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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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1.  ダンケルク(2017) 《ネタバレ》 
IMAXにて鑑賞。IMAX撮影されたノーラン作品は、IMAXで鑑賞するのが正しい見方ですね。 戦争映画は群像劇と結びつきやすい素材である上に、監督は幾重にも重なる物語を描き続けてきたクリストファー・ノーランだけに、現場や司令部を横断的に描く重厚な作品になるのかと思いきや、なんと話らしい話がないという意表を突いた作風となっています。本作はノーラン版『マッドマックス/怒りのデスロード』とでも言うべき内容なのですが、「ある地点からある地点へ移動する」という単純なストーリーに見せ場をてんこ盛りにした『怒りのデスロード』と同様に、本作も「救助を待つ兵士」「救助に向かう船」「敵を排除する戦闘機」という極めて単純な図式にまで各構成要素を落とし込んだ上で、冒頭からエンドクレジットまで絶え間なく見せ場が続くという男っとこ前な作風となっています。 しかしそこはノーラン、ただ単純な物語を描くのではなく、陸での1週間・海での1日・空での1時間を交互に見せ、ラストですべてのタイムラインを合流させるという恐ろしく難しいことをやっており、相変わらずその構成力には驚かされます。さらには、タランティーノ辺りみたいに「どうどう、凄いでしょ?」というこれ見よがしな見せ方ではなく、こういう難しい芸当をサラっとやってのけてみせるんですね。この余裕に巨匠の貫禄を見ました。 また、戦場での友情とか、個々の兵士の物語や、生きて帰らねばならない背景といった、戦争映画にありがちなドラマ要素がほぼ排除されているという点も、本作の特色となっているのですが、かといって感動的な要素がないというわけでもなく、目の前の描写の積み重ねのみできちっと感情的な山場を作れています。チャーチルの演説が引用されるラストはさすがに甘々すぎやしないかと思いましたが、それでも「良い映画を見たなぁ」という余韻を残してくれます。
[映画館(字幕)] 9点(2017-09-20 10:50:02)(良:3票)
2.  誰よりも狙われた男 《ネタバレ》 
何の予備知識もなく鑑賞したので、フィリップ・シーモア・ホフマンはドイツ駐在中のCIA職員か何かだと思っていたのですが、途中でドイツの公務員であることに気づいてビックリ。ドイツ訛りの英語を話すアメリカ人俳優をドイツ人とみなすというハリウッド式の無茶設定は、そろそろやめてもらえませんかね。その他、主要登場人物は設定上の国籍に関係なくアメリカ人が演じているのですが、これまたややこしいのがロビン・ライト演じるCIA職員の存在であり、ドイツ人役を演じているアメリカ人俳優と、アメリカ人役を演じているアメリカ人俳優が同時に出てくるため、なんとも妙な気持ちにさせられます。 内容は地味です。007やミッション・インポッシブルのようなカーチェイスも銃撃戦もなし、主人公は中年太りのフィリップ・シーモア・ホフマンだし。テロの黒幕の正体を暴くといった類の謎解きもありません。怪しい奴はすでに分かっており、人権や法律といった社会的制約条件、さらには監督省庁間の縄張り争いもある中で、これをどうやって追い込むかという点が本作のハイライトとなっています。同じくジョン・ル・カレ原作の『裏切りのサーカス』もそうでしたが、手続きがじっくりと描かれているのです。アクション映画のような瞬発力はありませんが、「ほ~」と納得しながら見ることはできました。 また、「テロリストを捕らえる」という命題に向かってどのような方法をとるのかについて、アメリカとヨーロッパとの違いが描かれている点も興味深く感じました。正常な範囲内でのナショナリズムや愛郷心を刺激されてテロ協力者にはなっているが、本人に反社会性はないというケース。