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1.  レオン(1994) 《ネタバレ》 
脚本、台詞、演技、映像、音楽、すべての要素がぴたりと絡み合って完全な世界を創り上げてしまった、奇跡のような名作。冒頭、レオンの全影を一切映さない殺しのシーンだけで脳が痺れる。ドアを開けてレオンの部屋に入るときのポートマンの必殺の名演。父子愛と兄妹愛と男女愛の境界をさまよう2人の関係の特別性の丁寧な描写。スタンフィールドは最初は単なる悪役かと思っていたが、よく見ると、凄まじく「生き急いでいる」という点で、レオンやマチルダとは実は同種であり、表裏の関係でもある。最初の登場のシーンで廊下に座って足をぶらつかせるマチルダは地に足がついていない少女心理の象徴、ラストでは大地にしっかりと腰を下ろしている。レストランの親父が善人なのか悪人なのかもはっきりと明らかにしていないなど、細かいところでも観衆の想像力を大切にする配慮も見事。
[DVD(字幕)] 10点(2003-05-25 19:25:20)(良:1票)
2.  キャロル(2015) 《ネタバレ》 
こういう奥行きが深い役をケイト・ブランシェットに与えて、出番を存分に与えていれば、あとは当然のようにクオリティが上がっていくわけで、見る側としてはどっぷり浸りながらその演技を堪能していればよいわけなのです。しかししかし、さらにびっくりしたのが、ルーニー・マーラの存在感と表現力で、ブランシェットが次々に投げ込む剛速球や超変化球を、平然と全部ボレーで打ち返すがごとき高感度ラリーを繰り広げているのです。その上で、最小限の言葉で背景を言い尽くす上品な脚本と、慎み深くも職人芸を感じさせる映像や美術の充実が加わったら、もう言うことはないのです。そして、ここぞという箇所に凝縮されているベッドシーンの美しさも、監督の登場人物に対する深い敬意と愛情を感じさせます。
[映画館(字幕)] 9点(2017-10-24 01:02:24)
3.  シラノ・ド・ベルジュラック(1990) 《ネタバレ》 
仰々しい台詞回しを一気に通してしまうテンションの高さ、1つの場面を限界まで引っ張ることでもたらされる重量感。しかもそれを支える、美術、衣装、エキストラ、流れるカメラ。ドパルデューの芝居と周辺の技術陣がノーガードのバトルをしているような、壮絶な映像世界です。戦場のシーンは少し緩慢な気がしないでもないが、シラノの「さらば・・・ロクサーヌ」の一言がさらにドラマに激流をもたらし、そこから一気に飛ぶ14年後のシークエンスの説得力は異様。俳優陣の一言一言のやりとりに、言いようのない切迫感と終焉感があります。
[DVD(字幕)] 9点(2012-06-04 02:29:09)(良:1票)
4.  エレニの旅 《ネタバレ》 
延々と続く長回し、その中で存分に存在を示す隅々まで徹底された美術関係が、この映像としての破壊的な重量感をもたらしていることはもちろんである。それに加えて、どこをとっても乱れのないエキストラの動きが凄い。数でいえばこれを上回っている作品はあるだろうが、すべてのエキストラをフレーム内でこれほど完全にコントロール下に置いた作品は、ほかに例を知らない。それらすべてが相まって、完結した映像別世界を提示してくれる作品。いろいろな意味で、これどうやって撮ったの?と感嘆してしまうシーンばかり。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2011-01-15 23:25:51)
5.  永遠<とわ>の語らい 《ネタバレ》 
内容的には観光ガイドでしかないはずなのに、なぜか母子2人の凜としたたたずまいに引き込まれていく前半。はてしなく延々と続いていく会話が妙に心地よい後半。それらの積み重ねは、あの強烈極まりないラストで奇跡的に結実する。ラストを知ってから思い返すと、それまでのあの不協和音が漂うような不思議な緊張感が、必然性のある描写であったことが分かる。映像もそこで発される内容も、ずっしりとした重量感のある作品。このインパクトは当分忘れられないと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2010-12-23 00:20:13)
6.  霧の中の風景
長回し、定点カメラ、ロングショットといった手法へのこだわりぶりがまず強力であるが、それにも増して凄いのは、そうやって構築された映像の数々が、見事に的確に内容表現になっていること。よほど構図や背景に自信がないと、こういう撮り方はできません。そしてその結果、あまりにも強烈な重量感と説得力のある画面を、すべての場面において完成させています。そして、それに飲み込まれない存在感を確立している各俳優の演技も特筆すべきです。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2010-08-26 00:50:43)
7.  愛と哀しみのボレロ 《ネタバレ》 
