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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2017
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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81.  満月の夜 《ネタバレ》 
自由恋愛先進国のフランスにおいてさえ、でも最低限相手への敬意を忘れてはいけないよ、という教訓めいた一本であります。 ルイーズは美人で社交的、彼氏と同棲してても束縛されるのは嫌い。彼氏のことはもちろん好きだけど、恋ばかりで心が占められる人ではないのでしょう。まあ同棲には向いてないよね。それにちっとも他人の心が分かってないし。友人のオクターヴは下心丸出しじゃないですか。「友だち」と思っているのは彼女の方だけだよ。 「私の友だちは男性ばかりよ」と言っていたように、同性の友人が出てこないのもルイーズの自己中性格が見て取れるように感じます。ところがね困ったことにパスカル・オジェがとても魅力的にこの勝手女子を演じてしまっているんですよね。ぽわん、と憂い顔で細身、子猫を思わせるような声。わたしは女なのでスルーできますが男性ならばこのタイプに弱いのでは、と容易に想像できますなあ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-09 00:23:40)(良:1票)
82.  セールスマン 《ネタバレ》 
イラン映画お家芸の人間ドラマに、欧米映画ばりのサスペンス風味をまぶしたような新しさ。近年はどこの国も演出、カメラとも手練れてきて映画作品に国境無し、みたくなってますね。昔の素朴なイランやインド映画が少し懐かしくもあります。 本作は妻の暴行犯探しというサスペンスを縦軸に、微妙に変わってゆく人間関係を織り交ぜていきます。事件前は申し分のない人格者であり教師だった夫がいら立ちを募らせて周囲との関係をじわーとこじらせてゆく様子がリアル。ついには真犯人に対する暴力が、相手が親ほどの高齢なこともあって妻(観てる側も)はドン引き。自らが被害者だけど夫の下す「制裁」には賛成できない、こうも心が離れてしまってはこの夫婦の行く末にはなはだ不安を感じさせて終幕となりました。洋の東西を問わず、どこでも起こり得るような苦い悲劇でした。 ところで、イランって性に厳格なイスラム国家だと思うのですが現実には「娼婦」が存在するのだなあとそんなことにもびっくりしました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-24 23:28:25)
83.  友だちの恋人 《ネタバレ》 
レアとブランシュ、性格全然似てないけど友だち関係が成立しちゃうことはあるよね。ハッキリしてて恋愛偏差値の高いレアと、容姿に自信が無くて不器用なブランシュ。 現彼に飽きたので「アナタの方が合いそう。付き合っちゃいなさいよ」と堂々譲渡宣言するレアに対し、「エーでもあなたの彼氏だし・・」と尻込み気味のブランシュ。で、結局ファビアンと良い仲になっても「やっぱりレアに悪いし」と気兼ねしてばかりなのですね。その一方でレアはのびのび他の男探し、で挙句ファビとヨリを戻しちゃったりでいやーなんかもう・・。 個人的にはブランシュのうじうじぶりは身につまされるものがありますわ。せっかく全仏オープンのチケットを譲ってもらっても、想う相手に近づくことはできずにそそくさと帰路についてしまう。すごくわかる。かたやレアは堂々として美人で傲慢なまでの自信家ぶりが、眩しくもあります。 リアルな等身大の女の子を描くロメールのタクトは本作でもキレが良くて、ずっとうんうんと頷きながらの鑑賞となりました。男性陣が皆受け身なのがちょっと笑えます。 昔の映画だけどファッションが今回も素敵なロメール映画。黄や青といった原色をさらっと着こなし、合わせるアクセサリーも大ぶりなイヤリングやベルトがとてもおしゃれ。さすがパリジェンヌ、と言いたいとこだけど彼女らはパリ郊外に住んでるんでした。 青とグリーンが交差してベストカップルに落ち着くラストシーンは、互いの勘違いがほどけてゆく爽快さと合わせて目にも鮮やか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-10-19 23:22:58)
