1. くちびるに歌を
《ネタバレ》 15の私は、長崎で中学生をしていました。 (とはいっても、五島で暮らしてたわけでもなければ 行ったことすらないのですが。) 作中で話される懐かしい長崎弁 大好きなアンジェラ・アキさんのメロディに乗って 展開されるストーリー。 そして、出演者の中学生、 みんな、なんて純粋で、優しくていい子たちばかり何だろう。 そんな心根とは関係なくいろん困難がふりかかる。 だけど彼らは、彼女たちは、純粋に真っ直ぐに... 恋人の事故死がトラウマとなってピアノが弾けなくなった先生というのは 確かに現実にはあまりいないかもしれないけども、 だからこそ、「都会から来た臨時の先生」という設定が生きる。 自閉症の家族、女を作って娘を捨てた父 こういったものは、実は田舎では結構目にするし耳にする。 塚本先生が言ってたように狭いコミュニティーなので「みんな知っとる」のです。 私には、こういった設定は、懐かしく、リアリティーを感じさせました。 作中でコンクールが行われる長崎市公会堂は15の私が本当によく行った場所でした。 当時と変わらない、あの建物がとても懐かしく そういった風景が、よりいっそう、 15の時を鮮明にして、作品世界へ引き込んでくれました。 気づいたら、ボロボロと涙している自分がいたりしました。 15のボクは、もうすでに、15年前の二倍も前のボクだけど、 15のボクへ 今日、ボクはキミにもう一度会うことができた。 そんな気がするよ。 [映画館(邦画)] 8点(2015-03-09 21:12:24)(良:1票) |
2. 幕が上がる
《ネタバレ》 単純に映画としてみた場合、良くも悪くも、本広監督らしい 可も不可もない微妙な作品でした。 ですので、5点という評価をさせて頂きます。 ももクロを知らないの原作本のファンなら、酷評する方もかなりいるのでは。 ファンにとっては、これ以上にない楽しい作品ですが。 本広監督は「ただのアイドル映画にはしたくなかった」と仰ってます。 各メディアでは、それを純粋な青春映画を目指したと受け取ったようですが、作品を見た限りでは、 「ファンに向けて真面目に作った作品」、ファンのために非常に良く作られた「アイドル映画」という印象でした。 長編の原作を120分に縮めるためためには、 様々な部分に手を加え、説明を加えなければならないと思いますが、 正直なところ特に各キャラクターの人物像で、この点が大きく欠落していると感じます。 ところが、ももクロのキャラクターに親和性が非常に高いこの作品、 ファンに対してはこの部分でほとんど説明がいらないのです。 そのままメンバーに重ねてみればいいだけです。 唯一、中西さんだけが、 「滑舌が悪い」 「声が出なくなった」という原作にはない設定がもりこまれ、 演者の杏果に重なるように誘導されています。 このほかにも、 ユッコ(しおりん)と中西さん(杏果)が打ち解ける重要なシーン、 舞台道具に色を塗ってるシーンは、 ユッコが緑色、中西さんが黄色(お互いが相手のももクロでの担当カラー)を塗っているという象徴的な演出 さらに、結構重要なシーンでのBGMに 「行くぜっ!怪盗少女」や「あの空へ向かって」が使われていたり、 最終的にエンドロールで唐突に始まる「走れ!」 これら全てが、この映画が、ももクロの成長とリンクするのだと示唆され、そこに一番のキモがあることを教えてくれます。 そのために、ファンは歓喜し感動を覚えるのです。 逆にファン以外の人間には、そのキモが全くわからないでしょう。 つまり、この映画はももクロを熟知した者がファンにのみ向けて作った限定的な傑作なのです。 よく、「人を選ぶ映画」といわれるものがありますが、 たぶんこの映画は「ファンを選び出す」映画です。 結論:この映画は「アイドル映画」の範疇からはずれない、 逆に「アイドル映画」をとことんまで突き詰めた映画です。 そこにこそ、この映画のキモと制作者の覚悟があるのです。 [映画館(邦画)] 5点(2015-03-03 21:25:28)(良:1票) |
