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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2017
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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61.  マルホランド・ドライブ
だいたい、ナオミ・ワッツが二役やってることに気付かない大とんまな私が一度でリンチワールドを解るわけがない。初めて解説サイトを覗いてみた。そして仰天。ぶっとんだとはこのこと。点数評価が一気に5点くらいアップした。各パーツが意味不明に配置されたかのようでいて、実のところ理路整然と織られていたのに驚く。解った瞬間から物語が哀調を帯びて輝きだした。切ないなあ。でも監督、「理解に苦しんだら直感を信じろ」とか手品師みたいなこと言ってないで、ぼやっとした観客のためにもう少しバーを下げてもらえませんか。解説してくれた皆さんありがとう。
[DVD(字幕)] 8点(2011-09-16 14:10:48)
62.  田舎の日曜日
人々の日常が淡々と、穏やかな映像美のなか交錯してゆく。フランスの片田舎のあふれんばかりの陽光と木々の緑。しっとりした邸宅。わんぱくな男の子と金髪縦ロールの女の子。挿入される音楽はなし。時折蜂の羽音がぷん、と耳をつく。うらうらと暖かい陽射しのなかでなんと心地よい音だろう。懐かしくて美しくてみんなの午睡にいっしょに引き込まれそうな心地よい退屈。
[ビデオ(字幕)] 8点(2011-09-01 00:15:33)
63.  パリ、テキサス 《ネタバレ》 
崩壊した家族のかつての幸せの欠片を探すトラヴィス。やり直しのできない不器用な男を巡るこの話が独特の美しさを獲得しているのはハンターとN・キンスキーとライ・クーダーの音楽があればこそ。ハンターが好きだ。子供らしい駄々こねを見せたかと思うと、父親の精神年齢を超える明晰さをさらりと表したり。無駄にドレスアップしたトラヴィスを前に「ラッキーだったのさ」と友だちに何気なく言うシーン。「左だよ、パパ」と明確に促すシーン。泣けて泣けて。そしてナスターシャ・キンスキー。ぐらり、とバランスが崩れると異形の造形にもなりそうな危うい彼女の美貌が、薄暗く妖しい風俗店のミラーの中でとてつもない迫力。息を呑んだ。彼女とハンターが抱擁する場面、二人の金髪がさらさらと溶け合って、こんなにきれいなものは初めて見た、と思った。きっとこの先は大丈夫なんだ。いざとなったら、ハンターにはお父さんもお母さんも二人づついるんだし。
[ビデオ(字幕)] 8点(2011-08-21 01:17:48)
64.  ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
キューバ音楽の素敵なこと。出演人物の平均年齢70歳!というじいさんたちの立ち姿のかっこいいこと。声の艶やかなことったら。街角でゲームに興じる「忘れられた過去のひと」然としたじいちゃんたちがステージ上で鮮やかに音楽を紡ぎだす。素敵だあ。貧しそうではあるのだけど、どことなく情緒のあるキューバの街並みも印象的だった。お天気が良くてのんびりしていて、もしかしてこれは豊かさなのかしら、とふと混乱。
[地上波(字幕)] 8点(2011-08-14 14:54:38)(良:1票)
65.  アイダよ、何処へ? 《ネタバレ》 
この事件の顛末を知っているからこそ、観続けるのがしんどかった。 キャストはプロの俳優さんなのだろうけど、なじみがないうえに芸能人の華やかさというものを一切排した顔ぶれなので市井の一般人にカメラを向けたドキュメントのようにも感じられます。作り物じゃない肌感覚の恐怖がそこにあります。 終始険しい表情で修羅場を行ったり来たりして、家族を助けようと必死の国連職員アイダ。職の分を逸脱しているようにも見える行為だけれど、それは時が下って安全な場所から発する感覚でありましょう。あの時あの場にいたら、わたしもアイダと同じ行動をとっただろう。 人間ていつまでこんなことを続けるんだろう。今現在だって、将来このような映画になるだろう事象が進行形で起こっているなんて。ブチャしかりガザしかり。なんでなんだ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-04-05 23:28:37)
