41. モーターサイクル・ダイアリーズ
非常に良かった。南米独特の質感というか、土臭い感じが伝わってきたし、主演二人の演技も文句なし。合間合間に挟まる現地の人たちの映像がちょっとわざとらしかったけど、彼が革命へと向かうきっかけということで重視したのだと思います。チェゲバラ的要素はほとんど無いので、単なるロードムービーとしても楽しめますが、やはりゲバラのことを知っているとより感慨深いというか、面白い作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-12 11:19:43) |
42. ミスター・ロンリー
完成度という意味ではガンモやジュリアンを凌駕してますね。一番好きです。映像と、伝わってくる痛み。でも最後にみえる希望は、ジュリアンのラストシーンのような優しさも感じられて素晴らしいと思います。とりあえず感動しました。それぞれのシーンのアイディアも素晴らしいし。最初に「ミスターロンリー」をバックにバイクで走るシーンでもうシビれました。冒頭が分岐点になるのかも。 [DVD(字幕)] 9点(2010-09-12 11:09:49) |
43. スイミング・プール
エロい雰囲気だけで最後まで観てしまったという感じ。あんだけ意味ありげな映像とストーリーで引っ張っておいて最後があれってのは……。わかりにくい。 結局妄想だったということか。うーん。 [DVD(字幕)] 4点(2010-09-12 11:06:20) |
44. ロリータ(1962)
あっという間の二時間半。男のロリータへの愛が狂気へと変わっていくサマをじっくりと観させられました。サスペンスちっくな部分や、飽きさせない工夫が随所に有ったと思います。まぁただ他の作品と比較するとキレがないのは確かかなぁ。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-12 11:01:01) |
45. ナイト・オン・ザ・プラネット
地球を巡りながら夜明けを迎えるとは、なんて気の利いた構成だろう。何気ない日常を切り取っているようにみえて、ジム・ジャームッシュの構図は実に技巧的である。LA編でのウィノナが颯爽と車を飛ばす後ろで旅客機が轟然と横切る。そして空港のシーンへ移る素晴らしい演出。ニューヨーク編ほどユーモアに満ち溢れた空間はないし、パリ編は人種的な問題がちらりと覗きながらもあくまで人間を描いている。ローマ編はベニーニの一人芝居に近い、圧倒的な芸(といって良いと思う)を見せつけられる。ロータリーをいったりきたりしてなかなか客を乗せなかったり、「一方通行は最高♪」とか言いつつ逆走するシーンは大のお気に入りである。一転してヘルシンキ編では底なしの悲しみが場を覆う。ミカとアキというネーミングはくすっとするが、ラストのアキの表情は笑えないほど絶望的である。しかしそれでも地球には朝がくる。タクシーの車内という偶然に満ちた空間を通じて、人々の機微を鮮やかに映し、夜は明けていく。ラストシーンの「おはよう」は全ての人に向けられた挨拶である。 [DVD(字幕)] 9点(2010-09-08 00:47:41) |
46. マン・オン・ワイヤー
《ネタバレ》 良い点は、とりあえずすげーってなる点と、彼らの執念が伝わってくる点。そしてその空前絶後の離れ業の後の何とも言えない虚無感です。特にフィリップの友人の涙や「友情が終わった」という台詞、元恋人の愛がそこで終わったという発言は、なんだか寂しさを感じました。悪い点は、フィリップのただの自慢にしか聞こえない点。再現映像が多すぎて、実際の映像がほとんど無く、ドキュメンタリーというよりはテレビ番組っぽいという点。前者は、フィリップの自己顕示欲があからさまに示されるので若干の不快感を催すほどです。フィリップのオーバーリアクションと誇張した表現は信用性に欠け、綱渡り後に「有名になった」ことで有頂天になったとの発言はそれに拍車をかけます。しかしそれと対照的に、彼の友人達は至って冷静に語ります。特にジャン・ルイは偉業の瞬間を語りながら涙し、本作品のクライマックスと言えます。しかしあれほどcrazyな人間でなければ到底あんなことはできないでしょう。目を輝かせながら語るフィリップは子供のようです。綱渡りシーンは確かに美しいが、もっと観せなければこの映画の価値は半減します。この映画が一体何を見せたかったのかが分かりませんでした。それは少なくともフィリップの自慢話ではないはずです。アカデミー賞受賞も、(明示は全くしていませんが )9.11を否応なく想像させる「うまい」題材だったからなのではないか、と邪推してしまうのは私だけでしょうか。 [DVD(字幕)] 4点(2010-08-07 00:54:01) |
