1. 仁義なき戦い 代理戦争
《ネタバレ》 このシリーズはレビューを書いてる現時点で3作目までしか見てませんが、この作品を超える事はもう無理でしょう。次の作品も評価点は高いようなので、かなり期待はしてますが今作がもう断トツにおもしろい!前作までのような銃撃シーンというのは殆ど見られませんが、各々のゲスいやり取りがおもしろくてしょうがない。キャラも魅力的で特に田中邦衛演じる槙原には大笑いさせてもらいましたよ。威勢よく啖呵切ったかと思いきや、襲撃する味方がいないと分かった時のあの慌てぶり、完全にコメディでしたね(笑)。前作までは出演時間も短かったためここまで魅力的なキャラクターだとは思いませんでした。抗争が激化するまでの繋ぎ目的な作品ですが、面白さは群を抜いていましたね。 [DVD(字幕)] 10点(2013-05-05 23:23:03) |
2. 仁義なき戦い 広島死闘篇
《ネタバレ》 前回主役の文太さんは脇に回り、本筋の話とは外れた外伝的な立ち位置。今回主役の殺人鬼山中がどう見たって殺人鬼に見えるのが凄い(笑)。相当ヤバイ眼つきしてて、いまにも人殺しそうな顔してます。内容はスカーフェイスみたいにどうしたって破滅するしかない男の物語ですが、女性に一途であったり、仁義に熱かったり人間的な魅力があるのが少し違うところ。ラストはあまりに悲劇的で哀愁を感じさせます。それと主演の女優さんがもの凄く綺麗な方で見惚れてしまいました。タランティーノが惚れ込むのも納得ですね。 [DVD(字幕)] 9点(2013-05-05 23:00:17) |
3. 仁義なき戦い
ヤクザ映画というのは殆ど見た事がなかったのですが、食わず嫌いであることを後悔するほどの映画。もうなにより菅原文太に釘付けでしたね。彼の物腰、セリフ、表情、全てがカッコよくて完璧。男が憧れる男って感じです。見る前はもうちょっと単純な勧善懲悪物かと思ってましたが、複雑な人間関係と、リアリティあるヤクザ社会を描いた群像劇。主要人物の大半が、タイトルどおり仁義も糞もない人間の中、ただ1人仁義に熱い文太さんがカッコよかった。 [DVD(字幕)] 9点(2013-05-05 22:44:46) |
4. 乱
凄い!文句なしに10点です!黒澤監督のカラー作品では最高傑作ですね。前作の影武者で戦闘シーンが少なすぎると批判を受けたらしく、今作では戦闘描写てんこ盛りとなっております。個人的には影武者も大好きですが乱の圧倒的なスケールと美しさにはやられました。後皆さん仰る程ピーターの演技は酷いと思いませんでした、素人っぽさがまたリアルで素晴らしかったです。 [DVD(字幕)] 10点(2013-04-25 01:45:17) |
5. 夢(1990)
《ネタバレ》 カラーになってから急に芸術志向になりましたよね、他の方からの評価は芳しくないようですが、僕はカラーの黒沢映画も好きです。特に色使いが素晴らしくて、何気ないワンカットの美しさにハッとさせられます。1つ1つの映像が、1枚の絵画のような美しさを有していて、そこらへんはさすが、画家を目指していただけあるなと思いました。全8話あるオムニバスの中で、特に良かったのが赤富士と最後の話です。赤富士は未来を予知していたとしか思えず、黒澤監督の先見性に脱帽でした。原発の安全性を訴え危険性をひた隠しにする構図は、まんま福島の事故を見ているようで身震いしますね。映像面でも赤く燃える富士山のインパクトは強烈で、ビジュアル面のセンスも冴えに冴えていました。最後の話は自然を破壊する人間への批判と、黒澤監督の死生観が込められています。パレードのような葬式も、本来葬式というのは祝うものであって嘆くものではない、天寿を全うして死ねる事ほど嬉しいものはないと語っています。この作品を作った当時、80歳とかなり高齢であったため、迫りくる死を感じていたのでしょう。死の意味を問いかけるとともに、生への喜びに満ち満ちている事に感動しました。 [DVD(邦画)] 7点(2013-02-11 00:08:02) |
6. 影武者
