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 > 放浪紳士チャーリー さんのレビュー一覧
放浪紳士チャーリーさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1440
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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1.  バーレスク 《ネタバレ》 
言ってしまえば王道も王道、ミもフタもない直球ストレートな少女マンガ風『芋虫が蝶に変身する』シンデレラサクセスストーリー。スタンリー・トゥッチ氏が似たようなゲイのキャラクターで出てるせいか、雑誌界とショービジネス界の違いってだけで、最近だと『プラダを着た悪魔』に設定も人物配置も、まるで焼き直しみたいに似ています。ヒロインにちょっかいを出す、色魔色男の存在までそっくり。違うのは、この作品のヒロイン、アギレラ嬢は、最初っからヤル気と野心と向上心マンマンでガッツがある点か。序盤あたりで、自分が大好きなナンバー『ダイアモンドは女の子の一番の友達』が流れたせいか、自分は映画の流れに一気に乗せられて最後まで行ってしまいました。いーじゃないすか!多少使い古されて埃を被ったような王道ストーリーでも。途中で展開がやや読めてしまっても。最早人造サイボーグさながらに、ここ20年くらいちっとも変わらないシェール姐御(←「負け犬から復活してみせる!」バラードは圧巻)、実力派シンガーアギレラ嬢、このご両人のド迫力躍動ソング&ダンスを、画面いっぱいに、正にめいっぱい鑑賞出来るんですから。今が正に旬の美しく輝いている女優をスクリーンで観られる事、これも映画を観るひとつの愉しみのはず。体調的にも精神的にも正直イマイチだった今年の最後を、観た後活力が湧き上がってきるような、この映画で締められた事、ホント素直に俺は嬉しかったです。そう、終わりよければすべてよし!!
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-31 17:23:19)(良:7票)
2.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 
私、放浪紳士チャーリー氏の実家(奇しくもこの映画の舞台静岡県)には、幾つか家訓めいたものが存在していました。ガキの頃から、いやっていうほど何度も言い聞かされてきて、もはや耳タコ状態。①他人の保証人には絶対なるな!②知らない人にホイホイ付いていくな!②初対面から馴れ馴れしく接してくる人間はまず疑ってかかれ!③すぐ恫喝してくる人間は弱い人間でろくな奴はいない、相手にするな!etc・・・。さてさて、この作品はウチの家訓を一つだけならまだしも、同時に二つも三つも破ったら、一体どういった羽目に陥るかを、実に具体的に分かり易く映像化してくださった、ある意味懇切丁寧な映画であります。点数が低いのはダメな映画という意味ではなく、ひとえに内容一切白紙状態で観た、私自身が小心者且つ虚弱体質ゆえ、他の同じような体質の方に「警告」したかった為。悪どいくらい押しが強い演出で、全編ひたすら押しまくられるので、心臓がお強い方ならおそらく高評価にされるでしょう。脚本も監督ご自身との事、極限状態の人間の、むき出し生のままの欲望と感情噴出を克明綿密に描きたいなら、もう少し別の切り口で作れなかったのかなあ・・・と。都心唯一の封切館「新宿テアトル」は、立ち見も出るほどの満員御礼大盛況。ところどころで笑い声も起こり、反応も良かったんですが、私はマジでテンパっていて、それどころじゃなかった(笑)「R18」とか「R15」とか、もうどうでも良いから(←良くないだろ)逆に「R小心者」っていう表示を、映倫さんで設定してくれないものでしょうか?最後に父さん、母さん、育ててくれて本当にありがとう。これからも我が家の家訓を極力守りつつ、地道で堅実な人生を僕は歩んでいきます。
[映画館(邦画)] 2点(2011-02-17 11:13:12)(笑:3票) (良:3票)
3.  野菊の墓(1981)
