気がするし、堺さん演じる木村は学生時代から今まで変わらずお人好しで憎めない(^^;  キャスティングも非常に魅力的なので、1度だけで全貌が掴めなくてももう1度観る価値があると思います。最後のエレベーターのシーンも何とも笑顔になってしまいました!  小生は男なんですが、「篤姫」で家定を観てから、すっかり堺雅人さんの虜になってしまった・・・(笑)どうでもいいけど産まれたばかりのはずなのに、赤ちゃんデカッ!!!
[DVD(邦画)] 8点(2008-12-07 21:49:01)(良:1票)
17.  それでもボクはやってない
6000万人超の全男性諸君は、電車内での行動を常に気をつけないといけないと警鐘を鳴らしてくれただけでも十分存在意義のある作品になったと思う。正しい証言をしても再現ビデオで立ち位置等を立証しても、目撃者に証言してもらっても「男性の痴漢容疑=原則クロ」という風潮があるので、奇跡でも起きない限りは無罪放免にならない。勿論その裏には本当に卑劣な犯罪を起こしてる男性、その被害に遭われて辛い思いをされた女性も多くいると思う。  内容が内容なだけに、女性の方の中には不快に思われた方もいると思う。しかし「男女平等、法の下の平等」という側面で考えた時、少なくとも現在痴漢犯罪は、被害者女性の証言が圧倒的に有利であり、それは必ずしも法の下で平等では無く執り行われているという現実を見せたという意味で、周防監督の10年ぶりの本作は、裁判制度、検察の姿勢、警察の取調べ方、裁判官、被害者容疑者の存在、そしてなにより世間の風潮に何かを問いかけるきっかけを作ってくれたと思う。  勿論痴漢は許されない。しかし無罪の人間が誤って処罰される事も決して許されてはならない。主役を演じた加瀬亮さんが、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞クラスの素晴らしい演技をしているのも見所だと思う。
[地上波(邦画)] 8点(2008-03-02 16:22:34)
18.  THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
碇シンジが父親に褒めてもらいたいから、後先考えずにとりあえず使徒を倒し続け、全部倒した後に結局精神的に不安定になったが、我々もキャラクターのコミカルなやりとりや展開に夢中になって見た後に、哲学的な展開を突きつけられ解釈が困難で「え?」と不安定になった。庵野監督はエヴァの全貌を理解してほしくて作ったんじゃなく、観客にもう1度、シンジの不安定な精神を、現代の世の中の不条理さのメッセージと絡めつつ突きつけたかったのかな?と思いました。エヴァという大きな世界の円の中で、観客はその一部分だけを見せ付けられているから戸惑っているのではなく、きっと庵野監督はエヴァという世界を宇宙に見立て、わざと理解が出来ないような世界に作り上げているのではないかと思ったのです。だから解釈に正しいも間違いも無く、リンチの映画のようにどの解釈も人それぞれで良いという結論なのではないかと思うのです。個人的にはTV版のラストの方が救われる気がしましたが・・・。エヴァという素晴らしい世界を構築した事自体の評価点としてこの点にします。
[DVD(邦画)] 8点(2007-12-31 17:19:33)
19.  ALWAYS 三丁目の夕日
古き良き昭和の時代を「懐かしいなぁ…この頃はモノは無かったけど精神的には満たされていたなぁ」と回顧しながら微笑む映画ですね。アンサンブルだし、シナリオの1つの部分(誰のエピソードだけ)を突出して見せるワケではなく、この三丁目の人々の暮らしそのものが「作品」になっていると思います。ケンカっぱやいけど実は純情な工場の社長、集団就職で15歳そこそこで親元を離れて泊りこみで仕事する少女。自分の才能を信じて小説を書き続ける男。借金を背負いながら不器用に行き続ける女性。全ての人物が心の奥底にある不安を、希望という存在で打ち勝てている前向きさが前面に溢れていました。VFXも凄いし1つ1つの小道具も凄い。そんな技術も見せつけるでもなく、出演者の出過ぎない演技と相まって「昭和30年代の下町」という完成品になったと思います。泣かせるエピソードも決してあざとくはありません。素直に「いい映画だったなぁ」と思える自分自身がいたし、それでいいのかなとも思いました。
[地上波(邦画)] 8点(2007-11-12 11:35:21)(良:1票)
20.  涙そうそう 《ネタバレ》 
あんなに可愛い長澤を置いて逝っちゃうなんて可哀想すぎるじゃないか!血の繋がらない妹とはいえ、彼女の為に尽くして尽くして。妹もそんなにぃにぃを大好きで大好きで。妹の成人式の着物を買うために栄養もろくに摂らずに頑張って頑張って。台風が来たら妹の家に行って守って守って。それなのに死んじゃうなんて!全くツマブキのブキは、不器用のブキかっつうの!(キム兄パクってごめん…)。でも胸にぐっと迫るいい映画です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-08-27 14:16:32)
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