61. 遠い夜明け
本作公開当時は映画の他にも音楽・ミュージカル・書籍・写真等様々な形での「反アパルトヘイト」運動が世界中で盛り上がりを見せていた時期であり、その中ではこの作品はかなりエンターテイメント色が強かった印象があります。デンゼル・ワシントン演じるスティーヴン・ビコ著「俺は書きたいことを書く!」も読みましたが、彼の「黒人だってなんでもできるんだ!」という強い主張には、白人コンプレックスな部分が強い日本人にもあてはまる事だと感じた覚えがあります。因みに当時南アで日本人は「名誉白人」という屈辱を甘んじて受け入れており、現地では「OVERNIGHT WHITE」との嘲笑を受けていたとか。我々も決して高見の見物的な立場ではないのです。同じアパルトヘイトを扱った映画では「ワールド・アパート」の方が繊細で心に浸みました。こちらも実話です。興味ある方は見てください。 7点(2003-07-09 12:24:42) |
62. トレインスポッティング
「エイズ前」と「エイズ後」では若者のサブ・カルチャーというのは、(特に欧米では)大きく変わったと思う。この映画は「エイズ後」である私たちの時代の青春映画だ。と、感じた人は原作を読むことをお勧めします。映画自体は予告編で期待し過ぎたので、ちょっと物足りなかった。 6点(2003-05-06 15:53:17) |
63. 24アワー・パーティ・ピープル
80年代から90年代初めにかけて音楽業界を席巻し、現在のクラブ・シーンにも多大な影響を及ぼす「マンチェスター・ムーヴメント」の盛衰を、ジョイ・ディヴィジョン→ニューオーダーやハッピーマンデーズを擁するファクトリー・レコードのオーナーであった、トニー・ウィルソンを語り部に描いた作品。この辺の音楽に詳しい人は勿論のこと、詳しくない人もマイケル・ウィンターボトムのイギリス人らしいユーモアと、「ブエナビスタ」のロビー・ミューラーの映像を楽しめるのではないだろうか。まさに「パーティ」と言う言葉が相応しいやけくそのバカ騒ぎは、最初から終わることをずっと意識し続けているかのような空しさがつきまとう。この時代に思い入れたっぷりの私には、懐かしくもあり切なくもある作品でした。でもこの映画で語られている「マンチェ・ムーブメント」はほんの一部なのよね。 <追記>何度観てもやっぱり好きで好きでたまらないので、思い切って10点だ!もってけドロボー! [映画館(字幕)] 10点(2003-05-01 17:13:44) |
64. GO!GO!L.A.
なかなか面白かった。バッファロー66よりこっちのギャロの方が個人的にはかなり好きです。アキ・カリウスマキお得意のレニングラード・カウボーイズ(ギャロが一緒に演奏していた、とんがり頭&靴のバンドです)が出てる~!とウケてたら、監督は兄貴のミカ・カリウスマキなんですね。ただ、前半の面白さに比べると後半はフツーのラブコメになっちゃて、ちょっとがっかりでした。 6点(2003-04-21 10:31:32) |
65. ショコラ(2000)
最初はキュートで楽しかったが、だんだん飽きてきて最後はかなりうんざりした。まさに匂いまでしてきそうな程の大量のチョコレートに、胸が悪くなる感じ。ジュリエット・ビノシュもオバサンくさくなっちゃて、魅力なくなったなぁ。 3点(2003-04-03 15:17:00) |
66. ダンサー・イン・ザ・ダーク
この映画では辻褄が全然合わないことは重要じゃないと思います。子供の頃などに殉教することを夢見たことはありませんか?自分がメチャメチャ不幸なお姫様かなにかで、徹底的に犠牲になって誰かに尽くして死んでゆく。そのマゾヒスティックな美学。「奇跡の海」にも同じ様なニオイを感じましたが、近年のトリアーはその辺を追求している感じです。犠牲になる本人はシアワセなんですが、それに振り回されるまわりは迷惑な話しで、こういう人には出来るだけ関わりたくないですね。ビョークの歌とミュージカルシーンに4点。 4点(2003-02-19 11:20:04) |
67. ルード・ボーイ
クラッシュのローディ(と言っても単にクラッシュの追っかけで、基本的には無職。失業手当で生活している)を中心にクラッシュと当時のイギリスの若者の姿が描かれた映画。ドキュメンタリータッチに作ってあって、この映画を見るとイギリスでパンクが生まれたことの必然性が良く分かります。またジョー・ストラマーとミック・ジョーンズの音楽活動に対する考え方の違いなんかも見えるし、この辺のカルチャーが好きな人には興味深いのでは。 6点(2002-12-04 15:25:25) |
68. 死にゆく者への祈り