皮肉なモンですね、出演したご本人が自分の過去のフィルモグラフィーから抹消したいであろう映画が作品としての評価は一番高いとは・・・。しかし自分がここで褒め称えたいのはこれが監督デビュー作となった澤井信一郎監督の職人的手腕である。当時の松田聖子の凄まじい人気を考えると、どんないい加減な駄作を作ったとしても一応はヒットしたとは思うが、単なるアイドル映画に貶める事なく映画の文法をきちんと踏まえた正統派の演出は素晴しいと思います。澤井監督の今現在に至るまでのご活躍も、これを見ればうなずけます。もう亡くなってずいぶん経つけど、明治生まれの俺のばあちゃんもこれ見て泣いてました。それ以来松田聖子がテレビに出るたんびに「あの民さんがねえ・・・」とニコニコ笑って応援してましたもん。彼女がその後スキャンダル等に巻き込まれる姿を見る事無くばあちゃんは天寿をまっとうして逝きましたが、それはそれでよかったのかなあ・・・なんて考えてしまいます。(追記)澤井監督の演出術の本が出ましたよね。この作品や「Wの悲劇」等を高く評価してる自分は非常に(立ち読みですが)興味深く拝見させて頂きました。
[地上波(邦画)] 8点(2004-12-04 14:03:46)(良:5票)
4.  盲獣 《ネタバレ》 
小学校の頃全巻制覇した記憶が有る「江戸川乱歩・少年少女明智小五郎シリーズ」には、確か『盲獣』なんて作品収録されてなかったよなあと、無邪気な少年の頃に戻った気分で鑑賞しはじめました。・・・えっ?・・・あれ?おいおい、これって・・・ちょっと・・・ひいいいっ!なんじゃあっ、こりゃあっ!!ガキの時に、もしこんなん読んでた日にゃ、トラウマで今よりもっと屈折した人生歩んでいた事必至ですわ。でもわかるわかる、セックスって刺激がなくなってくると、よりシチェエーションや手を変え品を変え、快楽をとことん追求しようとしてしまう貪欲な生き物なんですよね、人間って。僕は当人同士さえ同意の上ならという条件付きで、ことエロに関してはどんなプレイも有りって考えている人間なんですが。あ、でも痛いのは嫌かも。ラストに至っては、正に昆虫雄雌交尾を思わせる二人の絡み合いに、扇情的な内容ながらも真面目に人間の究極の性愛を捉えようとしている増村監督の意気込みが伝わってきます。切断シーン、もし血しぶきなんか上げさせたら評価落とそうと考えてたんですが、そこは慎ましい処理だったんで気に入りました。いつもの飄々とした二枚目役の時とは顔つきまで変貌させ盲人を演じた船越英二がとにかく凄いっす。エロに王道なし、変態道万歳!!
[DVD(邦画)] 8点(2008-08-22 11:46:16)(良:4票)
5.  鴛鴦歌合戦
念願叶いようやくスクリーン大画面で観る事が出来ました、世評高い「鴛鴦歌合戦」!この作品の愉しさは既に皆さんに言い尽くされているようなので、さらに自分ごときが言葉を重ねる必要もないんですが、「時代劇オペレッタ」という生まれて初めて観るジャンルの映画で楽しかったです。70年近く前のモノクロ映画にもかかわらず、昨日の東京京橋フィルムセンターは上映前老若男女長蛇の列、ほぼ満席の会場で昔の日本映画が大好きな方たちに囲まれ、これ以上ないと思われる環境で映画を観る事が出来たのは幸せでした。当時の暗い世相を考えたら、突然変異的に生まれた娯楽作品には違いないと思います。でも閉塞的な時代だったからこそ、意図したしないにかかわらず、この映画の作者たちの裏の思惑が自分にはなんとなく伝わってきましたね。国家権力への自己犠牲が当たり前と思われていた時期にもかかわらず、ヒロインお春さん(市川春代)の一見ノーテンキ、実は複雑なこのキャラクター設定はどうでしょう?骨董掘り出し物収集家の父(志村喬)の為、五十両のカタに陽気なバカ殿(ディック・ミネ←いちおう権力)の側女に無理やり召されかけるシーンが後半にあります。私はここでてっきり「おとっつぁんのためならしょうがない、私が殿様のお妾に上がるしかないわね・・・」と決意し、父親とのメソメソした愁嘆場が始まるかと思ってました。ところが彼女は終始甘ったれた声で「いやよ、いやよ、絶対や~よ!」とあくまで「拒絶」という自己主張を貫き、最終的な獲物である若きヒーロー千恵蔵氏の腕の中に飛び込んでいくのである。権力に対する個人意思の見事な勝利ではないか!(←そこまで考えてないっつーのw)いやはや私は参りました、この愛嬌たっぷりのお春さんには諸手を上げて降参です。伊達に「チェ♪」と音に出して発音するだけの事はある。ちびまるこちゃんもびっくり。怒涛のごとく大円団へと流れ込む音楽の処理もお見事!二回目を観たらもっと点数上がるかもしれません。
[映画館(邦画)] 8点(2007-01-24 16:31:59)(良:4票)
