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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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21.  愛のめぐりあい 《ネタバレ》 
4編のラブストーリーから成るオムニバス。 なんだか芸術的で哲学的な映像とストーリー。 さまざまな男女の愛の形が描かれるのだが、中にはよくわからないものも。 恋の始まりやアプローチが唐突であったり動物的なほどアグレッシブだったり、これが西欧文化との違いなのか、情緒的にもついていけない。 『ありえない恋の物語』など、その言葉通りにありえなくて理解できない。 巨匠アントニオーニ監督の紡ぐ哲学的なセリフに煙に巻かれた印象。 一話『ありえない恋の物語』でイネス・サストル、二話『女と犯罪』でソフィー・マルソー、三話『私を探さないで』でキアラ・カゼッリがそれぞれ美しいヌードを披露。 四話『死んだ瞬間』イレーヌ・ジャコブも気品のある美しさで、各話それぞれ女優の美が印象的。
[DVD(字幕)] 3点(2015-02-08 23:54:09)
22.  愛と宿命の泉 PART II/泉のマノン 《ネタバレ》 
ベアールが泉での水浴びで美しいヌードを披露。 もちろんベアール目当てで見たのだが、そんなよこしまな気持ちはストーリーに引き込まれてどうでもよくなってくる。 実はⅠにはベアールが出ないのでⅠを見ずにこのⅡから見始めたが、途中でこれは絶対にⅠを見てからのほうがいい映画だと察知して中断。 日を改めて、Ⅰを先に見ることに。 そうしたらⅠが期待通りの作品で、すぐにⅡを見ずにはいられなくなる。 ⅠとⅡは言ってみれば前編・後編のようなもので、前編を見なければ後編は成立しないのと同じ。 一つの映画としてセットで見るべき。  因果応報、自業自得を絵に描いたような物語。 Ⅰではウラゴンとパペの悪事は暴かれることなく、悪人が得をするラストだったが、Ⅱで全部ツケを払わされた感じ。 西洋のおとぎ話のような古典的な味わいもあり、リアリティはないけれど、物語としてよくできていて釘付けにされる。 悲劇ということなら、ストーリーは全然違うがロミオとジュリエット並。 そういえば、こちらも分岐点は行き違いで届かなかった手紙だった。 手紙が届いてさえいれば、ハッピーエンドになったのに。 盲目の老女から真実を知ったパペが、生きる気力を失くして翌朝ベッドで冷たくなっているというのは、自殺でもないのに通常ありえない死に方。 でも、それも納得してしまうくらい失ったものが大きすぎて、それも全部自分自身の招いたこととなれば、生命エネルギーがゼロになるのかも。 マノンの復讐は当然で、ざまあみろというカタルシスもあるが、同時に運命の苛酷さと哀しみも感じる。  あまり知られていないようだが、隠れた名作と言ってもいいレベル。 思いがけない秀作だったので得した気分。 キャストもばっちりハマって素晴らしい。
[DVD(字幕)] 9点(2015-02-04 22:54:09)
23.  愛と宿命の泉 PART I /フロレット家のジャン 《ネタバレ》 
「せむし」なんて言葉は子供の頃の童話にあったくらいで、久々に聞いた。元公務員のジャンが畑違いの農業に手を出し、思わぬ水不足に悪戦苦闘。ただ、ウゴランと伯父のパペが下心から泉を隠さなければ、何の問題もなかった。ジャンが事故死することもなかったとなれば、二人の罪は重い。親切そうなふりをして、泉の湧く土地を安く手に入れようと悪だくみしている姿は外見通りに醜い。その心の醜さにジャンはまったく気づいていなかったが、直感的に嗅ぎとっていた少女の目が印象的。  都会から田舎にやってきたジャンは、うさぎを飼ったりカボチャの種を植えたり井戸を掘ったり、一人で夢を叶えようと奮戦するところは何だか「北の国から」の五郎さんを彷彿させる。