ヨーロッパ当局は彼らをターゲットとはせず、真の悪党を捕まえるための協力者としてこちらサイドに取り込み、成功の暁には元の社会生活に戻してやるという方法をとります。これはテロ協力者に対する温情ではなく、当事者の本質を見極めた上で、もっとも効率的と考えられる方法なのです。一方でアメリカはこれら悪意のないテロ協力者でも片っ端から捕まえて回り、その結果、第一目標であるテロ首謀者にはたどり着けないわ、本来悪人ではない人間を本当のテロリストに変えてしまうわと、即効性があるように見えて実は物凄く非効率な方法をとっています。こんなことしてれば、いつまで経っても対テロ戦争は終わらないわなと、妙なところで納得してしまいました。
[DVD(字幕)] 6点(2015-07-28 16:05:27)
3.  タイタンの戦い(2010) 《ネタバレ》 
話の発端は21世紀初頭、ドリームワークスにて『アルゴ探検隊の大冒険』のリメイク企画が持ち上がったのですが、打ち合わせの段階でハリーハウゼンを激怒させたために(理由は不明)この企画は潰れ、それが流れ流れて本作の企画につながったという経緯があります。しかし、この企画は当初の予定通り、21世紀初頭に作られるべきでした。 CGによる映像自体に価値のあった時代に。『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』を経た2010年には、観客はすでにCGのみを売りにした映画には飽きており、CGというツールを用いてどんな物語を作り出すのかが問われる時代になっていました。そこに来ると、そもそもがつまらない映画だった『タイタンの戦い』をピカピカのCGでリメイクするという企画に意義を見出すことは難しくなっていたのです。。。 『インクレディブル・ハルク』で素晴らしい手腕を披露したルイ・レテリエは、本作でも期待に応える働きをしています。ライブアクションとCGを巧みに組み合わせたアクションの出来は水準以上だし、次々と現れるクリーチャー達の見せ方にもセンスを感じさせられました。ただし、脚本がメタメタだったので、映画としてはまるで面白くありません。ペルセウスが己のアイデンティティと向き合うことが本作のドラマの骨子であったにも関わらず、これがまるで出来ていないのです。ペルセウスはゼウスによるレイプの結果産まれた子であり、おまけに母親もろとも海に捨てられたという悲惨な生い立ちを持っている以上、神や人の世に対する激しい憤りや不信感を持っていて当然なのですが、脚本はこれをうまく表現できていません。そのため、観客はペルセウスの悩みや怒りというものに共感できず、「俺は漁師の子だ」と主張してデミゴッドとしての能力を使うことを拒否し続ける彼の姿に苛立ちを覚えてしまうのです。さらに悪いことには、彼と旅をするドラコ隊長がメチャクチャにかっこいいため、主役のペルセウスは終始喰われ気味。ラスト、神の力を行使したところでようやく存在感を発揮するという最悪の状態になっています。その他、人類滅亡の引き金を引いたり、一方でそれを阻止しようとするペルセウスに援助を与えたりで何を考えているのか分からないゼウスや、ラストで唐突にペルセウスと恋仲になるイオなど、各キャラクターの感情や行動原理が不可解すぎて映画に入り込むことができませんでした。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-04-09 01:07:14)
4.  DATSUGOKU -脱獄-(2008)