3. 百瀬、こっちを向いて。
《ネタバレ》 一言で言えば、正直、ベタな青春恋愛グラフティといった感じです。 田舎を出て一旗揚げた(詳細は映画で見てねw)主人公(相原ノボル(向井理、竹内太郎))が、故郷に錦を飾って(ま、決して積極的にではないですが) 過去を思い出すという設定も ノボルは尊敬する、百瀬は愛する先輩のために、恋人同士のふりをするという設定も 加えて、その偽りの恋人であった百瀬に本当に恋してしまう設定も で、結局、ノボルも百瀬も失恋しちゃうという設定も そうして、これらのストーリーが淡々と進んでいくという雰囲気も 正直、この手の映画では どこかで見たような 使い古されたような あまりひねりのない わくわくも、どきどきもあまりない映画です。 ですが、自分はこういった映画は大好きです。 安心してみることができる映画、 安心して心を預けられる映画、 安心して涙することができる映画です。 特にこれといった、特徴あるストーリーである訳ではない 特にこれといった、奇抜な映像手法が使われている訳でもない それだけに、正直評価は分かれるでしょう。 好みでない人には、おそらく何も引っかからない退屈な映画に 逆に、大好きになった人は、たぶん一生忘れられない映画になると思います。 自分は、好みの映画だったことに加えて、「早見あかり」というバイアスがかかっていますので あまり、客観的評価はできてないかもしれませんが(笑) それにしても、初めて大スクリーンで見る「早見あかり」さんは、本当に儚げで綺麗だった。 それだけで、この映画の評価決まってしまった感じです(〃'▽'〃)←おい! [映画館(邦画)] 8点(2014-08-12 19:35:58)(良:1票) |
4. 感染列島
《ネタバレ》 どうもわたしは、理不尽な不幸に対して、前向きに戦う人間のドラマに弱いようです(^_^; その意味で、この「感染列島」はわたしの心にスットライーーークでした(^_^; もう助かる見込みのない患者から人工呼吸器を外し 少しでも助かる見込みのある患者に苦悩しながらそれを付け替えるシーン 結局、どちらの患者も死んでしまう理不尽さ。 けれども、現場の医者は戦うことをやめない。 この感染爆発の原因が、海外で現地の人間のために、 それこそ自分の命をなげうってまで戦った医師が帰国したことにある理不尽さ。 その事が公になることが怖く、話すことができなかった医師の娘が、 最後には救いになる。 こういった、理不尽→それに非力ながらも対抗→最後には克服(いくつかの悲しい結末もあり)というストーリーには まるで、某漫画誌の「努力・友情・勝利」みたいで単純に感動させられてしまいます。 確かに、たとえ医師とはいえ、感染爆発を起こしている国の人間が簡単に海外に行けるのかとか 最後には、科学的に根拠のない血清療法に頼るところとか ちょっと納得できない部分はあるのですが、全体的には ぼろぼろと泣かされてしまいました。 個人的にはとても楽しめたので8点献上します。 わたしも今日リンゴ木を植えたい。 [映画館(邦画)] 8点(2009-03-01 22:59:29)(良:1票) |
5. 誰も守ってくれない
《ネタバレ》 犯罪者の家族が、いったいどういう目に遭うのか、 そしてそれを救う道はあるのか、 その先に犯罪被害者の家族が救われる道はあるのか 柳葉扮する、犯罪被害者の父親の叫び 「本当はあんたの顔も見たくないんだっ」 犯罪者の妹志田未来がその保護をする佐藤浩一に対して反感を抱く場面 この方面の、犯罪被害者の家族と、犯罪者の家族。 その心の葛藤、その救い(あるのか、ないのか、救えるのか、救えないのか) こういった方面をもっと深く掘り下げてほしかった。 最終的に、「おまえが守るんだ」では、あまりに救いがないでしょう。 ただめんどくさくなって、突き放したととられてもしょうがない言いぐさですよ。 さらに、最後の場面が、某巨大掲示板を模したネットの書き込みのシーンで終わるなんて・・・ まるで、ネット犯罪を題材にしてるみたいで、最初のテーマはどこに行ったのと違和感ありまくりでした。 映画という限られた時間枠では、描くことが厳しいテーマだったというなら、 連続ドラマかなんかにしてもよかったのではないだろうか。 社会問題を描くには、非常にいいテーマだったはずなのですが、問題の根幹を絞りきれず 様々な問題を、全て未消化のまま発信してしまった感じで、非常に残念でした。 ドラマ化、実現してほしいテーマだなぁ [映画館(邦画)] 4点(2009-03-01 22:41:38) |