ところが、身体的なハンデに加えて呆れるほどの運の悪さがじれったい。 そんな夫を支える健気な妻に、天使のような少女となれば、自然とこの一家に肩入れしてしまう。それだけに、欲にまみれた二人が望み通りにジャンの土地を手に入れるさまは、ムカっ腹が立ってしかたない。 ラストで薄汚れた大人の真の姿を知った少女の救いようのない悲嘆にどっぷり感情移入してしまう。  PARTⅠだけでも一応成立はしているが、伏線がすべて回収されるのはPARTⅡ。ⅠとⅡがセットになった作りなので、続きを見ずにはいられない。
[DVD(字幕)] 9点(2015-02-02 21:57:19)
24.  ぼくは怖くない 《ネタバレ》 
ストーリーはシンプルで、特に珍しくはない子供の誘拐もの。 でも、子役の演技や演出がいいので一味違ってくる。 最初は普通の両親かと思えば、誘拐犯だったという子供目線の意外な展開はおもしろい。 金のために子供を誘拐して最後は殺そうとしたのだから、人としては最低のクズ。 そんな汚れきって身勝手な親とまだ純真な子供にも親子の愛情があり、そのやりとりが何ともいえない哀感を醸し出す。 子供に見せられない親の姿というのは、どんな事情があろうとも情けない。  兄には見えない犬の見える妹、仲間内での意地悪や裏切り、そのフォローや仲直りなど、子供たちの世界が生き生きと描かれ、どんよりと重たいオーラの大人たちと対比的。 肥溜めのような大人の世界に、二人の少年の友情が救いとなって、悲劇ではあるものの後味はそれほど悪くない。
[DVD(吹替)] 6点(2015-01-28 23:59:05)
25.  スチューデント 《ネタバレ》 
バツ1ミュージシャンと教員資格取得を目指す女子学生とのラブストーリー。 ストーリーはなんてことないので、ソフィー・マルソーの魅力に頼りきった映画。 『ラ・ブーム』と同じスタッフ。ところが、肝心のソフィーが…。 あれれ?思ってたのと違う…。 ソフィーをいつの間にか頭の中で偶像化しすぎてしまっていたのか、そこまで魅力的には見えなかった。 昔の初恋の相手には会わないほうが…ってのと同じか。 せっかくのヘアヌードも幻にしておいたほうがよかったかもと思うほど、インパクトが薄い。 『ブレイブハート』では年を重ねて磨かれたような気高い美しさが出ていたけれど、ここでは何だか中途半端。  破局寸前だった二人だが、ヴァランティーヌがモリエールの『人間嫌い』をテーマにした口述試験の回答に重ねて、ジャンセンへ心情吐露したことで大逆転。 引用された『人間嫌い』のセリメーヌの言葉――「私をあるがままに愛して。私も今のあなたを受け入れる」 主演の二人がやたら欠点の目に付く役だったのも、ここでようやく理解できた。 ミュッセの引用が答えを導いてくれる。 「この世で唯一清く崇高なものは欠点だらけの男女の結びつき」 これを描きたいがための、欠点の目につく人物造型だったわけだ。 ただ、そのヒステリックなキャラに引いてしまって、感情移入しにくくなった嫌いはある。
[DVD(字幕)] 3点(2015-01-13 23:34:52)
26.  夕陽のギャングたち 《ネタバレ》 
山賊のボスとアイルランドの革命家が手を結んでの珍共闘で、かなり異色の西部劇。 銀行強盗を企むただの悪党が、メキシコ革命に巻き込まれていくのがユニーク。 相乗りした馬車でブルジョアジーに冷たい視線を浴びる農夫が、盗賊の頭の本性を現す冒頭はセリジオ・レオーネらしくて痛快。 ただ、その後が期待ほどではなく、レオーネ作品としてはちょっと物足りない。 反発していた二人に芽生える友情は好みの定番パターンだが、ロッド・タイガーとジェームズ・コバーンにはあまり乗れなかった。 コバーンの演じたのが拳銃ではなく爆薬のスペシャリストというのも、西部劇に求めるものとは違っていた。  レオーネ特有の長回しが見られるが、『ウエスタン』くらいの緊張感と渋みがあれば全く気にならないのだけれど、それが冗長に感じられる。 なので、150分超がやっぱり長くて、2時間くらいにまとめればちょうどいい感じ。 モリコーネのションションション~♪の独特のフレーズが妙に頭に残る。