『猿の惑星/創世記』公開時には、多くの映画ファンが「誰だよ?」と思ったルパート・ワイアット監督の長編デビュー作です。新人監督による低予算映画とは思えないほどの豪華キャストで固められている点から察しがつくとは思いますが、脚本も演出も図抜けたレベルに達しています。新人監督ならではのフレッシュさと同時に、ベテラン監督並の安定感を持ちあわせた演出には、『ユージュアル・サスペクツ』や『メメント』を初めて観た時の感覚に近いものを感じました。インディーズならではの変化球を決めながらも王道の娯楽に対する目配りもできており、監督やプロデューサーが想定した以上に幅広い客層から支持される魅力を放っています。実際、普段はクライムアクションを嫌ううちの奥さんも、この映画には見入っていましたから。日本では劇場未公開、監督の次作『猿の惑星/創世記』のヒットを受けてひっそりDVDリリース、おまけにスティーブン・セガールの映画かと思うような安っぽい邦題を付けられるというぞんざいな扱いを受けましたが、一定の宣伝を行った上で公開していれば、それなりに話題になったのではないかと思います。。。 タイトルが示す通り内容はオーソドックスな脱獄ものなのですが、細部の描写やイベントの盛り込み方が抜群にうまく、次の展開が気になって仕方のない理想的なサスペンス映画に仕上がっています。収監歴が長く、刑務所内のあらゆる事情に精通しているフランクをリーダーとし、金属加工や土木・建築の専門知識を持った囚人達がチームを組んで脱獄計画を遂行するというあらすじには燃えさせられるし、彼らの仕事を異常に細かく描写する様にはマイケル・マンの演出を彷彿とさせられました。彼らの計画に干渉してくるイカレ悪役の存在はサスペンスを大いに盛り上げているし、誰も予想できない構成上の一捻りを加えることで、男のドラマとして感動的なクライマックスを作り上げることにも成功しています。褒めるべき点は多くとも文句を付ける点はほぼ見当たらず、本作は傑作と呼んでもよいのではないかと思います。
[DVD(吹替)] 9点(2013-02-18 22:54:53)
5.  ダイ・ハード/ラスト・デイ
クライマックス直前、マクレーンと息子・ジャックが討ち入りの手筈を話し合う場面。作戦を聞いてくる息子に対して、「作戦はない。ただ撃ちまくるだけだ!」と得意気に返すマクレーン…『ダイ・ハード』ってそんな映画でしたっけ? 当初は『コマンドー2』として企画された『ダイ・ハード』第一作ですが、シュワルツェネッガーから出演を拒否されたためにリチャード・ギアが主演することを想定して脚本が書き換えられ、そのギアからも断られたためにテレビのコメディ俳優だったブルース・ウィリスに白羽の矢が立てられたという経緯があります。主演俳優が変更される中でマクレーンのキャラにも修正が加えられていき、その末に出来上がったのはステロイド漬けの80年代アクションヒーローとは程遠い、若ハゲでおっさん体型の等身大ヒーローでした。テロリストとの勝負となれば、1対1の格闘であっても劣勢に立たされる程度の戦闘力であり、おまけに敵を殺傷することには消極的で、撃つのをためらったために窮地に陥ることも何度かありました。彼は正面切って敵と戦うのではなく、緻密に練り上げられたテロリストのスケジュールに干渉し、その戦力を徐々に切り崩していくという戦い方をします。十分な装備がなく、状況も把握できていない段階では物陰に身を潜めておく、戦闘を開始した後にも、複数人の敵に囲まれて戦況が不利になればとりあえず走って逃げる、こうした現実的な戦い方が『ダイ・ハード』の魅力だったと記憶しています。。。 一方最新作である『ラスト・デイ』ですが、マクレーンは襲いかかってくる数十人の敵特殊部隊を冗談言いながら撃破し、武装ヘリからの攻撃を受けても傷つかない、さらには、チェルノブイリの核施設に普段着で乗り込むほどの超人と化しています。もはや『コマンドー』のジョン・マトリックス大佐をも越える程の戦闘力を誇っており、「マクレーンは敵に殺されてしまうのでは?」という緊張感は皆無となっています。見せ場はインフレ状態であり、アクションが派手になればなる程、映画から緊張感が失われていくという負のスパイラルに陥っています。ビジュアル派のジョン・ムーアが監督しているだけに視覚的な迫力はあるのですが、活劇としての面白みがまったくないために、味付けのなされていないステーキを大量に食わされているような感覚に陥ります。このシリーズも、いよいよお終いの時が来たように見受けます。
[映画館(字幕)] 4点(2013-02-17 00:24:57)(良:4票)
6.  007/スカイフォール
