1. かもめ食堂
働く女子のため息「ああ、どこか遠いところで、全く違う生活がしたい・・・」がそのまま映画になりました、という感じかな。自分もそんな妄想をいつも描いているし、たんたんとした映画は好きなほうだが、なぜかこの映画は楽しめなかった。きちんとしたこの店のように、すべてがキレイすぎるからか。やはりあまりにもリアリティが無いことが、大きく影響しているような気がする。主人公の性格もよくわからず、きちんとしたイイ人ぶりが、なんかうすら怖い。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2007-07-16 13:57:38)(良:4票) |
2. イントゥ・ザ・ワイルド
《ネタバレ》 最後のほうになって、皮肉のように主人公は作家の言葉を見つける。・・・大切なのは愛する者を持ち、家族、そして隣人を愛すること・・・幸せは、誰かと分かち合わないと現実と感じられない・・・(うろ覚えです) ふつうに言えば陳腐な言葉に重みを持たせてくれた監督に、とても感謝する。本当なら親が子供を育てて行く課程で伝えなければならない、重要なことなのかもしれない。その機会を持てなかった彼は、自分でそれを獲得した。ひとりぼっちで死にむかいながら。そして、「冒険」ということばをもう一度新鮮に感じさせてもくれた。自分は冒険しているか、リスクを冒しているか。あまり経験を積まず無謀に大自然にいどんだ愚かさは否めないが、きっちりと「冒険」した彼の行動を、所謂「自分探しの旅」とかたづけてしまうことはできない気がした。ヘラジカが腐敗するシーン以降、死の気配がしのびよってくる感じがひしひしと怖い。ベルトの穴をひとつづつつめていくところとか。ピストルをつきつけられている人を見せられるよりも死を感じるのは私だけだろか。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-09-07 14:08:05)(良:2票) |
3. ドリーマーズ
マシュー役のひとが、ディカプリオのNGに見えてしかたなかった。それはさておき、なんで今こういう青春映画?をベルトルッチは撮りたかったんだろう…??? 熱にうかされたようなカウンターカルチャーと個人的な性愛のシンクロを表現しようとしている気がするのですが、革命の描写がさみしいせいか、そもそもそんな時代背景が必要なのか疑問が残った。とはいえロマンチックに閉じられた部屋の濃密な空気を描くセンスはさすが。 7点(2004-09-02 12:43:29)(笑:1票) (良:1票) |
4. ミリオンダラー・ベイビー
《ネタバレ》 悪いけど、「ミスティック・リバー」からこっち、クリント・イーストウッドはイカれているとしか思えないわ。陰惨なのは結構、バッドエンディングでもOKだけど・・・・ボクシングやら、宗教やら、尊厳死やらなんやらに包んでテーマがさっぱりわからないけど、結局言いたいことは「負け犬」は「負け犬」でしかないってことじゃないの?(ミスティックリバーも然り) なんかアメリカの怖さのようなものを感じてしまう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-03-06 21:02:44)(良:2票) |
5. 悪人
《ネタバレ》 深津絵里が賞をとったためにクローズアップされているようですが、妻夫木君が田舎の金髪のおにいちゃんのなんとも寂しいイタイ感じが出てて、断然良かった。社会の片隅でひっそりと生きているそんな感じが出ていないとこの映画は成り立たない気がする。自分の先入観もあるかもしれないけど、なんか深津絵里はいつも深津絵里にしか見えない。 悪人というタイトルから悪とは何かという映画かと思いましたが、親兄弟とか同じ学校とか関係なく、真に人とつながることにしか救われない・・・それが出会い系であってもセックスがきっかけであっても・・・と感じました。「大切なものが無いからそれが自由だと思って、大切なものがある人を笑う」的な柄本明のセリフ迫真でしたが、悪役がやけにステレオタイプだったからかセリフに頼り過ぎな感じも受けました。全体に無駄の無いカメラワークで良かったのですこし残念でした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-12 12:09:48)(良:2票) |
6. プロヴァンス物語/マルセルの夏
家族というものは日々変化していて、2度と同じ夏はやって来ない・・・というあたりまえの事がせつなく胸にしみる。しかしそれは、大人になって振り返って気づくことなのだ。ほのぼのとしているけれど、子供時代を美化するだけの映画じゃないところが好きです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-03-31 15:56:04)(良:1票) |
7. 永遠の僕たち