84.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 
そうそうたる役者陣の珠玉の馬鹿演技が見られる得難い一本。皆すごいなあ。高い演技力を間抜けの発露に発揮するなんて。ほぼ全員馬鹿なんだもん。 J・マルコヴィッチはプライド高すぎて世間と折り合いつかずアルコールに逃げ、妻と職場からNGを突き付けられるも受け入れられないプライド馬鹿。その妻ティルダ・スウィントンは間男の本性もよう見抜けないくせに尊大なおバカさん。フランシス・マクドーマンドは冴えない人生が整形で逆転すると信じ込んでいる出会い系利用の痛い中年女。G・クルーニーはエロで頭いっぱい(笑)妻を裏切り、でも実は妻に切られていることにも気付かない能天気。そしてブラピの天然で純度の高い阿呆っぷりはこの面子でも真打ち。緊張感のカケラもない顔つきから仕草から、もう真正の馬鹿に見える。 馬鹿が引き起こす事件がバカすぎて深読みCIAは何のことだか全体像が掴めない。面倒くさくなってるお偉いさんのJ・K・シモンズのブルーの瞳が哀しげです。 F・マクドーマンドが勝ち残ったと言えるんでしょうな。しかし彼女の浅薄さもかなりのもんで、ロシア人に「こんな情報いらん」と突き返されたら「私は米国市民よナメないで」だって。その「米国の機密」を売ろうとしたくせに。 お馬鹿がわあわあ騒いで起こる事件は極めて無意味。この味わいを楽しめるかどうかはコーエン兄弟のファンであるかどうかにかかっています。わたしは好きです。 無意味に見えて本質はCIA批判なのだ・・って、そんなことはないよね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-31 23:44:22)
85.  桜桃の味 《ネタバレ》 
キアロスタミ監督が好んでいた「演者が素人」というのがとても良い目となって出た作品ですね。人生に詰んだ(と自分では思っている)おじさんの一日を描いているのですが、役者オーラの無い人たちばかりで展開される訥々とした話はスペクタクルでなくどんでん返しもなく、ほんとに市井のザ・日常であります。 死ぬのを見届けてくれと言われたら我々は、さあどういう言葉を彼にかけるか。若い兵士は逃げ出すし、神学生はその道のセミプロならではの説得をする。けどやはり人生の大先輩の三人目のじいちゃんが良いですよね。頼みを引き受けたうえで、人生で得てきた気持ちを素朴な言葉に変換して伝えます。「もう月を見なくて良いのかい?桜桃の味を忘れてしまうのかい?」「明日の朝会えても会えなくても友達だ」ただの紙袋を下げた(中にはウズラ)じいちゃんの、同胞としての言葉には静かだけれど耳を貸してしまう力がありました。 そして監督ったら「という、お話。」と突然こっち側に引き戻すのですね。驚いた。あのおじさんがフィクションの中で結局どうしたか、各自が想像する余白がごっそり残りました。私はね、翌朝せっせと穴を埋め戻している彼を確信しています。「死ぬ気」メーターが元々半分くらいだったのが、作中どんどん減ってましたもん。あそこで横たわるには雨だって冷たいしね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-04-12 23:49:43)
86.  11'09''01/セプテンバー11 《ネタバレ》 
それぞれの監督のお国柄も垣間見えて、興味深かったです。心に特に残った作品を記します。 好きなのはフランス。平時には最大級の悩みを物の数に入らないようなレベルに引き下げる大惨事が無音の世界で起こっている。並行して見せられるその画が、暴力の不条理を訴えているようでした。ああ彼は犠牲となってしまい、手紙を読むことはないのだろうなと察したこちらの読みをさらりとかわしたのも印象的でした。 イギリスはなるほどケン・ローチ。”9・11”は南米ではまた違う日を記憶されているのだよ、と米国の姿勢を問う作風は反骨精神派の監督ならではの切り口でした。米国が圧倒的に被害者と語られる9.11も「なぜ」起きたのかそれまでの世界近代史を眺めるとCIAのしてきたことが無関係であるとは言えないでしょう。