66.  ゴールデンボーイ(1998) 《ネタバレ》 
年老いた元ナチとアメリカ人の高校生男子。実に距離のありそうな二人が奇妙な関係性でえぐい心理戦を展開します。手にいやな汗をかきました。この関係は何だろうね。友情とはとうてい呼べない。でも互いに自分の一部を依存しあっているような。 わたしは初めのうち、小僧が年寄りに命令して従わせるのが不快でなんとなくじいさんサイドに寄って鑑賞していたのですが、衝撃のネコエピソードによって監督に超甘な考えを破壊されました。 元収容所副所長ですもんね、十代の子どもなんぞに手玉に取られるタマではなかった。次々と少年より先んじて手を打って出る老獪なこと。只者じゃないそのオーラ、イアン・マッケランの鬼気迫る演技に震えました。 対するブラッド・レンフロも青臭さと若い反骨心で見事に対抗しています。心の奥に性悪説の根っこを抱えているやばい十代。ラストの‶成長”ぶりの鮮やかなどす黒さったら、心胆を寒からしむるに十分すぎました。 主演二人に目を奪われがちだけど、脇のキャスティングもぴったりで話が締まりました。トッドの両親の見るからに凡庸なこと、生活指導教師のとんちんかんな熱血ぶり。皆すごく良い仕事してます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-26 17:56:00)
67.  水を抱く女 《ネタバレ》 
画の質感がかっちりしているし、ヒロインはキャリアウーマンだし、現実的な男女間のあれこれを描くんだろうなと思いながら観てたら。なんとも不可思議で幻想的な筋運びになるとは意外も意外。 すごく突飛な想像力でこしらえた話かと思いきや、下敷きはヨーロッパではメジャーな「水の妖精ウンディーネ」の物語だったのですね。なるほど、そうと分かると「現代社会に精霊がいたなら」なお話としてキレイにまとまっていると感じました。 水の世界に属するヒロインが、陸の上では土とコンクリートの都市計画の歴史を研究し生活の糧を得ているというのも逆説的で面白い。 わが国なら例えば「雪女」とか「鶴の恩返し」等、誰もが知る昔話を21世紀の東京で焼き直してみるとどんな風になるかなとちょっと想像したりしました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-02-12 23:10:56)(良:1票)
68.  ブラックボックス 音声分析捜査 《ネタバレ》 
よく練られていて上質な火曜サスペンス劇場といった趣き。 観る側が主人公マチューの目線に共感できるように脚本が上手く誘導してくれます。彼が被る「組織の中における個人の理不尽」は大方の社会人が身に沁みて感じているでしょうし、またこの人ちょっとクセが強めで世渡り上手くないんですよね。嫁さんと違って。 なのでわたしとしてもおのずと‶マチュー頑張れ目線”となり、彼と一緒になって疑問を抱いたり、人間関係をこじらせて絶望したりで、「うわーこれどうしよう」の2時間は大変サスペンスフルでありました。 観終わってつくづく思ったことはクルマは一昔前のマニュアル車が安全なんじゃないのかなやっぱり。ということでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-12-09 23:35:26)
69.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 
オリジナルの「エール!」を観た後なので、どうしても比較になってしまうのだけど。いろんな点で米国版の方がデリカシーがあるというか、細やかさが感じられて観易く感じました。 まず仏版ではやや辟易した露骨な性関連の描写がぐっと控えめで、日本人のわたしにはこの位で丁度良かったな。 ろうの人たちにとっての通常である沈黙の世界についても、描写に織り込まれるさりげなさが米国版の方が秀でていて分かりやすい。ルビーと家族が手話でコミュニケートする時の無音、健常者の日常よりも大きい生活音、食卓でイヤホンは禁止だけどスマホの出会い系画面を皆で見るのはアリ、という独特なルールなど、ロッシ家を理解する助けになる描き方が上手いです。 米国版では「耳の聞こえない家族」のことを周囲の皆が知っている、という境遇のルビー。心無い同級生らの意地悪には胸が痛みました。この辺りのリアルさも作品の深みです。 校内発表会より後の展開はオリジナルとほとんど一緒なので驚きや感動は一割減してしまった。仕方ないことだけど。 漁船員組合のその後が気になるな。ロッシ家は乗船してくれる通訳者を見つけられたのかな。