ボレロという一発ネタだけで、第二次大戦を取り巻く各国の家族の描写を網羅してやろうという大風呂敷構想には大いに敬意を表したいのだが、肝心の各登場人物の描写が、どれも細切れで似たような感じなのです。一人二役をどうこういう以前の問題です。しかも、お互いにそれほど絡んでいるわけでもないしね。それでも、ラストのボレロの力強い演舞には、すべてを濁流のように飲み込んで一つの世界にしてしまうほどのパワーがあり、作品を心に残るものにしています。それを考えると、原題をまったく無視したこの英題と邦題は大正解だったんだなあ。●(追記)改めて見てみると、これって、作品自体もボレロみたいな構成で作りたかったということなんですね。似たようなストーリーがちょっとずつ繰り返されて積み重なって、いつしか大河のようにラストになだれ込む。そういう、作中に登場するテーマと構成自体が一致している作品は貴重なので、1点プラス。加えて、随所で炸裂する移動長回し、また丁寧なエキストラ配置も実に気持ち良いので、さらに1点プラス。
[映画館(字幕)] 9点(2009-01-02 01:20:56)(良:1票)
8.  グリーン・カード 《ネタバレ》 
切なさと可笑しさがほどよくブレンドされた好作品ラブコメでした。必要に迫られてとはいえお互いの過去や日常をさらけ出し合い、それに伴って2人の感情が動いていく過程が(構図としては単純とはいえ)見る側を引き込みます。余韻のあるラストもキュートですね。あの後2人がどうなったのかを考えるのも楽しい。また、各場面の表現の焦点を絞ったピーター・ウィアーの的確な演出も強力です。
[DVD(字幕)] 9点(2008-09-21 01:18:58)(良:1票)
9.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
やっぱり一番凄すぎるのは、このタイトルでしょう。別にひまわり畑が出てこなくたって、このストーリーの成立には何ら影響しません。それを、冒頭・中間・エンディングの3か所で登場させ、なおかつタイトルにも使用したというだけで、一瞬にしてすべてを凝縮・象徴させ、また作り手としてのある種の祈りをも封じ込めています。で、もう一つは、最後に主人公たちがきっぱりと自ら結論を出しているところ。それも、その直前まではどうなるか分からなかった(逆に転んでいたかもしれなかった)。そのようなあやふやで不安定な中で、それでも下される人間の「意志」は、何よりも尊いのです。それをきちんと描いてくれているのが嬉しい。
[映画館(字幕)] 9点(2007-12-07 04:38:12)(良:1票)
10.  マーシェンカ
哀愁系・悲恋系ラブロマンスの最高レベルの作品。本題に入るまではややテンポが緩いが、回想シーンのしっとりとした美しさ、クライマックスへ向けて高まる心理、ラストシーンがもたらすとめどない切なさなどは、強烈なインパクトを残してくれる。骨組みはどうということはない話なのだが、じっくりと登場人物の心境を醸成することによって忘れがたいドラマを作ることができるという好例。1日も早いDVD化を望む。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-19 21:43:31)
11.  離愁(1973) 《ネタバレ》 
終盤近くまで、息詰まるような列車内のシーンが続くが、ときおり外でのシークエンスも織り交ぜて、単調にならないように工夫している。で、一番秀逸なのは、病院での妻子との再会を描いていないこと。これによって、アンナが消えたことの「遮断効」を強烈に表すと同時に、主人公にとってより意味が深かったのはどっちだったのかを端的に示すことに成功している。また、ラストも、あれこれくっつけず、一番大事なこと(2人のふれあいと視線)だけをクローズアップして、取調官の本来なら重要な発言もノイズ扱い。だからこそ、列車内のシーンが重みをもって裏返ってきます。
[映画館(字幕)] 8点(2018-01-29 03:10:09)
12.  灼熱の魂 《ネタバレ》 
しんしんと積もった雪がいつしか強固な雪塊となるかのように、一つ一つのシーンが積み重なり、圧倒的なパワーをもって必然的なラストへと流れ込んでいく。とてつもない憎しみと、とてつもない愛情とは、同時に併存しうるという、現在と未来へと向けたメッセージ。そもそも、子供が一人でもストーリーの維持は可能であるのに、なぜあえて双子という設定にしたのか、終わってみるとよく分かる仕掛けになっている。
[映画館(字幕)] 8点(2015-06-10 19:44:04)
13.  セントラル・ステーション 《ネタバレ》 
うざい程の大群衆をしつこいくらい延々と撮り続ける前半、バスやトラックで大平原の一本道をひたすら走り続ける中盤、広大な住宅街の一角に落ち着く終盤。その視覚面への繊細な配慮が、ドラマの順を追った構築を際立たせている。最初にドーラのダメっぷりを存分に描いているのも終盤に生きてくるし、手紙以外にもハンカチや口紅やワンピースなど、小道具の使い方も味がある。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-18 23:54:52)(良:1票)
14.  レスラー 《ネタバレ》 
この作品で主演がミッキー・ロークってだけで、もう見えてくるものがあるじゃないですか。いうまでもなくこの主人公は彼の人生そのまんまです。もっとも、こっちの主人公の方は、わずかに見えてきた新たな光もあっさり失い、負け犬人生のすべてを抱えてリングに戻っていきます。それをどこか暖かい眼差しで見つめている制作者の作り方も良い(一番の感動ポイントは、バトル中にこっそり主人公に声をかけるアヤットラー)。それに対抗すべく自らの肉体をさらけ出して見せたマリサ・トメイも立派。唯一の難点は、エヴァン・レイチェル・ウッドとロークの演技があまり合っていないこと。