↓そうですか?公開当時見た印象ではミッキー・ロークの作品の中で一番好きでしたケド。ジャック・ヒギンズが原作ですが、小説の主人公はメチャかっこいいっすよ。 6点(2002-11-28 15:49:25) |
69. キリング・フィールド
【☆】さんが言うようにこの映画が「アメリカの自己弁護」の側面が大きいことは見ればわかると思います。だから最後に「イマジン」で「ちゃんちゃん」っと終わったのには激しく反発を覚えました(まったくこれだからアメリカ人ってヤツは・・)。しかし、ホロコーストにしろ文化大革命にしろポル・ポトにしろ(あるいは「オウム」にしろ)、人間てのは情報を制限され閉鎖された集団社会では、特別な人間でなくても常識では考えられない狂気に囚われるのだ。それは決して他人事ではない。と考えさせられたと言う意味では評価できる映画だと思います。因みに主演のハイン・S・ニョールは後にLAの自宅で暗殺されました。 7点(2002-11-28 15:19:04) |
70. ウェイクアップ!ネッド
いまひとつパンチに欠けた。ブラックユーモアはかなり好きなんですが、どうも中途半端だったような・・。しかしアイルランド人ってのは酒飲みすぎだろう。かく言う私も映画館から出たら無性にギネスが飲みたくなって、銀座でブリテイッシュパブを探し回りましたが。 5点(2002-11-28 14:40:41) |
71. グリーンフィンガーズ
イギリスでは生まれつき園芸の上手い人を「グリーンフィンガー」と言うんだそうですが、本作は刑務所でガーデニングに取り組む囚人達がモノに命を与える歓びに目覚め、一流の庭師になって行く話し。なんの気なしに見ましたが、意外とおもしろかった。かなりホノボノ路線なのに嫌味じゃなくて、楽しい映画です。ヘレン・ミレンって私は「第一容疑者」のテニスン警部の印象が強いんですが、この映画みたいな軽妙な役もいいですね。 5点(2002-11-28 14:28:30) |
72. クロコダイルの涙
ジュード・ローが好きなら見るべし!かなり美しい。何とかしてやりたくなるもんね。女性がコロっといくのは良く分かります。内容的にも善と悪は表裏一体で誰の脳の奥にも潜んでいると言うのは納得できます。ところで彼って別に吸血鬼じなくて、血が作れない病気の為にあのような手段を使うようになったサイコキラーですよね? 5点(2002-11-20 16:38:58) |
73. スナッチ
「ロックストック~」と殆ど同じノリだけど、見ていてすごく楽しかった。私としては「ロックストック~」よりブラピの存在にハナがあるし、益々冴えてるという感じがしましたが。それにしてもイギリス人のマヌケぶりってなんてラブリーなんだろう。大好きです。 7点(2002-08-23 16:11:49) |
74. フォロウィング
私の場合あろえりーなさんの逆。「メメント」と「フォロウィング」を見て クリストファー・ノーランとはウマが合うと思いました。ストーリー的にはそれ程凝ってないので彼のセンスに合うか合わないかで感想が大きく違うような気がします。 7点(2002-08-07 11:01:41) |
75. さらば青春の光
ザ・フーのファン、モッズ諸氏は必見の青春映画。音楽もファッションも好きな人にはたまらないものがあります。そして登場人物達の身勝手さや情けなさが、夜な々いつもの店に集まって繰り広げられていた若かりし頃の喧噪を思い出させます。しかしスティング、カッコいいですか?彼のファンではありますが、この映画の彼は一人だけモッズじゃないし、正直かなり浮いてて笑えます。 9点(2002-07-16 16:15:32) |
76. 魔王
予告を見てあまりにも期待し過ぎていたため、ちょっと物足り無い感じ。原作は読んでないのですが、話の流れからしてかなり端折ってあるのではという印象を持ちました。それと、純粋であるが故にナチに利用される主人公が、マルコヴィッチでは知的に見えすぎてあまり感情移入できなかったのも残念。 6点(2002-06-07 15:11:17) |
77. グラディエーター
余りの酷さに吐きそうになった映画。大食い選手権を見た時に感じるような醜悪さに、心の底から嫌悪感を感じた。それだけならB級悪趣味映画として片づけられるが、無理矢理「善玉」と「悪玉」を設定してヒューマニズムをうち出そうとするあたりが更に悪質。西洋人がいかに野蛮で自己中心的かと言うことを言いたかったのなら成功でしょうが。私が映倫関係者なら絶対「R指定」にする映画です。 0点(2002-04-15 13:38:57) |
78. ミリオンダラー・ホテル
ヴェンダースのファンとしては、この映画のヴェンダース的映像とU2の音楽にやはりやられる。コメントを聞かれれば「私は好き」と答えるが、他人に薦める気には慣れない映画。 7点(2002-03-26 16:34:28) |