IMAXにて鑑賞。映画の日であるにも関わらずIMAX料金込みで2,000円も取られましたが、大作らしいボリューム感は入場料の元を充分にとっていました。ドッカンガッシャンと通常のアクション映画以上に強烈な音響も映画館向きであり、設備の整った環境でこそ観るべき映画だと思います。。。 内容の方は、シリーズ中でもかなりの異色。なんせ、今回のボンドガールはMですからね。これまでのボンドガール最年長記録だったモード・アダムス(『オクトパシー』)の38歳を大きく更新した77歳、枯れまくっております。そんなMに合わせ、今回はボンドもセックスアピール控えめ。世代交代や老いが作品全体のテーマとなっているのですが、新米スパイだった『カジノロワイヤル』からたった1作を挟んだだけの本作でこのテーマは早すぎるような気がします。映画全体を振り返っても、ボンドが老いている必要性はあまり感じなかったし。。。 以上の通り、テーマや内容には少なからずの疑問符が付いたのですが、それでも映画としてはシリーズ中随一の面白さだと思いました。やはり監督力の差がモノを言っているようで、これまでシリーズを演出してきた11人の監督の中では最大のビッグネームであるサム・メンデスの手腕が光りまくっています。淡々とした中に激しさを秘めた大人のドラマには大変な見応えがあり、シリアスボンドとしては『カジノロワイヤル』をも超える完成度だと感じました。ジョン・ローガンによる脚本は娯楽性とドラマ性の間で絶妙なバランスを保っており、前任のポール・ハギス以上の仕事を披露しています。しばらく薄味が続いてきた悪役についても、今回は『ノーカントリー』で最強の悪役を演じたハビエル・バルデムの投入によってテコ入れが図られています。バルデム演じるラウル・シルヴァについては、設定上多くの穴が存在しているのですが、それでもバルデムの圧倒的な存在感によって何とか誤魔化せているので感心します。次回作を期待させるラストも面白く、総じて満足度の高い作品でした。
[映画館(吹替)] 8点(2012-12-02 02:02:46)(良:1票)
7.  ダークナイト ライジング
IMAXシアターにて鑑賞。 関係者の想定以上によく出来てしまった『ダークナイト』の続編。傑作になることを義務付けられた完結編という相当な重荷の中、上がりまくったハードルをきっちり超える映画に仕上がっています。アクションはより派手に、ストーリーはより重厚に、世界が見たがっているバットマンを正確に理解した映画となっているのです。『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』『マトリックス・レボリューションズ』等、要らないものを足しすぎて失敗する完結編が多い中で、ここまで過不足なく綺麗にまとめられた完結編は珍しいと思います。とにかくクリストファー・ノーランの仕事が圧倒的。日本のオタク以上に厄介なアメリカのオタクを納得させてきたストーリーテリングの手腕はさすがのものだし、アクション演出は前作以上に的確です。『ビギンズ』の時には演出に固さがあったものの、娯楽部分の演出はどんどん巧くなってきています。007を思わせるスカイアクションにはじまり、ウォール街襲撃に、バットマン再登場に、ゴッサム陥落にと圧倒的な見せ場が連続するのですが、CG全開のマーブルヒーローとは一味も二味も違うリアリティある見せ場には大変恐れ入りました。。。 物語については賛否が割れているようですが、私は良い内容だったと思います。最大の武器であった財力とテクノロジーを奪われた時、ブルース・ウェインはどう戦うのか?というのが本作のテーマ。なかなか面白い点に目を付けたなぁと感心しました。第2のロシア革命を目論むベインという敵にも、完結編に相応しい重厚さがありました。無目的な狂人であったジョーカーでは完結編の主役は務まらなかったはずであり、バットマンとは相要れぬ信念のために突き進む怪人こそが、サーガの幕引きには適任だったと思います。。。 そして最期に一言。どんなに扱いが悪くてもシリーズに出演し続けたキリアン・マーフィの度量は素晴らしすぎる!