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-21 22:01:42)
15.  ブロークン・フラワーズ 《ネタバレ》 
この(物語的に)楽しそうな設定と主演がビル・マーレイ、これだけでもうOKです。どんな筋書でどんな結論でも、つまらなくなるわけがありません。しかも、最初の1人は案外いい感触だったのが、進むにつれて冷たさ度が増しているのが笑えます。ラストは一瞬あっけにとられましたが、よく噛みしめてみると、いろんなことを後から考えさせるなかなか洒落た締め方ですね。ちょっと残念だったのは、ジュリー・デルピーとジェシカ・ラングの顔つきが、なぜかいつもと全然違っていたこと。
[映画館(字幕)] 8点(2006-12-10 03:20:02)
16.  個人教授 《ネタバレ》 
「ある愛の詩」と並ぶ、ラブロマンス映画の1つの基本型。再見して、2人が恋に落ちるまでのところでも、意外と丁寧にプロセスをたどっているのに気づいた(逆に、その後がえらく早いのですが)。ナタリー・ドロンは、美人すぎないところがいい。いかにも身の周りのどこかにいそうな、そこそこの生活感を漂わせている。男の子の方は演技下手だと前は思っていたが、よく見たら途中からは結構いい顔してるじゃん。全体的にあっさり風味で、男の子のぎらぎらする熱情とか、女性側の戸惑いや迷いとかをもう少し見たかった気はするけど。
[DVD(字幕)] 8点(2006-10-30 03:00:34)
17.  髪結いの亭主 《ネタバレ》 
これぞおフランスの本領発揮ともいうべき妄想万歳描写と官能性。少年期の妄想をそのまんま大人になって実行してしまいましたという設定だけで勝利。また、ウェディング・ドレス姿で客の髭を剃るというシュールすぎるカットなど、演出のフォーカスが明確に絞られているのが、作品に引き締め感を与えています。
[映画館(字幕)] 8点(2005-12-25 01:38:30)
18.  シンプル・プラン
何といっても、パクストン=ソーントン=フォンダという的確すぎるキャスティングが強烈。普通、こんなにヘタレた主人公は見ていて腹が立つものだが、パクストンの場合はそれがあまりにもはまりすぎてて逆に笑ってしまう。ツイスターでもマイティ・ジョーでもトゥルーライズでも、彼のヘタレ演技はどこかコミカルな味が出ていたものだが、本作に関しては、正面から、真剣に、堂々とヘタレ役を演じきっているのが凄い。彼のキャリアの中でも最高作ではないでしょうか。ソーントンも、馬鹿なようでいて妙なところで頭が回り、考えてないようで考えていてやっぱり考えてないという難易度S級の役柄を完璧に表現している。フォンダの「大人しいふりして実は最も腹黒」の演技はいわずもがな。脚本にも一切の無駄なし、というかむしろ原作より優れているかも。俳優の表情と背景を適切に撮り分けたカメラもいい感じです。
[DVD(字幕)] 8点(2003-04-05 15:45:10)(良:1票)
19.  夜明けの祈り 《ネタバレ》 
終戦直後のポーランドにおいて、戦時中にソ連兵に暴行されて身ごもった修道女たちの支えとなったフランス人医師の話です。導入部分だけですでに重苦しくなってくるのですが、作品は決してそれに溺れません。情緒にも流れませんし、わざとらしい事件も起こりません。ただ地道に、とにかく修道女をなんとか助けようとする主人公の姿を追い続けます(修道院内の暗めの絶妙な照明が、それを支えています)。医学的に立ち向かえば何とかなるかと思いきや、部外者を拒む修道院の体制自体も一つの障壁だったりしますが、それも一つ一つの努力でクリアされます。その中で、最初は多勢に埋もれていたシスター・マリアが段々と立ち上がっていき目立つようになるのですが、このあたりの描写のバランス感覚も優れています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-06-19 20:35:33)
20.  ハンナ・アーレント 《ネタバレ》 
凶悪な事件が起こったとき、人は、その犯罪者が常人には理解不能なモンスターであることを願う。もしそれが平凡などこにでもいる小市民であったならば、自分とも地続きであることになり、明日は我が身かもしれないという見たくない闇に直面せざるをえないからだ。その真理を明らかにしただけでも、アーレントの研究は、そしてこの作品は、貴重な意義がある。●終盤近くまで、アーレントは、じっと法廷を観察しているか、あるいは周囲の人たちと身近なやりとりをしているかである。わざとらしい事件は起こらない(理不尽な脅迫等はあるが、その描写も割とすっと流される)。しかしその中で主人公のスタンスは常に一貫しており、いつの間にかじわじわと意志の強さがにじみ出て、クライマックスの講演で一気に凝縮される仕掛け。見事な押し引きの呼吸、そして演出です。
[DVD(字幕)] 7点(2023-05-10 00:50:03)(良:1票)
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