アメリカ発の報道によるばかりでない、老監督の視線は大事だと思います。 唯一、”9・11”の事件をメインでなくストーリーの背景に置いた驚異の作品はアメリカのショーン・ペン。老境に訪れた人生の真実はタワー崩壊のその日、光と共にもたらされました。米国人として描くのはやや勇気も要ったのでは、と感じましたが最後のコマ3秒間は圧巻でした。 我が日本からは今村監督のシュールな民話調。「まんが日本昔話」みたいなテイストで私は好きですが。市原悦子さんも出てますし。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-03-31 17:24:27)
87.  君の名前で僕を呼んで 《ネタバレ》 
陽光に輝く木々の緑や、石造りの街並みの美しいこと。美形の俳優二名によるラブ・ストーリーは美的センスに関しては非の打ちどころのない小品に仕上がっています。 相手への思慕が止めようもなく溢れ出て、文字通り悶え悩むティモシー・シャラメの繊細な演技は印象的でした。彼はさほど表情筋を使わないのだけど、全身を使って表現を行う役者さんですね。ピアノをふざけた時の大袈裟な腕の振りとか、面倒な来客の際に見せるおどけたステップとか。そしてオリバーを想う時の苦しそうな寝返り。 悲恋の範疇に入るのかもですが、ゲイ・カップルの話にしては、障害の極めて少ないケースでした。かつて見てきた同性愛モノにつきものだった「迫害」がほとんど無いです。なんと両親も公認、さらに驚異的なことに気晴らしにぞんざいに付き合った女友達まで許してくれるとは。ばれたら最後、社会からリンチすら受けかねないとか、家族からの絶望的な目つきとか、そういうヒリついた状況下のゲイストーリーばかり聞いてきたのでこの作品の甘いことにはとても驚きました。もっとも、どんな恋愛パターンでもそうですが周囲からの抵抗値が高い方が、お話が強く激しく輝くような気もしますが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-02-05 17:49:57)(良:1票)
88.  エル ELLE 《ネタバレ》 
ヒロイン選出にあたって、声をかけたハリウッド女優に軒並み断られたんだって。え、イザベル以外の候補がいたの?嘘でしょう?とまず思った。だってこれ、この脚本この主人公、イザベル・ユペール一択じゃないですか。他にハマる女優なんかいないよ。イザベルのために書いたようなホンじゃないか。 イザベル・ユペール、彼女の過去作品はどれもアクの強い役で強烈に印象に残るものばかり。美人だけど屈折しててある時は病んでいたり、または暴力的だったり。今作ってそんなイザベルが演ってきた”まんま”のキャラなので、ミシェルを見てても今さら驚くこともなく、その突飛さや冷たさが「なるほど」と腑に落ちちゃったりしましたよ。レイプ犯を手玉に取るあたりなんざ、おおさすが、とすら思ったり。ミシェル、まあ並みの役者ではとうていこなせないキャラクターです。大量殺人者である父親の側杖を食った形で安寧な人生は学童期に崩壊。社会から偏見と敵意にさらされ続けてきた結果性格はキツイし嫉妬深い。あと意地も悪いしモラルも無い。 面識のない人間からゴミを浴びせられる人生を送ってきた凄絶なキャリアの持ち主であるから、レイプごときでこっぱみじんになるメンタルではないのだ。 そしてここがポイントなんだけどイザベル・ユペールに代表されるフランス女は年をとってもすんごく女度が高いのだ。細身のスーツを着こなし、黒のストッキングにハイヒール。フェロモンが尽きることが無いみたい。想いを寄せる男を覗き見しながら自慰行為。この場面が、どういう現象なのかそこはかとなく文学的な香りなのがスゴイ。うん、たしかにアメリカ女優では無理かも。そして日本人のワタシはほぼ共感度ゼロの話でありました。面白かったけど。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-08-06 21:57:27)(良:1票)
89.  コーラス 《ネタバレ》 