《ネタバレ》 白黒の頃と比べて、娯楽性より芸術性を重視した作品のためか好き嫌い分かれがちだと思いますが、個人的にはかなり楽しめました。カラーになってからの黒沢作品は初めて見ましたが、見所たっぷりですね。3人の人物を引き画の長回しで見せる冒頭の画面の力強さからして映画に引き込まれます。それとこの映画では影武者を初めて見付けた場面というのは描かれていません。描く必要の無い部分を潔く省くこの省略も上手いですね。映画は3時間の長尺ですが無駄な場面は殆ど感じられません。後よく勝新太郎が出てないからダメだという意見を目にしますが、仲代達矢の演技はこれ以上ないくらい素晴らしいですし、たとえ勝新が主演であったとしてもこの演技と並ぶ事はあっても超えるというのはちょっと難しいのではないでしょうか。 [DVD(邦画)] 9点(2013-02-01 22:46:45) |
7. わが青春に悔なし
黒澤作品にしては珍しく退屈した作品です。黒澤監督が脚本を担当してないからか、娯楽性もほぼ0で起伏に乏しく深みのない脚本に仕上がってます。さすがの天才監督もこの脚本ではどうしようもないというのが伝わってきますね。ただ主演の原節子の存在感と演技力は素晴らしくて、前半と後半では全く違う演技が要求される役柄を見事に演じています。この女優さんが主演で監督も随分救われたのではないでしょうか。 [DVD(邦画)] 5点(2013-01-30 17:57:10) |
8. 虎の尾を踏む男達
大河内傳次郎の演技がとにかく凄い!今の役者とはあまりにもレベルが違います。黒澤作品としては唯一?のミュージカル風作品で歌舞伎の勧進帳を元にしてるとか。話の内容は全く知らなかったので、この映画で始めて知りましたが、これがなかなかおもしろくて見応えがあります。ラスト嘘をついていると知りながらも弁慶らを通す富樫の好漢ぶりが熱いですね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-30 17:27:21) |
9. 丹下左膳餘話 百萬兩の壺
信じられないほど素晴らしい!天才的です。山中監督の現存するフィルム3本の内の1本ですが、ちゃんとした形でその他のフィルムが残っていれば黒澤監督をも凌駕するほどの名声を手に入れてた事でしょう。それくらいに才能を感じさせます。約80年前の映画なのに現代のハリウッド映画並みのテンポのよさには驚かされますね。笑いの質も異常に高く今見ても全く色褪せる事はありません。事実、鑑賞中爆笑の連続でしたよ(笑)。残ったフィルムが3本しかないというのは悲しい事ですが数多くある山中作品の内この作品が残ってくれたことは大変喜ばしい事ですよね。 [DVD(吹替)] 10点(2013-01-27 02:56:21) |
10. 生きものの記録
製作当時はまだ核が落とされて間もない頃であり、さらに第五福竜丸事件が起きたばかりで、核に対する不安や危機感が今以上に強い頃だったという予備知識を入れて見ると、あの老人の一見異常に思える行動や考えも、理解できる範疇にあります。まだまだ未知数であった核に対する恐怖心たるや相当なものがあったでしょうし、いつ核戦争が起こってもおかしくない不安というのは現代にも通じるものがあります。この先の時代を危惧する黒澤監督の強烈なメッセージ性を感じますね。今後核がなくなる事はないかもしれませんが、原発を身近に感じた今だからこそ見ておくべき映画だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2013-01-27 02:31:39) |
11. [Focus]/フォーカス(1996)
最初予備知識を全く入れずに見たため「あれ失敗したかな」なんて思っていましたがなんのその。後半の怒涛の展開には手に汗握るものがありました。浅野忠信の演技は素晴らしくてもう本物のオタクにしか見えませんし後半の切れっぷりのギャップも凄くてありえないです(笑)。こんなに凄い役者さんだったんだという事に気付かされました。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-23 23:08:51) |
12. 東海道四谷怪談
四谷怪談の映画を見るのは初めてで怪談の内容もうろ覚えでしたが十分に楽しめました。話自体も凄くおもしろくて映画の出来もいいですね。まず結構古い作品なのにテンポが凄くいい!殆ど無駄なく話が進んでいきます。主役の伊右衛門は最低最悪の糞男(笑)でお岩さんの復習劇にはカタルシスを得られますね。芸術的なカットの数々には惚れ惚れしてしまいました。 [インターネット(字幕)] 7点(2013-01-21 00:59:35) |
13. 呪怨<OV>(2000)