《ネタバレ》 世界の中心で愛を叫ばなかったのが良かった。そう、よくある難病で余命○日の女の子と恋に落ちる話なんですが。両親の死を受け入れられないイーノックと、自分に起こる死を自然の一部としてとらえようとするアナベル。そしてヒロシという幽霊が関わることで、一見ファンタジックなようですが、2人だけの個人的な世界に私たち見る側を自然に入りこませてくれます。ヒロシが正装で現れ「長い旅になるから案内するよ」というところですごくほっとしました。見終わってみて、日本語タイトルよりもオープニングのビートルズ「Two of us」そのもののほうがしっくりくる感じがしました。 余命いくばくの話にしてはちょっとやりすぎ?なくらいファッションも素敵です。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-12-13 15:16:14)(良:1票) |
8. 街のあかり
光と影の美しい計算された画面、だけどなんだか昭和の香りさえ漂う、微妙に演歌な感じ。なんでだろう。日本も昭和のころは庶民がちゃんと庶民だったから、そう思うのかもしれない。シャンデリアがあるのが憧れの金持ちの家、みたいな。うだつのあがらない主人公は、女にだまされ、でも淡々と運命を受け入れる。でも、犬を見捨てたり、自分を見捨てたりはしない。何の力もない庶民だから、受け入れなければいけないこともたくさんあるけれど、それと流されることとは違うのだ。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-06 01:13:50)(良:1票) |
9. ホリデイ
いろいろ恋愛はしたけれど結婚のチャンスを逸してしまった、甲斐性のある女が結婚に踏み切るのは、なかなか難しい。これくらい「偶然」を「必然」に変える事件が必要なのである。しかもこの「偶然」の出会いは、かなり都合が良くて、ものぐさというか、楽ちんというか・・・深夜にひょっこりジュード・ロウがやってきてくれるんだから(まあこっちもキャメロン・ディアスですけど)。彼のマイナスポイントがわかっても飛び越えてしまったのは、ホリデイのなせる技。でもそれでいいんです、きっと。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-02-14 21:51:24)(笑:1票) |
10. コッポラの胡蝶の夢
《ネタバレ》 一瞬リンチかっ?と思うような、時間や意識が混沌とした世界・・・「老い」とは?・・を中心に、時間、言語、哲学などさまざまな根本的テーマが絡んで、かなり大風呂敷にひろげられています。SFとかファンタジーとかくくれない感じで、今までにないものを追求し、創りだそうというアーティストとしての姿勢が、さすがコッポラと感じました。わかりにくいところもありますが、不思議が不思議のまま進んでいく感じは、幻想文学のようで嫌いじゃないです。浦島太朗的なラスト・・・しかし偽造パスポートはそこにありました。3つめの薔薇にはどんな意味がこめられているのでしょうか? [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-11-07 19:59:09)(良:1票) |
11. カサノバ(2005)
《ネタバレ》 他の方も言われているように、シェイクスピアの喜劇、といった感じ。あくまでも上品な艶話ですね。(シェイクスピア映画はあまり好きでないのですが。)細かい前ふり・・お母さんが娘に「お父さんは太っていた」と言っていたりするのが後で納得できてけっこう素直に楽しめました。監督のイメージからもの足りなさを感じられる方がいるのもわかりますが・・・こういう“品”は、作るものではなくて、ついつい出てしまうものなので、この監督らしさって意外とこういう所なのかも、という発見がありました。大ヒットにはつながらない美徳なのかもしれませんが。 [DVD(字幕)] 6点(2008-01-18 23:11:32)(良:1票) |
12. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
劇場版はちょっとおセンチすぎ?と思ってましたが「完全版」を見て、評価が上がりました。ラストの試写室のシーンの意味が深くなった気がします。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2003-12-24 18:34:29)(良:1票) |
13. 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
パンクである。ゆえに素晴らしい。兄ちゃんだけが演歌である。 [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 8点(2010-01-03 01:09:20)(良:1票) |
14. ディナーラッシュ
ひとことで言うと、とってもしゃれた映画。なんといってもシェフ役や副シェフ役、評論家の女性など配役のセンスがGOOD!ミュージックビデオ風の映像も嫌味でない。レストラン事情や人間模様、恋愛、ミステリーなどなどが混然一体になって、おいしいひと皿になった作品です。テンポも良いので、あっという間にごちそうさまでした、って感じでした。ラストに用意されたデザートもけっこういけます。 9点(2004-01-07 13:56:10)(良:1票) |
15. めぐりあう時間たち