[DVD(吹替)] 5点(2015-01-11 22:33:09)
27.  バラキ 《ネタバレ》 
裏切り者とボスに誤解されて消されそうになったバラキが、マフィアのオルメタ(沈黙の掟)を破ることで復讐し、FBIとの取引で家族や自身の身を守ろうとする。 髭のないブロンソンに慣れてくるにつれて、ストーリーにのめり込んでいく。 組織の幹部が初めてマフィアの実態を証言した実話ベースで、マフィアの実在の人物が実名で描かれているのが興味深い。 バラキとジェノヴェーゼが獄中で死んでからようやく制作にGOサインが出たようだが、完成までにマフィアからの脅迫など紆余曲折があったというのもうなずける。 実話ベースの作品にありがちな淡々とした流れで、珠玉の名作『ゴッドファーザー』に比べるとドラマ性は低いが、ドキュメンタリー的な生々しさはある。 実話ものといっても2時間の映画にまとめる上で割愛されているエピソードも結構あるようだが、マフィアの大まかな実態は掴めるし、マフィアものが好きなら見て損はない。
[DVD(吹替)] 7点(2015-01-06 23:25:56)
28.  鑑定士と顔のない依頼人 《ネタバレ》 
いい年こいた男が親子ほど離れた女の色仕掛けに引っかかったお話。 金しかない初老の男が若い女の接近に、少しも怪しまなかったほうが不思議。 クレアのツンデレぶりは、ツンデレ喫茶のコントかと思うほどあからさまで笑えるくらいだったのに。 秘蔵の女性画コレクションの囲まれてご満悦の童貞オタク気質なので、三次元美女に舞い上がり冷静な判断が出来なかったのか。  ここまで皆がグルになった詐欺だとは思わなかったが、騙されるのは予測がつく。 二人が結ばれる過程に感情移入できず、そんなわけがないと冷めた目で見てると、案の定ホラやっぱりねという展開。 こんな手の込んだ回りくどい芝居をしなくても、もっとシンプルな略奪法はあったと思うが。 黒幕は意外性があったが、絵の才能を認めてもらえなかったというのは裏切りの理由としては弱く、そこに至るまでの説得力がない。 伏線がいたるところに張ってあるものの、不自然で強引なところもあり、スッキリ上手く騙された感にはつながらなかった。  ずっと孤独だった老人にとって、クレアと束の間でも愛し合った時間は、詐欺だとわかっても忘れがたいものだったに違いない。 夢のような日を思い返して警察に訴えることも断念し、一人でレストランのテーブルに着いてクレアを待つラストシーン。 呆れるほどに愚かで切ない男の姿が哀れを誘う。 時系列的には、レストランで再会に希望を託しているところが最後なのか、施設で廃人のようになったのが最後なのか。 レストランで待っていること自体が、廃人となった鑑定士の妄想ということだってありえる。 それによってラストの意味あいも変わってきそう。 あえてどちらにでも取れるように、クレアと愛し合った回想シーン、施設でのシーン、真相発覚後のシーンをわざと時系列を交錯させながら描いているようにも見える。  クレアが鑑定士を初めて自室に入れたとき、かかってきた電話のチーフがビリーなのだろう。 クレアは最終章は明るいエンディングに書き直したいと言っていた。 でも、クレアが改心して本物の愛に目覚めたというオチにするのも、おとぎ話にすぎる。 ハッピーエンドかバッドエンドか、曖昧な形で観客に委ねるラストはモヤモヤが残って趣味じゃない。 鑑定士は不正で美術品を手に入れるような狡猾な人間だけど、女に対して免疫のない老人を騙したというのも、スッキリしない一因でモヤモヤが残る。
[DVD(吹替)] 5点(2015-01-06 23:24:07)(良:2票)
29.  怒りの荒野 《ネタバレ》 