[地上波(字幕)] 7点(2023-10-23 23:37:17)
70.  レッド・サン 《ネタバレ》 
ネームだけで大迫力な面子。重量級の役者を揃えておいて、軽快な活劇に仕上げているのが素晴らしいですね。 三者それぞれがハマった役に収まってるんですよ、これは脚本の当て書きかと思うほどに。ドロンは小ずるい悪党顔だし、ブロンソンのやんちゃぶりに我らが三船の揺るぎ無さ。 外国人の侍観がよく分かる映画でもあります。武骨で己が信条を容易に覆さない。凛として清潔な三船演ずる黒田は外国人のみならず日本人も憧憬を抱くラストサムライでありました。 その黒田にゴーシュ殺害を翻意させるべくちょいちょいブロンソンが仕掛けるのが可笑しい。黒田の気配察知能力の鋭さにブーツ奪還し損ねて「この辺は蚊が多くて寝れやしない」とごまかしたり。剣術の見事さに圧倒され、じゃあ素手で、となっても体術でも容易く引っくり返されるガンマンの図。笑った。こんなに日本人にサービスしてもらえるとは思わなかった。 小競り合いしながら同行してきたリンクと黒田。男の友情がほとばしるラストは胸熱。泣けました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-02 23:36:34)(良:1票)
71.  ファーザー 《ネタバレ》 
恐ろしくて、つらい。認知症を疑似体験させられることで世界の混乱に強い不安を覚えて恐ろしいし、周囲の人間の困惑もリアルで辛い。 ‶認知症の世界にも救いはある”的な優しさは一切無く、ユーモアすら漂わない描き方。厳しすぎて心が沈む。 つらいけれど、でも目を背けることのできない人類皆の課題でありましょう。描き切った監督の胆力に恐れ入りました・・。 アンソニー・ホプキンスが「羊たちの沈黙」以来の鬼気迫る名演で、オスカー受賞も納得です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-02-28 23:45:40)
72.  雨の訪問者 《ネタバレ》 
タフガイ・アメリカンのブロンソンがしっとりフランス映画に出たらなんでか化学反応が起こりました。良いですねえ、ハマりますねえブロンソン。なんでだろう。無駄に上半身の裸体をさらすのはご愛敬だけども。 ブロンソンの男臭さがいかんなく発揮されてて、最近の映画作品ではあまりお目にかかれない硬派な一本でもあります。女の扱いがまあまあ手荒いですよね。尋問の時に限る、だけど。酒攻めだったり椅子回したり、腕力に極力訴えずに圧をかけるブロンソン、漢っぽい。 ただね、ヒロインのマルレーヌ・シュベールがどうしてもミスキャストに見えてノリ切れませんでした。セシルカットでそばかすで細身の彼女はロメールの思春期ものの作品にならフィットしたでしょうが、本作の「心の傷を抱えていて」「現在はモラハラ夫に耐えている」若妻役には風貌も演技も物足りない。 未成熟に感じられる行動からも、ブロンソンと彼女では中学校の先生と生徒くらいの距離が感じられてとてもブロンソンが惚れる造形には見えませんでした。共演していた脇のジル・アイアランドの方がヒロイン向きに感じちゃったな。本妻ですしねしかも。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-01-31 18:54:39)
73.  マップ・トゥ・ザ・スターズ 《ネタバレ》 
クローネンバーグフィルターを通して見たハリウッドはエグくてグロテスクの極みでした・・。 理解に苦しむなんてレベルを超えてエゴと自意識に過剰に振り切れた群像劇。付き合うのがなかなかキツくて、なので凄惨なラストにはむしろちゃんとオチた感がありました。 嫌な子役、嫌なセレブ家族、痛々しいまでに自己承認に追われる女優。ジョンキューザック演じるセラピストの自己中な冷酷ぶりには背筋が冷えるし、病んでるジュリアン・ムーアの”ただれた感じ”には胸が悪くなりました。火傷痕の残るヒロイン、ミア・ワシコウスカを応援したくなるのですが彼女もまた近親愛に囚われてて、不気味でよくわからない人なのでした・・。 「そして誰もいなくなった」的終幕はこんな狂った業界を丸ごと焼き払ってしまいたいという監督の願望なんでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-27 16:38:53)
