321. 蜘蛛女(1993)
レナ・オリンが「ただ怖いだけ」で、しかもそれが人格的な怖さではなく超人ゾンビとしての怖さでしかないので、話に引き入れられる前提を欠いてしまう。したがって、あれだけの妻と愛人にもともと囲まれていたオールドマンが何で振り回されるのかも不明。あんなケバメイクでも可憐オーラを放っているジュリエット・ルイスに4点。 [DVD(字幕)] 4点(2007-12-27 23:41:52) |
322. 時計じかけのオレンジ
内容的には、インパクトを狙いすぎてて頭が痛くなる場面も多々あるのですが、カメラワークと色彩感覚、小道具関係のセンスは今見ても絶品。映画としての重量感みたいなものを感じます。 [DVD(字幕)] 6点(2007-12-25 01:55:30) |
323. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
《ネタバレ》 最初に見たときは、キロ単位の計画的な密輸までやってたら3年では済まないだろ・・・と思っていたのですが、改めて見てみると、そんなことはどうでもいいのです。オープニングの何気ないシーンから一気に発覚と身柄拘束まで持っていく手際の良さ、山場とつなぎを織り交ぜた切れ味の良い構成、埃っぽく暑苦しい刑務所内の映像的描写。それらの職人的技術は、光の中の強烈なラストシーンで結実します。押しと引きを心得たカメラワーク、後ろからひたひた迫ってくるようなジョルジオ・モロダーの音楽も印象的。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-18 01:09:18) |
324. キリング・フィールド
作品の構造としては起伏に乏しく平坦で、特に後半はプランが一方的に主役になっちゃったりしているのが気にはなる。しかし、映像の力は何とも圧倒的で、左右の動きや奥行きを駆使したカメラワーク、その枠内に巧妙に配置されたエキストラ、美術関係、そして山々や湿地などの大自然が、強烈なインパクトで迫ってきます。サム・ウォーターストンが今ひとつ表情に乏しいのが難点。主人公はいろんな忘れがたい体験をしているのだから、もう少し表現してほしかった。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-03 04:35:24) |
325. フル・モンティ
《ネタバレ》 いかにもイギリスなダメ人間奮起一番ドラマなのですが、他の同種ものに比べると、生活描写力も弱く、キャラクターも弱く、テンポも悪く、登場人物の「突き抜け度」も弱い。全体的に中途半端です。それに、ストリップって1回脱いじゃったら終わりなんだから、再生の手段としても弱いんじゃないのかな・・・。ラストの後、主人公たちがどうなっていくのかが、あまりイメージできません。 [DVD(字幕)] 5点(2007-11-03 14:55:04) |
326. 人妻(1999)
《ネタバレ》 前半は何とも安直かつ陳腐なメロドラマで、後半まったく別の話になってきたのはちょっと目新しかったのですが、それだとこの邦題は全然違いますよね(それに、収束部分はやっぱりありがちで安直)。グレッチェン・モルの脱ぎっぷりも報われていません。ジョセフ・ファインズの女たらしぶりははまっていて面白かったので4点。しかし、君は本来こんなB級作品に出ている場合ではないと思うが。 [地上波(字幕)] 4点(2007-10-07 03:04:58) |
327. ゴッド・アンド・モンスター
いろんな人間模様や人生の深さなどをたっぷり味わわせてくれる作品かと期待していたのですが、予想に反して、ボソボソした平坦な会話がほとんど最初から最後まで続けられるだけの内容でした。イアン・マッケランの存在感だけでもっているような作品。彼に5点。 [DVD(字幕)] 5点(2007-09-26 23:51:54) |
328. ダイ・ハード4.0
《ネタバレ》 最大の難点は、コンピュータを駆使したサイバー犯罪という明らかな頭脳戦でありながら、そのディテールをまったく省略してしまっていること。こういう犯罪とその防止戦は、これでもかというくらい専門用語をぶち込み、オタク同士にオタク魂を尽くして戦わせてこそその凄味を表現できるはずなのですが(そして、それを肉体派の極致ともいうべきマクレーンが破ってこそ設定の意味があるはずなのですが)、その辺のことが何もなく、結局はお定まりの銃撃戦&肉弾戦へ。これでは、せっかくの相棒も光るところがありません。オタクの帝王の役がはまりすぎのケビン・スミスに4点。彼が画面に出てきただけで笑いが出ました。あれ以上登場時間が長かったら、この作品は完全なコメディになっていたことでしょう。 [映画館(字幕)] 4点(2007-07-29 22:46:11)(良:1票) |
329. ダニー・ザ・ドッグ
《ネタバレ》 もう少し生々しい内容(少年時代の飼育ぶりが延々と描写されたりとか、娘が巧妙に人質に取られたり脅されたりとか、最後は娘をかばって主人公が死んだりとか)を予想していたので、意外に古典的というかむしろ牧歌的な展開がかえって新鮮でした。難点は、悪のボスがあまり悪そうに見えない、もっといえば何となく間が抜けていて笑いすらとれそうなところ。わざわざ「犬」なんて設定をしているのですから、ここはもっと徹底した極悪人であるべきでした。 [DVD(字幕)] 6点(2007-07-17 03:03:09)(良:1票) |
330. オネーギンの恋文
この脚本って、原作の適当なダイジェスト版じゃないのか?と疑ってしまうくらい、起伏に欠ける中途半端なやりとりが延々と繰り広げられるだけの作品。レイフ・ファインズは、製作総指揮まで買って出て一体何がやりたかったんだろう・・・。そもそも、こういう上品・優雅系の作品でヒロインがリヴ・タイラーという時点で、センスなさすぎでしょ。 [DVD(字幕)] 4点(2007-07-16 03:04:24) |
331. インドへの道