[映画館(字幕)] 9点(2012-07-29 01:08:11)(良:1票)
8.  ダイ・ハード4.0
大好きなシリーズなので高得点をつけたかったものの、残念ながらこれはダメでした。ド派手な見せ場の連続なのに手に汗握らないという、アクションものの末期症状とでも言うべき状態となっています。シリーズの定番通りマクレーンは傷つき、満身創痍で敵に挑むものの、どんな強敵を相手にしても負けないだろうという妙な安心感が作品を覆っています。マクレーンが超人化した「2」、駄作と言われる「3」にも、戦いには一定の緊張感が存在していたのですが、本作にはそれが皆無に近い状態となっています。「アンダーワールド」の頃から、レン・ワイズマンは「迫りくる緊張感」や「煽り」というものを不得意としていました。ド派手なアクションを撮る実力はあるのに(どこまでがCGでどこまでがライブなのか見分けがつかないほど見事な腕前)、これを映画における見せ場として機能させることができないのです。そんな彼の作品においては、設定や物語はアクションをやるためのお膳立てにすぎません。よって脚本はかなり雑です。自分の意見を聞いてもらえなかったとヤケになって米国にテロを起こすちっちゃな男が今回の敵なのですが、動機とやってることのスケールがあまりに一致していないため、この人物をリアルに感じることができません。「どうしてここまでのことを?」「6億ドル盗むとなると、とことん追われるからな」と、大それた行動に見合った動機付けをしていた「1」が懐かしくなりました。また、魔法の杖のようにいとも簡単にインフラを操作することも、あまりにリアリティを欠いていました。これでは、この映画は何でもありかいと冷めてしまいます。これまた、プログラマーがセキュリティを解除するための時間稼ぎをしていた「1」が懐かしくなりました。さらに、彼の配下には恐ろしく優秀な部隊がいますが、彼らは一体どういう動機でテロに参加しているのかも不明です。敵の存在もマクレーンの活躍もあまりに都合よく話が進んでしまうため、見ている側は特に何も感じることのない2時間を経験することとなります。画はよかっただけにこの仕上がりは残念です。
[映画館(字幕)] 4点(2009-07-30 20:27:48)(良:1票)
9.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
物陰に隠れてレーザー光線を撃つのが精一杯のもっとチマチマした戦争をイメージしていただけに、潜水艦を司令部にし、空中戦もやってみせる人類の予想以上の健闘ぶりに燃えました。部隊と共にヘリから降り立つジョンの登場シーンでは「これは戦争映画だ!」という監督の心意気を感じ、「こういうのを待ってたんだ」となぜか涙目になる私。大小揃ったロボの充実ぶりに、巨大ロボからモトターミネーターが分離するギミック、また輸送船からHKが分離するギミックと、「ロボットの醍醐味は分離・合体である」という重要な基本を押さえた素晴らしいシーンの連続に感動しました。またマーカスという新キャラも良く考えられています。2003年までの記憶しかない彼が観客と世界観の橋渡しの役割を果たしており、彼が見聞きするものが情報として観客へ提供されるという巧い構成になっています。彼が頼もしい用心棒として大アクションを繰り広げる前半は旧3部作のアップグレード版であり、この過程で観客はマーカスに感情移入します。またジョン役にクリスチャン・ベールを得られたことも幸運で、本作の実質的な主人公はマーカスであり、相対的にジョンの出番は少なく、また一時的にマーカスを殺そうとするヒールの立場にもなるのですが、ベールの存在感によりカリスマ性ある人物にきちんと見えています。カイルとの出会いは素晴らしく、「命を捨てて母を守ってくれた偉大な父にようやく会えた」というジョンと、「憧れの指導者が目の前にいる」というカイルの視線が交錯する時の、ベールの表情が物凄く良いのです。カイルとの出会いに続いてT-800州知事モデルの登場でさらに因果な展開を迎えますが(なんでこのサプライズをCMで見せるんだ!!)、ここで脚本は残念なミスを犯します。2、3と「スペックで劣る善のターミネーターが、サラやジョンとの関わりの中でスペックを越えた力を見せ、新型を倒す」という展開で来ており、このバトルもそれを踏襲したものだと言えますが、マーカスの中身はT-800と同様のものなのか、それよりも劣る機体なのかを説明するセリフがないため、前作のような燃える展開になっていません。また、生前のマーカスが犯した罪についても言及されないため、「今度は良いことをしたい」というマーカスの行動もしっくりきません。死ぬ前にでもこれを告白させるべきでした。
