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プロフィール
コメント数 86
性別 男性
自己紹介 日本人なので邦画好き!
淀川先生のように、いつまでも「きれいですね~」「すごいですね~」と映画を楽しみ続けます。
不幸にしてつまらん映画を見た後も、シネマレビュー見ると爆笑ネタになって、HAPPYになります。「いや~、シネマレビューって本当にいいもんですね」あ、コレは水野御大・・・

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21.  ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説
公開当時、劇場で鑑賞。いわゆるオリジナルの「ウルトラQ」ファンではなくて、特撮映画として印象に残ってます。 なにげない風景が、カメラワークや編集によって摩訶不思議な世界に変貌する感覚。 マニアックに言えば、こういう映像テクニックはこの監督のお手の物で、この監督にしてはつまらないという、知ったかぶりなコメントでお終いで、忘れられた作品です。 世の中、光と闇があるから面白いと思うのですが、時代が進むにつれて「闇」が許されない、「闇」の中の想像力を拒否されている世界になったと思います。 今年を境に、良くも悪くも「闇」を描くことはさらに許されない世の中になるでしょう。 この映画の製作当時でも、なにげない風景が不思議に見える撮り方が魅力的に感じました。 チャチイ、という以前にこの不思議なカメラワーク、編集が醸しだす「想像力」は再評価されてもいいと思います。観客に「想像」させる面白さは、今の映画が最も失っていることだと思います。
[映画館(邦画)] 7点(2011-09-24 02:00:40)(良:1票)
22.  華氏119 《ネタバレ》 
ここ数年、この国では以前は決して起こらなかったような現象が起きている。 マイケル・ムーアはトランプによって目覚めさせられたと言っているが、 自分もここ数年の間、某政治家のおかげでこれほど政治に関心を持ったことはない。 最低限の行動として選挙には必ず行くようになった。 民意が反映されていない選挙制度(投票数でトランプは確実に負けていた)というのも驚きだったが、この国はどうだろうかと疑問に思う。  フリントの水道水の問題は痛ましく衝撃的であるが、 間違いなくこの国でも似たような問題が起きている。それは拝金主義と差別に起因するものだ。  ドイツに独裁者が生まれてしまった過程の考察も興味深い。 この映画に登場する歴史学者が語っているように、歴史を知ることの重要性は多くの知識人、文化人が語っている。 自分も歴史の事件の結果、ディティールに意識がいきがちであるが、重要なのはそれが起こった過程から学ぶということである。  不勉強な自分は、アメリカは民主主義が最も進んだ国だとなんとなく誤解していたが、実は民主主義を体現することが理想であって、実際は民主主義が機能していないという話も実に興味深かった。  今の時点でこの国がアメリカより優れていると思えるのは、銃がスーパーなんぞで買えない、持てないということだ。この点だけは本当に幸せだと思う。  この映画の見解に賛同するかは人それぞれでいいと思うが、アメリカで起こっていることは日本でも少なからず起こっているという実感はある。  この映画はこの国に多くの示唆を与えていると思う。
[DVD(字幕)] 8点(2019-04-19 00:56:23)(良:1票)
23.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 
例えば初代の「ゴジラ」、84年の「ゴジラ」、そして「シン・ゴジラ」など、 過去のゴジラが単体で登場する作品では、ゴジラが街に散歩に来たら人間から理不尽に攻撃され、 怒って反撃するという流れであったことが多いと思います。  ところが今作では、ゴジラが明確に人間に対して敵意むき出しである点は、実は斬新ではないかと思います。 また、人間ドラマがこれだけ濃いゴジラ映画というのも、初であろうと思います。  多くの方が称賛する特撮も素晴らしいですが、今作で印象に残ったのは、音響、音楽。 IMAXで観たのですが、鳴き声、足音などの音響は凄まじかったです。  そしてゴジラファンなら誰もが気にする、あのテーマ曲が使われているか、 まさにドンピシャのタイミングで鳴り響き、ファンにとっては至福のシーンとなっていました。 