これは怖い、怖すぎます。ホラー好きの友人に無理やり見せられましたがとても1人じゃ見れなかったと思います。すごく静と動のメリハリがあって次に何が起きるのかだいたい分かっていてもあの静寂が怖さを引き上げていますよ。その日は当たり前ですが夜トイレに行けませんでしたし翌朝の膀胱はパンパンでした。ホントどうしてくれんだまったく(怒) [DVD(字幕)] 7点(2013-01-12 18:34:50)(良:1票) |
14. その男、凶暴につき
監督としても凄い北野武ですが、僕個人的には役者としての武が無茶苦茶好きだったりします。監督としての力量より役者としての力量のがあるんじゃないかとさえ思っています。(セリフの少ない映画限定ですが)この映画の我妻に関しても思考、行動が全く予想出来ない危険なキャラですが、映画のキャラは我妻なのに素で自然体の武にも見えるんだから不思議(本当は無茶苦茶怖い人なのかもしれませんね)彼の中に眠っている暴力性みたいなものが役と被りそう感じさせたのかもしれません。本当に演技と思えない演技、お見事でした。 [DVD(邦画)] 9点(2013-01-11 03:00:31) |
15. るろうに剣心
原作は全巻持っています。主演の佐藤健はハマリ役で、人切りと殺さずの間で揺れる剣心という難しいキャラクターを上手く演じていました。華奢な体つきから表情、目線に至るまで役に成りきっていましたね。その他のキャストに関してもほぼ全員違和感なく溶け込んでおり特に香川照之の狂った演技は素晴らしく原作以上だったと思います。それとこの映画のチャンバラシーンは素晴らしく日本のアクション映画もここまでやれる日が来たか!と感動しましたね。ただ正直言うと退屈な場面もありますし1本の映画としての完成度はまだまだといった所。次回作に期待したいですね。 [DVD(邦画)] 7点(2013-01-11 02:20:49)(良:1票) |
16. キル・ビル Vol.1(日本版)
何度見ても楽しめる映画です。はっきりいって好き嫌い相当分かれるおバカ映画だと思うしタランティーノのオナニームービーと言ってしまえばそれまでですが、彼らしい演出が随所に光り1つのエンターテイメント映画としてはなかなかの完成度ではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 8点(2013-01-08 01:24:19) |
17. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
《ネタバレ》 新劇場版2作目という事もあってか熟れてきてる印象。特にアクション面での演出が格段の進歩を遂げていて素晴らしい。後はアスカのキャラが非常に魅力的でした。暗く地味な人間の多い中、非常に明るく破天荒なキャラは物語に活気を与え見応えある物にしていたと思います。あまり言うとネタばれになりますがラストがあんな展開になるとは想像していなかったので驚きましたね。あのラストにプラス1点です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-01-06 16:43:53) |
18. トゥモロー・ワールド
《ネタバレ》 恐ろしいほどのクオリティ。この映画の魅力はなんといっても長回しに尽きるのではないでしょうか。序盤の爆破シーンや終盤の市街戦まであまりに凄すぎて唖然とします。見応えある映像というのはこういう映像を指すのだと思います。 [DVD(字幕)] 10点(2013-01-06 15:38:14) |
19. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
前にTVシリーズは流し見していたのである程度の知識はある状態での鑑賞でしたが、それでも置いてけぼりを食らう程の説明不足っぷりに驚きました、これじゃ初見の人は何が何やら分からないでしょう。完全にTV版を見ている人向けですね。あまりの割り切りぶりはかえって勇ましい程です。それと主役に魅力なさすぎですね、いつでもどこでもウジウジしてて「お前ポコ○ン付いてんだろゴルアァァ!」と渇を入れたくなるほどでした。 [DVD(字幕)] 6点(2013-01-06 02:29:32) |
20. 12人の優しい日本人
《ネタバレ》 オリジナルをなぞるのではなく日本人独特の価値観を盛り込みコメディ映画に昇華した脚本に拍手!大いに笑わせていただきました。 [DVD(字幕)] 9点(2012-12-31 04:09:32)(良:1票) |