47. スラムドッグ$ミリオネア
《ネタバレ》 これはちょっと評価が難しい。非常によくまとまっているし、ご都合主義もなにも、it is writtenなのだからそういうこと。それよりも、ラティカの描写や司会者の描写がもう少し有っても良かった気がする。拷問しといてあっさり話を信じるし、全体的に説得力に欠ける。「偶然」を描いた作品なので、どうせなら徹底して偶然の要素を入れて欲しかった。それにしても問題の答えを知る過程を回想することで彼の人生を描いていく手法は素晴らしい。でも2時間はすぐ過ぎた気がするけれど、どこにその時間が費やされたかピンとこない。そういう意味で不思議な映画でした。とはいえ、インドの街並みを実際に歩き、人と触れあった体験を持つ自分にとっては、その雰囲気が伝わってきてとても楽しめました。 [DVD(字幕)] 6点(2010-08-01 02:07:56) |
48. 17歳の肖像
《ネタバレ》 原題はEducationです。社会勉強が一番ってことかな。ストーリーとしてはたいしたことはなく、妻子持ちの年上男性にもてあそばれて捨てられるというだけ。特に波乱もないし、特筆するようなところも無いと思います。教育、にそこまで重みのあるテーマ性を感じたわけでもないし、平凡な作品。 [映画館(字幕)] 4点(2010-06-28 23:51:16) |
49. マンマ・ミーア!
設定はなるほど、と思わせますがストーリーと歌はいまいち。腑に落ちない部分が多く、カタルシスは皆無。へぇーって感じ。暇つぶし映画。でも暇つぶしにしては良質、という程度。 [DVD(字幕)] 4点(2010-06-27 01:21:38) |
50. エイリアン
アッシュの方が怖かったのはおれだけか。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-08 18:15:00)(良:1票) |
51. ターミネーター
おもしれー。2が凄すぎて普通はあまり評価されていないのかな。設定自体はシンプルなんだけど、そのターミネーターの作り込みがしっかりしている。リンダハミルトンの髪型にはさすがに時代を感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2010-03-06 07:57:03) |
52. グッドナイト&グッドラック
マッカーシズムの大体を把握してないと少しきついかもしれないですね。抑えられた脚本というか、無理に見せ場をつくろうとしていないところがこぢんまりとして好感を持てます。いやー、かっこよかったなぁ。モノクロが渋い。省略シーンや暗転が多く、90分にまとめるための苦労が感じられたような…。あっさりしすぎたきらいもあるかもしれません。 [DVD(字幕)] 7点(2010-02-17 21:32:56) |
53. BOY A
普通の作品。このタイトルは日本でいえばいわゆる少年A。「加害者の人権」という意味ではすごく伝わるものはあったけど、薄っぺらなような……。仮に新たな人生を歩んでいたのに社会によって抹殺される怖さというものを描きたいのならもっと後半を重点的に描くべきだし、どうも全体としてさらりとしか描かれていない気がします。これを観ながら神戸の事件を思い浮かべました。 [映画館(字幕)] 5点(2009-08-10 20:09:07) |
54. ダンサー・イン・ザ・ダーク
ビョーク!! ラーストフォントリアー恐るべし。 [DVD(字幕)] 8点(2009-07-03 01:07:58) |
55. グラディエーター