過去の音源を使用した「シン・ゴジラ」と違って、今回は新録音ですが素晴らしい編曲と演奏です。 非常にマニアックな話ですが、1983年、「SF交響ファンタジー」初演の熱い演奏を多分に意識していると思われます。 熱い音楽で定評のある佐藤直樹ならではの編曲だろうと思います。  以下ネタバレです。  過去の戦争における非常にデリケートな問題ですが、 当時の航空服を着て敵に突っ込んでゆく主人公が勇ましく見えてしまうのは、 少々、自分にとって違和感がありました。  また、ラストシーンは過去の某作品そのまんまであるし、続編を意識した怪物映画の定番であるが、これは蛇足だったと思います。 今回は人間ドラマが濃いだけに、それまで描かれていた人間の努力の尊さがひっくり返されて興ざめです。 素直にハッピーエンドで良かったのではないかと思います。  こういう多少の不満点はあるにしても、 ゴジラ映画史上、かなりの上位に入る出来栄えで、特撮についてはベストと言って良いでしょう。  もはや着ぐるみというのは過去の遺産となってしまい、 等身大の着ぐるみをいかに本物に見せようとするかという面白さがなくなってしまったのは寂しいですが、 昭和の時代からの特撮映画の歴史を鑑みると、日本の特撮もハリウッドに全く劣らず、ここまで来たかという感慨があります。
[映画館(邦画)] 8点(2023-12-20 08:18:47)(良:1票)
24.  月に囚われた男 《ネタバレ》 
予告ではホラー映画かと思っていたが、久しぶりにSFらしいSF映画を見た。 SFの衣を着た戦争映画やホラー映画も悪くないが、この映画は本当の意味でのサイエンス・フィクションだ。 観念的になりすぎず、不可解になりすぎず、一人(二人?)の人間の悲しさ、自問もじっくり描かれ、ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。そのサジ加減が実にバランス良くできてます。 サイエンスとして突っ込みたいのは重力が明らかに1Gであることぐらいか。(1/6の重力のピンポンを観たいという興味もあるが、映画の筋と関係ないので) マニアックに感動したのは特撮。全CGではなく、ミニチュアをCGで補完するという古き良き特撮の使い方が味を出してます。あの車の微妙な揺れやタイヤのたるみ加減が出す重量感、砂塵の立ち方はどんなにCGで計算して作っても出せない味です。サンダーバードを生んだイギリス人ならではのアプローチです。 日本でもこういう映画を作る才能がいるはずなのに、決して日本の映画界では作れない悔しさも感じてしまいました。この映画の黒幕が韓国(北ではなかろう)というのも時代を感じます。経済大国のメタファーとしても今や日本は認められていないのです。 「少し先にはこういうことがありうるんではないか?」自分にとってこれがSFです。 「少し先には宇宙人が侵略してくるんではないか?」というのはSFではありません。 久しぶりに本当のSF映画を楽しめました。    
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-05-10 23:24:34)(良:1票)
25.  じゃりン子チエ 《ネタバレ》 
ガンダム全盛の小学生の頃は全く見向きもせず、30年以上を経て初めて拝見。 演出も作画も、恐ろしいほど優れたテクニックで良い意味で全く子供向けではない。 例えば猫の動きの表現にも、ごまかしがなく、本当に当時のアニメーターのレベルの高さを感じます。 高畑勲監督の特徴だと思うのですが、ストーリー上はもっとテンポがあった方が見やすいと思えるものを、微妙に「間」を入れることで、人間の営みを一歩引いた感じで考えさせてくれます。 例えばテツの行動は、まともな演出ならギャグそのものですが、何を考えどんな人生を生きてきたんだろうかとふと考えさせられます。 この作品が海外で評価が高いのも納得します。人物に感情移入しすぎて日本人ならわかると省略する部分を丁寧に描いているから、海外の人にも理解しやすいのだと思います。 こんなレベルの高い作品でも、ペコちゃんやゴジラが堂々と出てくるのは、おおらかな時代だったと思います。 こういう遊び、今の時代では見られません。 これを今まで見ていなかった自分も恥ずかしいですが、全く今の時代でも古さを感じないので、老若男女見てほしい作品です。 特に遊園地のシーンは素晴らしい情感で、名シーンだと思います。 遊具のひとつひとつを詳細に研究しているのが想像できて、この監督のこだわりの凄まじさを感じます。 これだけの労力を費やしているからこそ、古さを感じないのでしょう。 ようやく見られるであろう次回作が楽しみです。 