力を持つと人は変わる。 蔑まされてきた掃除夫が銃を手にしてから、力関係と人間関係が一変する。 思い上がりの見えるスコットに忠告するのは、早撃ちを教えた元保安官。 その元保安官とタルビーの狭間で、どちらにも恩のあるスコットは身動きがとれない。 スコットと元保安官のつながりを序盤でしっかり描いていれば、この葛藤がもっと胸に迫ったはずなのに。 それ以外にも、ところどころに中途半端な印象を受ける。 恋愛が絡むのかと思えば相手は性悪女で発展せず、蔑んだ人たちへの復讐かと思えばそういうわけでもなく。 それでもラストのジュリアーノ・ジェンマとリー・ヴァン・クリーフの二枚看板の一騎打ちは、西部劇の醍醐味だ。 結構おもしろかったけれど、いろんな要素がまとまりきれずに盛り上がり切れなかったのが残念。
[DVD(吹替)] 6点(2015-01-04 00:24:52)(良:1票)
30.  愛の神、エロス 《ネタバレ》 
三人の監督によるオムニバス。 ウォン・カーウァイ「若き仕立て屋の恋」は、裸は出てこないのだがエロい。 高級娼婦役のコン・リーが女王様のように若い仕立て屋に性的な手ほどきを。 女の手で翻弄されて、ウブな男はすっかり虜になり、彼の人生を変えてしまう。 パトロンにも捨てられすっかり落ちぶれてしまった女にも忠実に尽くすさまに、思いの一途さを感じる。 男が仕立てている女のドレスを一人まさぐり恍惚となるシーンが印象的。 直接的な性描写はないのだが、エロティシズムあふれる作品。  ソダーバーグ「ペンローズの悩み」は、カラーとモノクロで構成されたコミカルな作品。 毎日エロティックな同じ夢を見る男と、それを診察する精神科医だが、この精神科医がなかなかふざけている。 男を瞑想させて夢の分析をしながら、窓の外をのぞき見したり紙飛行機を飛ばしたり。 モノクロからカラーに変わって、夢の女が男の嫁で、精神科医がカツラの同僚に。 どこまでが夢でどこまでが現実なのか、ごちゃごちゃになってしまうような不思議なテイスト。 エロスとはあまり関係ないようで、オムニバスの中では少し浮いて見える。 ヌードは出てくるが、エロスというテーマに無理やりくっつけた感がある。  ミケランジェロ・アントニオーニ「危険な道筋」は、一番裸が出てきてストレートな性描写が多い。 1本目の「若き仕立て屋の恋」とは好対照で、東洋とイタリアの違いを見るような。 セックスレスに陥ったクリストファーとクロエ夫婦に絡みはないが、夫が出会った若い女リンダとは濃厚なベッドシーンも。 夫とやり直そうとするクロエと、リンダが浜辺で素っ裸で向かい合う、なんだかよくわからないシュールなラスト。  三本の中で一番格調を感じるのは一本目のカーウァイ作品。 三本目がソフトポルノを見るようなのに対し、妄想にいざなう官能小説のようにイメージに訴えるエロス。 ただ、三つまとめてオムニバス全般の印象でいえば、それほどいい出来とは思えず消化不良の感が残る。 オムニバスの傑作というのは難しい。
[DVD(字幕)] 5点(2014-12-29 20:20:10)
31.  今のままでいて 《ネタバレ》 
当時19歳のナスターシャ・キンスキーの男たちを虜にしてしまう美しさが堪能できる。 役柄は父のような男と関係を持つ16歳の女子学生で、スレンダーなヌードも披露。  娘のような若くて美しい女に積極的に迫られ、あっという間に関係を持ってしまう、中年オヤジの願望を実現したような内容。 それが、本当に血のつながった父娘かもしれないと疑惑が明るみになって葛藤が生まれる。 この中年オヤジが情けない。 自分の娘かもしれない若い女と寝てしまうなんて。 近親相姦だったかどうかは藪の中。 母と同じ別れ方をするのも予測がつき、なんてことないストーリー。 ナタキンだから成立する、ナタキンを鑑賞するための映画。  ナタキン以外で何気に印象に残ったのは、ジュリオがフランチェスカの父宅を訪れ、笑い話をしようとして失敗するシーン。 なんとも間の悪い空気感がリアルでムズムズする。