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-15 10:05:43)(良:3票)
10.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》 
カジノ・ロワイアルの緻密な完成度と比較すると007らしい大味さが気になる面もありましたが、ブロスナン時代のようにバカに突き進むこともなく締めるべきところはきっちり締まり、硬派な空気が全編に渡って維持されています。やたら向いのベランダに飛び移る逃走劇や高速の編集でジェイソン・ボーン状態となったアクション、外交上のしがらみから捜査にストップがかかり、現場が単独行動せざるをえなくなるジャック・バウアー状態の展開とよそ様のおいしい面をいただきつつも、007らしい面白さもキープ。突飛な展開が入っても観客から許容されることが老舗007の強みですが、本作においてはそのブランド力がうまく活用されています。スペクターのような世界的な闇組織を登場させることにまんまと成功しているのです。M:iシリーズが悪役を作ることに苦労し、3作すべて局内の裏切り者になってしまったことを考えると、この時代に世界的な悪の組織が登場するアクション大作を楽しめるのは007だけ。突如スカイアクションがはじまっても違和感なく楽しめるのは007だけ。砂漠のド真ん中に要塞のような建物が「ホテルです」と言って登場しても、特におかしく感じないのは007だけ。50年で培われた暗黙の了解とは大きいのです。ダニエル・クレイグも確実にボンドをモノにしてきています。ひたすらストイックで一本気であればよかった前作と比べると、終始クールな中でもボンドらしいくだらないジョークを口にし、男のフェロモンで女性を骨抜きにする砕けた面も求められた本作はバランスが難しかったはずですが、これらをうまくこなしていて感心しました。表面的には反目しあいながらも硬い信頼で結ばれているMとの関係性もうまく描かれており、オスカー脚本家とドラマ畑の監督、演技のできる俳優が揃ったおかげで良い作品になっています。ラストも秀逸で、ジェームズ・ボンド個人の感情とエージェント007の職務というふたつの物語が余韻を残して締め括られており、新シリーズのドラマ性の高さがここでも味わえます。惚れた女が付き合ってたのがクソ男だったと知った時の憤りは、男性ならみなさんわかりますよね。良い女はなぜクソ男と付き合うのか。しかし私怨に走らず、山ほどある感情を口にせず、007としてやるべきことを優先したボンド。Mも含め「そいつなんか殺しちゃってもいいよ」という状況でも職務を優先した男の背中こそが最高の見せ場でした。
[映画館(字幕)] 8点(2009-02-02 01:36:28)
11.  ターミネーター 《ネタバレ》 
小学1年の時に日曜洋画劇場で見て以来、現在に至るまで私を映画にどっぷりハマらせるきっかけとなった作品です。普段見るテレビとはまるで違う世界、ターミネーターがものすごく怖くて、アクションの凄まじさに驚いて、ラブシーンに気まずくなって、とにかく圧倒的に面白くて、まったく目が離せない感覚を人生ではじめて味わったのがこの時でした。以来数えきれないほど見ていますが、いま見てもやっぱり面白い。キャメロンの映画作りのセンスはあらためてズバ抜けています。舞台は真夜中で、出てくるのはゴミだらけで人気のない路地裏ばかり。同年の作品と比較してもアクションは派手な部類には入らないのですが、冒頭のテロップひとつで「これは人類の存亡を賭けた戦いだ」という史上空前のハッタリをかましてみせます。アクションにはさほどお金をかけない一方で(シュワ氏の存在感からとんでもない破壊者を見たような気になるものの、物を壊したり爆破したりの場面はかなり少ない)、ターミネーター絡みの特撮や彼が持つ銃火器には徹底したこだわりがあり、「ここを作り込めばあとは何とかなる」という判断が的確に為されています。