[DVD(邦画)] 9点(2013-06-06 01:52:12)(良:1票)
26.  ゲド戦記
原作は未読なので、どこまで忠実なのかはわからないが、全編通して気になったのは、主人公たち以外の世界に暮らしている人たちの存在が希薄であるということ。  街の人々や近所のおばさんたちも出てくるが、後半はほぼゲドとアレン、テルーとテナーの4人だけの関係だけに終止し、敵方も5,6人しか出てこなくて、壮大で美しい舞台の割にすごくスケールが小さく感じた。世界にはこの10人程度しかいないかのような描かれ方である。  何より生気のないアレンに感情移入できず、気が重くなるばかりでした。 そして重要なことですが、どんな重いテーマの作品であれ、アニメはユーモアのあるシーンが必要だと思います。 正直、自分がこれまで見たジブリ作品では、最も厳しい点数です。
[地上波(邦画)] 4点(2021-06-08 16:45:05)(良:1票)
27.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
宮崎監督としては、今までと違う手法の作品であることは間違いないです。 子供を意識していないためか、客が見たいものを見せるより想像させる描写が多く、夢のシーンを除いたらすごく普通の大人向け映画です。 情感あるシーン、盛り上がるであろうシーンも過剰にならず、ひっぱらずに早いテンポで物語は進みます。 言葉でメッセージらしきものを語ることもありません。 主人公の行動を見ていると、監督自身の自伝でもあるような感じがします。 途中で始まり、途中で終わるかのように余韻は感じませんが、すなわちそれが「生きること」でまだ先があるというメッセージのように思います。 2度3度見て味わい深く、子供にはよくわからんけど印象に残るような作品に思います。 宮崎監督が初めて大人の視点で映画を作ったということは、逆に子供向けの映画では主人公の2,3日の行動にベッタリつかないと子供はついていけないという手法の違いを見せてくれたことで勉強になりました。 声優、音響など宮崎監督ならではの試みもありますが、成功しているかは別として自分はこの考えは肯定します。 しかしヒロインの端正な顔はもう飽き飽きです。美人って人の数だけ細い美人やふっくらした美人やタレ目の美人もいるのに、ジブリ作品の美人は同じ役者が衣装を変えているだけのように見えてしまいます。  子供の描写はおそらく世界一なのに、絶世の美女となるとどの作品も同じ顔になってしまうのが、不満ではあります。 しかし単純に泣けたいうことでは語れない密度を持った作品であると思います。  何が起こっても状況を受け止めて行動している主人公の描写、悲惨な震災や戦争に対して不平不満を言わず(そういう描写は省かれている)一歩引いた目で「状況」として捉えて行動している描写自体がメッセージのように思います。 紙ヒコーキのシーンは実に映画的な名シーンだと思います。 
[映画館(邦画)] 8点(2013-07-24 02:21:03)(良:1票)
28.  惑星ソラリス 《ネタバレ》 
久々にブルーレイで鑑賞したが、映像が鮮明なだけに大昔にVHSで観た時より堪能できた。 (ブルーレイの画質、色味に批判的な意見もあるが、それでも美しいと思う) こういう作品は理屈でわからなくてもいいのだと思う。じっくり不思議な時間を体験すればいい。 芸術を楽しむコツは、観ている間はあまり考えずに、じっくり観て聞いて感じることであろうと思う。 この作品は劇映画というより、オペラや能と同じ類だと思う。  首都高のシーンに象徴されていると思うが、科学の発展によって人間の生活テンポは限りなく早くなり無機質になってゆく。 人間は、もともとどうやって暮らしていたか、どういう生活のリズムを持っていたか、 度々回想される主人公の家庭のシーンが表現しているように思う。  なにしろアメリカと宇宙開発、核ミサイルの数で競っていた70年代のソ連である。 体制批判と取られないような表現で、この作品を作ったことは相当すごいことであるように思う。  「恥を知らなければ人類は滅びる」自分はこのセリフが最も印象に残る。 現にこの国でも科学に対する盲信が原発事故を起こしてしまったのだとはっきり思うし、 こういうことを予見していた映画だと今の自分は解釈する。  解釈は人それぞれで良いと思うし、多くのハイテンポな映像ばかりに溺れるのではなく、じっくり「時間」を体験するということは若い人たちにおすすめしたい。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-08-02 00:59:16)(良:1票)