6. 252 生存者あり
《ネタバレ》 大災害に見舞われたとき、その現場に救出に入るレスキュー隊員達のの葛藤。 人を助けるとはどういうことか 助けたいという気持ち、被害を最小限に食い止めるとはどういうことか、 現場で救出を行う人間の心の動きとは、 全ての人間の命を平等に考えることができるのか、 そういった非常に重いテーマ、 うまくそれらが昇華できれば 名作となりうる非常によい題材であったように思う。 題材はよい ストーリーも悪くない 最初の特撮映像(結果、後のストーリーに何も生かされない、というか、結局新橋駅周辺だけでストーリー展開するなら全くの無駄。違和感しか残らない。)、 感動させたい場面で、しつこいほど使われるスローモーション(しつこすぎて、苦笑が漏れてしまった。一瞬、本当に受けをねらってるのではと疑った。) 一つ一つの技術自体は決して低いレベルではないのに、 それらをどのように演出に使用するかでここまでひどい映画になるのかといういい例のような気がする。 最高の素材、 最高の調味料を使っても 料理人の腕が悪いと、おいしいものは食べられないものなのでしょう(T_T) [映画館(邦画)] 3点(2009-03-01 22:19:45) |
7. クライマーズ・ハイ(2008)
《ネタバレ》 原作未読、NHKドラマ未見です。 映画の中では、安西一家との関わり、悠木の家族への関わり、衝立岩へのアタックシーンの意味するものが今ひとつ不明瞭で、消化不良な感がありましたが、原作ではこれらがストーリーを語る上で重要なウエイトを占めるのだろうと感じることは十分にできました。 これらの、消化不良な部分をマイナスしても、日航機墜落事故に関わる地方新聞社の大手新聞社に対する戦い振りは非常に見応えがありました。 スクープを目の前にした堤さん(悠木)の「チェック、ダブルチェック」の台詞は感動ものでした。 「なかなかおもしろい作品」ということで、7点献上します。 [映画館(邦画)] 7点(2008-07-29 21:00:50) |
8. スピード・レーサー
《ネタバレ》 ウォシャウスキー兄弟の、「俺らはジャパニメーション大好きじゃ~ レースゲーム大好きじゃ~」って叫びが聞こえてきそうな作品でした。 目に入る原色、原色、総天然色な世界、眼が全くついて行かないレースシーン! なるほどこれは、劇場でなきゃ味わえない。 ストーリーのイメージとしては、「マッハGO!GO!GO!」のメカとキャラクターを使った 「チキチキマシン猛レース」といったところか(笑) 映像のイメージは、キャラクターだけ実写のアニメーションといった趣。 トリクシー役の大きなお目眼のクリティーナ・リッチちゃんが 片眉を上げて悪巧みする表情にもやられてしまいました(^_^;) でも、きっと、あとでDVDで見てたら、こんな高い評価できなかったろうな(^_^;) [映画館(字幕)] 8点(2008-07-29 20:33:56) |
9. THE 有頂天ホテル
《ネタバレ》 三谷幸喜お得意の、舞台劇を彷彿とさせる固定視点的な画面設定に、 これまた三谷的オマージュ(あるいはパロディ)にあふれた、 まさに三谷的作品の真骨頂。 などと書けば聞こえはいいのだが、これを見たときには「三谷的」映像手法には 少々食傷気味で、 正直そんなに新鮮味も面白味も感じませんでした。 タイトルはグレタ・ガルボの『グランド・ホテル』とフレッド・アステア&ジンジ ャー・ロジャースの『有頂天時代』のオマージュ なんて言われても、そんな渋い映画見て無くて分からないし(レビュアー失格?)。 そもそも、映画にしなくちゃいけない内容(画面割り含めて)だったのでしょうか? そんなわけで、4点です。 [映画館(邦画)] 4点(2008-03-07 21:24:16) |