《ネタバレ》 命を見せ物にするという非情さとそれに興奮する民衆の愚劣さ、そしてそれを覚悟しているグラディエーターたちの哀しさというのを感じました。ただガス抜きとしてのいわゆる「パンとサーカス」というものは当時の為政者にとって必須のものでありました。結局は時代の産物です。とかローマのことを色々調べたことがあるので必要以上に考えてしまいます。 ストーリー自体は単純(でもないか?)なのですが、一応ちゃんと矛盾無く成り立ってます。でも陳腐。それと戦闘シーンやコロセウムのシーンなど、肝心なところで明らかなCGは萎えます。その戦闘シーンもめまぐるしく視点が動いて何が何だかわからん。一つ一つの戦闘も別に特別なわけではなく、音楽や勢いで凄く見せているだけじゃないか? 別にジャッキー・チェンみたいなことをやれとは言わないけど。 なんといっても皇帝が出てくるのはいくらなんでも有り得ない。ストーリーをまとめるためとはいえ、きつい。既視感もすごい。 ただ屈折した愛情を表現したホアキン・フェニックスと、マキシマス役のラッセル・クロウは上手い。ラッセル・クロウなんて最高だった。道理でオスカー取ったわけですね。作品賞は微妙。悪くはない映画だけど。にしても「I am a GLADIATOR」は鳥肌。 [DVD(字幕)] 5点(2009-06-29 10:56:49) |
56. ティム・バートンのコープスブライド
うわっ映像きれいー。っていう印象。ストーリーはナイトメアほどの独創性があるわけでもなく、意外と普通。でも楽しめます。この系統のアニメがまた製作されたらストーリーは別にしてまた観ちゃうだろうな。ジブリ的な流れで。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-29 10:49:50) |
57. バーン・アフター・リーディング
コーエンく兄弟のコメディとは肌が合いません。「レディ・キラーズ」のほうがまだ良かったくらい。全然面白くない。ブラピのコミカルな動きは面白かったけど。 「あーこの女優はファーゴに出てたなー」とか関係ないことばかり考えてしまいました。 [映画館(字幕)] 4点(2009-06-25 00:35:26) |
58. 転々
三木ワールド。オダジョーと三浦友和との相性が良いし、小ネタも笑える。これこそ真骨頂。こういう俳優使うのうまい。 「亀は意外と速く泳ぐ」でいまいち消化不良だったのがうまく解消されて、すっきりした感じです。 でもそんなに書くことがないという……(笑) 別にだからといってつまらないというわけではなく、とても面白い作品でした。 ギター弾きながら歩く人が印象的。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-21 22:24:16) |
59. サルバドールの朝
《ネタバレ》 「死刑ジャンル」というものがあるのかどうかは分からないけど、「白バラの祈り」と非常に似ています。戦時下の抑圧された状況の中で、思想活動をして捕まり、ほぼ冤罪で死刑になるというストーリー。スペインのフランコ政権で社会主義的思想からテロ活動を行うようになるサルバドールが捕まり、警官殺しの容疑で死刑判決を受けます。 主人公のサルバドールが回想をしていく形なんだけど、実話らしくストーリー的に平板。そこがどうも痛いんだけど。その分リアルではあります。 個人的には看守との交流が気に入ったけど、全体からすると必要な要素であったとは思えず、感動させるためにとってつけたストーリーにしか見えません。 映画としては平凡な作品でした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-06-21 22:15:30) |
60. リトル・ダンサー
なんか前に観たことあるような気がするなーと思ってたけど最後まで思い出せませんでした。この種の典型的なサクセスストーリーだったからかも知れません。 とにかく主人公の男の子が素晴らしい。あと父親。ストライキ中の炭坑が出た時点で感動ポイントは読めてしまいましたが、わかっていてもあの感動。危うく泣くところでした。別に我慢してたわけじゃないけど。 このタイプの映画にしては出色ですが、その要素は主人公の周辺の屈折というか、変態ちっくな所かな。女装趣味のある友達や「わたしのアソコ見たい?」と誘惑してくるバレエの先生の娘、「私はダンサーになれた」と連呼する祖母など、普通じゃないです。 それが逆にストーリーのアクセントになっていて、「またこのパターンかよ」と視聴者を落胆させていないのだと思います。ただ冷静に振り返れば「またこのパターンか」と思うようなストーリーですね。 クラッシュなどセンスの良い音楽が光りました。でもやっぱりこのテのストーリーはあんまり好みじゃない。変態要素は良かったけど。 [DVD(字幕)] 6点(2009-06-21 22:14:13) |