[DVD(字幕)] 5点(2014-12-12 23:35:33)
32.  ミスター・ノーボディ 《ネタバレ》 
いろいろ粗が目に付いて楽しめず。 ライフルで鞍に仕込んだダイナマイトを狙うのはいいが、相手が正面からやってくるのに角度的に鞍を狙えるわけがない。 正体不明のノーボディの意図がよくわからず、伝説をつくるためとボレガードにまとわりつくので、ネタバラシまではストーカーのような変人に見えてしまう。 最後でやっとノーボディの意図がはっきりするが、それまでは何のための戦いかわからなくて盛り上がらない。 時折はさまれる軽いタッチのコメディ要素も、緊張感を削いで合わなかった。 飄々としたテレンス・ヒルはカッコよかったし、モリコーネの音楽は相変わらず素晴らしいので、こういう変化球ではなく本格派の西部劇をレオーネに作ってほしかった。
[DVD(吹替)] 4点(2014-11-28 00:18:27)
33.  ウエスタン 《ネタバレ》 
これぞ西部劇。 165分の長尺なのに、漂う緊張感とサスペンス性で、珍しく長さが気にならなかった。 長いとダレてイライラするのが常なのだが、この作品にはたっぷりした間の演出が合っているということだろう。 三人組が出迎えるブロンソンの登場シーンからもう心を持っていかれる。 「俺の馬は?」「おかしいな。一頭足りないようだ」「いや、二頭余る」 笑っていた三人組が、ブロンソンの返しに顔色を変える。 セリフがいちいちキザだけど、含みがあって唸らされるカッコよさ。 子供も平気で撃ち殺す悪玉ヘンリー・フォンダの存在感が、対決を一層盛り上げてくれる。 フランツが死に際にハーモニカの正体にやっと気づく、ドラマティックで印象的な決着。 一対一のガンファイトは、西部劇の醍醐味だ。  悪玉だか善玉だかわからないシャイアンが、ハーモニカとフランクの戦いに絡んで良い味を出している。 その登場シーンも秀逸で、何者かまったくわからない状態で、酒を飲み干すときに両手の手錠が露になる演出が憎い。 それが直前の外での銃声と合わせて、警備を撃ち殺して逃げてきた囚人とわかる。 そんな男と主人公に芽生える友情が、いかにも漢っぽくて良い。 ジルも従来の西部劇での清純なヒロイン像とは違って、美しくて強かな娼婦上がりの女というのも面白い。 レオーネ監督の演出、セリフが冴え渡って、彼の西部劇の中では一番良かった。
[DVD(吹替)] 10点(2014-11-24 00:39:22)
34.  眼には眼を 《ネタバレ》 
復讐劇の異色作。得体の知れない緊張感で最後まで釘付けにされる。 言葉の通じない中東の村での孤立感と焦燥感。ボルタクの思惑をはかりきれないので不気味さが募っていく。ストレートに憤怒をぶつけるのではなく、時折見せる親切な言動に、妻を失った恨みの深さを覗かせる。道連れ覚悟の激しい憎悪が、簡単には殺さない凄みを感じさせる。自爆覚悟の執念深さで狙われたら、もうどうすることもできない。真綿で首を絞められるようにジワジワと迫ってくる恐怖。  猜疑心に苛まれ、生殺し状態の主人公に、いつしか感情移入していく。岩と砂ばかりの山の中で、喉の渇きと足の疲労がビンビン伝わってくる。いっそのこと殺してくれと懇願するほどの苦しみ。 希望を与えては絶望させる究極の復讐。絶望を見事に描き出すラストの俯瞰が圧巻。 あの山を越えれば町が見える――最後の気力を振り絞って希望にすがりつきながら、絶望のどん底に叩き込まれて行き倒れ、ハゲタカの餌食になっていく姿がはっきりと見えるようだ。  医師が最初に男の妻を診ていてやればと悔やまれるが、それも結果論で、勤務外にどんな患者でも対応するとなると医師の負担が大きすぎる。 ボルタクの方も、逆恨みではあるけれど、恨みをぶつけたくなる気持ちはわかる。でも、共倒れになったら、残される幼い娘はどうなるか考えられなかったのか。憎悪は人を狂わせる。  自爆覚悟で捨て身になった人間に狙われたら逃れようがないんだなという怖さ。 死んだ妻の美しい妹の態度の変化がとてもリアルだった。