最初から大手と契約してたスピやルーカスとは違い、ロジャー・コーマンの元で修業した苦労人キャメロンならではの強みでしょうか。脚本の出来も上々。例えばカイルがサラにこの戦いの背景を話すシーン。普通ならいったんここで話が停止状態になるのですが、本作ではなんとカーチェイス中の車内でこれを一気に説明させ、話を止めないのです。またこの車内ではパニックになるサラを「黙れ!僕が話していいと言うまで話すな!」とカイルが恫喝して話を聞かせるやりとりがありますが、このたった数十秒のシーンで、突如命を狙われることになったサラのリアルな反応を描き、一方でカイルが厳しい世界の住人であることをうかがわせます。本作はテンポの速いアクションですが、その中でも人間の生身のリアクションやドラマがきっちりと描けており、そのリアリティがSFとしての説得力をうまく補完しています。傷つくカイルを救おうとする中でサラに戦う強さが宿っていく過程は自然だったし、ラストではカイルの思い出を話をしている時に撮られた写真こそが、カイルがサラを愛するきっかけとなった写真でしたというオチ。SFや銃火器を好む一方で、最終的にはこういうセンチな話を好むあたりが、やはりキャメロンなのです。
[地上波(吹替)] 9点(2008-12-06 03:10:22)(良:1票)
12.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
何度目かとなるリニューアル作ですが、過去のシリーズからの連続性を完全に断っているという意味では史上最大のリニューアルといえます。次回作は本作の続きになると言われていますから、カジノロワイヤルをスタートとして新生007を作る、ドクター・ノオやゴールドフィンガーといった往年の作品も現代風にアレンジして再映画化する計画でもあるのだろうかとも推測されます。だからこそ歴史を捨て去り、007の誕生をテーマにしているとのではないかとも思われます。また従来のボンド像にまったくそぐわないダニエル・クレイグを起用したのも、新シリーズ構築に対する計算があってのことではないかとも推測されるのです。そのような事情があってか本作に対するスタジオ側の熱意は並々ならぬものが感じられ、シリーズ中でもトップクラスの仕上がりだと評価できます。純粋に映画としての完成度が高いうえに、シリーズへの目配せも充実しており、ファンも初心者も両方納得させられる映画になっているのです。冒頭、トイレで裏切り者を始末するシーンはシリーズ中異色なほどの荒っぽさですが、007は殺しのライセンスを持った殺し屋なのだという本来のジェームズ・ボンド像を再確認させるのに十分な効果をあげており、また殺しとは鮮やかに決められるものではないというリアル路線を決定的に印象付ける素晴らしい場面だといえます。そこからいつもとは違ったアレンジでの「銃口」→主題歌となるのですが、定番を踏襲しつつも新しいというセンスのよさには唸りっぱなし。序盤ではチンピラのようなジェームズ・ボンドが、カジノロワイヤルに潜入するために服装の着こなしや酒の選び方を覚えていって007になっていくという流れも実に良くできています。それと同時に精神面の変化も大変な説得力をもって描かれており、ジェームズ・ボンドという個人が007というスパイに変わっていく過程がドラマチックに描かれています。そしてラストでは、個人を振り払い007となったジェームズ・ボンドがついに姿を現し、普段であれば第一声であるはずの「ボンド、ジェームズ・ボンド」の定番セリフを、本作ではクライマックスになって初めて口にするという粋な演出。そしてこれまた定番のジェームズ・ボンドのテーマがエンディングになってはじめて流れるのもこれまた粋。次回作への期待も一気に高まりました。
[映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 00:59:10)(良:1票)
13.  ダンサー・イン・ザ・ダーク
勝手に不幸へと突き進んでいくバカ女。どうやって感情移入しろと言うんだ?あと、映画館でしゃべるな!
1点(2004-09-04 02:15:58)(良:1票)
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