74.  モード家の一夜 《ネタバレ》 
ロメール監督は女の子の描写も上手いけど、男性の心理を捉えるのも達人級なのですな。ジャン・ルイ・トランティニャン演じる主人公がね、ちょっと複雑で屈託ありまくりで女から見ると興味深いのよ。 ロメール作品の人物は大量の会話を強いられますから(ホント役者は大変だと思うよ)、本作のジャン・ルイも道徳がどうの宗教がああだのとよくしゃべる。よくしゃべるとこ見ると全くの奥手というわけでもないんだろうけど、モードが露骨に誘っても据え膳食わないので女に怒られるという下手打ち。 意中の女の子に声をかけてみて、ちょっと上手くいったものだからモードに対してもなんか急に積極的に出るんですよね。結婚するのはどう?とか言っちゃってこの辺りの、事がうまく進んでいる時の気の大きくなっちゃうメンズの心理状態よ。ロメールさすが。 ラストもまたなんとも皮肉です。最後に知るのは男なのね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-24 23:34:51)
75.  アンダーグラウンド(1995) 《ネタバレ》 
かつて存在した国家ユーゴスラビアの半世紀を、寓話変換の名手クストリッツァが手がけるとこういう風になるのですね。 地下に長年閉じ込められ、古い情報ばかり与えられて目も耳も塞がれている彼らは共産政権下の人民にも見えるし、その社会の中を上手く泳いで生き延びるマルコやナタリアのような人間もいたのでしょう。 ブカブカと流れる民族音楽は牧歌的で、芸達者な役者らは不思議と悲壮感無くむしろ明るめです。 しかしそれも終幕直前まで。最後までナチと闘っていると思い込んでいるクロが身を投じていたのは実は内戦という悲惨さ。様々な悲痛な思いがほとばしる酷い幕切れを迎えてしまいます。ちょっとぎくっとするほどの急転換です。 しかしこれがユーゴという国が辿った現実。ラストの夢のように幸せな「みんな一つになった」浮島は監督のユーゴスラビアへの哀悼以外の何物でもないでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-26 22:34:46)
76.  恍惚(2003) 《ネタバレ》 
*以下ネタバレしてます! E・べアールの露出度高めな娼婦ぶりだとか官能の側面ばかり話題に上った本作ですけど、実のところコレ夫婦の停滞期を迎えた中年女の屈折した心理の深い奥底まで潜り込んでいまして、ある程度の年齢と高めの映画鑑賞眼を要求される難しい作品だと思いました。 娼婦を夫に当てがってその内容を知る。屈折妻と娼婦の仲も妙に馴れ合って不可思議な友情らしき感情すら生まれるのがスリリング。またべアール演じるナタリーのキャラクターが、妙に雇い主のカトリーヌに対して義理堅い?ところも見せるものだから観ている我々もちょっとばかりナタリーに信を置いたりしてしまうのです。 こんなこんがらがった関係を自身で理解して演じるなど、アルダンとべアールクラスの力量のある役者でないと無理でしょう。そう、E・べアールでないとダメなのです。撮影当時38歳だろうと。(そしてちゃんと20代に見える!魔女なのかな) 本音では女として‶上から目線”だったナタリーは、プロのプライドを傷つけられたこともあってカトリーヌに嘘をついていた。終盤、二人の女としての立ち位置が逆転した時のF・アルダンの曰く言い難い表情ときたら。全編通してアルダンはほんとに微細で多彩な表情を見せるので、気持ちを読み解くのにかなりの集中を要しました。 フランス映画ってこと恋愛に関するとステージが高くて、恋愛ドラマの主人公はまず20代の我が国と成熟度が全然違いますね。今作のヒロインらと同年代のわたしはカトリーヌの気持ちは全然わかりません笑。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-06 23:13:43)
77.  最高の花婿 アンコール 《ネタバレ》 