ストーリーはとてもオーソドックスな上、細部に突っ込みたい所が色々あります。ヨーロッパの感性との違いでしょうか、一人の子どもを譜面持ちにさせっ放しとか、凶悪な問題児に特に対応しないんかい、とか校長の横暴ぶりがてんで甘い、とか。紆余曲折もなしに合唱の仕上がりが県優勝レベルに上手い、とか感激してるわりに生徒の手紙を全員分拾わない、とか。モランジュったら人生を変えてくれた恩師の名前を忘れてるって、そりゃないだろうよ、とか。そもそも回想式にする意味あんのか、とか。 ところがですね、こんだけ文句を言いつつも、全編に流れるユルイ空気はなんとなく心地よくさせるのです。ジェラール・ジュニョ演じるマチュー先生、この手のお人よしで善良なキャラクターに私はめっぽう弱くて、彼の苦労が報われてほしいと願わずにいられませんでした。悪ガキらに先生の素朴な愛情が伝わるのを見るのは嬉しいものです。 それに、プロ合唱団による美麗なコーラスは耳を介しての至福そのもの。アマチュアの歌声じゃないじゃん、というプロット上の齟齬についても、まあいいじゃないかという気持ちになります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-21 00:25:13)
90.  マドモアゼル 《ネタバレ》 
自分の情欲や憤懣やらを周囲に撒き散らかしておいてお天道様からも成敗されない妖女のお話。うへえー、となりました。 男を破滅させてしまう女の話とくれば、日本製の人情話なら女側にもそれなりの事情なり、汲んでやりたくもなるいきさつを抱えてそうなものですが、フランス女にはそんなもの無いんだねえ。ただただ悪い。冒頭からいきなり水門開けて村の民家水浸し。理由は特に無し(!)。 顔が仏頂面のJ・モロー。教師として生徒にアカハラする場面などはただのおっかない中年女なのですがイタリア人の林業労働者の男と情交にふける終盤は色欲全開。艶っぽいというレベルを超えてもはや禍々しさすら感じましたね。いやオソロシイ話でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-10 16:02:13)
91.  フライト・ゲーム 《ネタバレ》 
リーアム・ニーソンのアクションて、ほぼ洗練されてなくて武骨で力技なんですね。そこが魅力でもあるんだけど。今作も重たいオジサンのまっすぐな力仕事が狭い機内で大炸裂。力技は脚本にまで及んでまして、忍者まがいの吹き矢殺法をはじめ、爆弾で穴開きドア飛び片エンジン停止のジェット機を着陸させる強引さ。面白かったからいいけど。 無茶といえば航空保安官たるニーソンが「一年間無料!」を叫んで客を黙らせたのには笑ったなあ。いいのかなあ。 サブキャラの乗客らも存在感のある仕事をしているのが本作の強みです。一人一人が印象強い顔立ちの役者を使い、物語を回す仕事をしている。泡吹いて倒れた弁護士のおじさんですらインパクトが強い。副パイロットなんか名前も分からないけどすごくかっこ良いしね。パニックムービーとして高水準の出来なので、ニーソンファンじゃなくても楽しめると思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-12-23 15:08:35)(良:1票)
92.  危険なプロット 《ネタバレ》 
奇妙でねじれてて、こんなにも変な心理劇を魅惑的に見せることができるとはいかにもオゾン監督らしい。 破滅したのは、仕掛けた方。フィクションをより高いレベルで構築したいばかりに、深入りしすぎて現実の方を壊してしまった。クロードの文章によって展開するその世界が実話なのか創作なのか、観てるこちら側も若干混乱するのですが、その辺は「解釈はお好きなように」と監督に預けられた気分です。 はっきりしない、もやーとしたストレス。画面のこちら側は立ち去れば良いけど、国語教師は破綻してしまった。黒い羊に関わったばかりに。 黒い羊のエルンスト・ウンハウワー、見事に悪魔的な妖しい美少年でした。芝居が並でも、雰囲気でカバーできるとはこの年でなかなかの逸材です。 だけど絡む相手が必ずおばさんなので、ちょっとほんまかいな、という気持ちにもなっちゃった。クロード、マジなのか君。イケんのか。フランス人の愛欲って奥が深いなあ。そういえばかの国の現役大統領夫妻も母子ほどのカップルでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-09-24 15:16:55)