《ネタバレ》 「同性愛」という爆弾をかかえた3人の女性の物語として見た場合。バージニアの場合、最後には死ぬしかなかった。ローラの場合、逃げ出すことを選んだ。クラリッサは、人工受精という方法で恋人との間に子供をつくることもできた。こうしてみると時代につれてなんと進歩してるんでしょう!でもこの映画はきっと「同性愛」だけを語っているわけではないのですね。リチャードのセリフ「ぼくたちほど幸せな二人はいない」というようなことが、冒頭のバージニアが夫にあてた遺書にもあった気がするんですが、そう死ぬ真際に言い残している相手はどちらも、けしていっしょに幸せになれない「他者」のような人に対して。だから、空虚とも見える夫婦生活を送った夫や、やはりゲイであるリチャードとの関係にこそ、大事な大事なものがあったんじゃないかなと。同性愛者じゃなくても常に追い求める「ここではないどこか」がみんな心のなかには多かれ少なかれあると思う。それを追いかけることは素晴らしいけれど、一生完全には理解しあえなかったり結ばれなかったりする「他者」とのつながりでできてたりするのが人生なのかな、って思ってしまいました。とっても勝手な見方だと思いますが、いろいろなことを考えさせてくれる映画だと思います。ピアノがバックに流れる冒頭何分かの緊張感にすんなりとひきこまれてしまいました。最後に、ニコール・キッドマン、彼女はイカれている役がとってもうまい。あまりに自然でした。「誘う女」と本作がいちばんはまってる気がします。 7点(2004-06-08 22:11:33)(良:1票) |
16. プルートで朝食を
導入の「シュガー・ベイビー・ラブ」で完全につかまれました!好きなラストシーンならず、好きなイントロの映画5本の指に入るでしょう。2匹のコマドリ(?)もいいですね。細かく区切られた構成に徹したことも成功していたと思います。ニール・ジョーダン監督にはIRAものが多く悲しい話になりがちですが、人生にせまりつつもドライな感じで好きです。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-08 15:07:57)(良:1票) |
17. キル・ビル Vol.1(日本版)
ごめんなさい。はっきり言ってむかついた。自分が日本人じゃなければもっと楽しめたかもしれないけれど。タランティーノは良くも悪くも「スタイル」の人だと再確認。日本をアイコンとしておタク的に扱うことがクールだと思ってるのかもしれないが、あまりにチャッチイよ。日本語がここまでお粗末だと女優の演技もまるで学芸会。聞き取りにくいのは英語と日本語の音の違いに録音を対応させていないのかもしれないが。けっきょくそこまで深く考える気は無いのだろうし、これを見たら日本人がどう思うかなんて考えていないということだろう。マニアなのかもしれないが、日本への「愛」はまったく無いのだろうなあ。 2点(2005-01-31 18:08:50)(良:1票) |
18. ビューティフル・マインド
《ネタバレ》 うちのダンナが酔っぱらって別の人?って感じになることがあるんで、この奥さんに激しく感情移入。(一緒にするなって) 数学的思考というのは芸術に近いものだと思うので、タイトルは「美しい思考」というようなイメージに感じたのだけど、違うのかな?(めっちゃ頭のいい私のイトコは、2次曲線とかのグラフを見て美しいって感動したらしい) たぶん偉大な画家とかの奥さんもこれに近い苦労をしている人がいるのでは。そんなテーマもさることながら「シックス・センス」的なびっくりもあり、飽きずに見れてよくできているなあ、と思いました。 8点(2004-02-23 20:37:11)(笑:1票) |
19. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 傑作であり怪作の「ブッチャーボーイ」では殺人にいたる心理を描いたニール・ジョーダン。この作品では、目の前で愛する人を理由もなく無惨に殺された人の心理を監督らしい細やかさとリアリティで描く。自分は目の前で恋人を殺されたことは無く、(たぶん監督も)あくまでも想像でしかないけれど、そんな心理に少しでも近づける、想像できるというのがとてもこの映画の重要なところなのではないのでしょうか。そしてそれは、映画にできる素晴らしいことの大切なひとつだと思います。途中で刑事が「いくら人を憎んでも、ふつうは殺さない。殺したいと思うのと実際に殺すのは大きく違う」ようなことを言っていたような。その大きく違う世界に踏み込んでしまうほど壊れたエリカの心理が伝わってきた気がします。 ラストも良い。刑事があの行動に至る前に現場の動画を見ている、ということが私としてはリアリティあるものに思えました。ただ、どうでもいいですが、そこで気になったこと。犯人の男の彼女から動画が送られて来たけど、アメリカの携帯って電話番号だけで誰にでもデータ送れるんですかね? [DVD(字幕)] 8点(2009-10-29 18:01:33)(良:1票) |
20. ベッカムに恋して
《ネタバレ》 女の子ふたりでサッカースパイクを楽しそうに買いに行くシーンが大好き。「ベッカムに恋して」=「サッカーに恋して」なのだろうと、サッカーに恋してる私は思う。親に隠せる程度の練習でスカウトがくるほど女子サッカーは甘いのか!というつっこみもしたくなりますが、全体にただようハッピー感で許せちゃう、好感のもてる娯楽映画でした。 [映画館(字幕)] 7点(2004-06-28 20:55:41)(良:1票) |