10. ALWAYS 続・三丁目の夕日
《ネタバレ》 それぞれの登場人物に対する物語が独立しすぎで、そこのみで完結してしまっている感じがして、残念ながら前作に感じた三丁目の人たちの生活感を感じることができませんでした。とはいえ、映画としてはうまくまとめてあったのだろうし、前作の後日談をみることができてすっきりしたという感じはします。 可もなく不可もなくということで5点の評価をさせていただきます。 [映画館(邦画)] 5点(2008-02-24 19:37:24) |
11. ALWAYS 三丁目の夕日
《ネタバレ》 東京タワーができあがる以前の東京など知るよしのない世代のわたしですが、映画で描かれていたちょっとした風景は、地方に住むわたしが昭和40~50年代に見たような風景がいっぱいありました。タクマ先生が家族を戦争で失った話や、茶川とヒロミ、淳之介君の話はまだまだ日本人が「健康で文化的な生活」をおくる権利を実行できず、街に「乞食」と呼ばれる物乞いの人たちをよくみかけた幼少の頃を思い出させました。 基本的には「ノスタルジー」題材の映画ではあると思いますが、心地よくその「ノスタルジー」に酔わせてもらったことと、CGの美しさ、それと間違いなくこの年に見た映画でもっともおもしろかったと感じたので、9点を献上します。 [映画館(邦画)] 9点(2008-02-24 19:22:45) |
12. ゲド戦記
《ネタバレ》 わたしは、原作初期3部作(アレンが主役なのが3部で、テルーが出るのは4部らしい)まで読んでいて、原作のファンになってしまったくちです(4部以降は読んでませんが(^_^;)。ジブリからの映画ということでそれなりの期待をしてみたのですが残念な結果に終わりました。「ゲド戦記」といいながら、ゲドが主役でないという批判もあるようですが、それは邦題をつける際の出版社の問題であり、あまり映画の批判には当たらないような気はします(原作でも第3部のゲドはあんなものです)。どちらかというと、原作のコンセプトも内容もここまで変えていながら(人物名だけ借りているというような状態ではないかと思います。)なぜ、「ゲド戦記」の名前を使ったのかの疑問の方が大きいです。「原作を知らない人間は置いてけぼり」という批判については、こういいたい。「原作知ってても、というか、知ってるからこそ置いてけぼりくってしまいました(T_T)」と。 題名が別であれば5点ぐらいは付けたかもしれませんが、心情的には0点です。 文太さんの意外な名演と「テルーの歌」(盗作疑惑もあったようですが)、初作品でとりあえず映画の形にされた吾朗監督のがんばりに3点を進呈します。 [映画館(邦画)] 3点(2008-02-24 13:44:03) |
13. 日本沈没(2006)
《ネタバレ》 小松左京さんの原作も、前作も知らないわたしですが、久しぶりに、映画館でぼろぼろと泣いてしまいました。ラストシーンで感動をおさえられず・・・ 確かに、柴咲コウの細腕で、ヘリからぶらさがって颯爽と子供を助けるなんてできるんかいとか、プレートブチ折っちゃあかんやろ豊川さんとか、つっこみどころもいっぱいあったのですが、なかなか感動させられるいい映画を見た、みんなに勧めようという思いで、帰宅後、ヤフーのレビューやここのレビューをみると、うわっ!こんなにひどい映画やったんかい?という評価・・・・。ひとに勧めるのはやめました(苦笑 と、いうわけで、どこかわたしの琴線に触れてしまったということで、わたしの脳内評価で8点です(泣 [映画館(邦画)] 8点(2008-02-17 22:57:13)(笑:1票) (良:3票) |