29.  ゴジラ(1984)
公開当時、大々的に宣伝されてたサイボットゴジラが大暴れするものと期待したものです。 しかし、暴れていたのは着ぐるみでした。特撮というもの、カメラワークというもの、照明というもの、映画における音楽というもの、脚本というもの,様々な映画のテクニックを、当時の中学生は真剣に考えさせられました。 オレが観たかったのはこういう映画ではない。しかし、これはこれでアリかなと思いながら,しかし、何が違って何が足りないんだろうと寝ても覚めても考えさせられました。 こういう思考の訓練が,少なくとも今の仕事の役に立っているのかなと思います。 頭のタイトルから、ラストシーンまで、ほぼ全てセリフまで思い出せます。 ぶっちゃけて言えば、不細工だけど憎めない奴という、思い出の映画です。
[映画館(邦画)] 5点(2003-08-01 17:28:00)(良:1票)
30.  マルサの女2 《ネタバレ》 
伊丹作品の中では爽快感はないが、監督の作品の中では、最も社会派映画であると今は思う。 伊丹作品の着眼点の凄さは、一般人の生活に身近でありながら、(特に主婦にとって)決してわからなかった業種の裏側、例えば自動車教習所のビデオで見せられるようなマニュアル映像を高度なテクニックで、映画として成立させていたことです。 「お葬式」「ラーメン店」「税金」「暴力団」「病院」「スーパー」など、伊丹映画によって、とても勉強させられた人は多いと思う。 その中でこの「マルサ2」は結末も後味が悪いので、他の作品のような爽快感を期待した人には嫌な気分にさせられるかもしれないが、だからこそ多くの社会派監督が描いているようなメッセージ性が強い傑作だと今は思う。 劇中の「世界の中で東京が取り残されないためには誰かが汚い仕事をしなきゃいけない」というセリフも、今となっては空々しく思えるのは、少しはマシな日本になったかと思えるし、宗教団体の描写も、完全にその後の事件を予見しています。 この時代に誰もが心に思っていても口に出せない、すごく危ない橋を渡ってこういう映画を作った監督は偉大だと思います。ハリウッドであればこういう映画はあたりまえに作られていて、その方法論を日本でやるのにどれほど苦労していたか、今は少しわかる気がします。  自分はこの監督は自殺したのではなく、たまに報道される企業の社長の自殺や、役人の自殺と同じように考えています。誰もその真実を語れないだけなのだと思います。   
[DVD(邦画)] 7点(2012-06-07 01:09:23)(良:1票)
31.  007/スカイフォール 《ネタバレ》 
毎度毎度、楽しみながら不満もあるし、完璧な名作など出来ようもないのでそのつもりで観ていたが、今回の古風な演出はすごく楽しめました。 超人的で過剰なアクションは冒頭のお約束アクションのみというのは、007に限らず最近では珍しい。 全体的に地味なアクションシーンが続くのですが、この監督、今のアクション映画でありがちなケレン味がなく、1カット1カットしっかりした撮り方をしている所が好感持てました。 つまり今回は、アクション映画というより、スパイが置かれるであろうシチュエーションを大事にしている演出と脚本です。 例えば地下鉄のチェイスでも、絶対人間には無理というアクションではなく、出来るかもしれないと思わせる所で抑えているが、ドラマにサスペンスがきちんとあれば地味でも楽しめるし、予算をかけなくてもちょっとしたアイデアで驚かせたり出来るというシーンが多々あります。 こういう演出は007だからこそ、古いと批判を浴びながらも伝統として守っていって欲しいなと思います。 後半はさすがに長く感じた。いつもなら世界の危機を止めるためにアクションが過剰になる所を、何故個人を守るためのアクションになっていくのかと思ったら、ああいう結末が待っていたわけですね。 2作前のボンドの誕生から一回りして、次回はまた荒唐無稽な方向に行くかもしれませんが、1作ごとにありえない方向に行ったりシリアスに戻ったりするというのもいいのではないかと思います。 あと、軍艦島は見た瞬間に「あ、軍艦島だ」と思ったのですが、日本人としてこういうロケ地が選ばれるのは嬉しいです。 音楽は定番のデビッド・アーノルドが降板してしまいましたが、トーマス・ニューマンの音楽も実に過不足無く007ぽい音楽で良かったです。