ヴェルヌイユ家の皆さんにまた会えて嬉しい二作目です。 前作から引き続き人種差別問題に加え、さらにLGBTやタリバンテロまで盛り込んでまあ一層賑やかでごった煮の様相なのですが、小綺麗にまとめられているのはフランス流エスプリの力でしょうか。 受け入れる側の偏見がクローズアップされがちな人種差別問題ですけれど、二作目はやや掘り下げてきまして‶異文化の中での生活を選んだ側”の意識の持ち方にも言及しているのが興味深いです。「アジア系ならヌンチャクで、アフリカ系なら山刀か!?」といきなり店員に噛みつく前にもう少し冷静に、という描写が可笑しい。 勝手に「チベット開放運動家」に捏造された婿さんには同情します笑。そしてクセのある神父も健在です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-01 18:25:05)(良:1票)
78.  モンソーのパン屋の娘 《ネタバレ》 
ショートフィルムとは知っていたけど、あ、こんな終わり方?!と少なからずびっくりしました。いや、でもたしかにその後の展開なんて不要ですもんね。この30分間で世の男性の恋愛観をきっちりすっぱり描き切ってるもんね。ほんとロメールって奥底までさらけるなあ。巧くて正直で怖いなあ。 二股性向が強いか弱いかは個人差があるでしょうけど、‶恋の駆け引き”的な状況では誰でもちょっとズルかったりするもんです。男でも女でも。ちょっとこの話の主人公君は自信過剰気味で観ていてイラっとすることもあるけど。でも上手いこと本命の彼女とゴールイン(古い)しちゃうんだもんなー。腹立つなー。 それとさあ、女子を二人使うときロメールってイケてる金髪美女と垢抜けない子を並べるんですよね。作品によってはとても残酷にも感じるんですが、もう初期作品からこのやり方は確立していたんだ・・。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-06-20 17:21:51)
79.  エディット・ピアフ~愛の讃歌~ 《ネタバレ》 
伝記モノのパターンであるところの「出来事の羅列」な感は否めませんが、かなりの見応えがあるのはエディット・ピアフその人の人生が真に波乱万丈だからでしょうか。特に幼少期から下積み時代の物語は貧しく厳しく、当時のフランスの社会背景にも思いを馳せずにいられません。 スターになって以降は物語の勢いも落ちてしまうのが残念ですが、マリオンのピアフっぷりが脚本を補って余りあります。ピアフは幼い時の栄養不良のせいなのでしょうか、線が細くて小柄です。本人が憑依したかのようなマリオンは、‶若い時”から猫背で摺り足気味(特にステージ上で)を一貫して通しています。年を取ってからは(といってもまだ40代!)さらに首が前に落ちて小さくなり、ステージで立っているのも気迫でどうにか、という鬼気迫る感。 歌を通してのみ自己の存在を確認している晩年のピアフは切ないほど哀しい。稀代の歌姫を見事に再現してみせたマリオン・コティヤール、オスカーに値する演技でありました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-25 23:39:44)
80.  美しき結婚 《ネタバレ》 
いやはやロメール作品にはレギュラー出演の「情緒不安定女子」のなかでも本作のサビーヌは真打ちですなあ。 情緒不安定によるヒステリーの度合いも既出のメンツより二割増し。根拠の無い自信がそこに加わって自己中暴走ぶりもロメール他作品をはるかに凌ぐ過激さです。正直引きます。 まあかなりデフォルメされた女子像ではあるのですけど誰でも少ーしずつサビーヌなのはたしか。彼女のイタさを受けて我が身を顧みましょう。 ところでサビーヌには恋愛相談のキーパーソンになる親友クラリスがいまして、この取り合わせ「レネットとミラベル」に良く似ています。片方は都会的に洗練されていて気分も安定、もう一方は垢ぬけなくて若干こじらせ気味気性。 クラリスの着こなし、素敵でした。パーティ衣装より普段使いのスカーフやコートの方がおしゃれ。ロメールの映画はモードや灯りの撮り方がいつでも眼福です。 さて弁護士から「大人のあしらい」でフラれたサビーヌ、立ち直りも早い早い。さっそく次のターゲットを決めたようでこのガッツ、ちょっとアッパレにも感じますね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-07-01 23:39:48)(良:1票)
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