61. アラビアンナイト(1974)
パゾリーニの「デカメロン」「カンタベリー物語」に続く三部作なのだが、さらに幻想さを増し神秘的抽象的に生(性)を表現していく。ポスターは非常に挑発的的だが、あのシーンはほんの一瞬のできごと。千一夜物語の王子や悪魔など様々な人物が登場するが、シンドバットのように有名なものはまったく出てこない。ストーリーはあるのだが、わかりにくく前2作に較べおもしろくない。 [映画館(字幕)] 4点(2014-01-16 07:59:22) |
62. カンタベリー物語(1972)
フルチン、放尿からおしり丸出し、屁を一発かますなど、下品といえばこの上なし。だがこれが中世の堅苦しい戒律からの解放かと思えば頷けるし、カンタベリー大聖堂への巡礼者のこぼれ話だと思うと愉快。おもしろおかしい話からよくわからずどこが良いのかと思う話までさまざまなので見る人によっても好みは分かれそうだ。ほかしの世界から全露出のDVDは画期的。 [映画館(字幕)] 6点(2014-01-13 09:28:38) |
63. JFK
「ダラスの熱い日」も大変衝撃的だったけど、この映画はそれどころではない。前者は仮説という印象が強かったが、「JFK」では証言証拠に加え綿密な理論に基づいている。それに引き替え、オズワルト単独犯としたウォーレン委員会では調査が行われなかったり、記録が残されてなかったりするなど不十分さが明らかで陰謀説が出てくるのは当然のことだろう。歴代大統領やキング牧師、それにロバート・ケネディまで暗殺されるとなると米国は病んでいると言われても仕方ないだろう。ただ映画の中の裁判では、オズワルド単独犯は証明できても、クレイ・ショーを有罪にできるかというと疑問である。 [DVD(字幕)] 9点(2013-12-31 23:40:22) |
64. 好奇心
場面がめまぐるしく変わるのとジャズのせわしない音楽とで落ち着かない。もっとじっくり雰囲気を大切にしてほしかった。それにどうでもいいようなシーンも多すぎるような・・・。中盤のキャンプでのゲーテの詩は、あのシューベルトの「魔王」なんだな。 [DVD(字幕)] 4点(2013-12-17 20:13:33) |
65. 望郷(1937)
「モロッコ」「カサブランカ」に続いて「望郷」を見たが、こちらはフランス版でジャン・ギャバンの主演。前者の二つよりさらに異国情緒感が強く、入り組んだカスバの街並みは印象的。ペペがどうしてギャビーに惹かれたのか、宝石ではなかろうし、同郷のよしみというのもあったろう。私個人は捨てられたイネスの方がエキゾチックで魅力的だったけど・・・。それにしても主人公の名前を採っただけの原題を「望郷」とよくぞ名付けたものと感心。ところでけん玉というのは世界各地にあったんだなあ。 [DVD(字幕)] 7点(2013-12-17 06:31:02) |
66. 哀しみのトリスターナ
トリスターナの変容ぶりがすごいというか、ドヌーヴの悪女ぶりがすさまじく、終盤のロペが痛ましく辛い。ドヌーヴのスペイン語というのも珍しいと思ったが、合作映画だからなのか。 [DVD(字幕)] 6点(2013-12-05 19:43:07) |
67. わが青春のマリアンヌ
美男美女のベタベタな話は苦手だし、少年探偵団のなかに20代の半ズボン青年が出てくるのも馴染めない。 [DVD(字幕)] 4点(2013-12-02 20:20:39) |
68. 輪舞(1964)
オープンはパリのお洒落な感覚、さぞロマンティックかと思いきや、内容は至って平板。ジェーン・フォンダを始めとする華麗な女優陣を起用しても、これでは1950年の作品に明らかに劣る。それに「巡りめぐる愛」という主題も希薄。 [DVD(字幕)] 5点(2013-12-01 06:11:46) |
69. 輪舞(1950)
AはBに恋し、BはCに恋してCはDに恋をする。そして巡りめぐってAに戻って完結する。あたかもメリーゴーラウンドのように。だから輪舞なのだが、輪舞とは音楽で言うロンド。A-B-A-C-A-・・・と主題が繰り返され進む形式だ。そのAにあたるのが様々な格好で登場する狂言回しであり、繰り返し演奏され歌われるオスカー・シュトラウスの音楽だ。これが実に印象的。その恋のひとつひとつは印象的とか感動的という深みのあるものではないが、娼婦や小間使い、人妻や女優に扮する女優陣がとても美しい。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-30 09:03:40) |
70. 情婦マノン