93.  96時間 リベンジ 《ネタバレ》 
1作目より世間の評価は低いみたいですけど、私はこちらも同じくらい楽しめました。攫われるのが娘じゃなくてオカンだと皆さん血のたぎり具合が違ってくるということ? 相変わらず娘大好きのブライアン、黙ってりゃ渋い佇まいなのに彼氏の家にまで押しかけるとはいよいよクレイジー。やっぱり身辺調査ソッコーでやってるし笑。娘のサプライズ登場には相好を崩す様子もまあ微笑ましく、こういう親バカぶりをきちんと前作から踏襲しているのも好感度が高いです。 元CIA親父の指示によって動くキム、意外と足手まといにならず、親父と二人三脚でイスタンブールの街を(破壊しつつ)駆け巡る前半のヤマ場は見ごたえありです。 目隠し状態で”音”のみ手がかりに現在地を絞り込んだり、電話で娘に出す指示が驚異的に的確だったり、ブライアン・ミルズの今回も「やる時はやる」頼れるオヤジっぷりには惚れ惚れします。
[DVD(字幕)] 7点(2018-06-26 00:14:56)(良:1票)
94.  96時間 《ネタバレ》 
決して筋肉アクション派ではないリーアム・ニーソンがオヤジ・アクションものでスマッシュヒットを放つとはねえ。 まずブライアン・ミルズのキャラクターを度を越えた親バカに設定したのが効きました。世の親は多かれ少なかれ我が子に対して親バカですから、彼が娘を救うために何をしようと客の承認は得たも同然。なのでブライアンがもう虐殺レベルな暴れっぷりを披露しても眉根を寄せる客はいない。敵に電気ショックをかまそうが、元同僚のヨメを撃とうが、「まあ仕方あるまい」と思わせちゃうのがミルズ親父の人徳か。人身売買組織に情けをかける必要も全然ないし、と思わせる脚本も念が入っている。 電話越しに聞かされる娘の大ピンチ、足元だけ映す暴漢らの気配。この場面のスリリングな怖さはベッソンの十八番。導入からラストのカタルシスへと一気に見せます。ノッてるベッソンはこれくらいできるのですな。
[DVD(字幕)] 7点(2018-06-24 23:29:37)(良:1票)
95.  ぼくの伯父さん
洒脱で軽快さがいかにもフランスぽいコメディ。チャップリンとの大きな違いは、全編に彩られたオシャレな空気。パリの下町の建物の美しさ、色彩の綺麗なこと。目を楽しませてくれることにかけては、世界一の喜劇王の一連の作品よりも上手です。ヘンテコなモダニズムの極みみたいな社長の家すらアート感炸裂。笑わそうという目的が美術と一致するとは凄い。 ふわふわと他愛のない、いわば新聞の4コマ漫画が次々と展開されている感覚です。”超短編”の連続なので、3割ほど内容カットしても良かったかも。飽きなくて。 親子一緒にイタズラをしかけた体になるラスト、あそこは本当に良かった。伯父さんの置き土産ですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-28 17:02:30)
96.  マラヴィータ 《ネタバレ》 
スタッフが楽しんで作っているなあ、と伝わる雰囲気の良い(?)クライム・ファミリー話です。無茶なことを、はっちゃけてやる。いや、面白かったです。デ・ニーロとトミー・リーにこんな役はまあバイトみたいなもんでしょう。余裕のあること、楽しそう。だいたいロバート・デ・ニーロをゲストに呼んで上映するのが“グッド・フェローズ”ですからね。この冗談センスを受け入れられれば楽しめること間違いなし。 おとーさんの過激な倍返し妄想は「わかるわかる」と膝を打ちましたし、凶暴純情長女も知能派謀略家の弟も、若々しいM・ファイファーも、この家族みんな好き。ただ何故犬の名前がタイトルなの?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-06 00:09:53)(良:1票)
97.  偉大なるマルグリット 《ネタバレ》 