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-01 21:50:52)(良:1票)
35.  モニカ・ベルッチ ジュリア
意味不明の内容で、最後まで見るのは修行僧クラスの忍耐が必要。 スプラッタ・ブラックコメディのようだが、全然笑えない。 まったく見る価値のない作品で、ヘアヌードになったモニカ・ベルッチの無駄遣い。
[DVD(字幕)] 0点(2014-09-25 20:53:52)
36.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
精神疾患を装っての徴兵逃れがバレて、極寒のソ連前線へ。 身から出た錆とも思えるが、雪の中でバタバタと倒れていく兵士たちの姿に苛酷な状況が伝わってくる。 生死不明の夫をロシアまで行って懸命に探すジョバンニ。 そこで見たものは、助けてくれたロシア女と家庭を持ったアントニオ。 その衝撃は察するに余りある。 一方、アントニオもジョバンニに他の男との赤ん坊がいると知ったときは同様だろう。 お互いの消えない愛の炎を確認しながらも、もう戻れないと悟る二人が切ない。 シンプルな話ではあるが、飽きずに最後までしっかり見せてくれる。 無数の屍の上に咲いた大輪のひまわりがとても印象的。
[DVD(字幕)] 6点(2014-08-15 23:32:23)
37.  ラストエンペラー
スケールの大きさ、歴史の重みは感じるが、ストーリーに乗っていけない。 溥儀という人物に魅力を感じないせいだろうか。 抑圧するものたちを打ち破る力もなく、不屈の気概も感じない。 人間らしいといえば人間らしいけど、主人公としてスポットを当てるには物足りない。 史実をベースに描かれる、時代に翻弄され利用され続けた姿が、見ていて疲れてくる。 160分が長く感じられた。 歴史の勉強になるものの、それならいっそドキュメンタリーを見たい気はする。 中国なのに英語を使用していることに最初はちょっと違和感あり。
[DVD(字幕)] 5点(2014-07-31 06:45:46)
38.  荒野の用心棒 《ネタバレ》 
黒澤監督の「用心棒」より先に観た。 セルジオ・レオーネとイーストウッドでのリメイクとのことだが、筋は似ているものの雰囲気はかなり違う。 主人公のイーストウッドはあくまでクールでニヒルなイメージ。 三船敏郎の人を喰ったような飄々とした味はない。 ラモンのキャラはオリジナルより存在感があってよかった。 ラスト、ラモンが心臓ばかり狙わないで頭に変えればいいのにバカだなと思ったが、頭のキレる設定だったので少し違和感。 それでも西部劇にそこまでリアリティは求めないので、これはこれで盛り上がりもあって楽しめた。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-13 10:11:30)
39.  続・荒野の用心棒 《ネタバレ》 
西部劇で機関銃は反則だ。 棺桶を引きずって歩くガンマン、両手を潰された上での最後の決戦など、アイデアはユニークで印象に残る。  『荒野の用心棒』の続編かと思えば、まったくの別物。
[DVD(字幕)] 5点(2014-03-31 18:46:48)(良:1票)
40.  海の上のピアニスト 《ネタバレ》 
ヒューマンドラマと思っていたらファンタジーだった。 主人公の生き方や言葉は、寓意に満ちて哲学的でもある。 現代なら引きこもりに分類されそうではあるが。 船を下りずに死んでいくことに共感できるくらいの何かがあればもっと感動できた気がする。 やりようによっては傑作になりそうなアイデアだったのに惜しい。
[ビデオ(吹替)] 5点(2014-03-30 02:18:06)
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