[映画館(字幕)] 8点(2012-12-04 22:26:23)(良:1票)
32.  座頭市(1989)
座頭市というと、この映画が初体験でしたので、最も印象が強いです。 大映時代からのファンには違和感あるかもしれませんが、自分にとってはこれが座頭市です。 脇役陣も今考えると、クセのある強烈な人が多く、豪華なキャストだったなあと思いますし、今では勝も含めて何人かは故人になってしまい、惜しい方ばかりです。 役者が監督した映画って、抽象的だったり内面的な表現がわかりにくい例が多く、この映画もそういう演出が感じられますが、役になりきっている勝新は「かっこいい」の一言に尽きます。 ストーリーは大味で「役者が役者を見せるために作る」という明確なポリシーを感じます。役者なら誰もが持っているであろうナルシスト的な演出と、観客が観たい役者像が合致すれば、強烈なインパクトを持った映像になるという好例です。 エンドロールを見てて改めて気づいたのが、カメラマンが長沼六男というのも、今考えればすごいことです。 1カット1カットの構図が素晴らしく、風格を感じます。 激しい印象が強いこの映画、激しいシーンでも実はカメラは必要最低限の動きしかしていません。 撮影技術がどれだけ発達しても、この映画の「絵の風格」のようなものは、時代が進むにつれ失われています。 無駄にカメラが動きまくるコケオドシの映像が氾濫している今だから、この「絵の風格」が逆に新鮮に感じられます。 
[DVD(字幕)] 8点(2012-06-29 23:47:04)(良:1票)
33.  男はつらいよ 寅次郎紅の花
この作品で、満男と泉ちゃんに決着がついて本当に良かったと思います。寅さんの動きを必要最小限に押さえてるような演出(それでも、元気そうに見える渥美清)リリーの登場、震災後の神戸で終わるラストシーン。 最後のつもりではなかったであろうけど、いろいろ象徴的な感じがしました。
9点(2003-09-07 00:43:33)(良:1票)
34.  100,000年後の安全 《ネタバレ》 
たぶん、この施設の現場の人達が平然としていられるのは、100000年ではなく、使命感を持ちながらも生きている間の自分の仕事として、自分の部署としての責任で仕事をしているからだと思います。 自分も全く日々、「自分の仕事」をしているだけの存在にすぎません。 実のところ、原発推進派でも、政治家でも、電力会社の人でも、一個の人間としては善良で家族思いで、人類が滅びれば良いという人はいないと思います。 しかし、日本列島が今の形になって3万年ぐらい、10万年以上も民主主義国家の下で安全に管理できる場所などどこにも無いということは、日本の歴史上でも、政治的な歴史、人類の歴史、地学的にも明白なことです。 原発が出来てたった50年で未来永劫に渡る負債を日本は背負ってしまったのです。 まずは原発をやめること。やめなければ未来は無いこと。やめた上で対処を考えること。 廃棄物が持っている放射能は、家族の一人である前に、誰かの友人恋人である前に、某社の社員である前に、某国の国民である前に、一個の人間である前に、人類の一員である前に、地球の生き物であるという高度な認識を持てるかという問題だと思います。 「生き物の生存」よりも「科学の意義」や「政治家の立場」を優先するのが悲しい人間の性でもあります。 この映画は、人間が考えうるギリギリの対処の仕方を極めて冷静に示してくれます。 まずは「やめること」しかありません。それが人間として極めて冷静な判断だと思います。  「科学」を使うなら錬金術の「もんじゅ」よりも廃棄物を宇宙へ放り出す「軌道エレベータ」のほうが100000年単位で考えればよほど有望です。まずは「やめる」ことです。 やめなければ「生き物」にとって未来はありません。
[DVD(字幕)] 10点(2013-03-08 01:17:13)(良:1票)

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