《ネタバレ》 異国情緒への表面上の憧れだけでできてしまったような作品です。インドを舞台としていながらインド人はほとんど進行に絡んでこないし、数少ない接点であるアジズ医師にしても、その描写はかなり西欧人的です。そもそも、最初の方はどうみてもアデラよりもモア夫人の方が主役みたいだし、終盤は完全にアジズ医師が主役に成り代わってしまっていて、視点の大きなブレも気になります。160分強という尺も長すぎ。 [DVD(字幕)] 5点(2007-07-06 03:13:44) |
332. ブラザー・サン シスター・ムーン
《ネタバレ》 最初の15分くらいは何の話なのかさっぱり分からなかったし、途中でも眠くなるところは数か所あるのだが、やはり、内なる真理に目覚めて冨を捨て去り野に出て行くシークエンスの緊張感、そしてラストの謁見の場面の力強さは強烈。こういうところでポイントをしっかり押さえられると低い点はつけられない。映像も美しいです。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-25 02:42:38)(良:1票) |
333. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 何と、あれだけの空間設定と時間設定(わずか1日の話)の中に、これだけ多くの要素を凝縮してみせた手腕にびっくり。最初はひたすら塹壕とその近辺を舞台とする心理ドラマかと思っていて、国連やらマスコミやらが出てきたときは、話拡げすぎでは?と思いましたが、終わってみれば、見る者を突き放すラストとして結実しています。舞台劇でもできそうですね。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-14 02:09:07) |
334. ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー
《ネタバレ》 ほとんどが夫もしくは浮気相手とのどろどろしたやりとりを延々と描いているだけで、実に単調な内容です。せっかく「イギリス最後の死刑囚」という題材を得ていながら、メロドラマにしかなってません。もっと、日常の交友範囲、子供とのやりとり、裁判手続や判決後の部分など、描写の対象はいろいろあったはず。などと文句を言いつつも、作品全体にみなぎる静かな気迫と迫力はなかなか印象的だったので、一応この点数。 [DVD(字幕)] 6点(2007-04-17 00:25:04) |
335. マイケル・コリンズ
霧がかった灰色の空、それと同一に染まった人々の地味な服装、地味な街並み。この作品はそれだけでOK。内容的にも、少しペースが早く、次々に場面が進行していくのだが、重要なポイントはきちんと押さえられている。ニーソンもリックマンも、アイリッシュ史上の重要人物を演じるという自覚のためか、演技の気合がびんびん伝わってくる。ジュリア・ロバーツも珍しく慎み深い演技を行っているが、後半は少し目立ちすぎか。 [DVD(字幕)] 7点(2007-04-08 22:43:26) |
336. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
素朴な疑問ですが、このシリーズって、どれもこれもどうしてこんなに尺が長いんでしょうね?一つ一つのシーンが無意味に長く、テンポも悪いし、何が表現したいのかも分からなくなっています。私にとっては、スネイプ先生の変な渋さくらいしか見所がありませんでした。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2007-04-07 22:30:14) |
337. スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
タイトルからして、華麗に空を駆け回る爽快なスカイ・アクションを勝手に想像していたので、あまりにも汚い画質にがっかり。途中で気分が悪くなりそうでした。主人公2人のやりとりも、どこかで聞いたようなものばかりで、わざわざこの2人を投入する意味がまったくありません。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2007-04-03 03:28:38) |
338. 華麗なる恋の舞台で
アネット・ベニングが99年に続いてオスカーレースでヒラリー・スワンクに敗れたときはかなり同情したが、内容を比較してみると、これはもうヒラリーの圧勝ですね。アネットの演技力以前に、脚本が杜撰すぎて、ありがちシーンと陳腐台詞の連続で、演技者の実力の発揮のしようがありません。辛うじて、クライマックスの舞台演技の部分が印象に残る程度かな。チャールズ卿やドリーの登場も、無理矢理くっつけたみたいな感じで、かりにいなかったとしても話が少しも矛盾しません。また、このようなどうみてもハリウッド流のベタなラブロマンスで、監督がイシュトヴァン・サボーってのも謎。 [映画館(字幕)] 4点(2007-03-20 01:05:43) |
339. スカートの翼ひろげて
一見して気品ある英国田園系の風景なのですが、当事者がやっていることが、まるで「初体験/リッジモント・ハイ」とか「Fカップの憂うつ」のようなアホ青春コメディそのものじゃないですか…。器と中身がまったくミスマッチです。レイチェル・ワイズやキャサリン・マコーマックの意外な個性のなさも残念(というより、全員同じにしてしまった脚本の責任ですが)。レイチェル・ワイズは、こういう人造美人お上品系よりも、やはり、裏で何か考えてそうなしたたかな役の方が似合ってますね。 [地上波(字幕)] 4点(2007-03-08 20:42:23) |
340. ベッカムに恋して
《ネタバレ》 B級ラブコメと思わせておいて、実は真面目なスポーツ特訓もの、というような展開を期待していたので、コーチとの恋愛沙汰云々にがっかり。女子サッカーという素材自体は新鮮なので、ああいうのを抜きにしても、十分優れた青春映画は作れたと思うのですが。肝心のサッカーの部分の撮り方がいい加減な上に変な映像操作をしていて、肉体の躍動感を表現していないのもがっかり。●ただし、主演の彼女のまっすぐな演技には、なかなか好感。何かまずいことがあったときの、「あ~あ」みたいに違う方を向くときの表情が良い。 [DVD(字幕)] 5点(2007-01-03 21:16:02)(良:1票) |