仕掛けはコメディのようだけど、実のところこれは哀しい女性の人生の物語。良家の育ちで、やんごとなくオバサンになったマルグリットである。おっとりと品があって、”意地悪成分”が無い。お金に不自由しないと、たまにこういう人が出来上がるものです。 欠点はといえば自覚の無い音痴だけれど、”人に聞かせたがる”性癖が無ければ社会的に何ら問題はなかったのだ。 私はマルグリットが終始可哀想だった。彼女の周りは愛が無さすぎる。夫は彼女に辟易して浮気、取り巻きは陰で嘲笑、詐欺師は金目当て。残酷なのは、マルグリットが信頼を寄せていた執事が実際は彼女の狂気を肥大化させてきた、ということ。執事の手によって切って落とされる最終幕。妻の破滅をせめても防ごうとした夫の思いは間に合わず、真実に触れて昏倒したマルグリット。私の読みでは彼女はもう戻ってこないと思う。咽喉科の医者の考えるほど、彼女の妄想病疾患は浅く軽いものではないのだ。真実を認めることができぬまま、妄想の世界でコンサート旅行の予定をたてながら余生を送る彼女の姿が見える。 当人は幸せかもしれないが、私はとても悲しい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-01-28 23:43:10)
98.  なまいきシャルロット
80年代のティーンの女の子の鬱屈と混乱と輝きをこれ以上無いくらい鮮やかにスクリーンに焼き付けた、シャルロット・ゲンズブールの出世作ですね。 ああ、13歳女子の不機嫌、不安定なことったら。「暴走するフェラーリ」脳なんだそうだ思春期というのは。彼女の振れ幅はかなり大きい方とは思うんだけど、気持ちはよく分かります。かつて通ってきた道ですから。 もちろんシャルロットだから、この低気圧の塊みたいな年頃が「瑞々しい」と称される作品となったのです。すらっと長い手足、小さい頭、キレイな肌と仏頂面でも可愛い顔。髪はいつもボサボサ気味で、”令嬢”クララのきちんと感と比べると明らかに”一般の”子なんだけど(空腹でプールサイドで倒れちゃったり)、まあその痛さも含めて魅力的なんでありますね。 ご本人はもうベテラン女優になりましたが、13歳をくっきりと保存したこの作品は永遠に、後世の女子らの共感を得て褪せる事は無いでありましょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-11-09 00:05:28)
99.  ミッション:8ミニッツ 《ネタバレ》 
David Bowieの息子という色眼鏡で見られる運命のダンカン・ジョーンズ、見事に”親の七光り”イメージを一蹴してみせました。 理論が複雑になりがちなタイム・パラドックスSFを、短尺にまとめた要領のよさ。「8分間の同じこと」に何度も付き合わされるのだから、もし150分とかあったらたまったもんじゃありません。テンポよくノンストップでクライマックスまで乗せてってくれます。 そんなに仕事の無さそうなキャスト陣の中、一人スター格のJ・ギレンホール。芝居のできる彼が出演してくれたのは作品にとって幸運なことでありました。コルター大尉にはすっかり引き込まれましたもん。 終幕の筋書きは思いもかけないものでした。直前に「笑いながらとは、なんて良い人生の終わり方か」と流した感涙の引っ込みどころが無くなりはしましたが。これはこれで、理屈は分からないながら安堵を感じる素敵な幕切れだったです。 元いたはずの教師の彼はどうなるのかな・・。これ考えちゃいけないんだろうな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-30 00:31:50)
100.  キャロル(2015) 《ネタバレ》 
オスカー女優とカンヌ女優賞、二人の競演はとても見ごたえがありました。そしてなんと番狂わせなことに、ケイトを抑えてルーニー・マーラに軍配が上がりました、ワタシの中では。ケイトが押されている・・?とびっくりしました。 だって、テレーズはもう完全にキャロルに惚れている。彼女を追う時の目線の熱っぽさや、頬が自然と上がるときめき、恋する人間の発する独特の甘い空気。ルーニー・マーラすげえ。 一方、ケイトはルーニーよりハンデがありまして、なにしろ忙しいのです役が。我が子を思う母親であり、愛の冷えた夫とその家族に疲弊する妻でもあり、元カノに弱みをさらす一人の女性でもあって、ケイト・ブランシェットだからこそこんなに沢山のタスクをこなせたとも思うのですが、恋に身を焦がすほどの想いをばんばん放出してきたルーニーの方が印象強かったです、はい。
[映画館(字幕)] 7点(2017-09-15 00:19:51)(良:1票)
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