《ネタバレ》 逆さに担ぎ上げて歩くなんて、そりゃあ誰もが驚くだろう。しかしそこまでする意味がどうもわからないけど・・・。アベ・プレヴォーの原作は若い時読んだが情熱的だった。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-27 09:55:46) |
71. 恋のマノン
アベ・プレヴォーの小説で舞台を現代に置き換えたものの、原作の面影は乏しいし、オペラや舞台、ミュージカルなどの数々の作品に較べ見劣りが否めない。映画だってクルーゾー監督の「情婦マノン」というのもあったし、そもそもドヌーブが男をたぶらかす情婦とは少しばかり無理があるのかも・・・。 [映画館(字幕)] 4点(2013-11-26 14:43:26) |
72. タンゴ(1993)
オープニングから常識を逸脱したブラックコメディの世界。笑って良いのか気が引けるけどおもしろい。「いれば面倒、いないと寂しい。女は死んでも、男に悩みの種を残す」けだし名言。 [DVD(字幕)] 7点(2013-11-25 07:28:31) |
73. Mr.レディMr.マダム
オカマが出てくる映画はどうしても苦手なのだが、道徳党の党首が○○死したあたりから途端におもしろくなる。やっぱりコメディなのだが、さほどドタバタすることなく品よくまとめられている。ところで、情婦や未成年を問題視するのはわかるけど、黒人を問題視するのはお堅いじゃなくて、差別偏見だろう。 [DVD(字幕)] 6点(2013-11-19 06:21:39) |
74. 奇人たちの晩餐会
テンポが良く最高におもしろいコメディ、よくできている。これを舞台で見たら笑い出してしまうと思う。10点満点をあげたいけど、軽々しくバカバカと言ってほしくないので-1点。字幕と吹き替えと繰り返し160分続けて見てしまった。 [DVD(字幕)] 9点(2013-11-16 23:04:07) |
75. 素直な悪女
男を惑わす悪女と言ってしまえばそれまでだが、彼女が孤児院で育った経緯を考えると寂しがりやの女なのかもしれない。色気と奔放さが魅力のBBこその映画ではあるが・・・。 邦題はいまいち、原題の「そして神は…女を創造された」という聖書の一節の方が魅力的。 [DVD(字幕)] 6点(2013-10-26 11:39:31) |
76. アザーズ
何かよくわからない映画だった。ネタバレもたくさん読んだけどそれでもよくわからないというか、納得できるものがない。だからといってつまらない映画だとは思わないが・・・。 [地上波(吹替)] 5点(2013-10-14 21:43:52) |
77. まぼろしの市街戦
何とも言えない不思議なファンタジー、戦争の愚かさを皮肉った反戦映画なのだろうが、どう評価して良いのか迷ってしまう。おもしろいといえばおもしろいのだが・・・。ところで昔は何とも思わなかったが、DVDで見直すと、放送禁止用語なのかずいぶん吹き替え音声がカットされている。 [地上波(吹替)] 7点(2013-10-05 11:44:13) |
78. オードリー・ヘップバーンの モンテカルロへ行こう
他の皆さんと同様「オードリーの~」の名前につられて見た口だが、出番が少ないとは言え一応ちゃんと出演しているし文句は言えないだろう。いやオードリーが例え出ていなかったにせよ、大変楽しい映画だ。多少ドタバタ(すぎるかな)だけど、これくらい許容範囲。ところでジャンルにミュージカルを加えても良いのでは・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2013-09-28 16:14:44) |
79. ジェーン・バーキンのサーカス・ストーリー
大人の愛と言えば聞こえはよいが、魅力的で話題を呼んだジェーン・バーキンもすっかり老け込んでしまった。その分どうしても映画が退屈に思える。皿を割る寸劇などサーカス部分にはおもしろいところもあるのだが・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2013-09-24 06:57:55) |
80. パリジェンヌ
4話からなるオムニバス形式のラブストーリー。「シャレード」を思わせるコメディっぽい第1話から、若きカトリーヌ・ドヌーヴ(シェルブールの雨傘よりも前)のみずみずしさまで、フランスのお洒落な感覚満載、まさにパリジェンヌ、どの話も良いが最初と最後が特に好き。 [DVD(字幕)] 7点(2013-09-22 09:53:09) |