6.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 
個人的な話で申し訳ありません。忘れもしない、小学五年生の始業式。新しいクラス替えの自己紹介の際、当時からめっちゃ緊張しぃだったせいで思いっきりどもりまくって、何言ってるか自分でもわかんなくなってしまった経験があります。教師からは、「お前、言語障害か?」と、皆の前で心無い言葉を浴びせられ。まだ「言語障害」という単語も知らず、帰宅して国語辞典で調べました。以来、このトラウマで「人前で話す事」が嫌で嫌で「また、俺どもるんじゃないだろうか・・・」って不安といっつも格闘してました。これはそんな暗い思春期を過ごした、自分とオーバーラップするような、気弱なイギリス国王ジョージ六世の物語。予告編を見た時から絶対観たいと思ってた作品。とにかく、コリン・ファースの、役者として円熟期を迎えた演技にまず圧倒されます。王族としての誇り高きプライド、父親としての娘への愛情、唯一弱さを見せられる存在である妻への甘え、兄王への複雑な思い・・・。彼の一挙一動は、この国王のキャラクターをあざとくなくごく自然に、余すところなく表現していましたね。一番肝になるクライマックスの「スピーチ」後の、バルコニーに立つ彼の表情には国王としてのみならず一人の男として、確固たる自信が漲ってました。いやいや、ここは感動した~カッコ良かった~。自分の恋愛映画№1作品『追憶』でも、「ウィンザー卿とシンプソン夫人との結婚」ネタが効果的に使われていましたが、へえぇ~こういう事情だったのかと、改めてイギリス王室近代史のお勉強をさせてもらった気分。脇のジェフリー・ラッシュとヘレナも含め、役者の演技を堪能する映画ではあるんですが、どうも演出が役者の演技水準までに達していないという印象も。各カットごとに、もう一呼吸欲しいと感じた箇所が幾つか。自分も、もともとの左利きを、幼少時無理矢理右利きに変えさせられたクチ。だもんだから、あの頃「どもり」に悩まされたのかあ・・・と。場数を踏み、いつしか「どもり」は克服はしたものの、私の緊張しぃは今現在でも変わりませんが・・・(汗)祝!!アカデミー最優秀主演男優賞受賞、コリン・ファース!
[映画館(字幕)] 8点(2011-02-28 10:56:45)(良:4票)
7.  時をかける少女(1983) 《ネタバレ》 
テレビ版「セーラー服と機関銃」「ねらわれた学園」でコケた 原田知世を万全の体勢で蘇らせた作品。演技が生硬→初々しい、 合成画面がチャチ→当時としては画期的、すべてのマイナス要素 をプラスに変えてしまったアイドル映画としてはかなりのレベル。深町くんのじいちゃんばあちゃんを演じた上原謙、入江たか子の滋味溢れる演技、「ずーっと、二人っきりなんだろうねー」にも泣けた。「愛の実りは海の~いろ(ララララララ~)、空のため息、星屑が、ヒトデと~(ヒトデ?)出会って~(出会って)億万年!」いまだに原田知世に芳山和子のイメージを重ねて いる30代の野郎は多いはず。 (追記)やっぱりこの映画は満点にします。レビュー内容も何度も変えてすみません。大林監督のデビュー作「ハウス」まで遡って観た今となっては、中途半端な得点だと自分にもこの作品にも不実なような気がするんで。 あくまで自分の中での傑作という事で。「あにやん」さんのレビューがこの映画に対しての最も的を得たご意見だと思います。
[映画館(字幕)] 10点(2004-01-28 15:03:23)(良:4票)
8.  ディープ・ブルー(1999)
昨日の「日曜洋画劇場」にて鑑賞。主人公の吹き替えが小杉十郎太さん、しかもブレンダという名前の女性も出てる!いまや希少数かと思われるかつての「ビバヒル」ファンにとっては、粋な声優さんのキャスティングかなと。んで肝心の映画ですが、これたぶん映画館で観てたら今やってる「ポセイドン」より、もしかしたら面白かったんじゃないかと思われるほどの、水とサメの迫力恐怖映像がてんこ盛りでした。ディラン「ブレンダ~!!」カンバーーック、ビバヒルメンバー一同!(出世魚ヒラリー・スワンク除く) 
[地上波(吹替)] 6点(2006-07-10 10:19:36)(笑:3票)
9.  暴力脱獄 《ネタバレ》 
やっぱりこれは邦題が良くないですね~。60年代日本公開アメリカ映画ワーストと断言しても差し支えないほどのダメさ加減。これだと、殺伐としたササくれ立ったイメージのみしか浮かんでこない。後半はともかく、全編を貫く雰囲気は、笑顔がやたらまぶしいニューマンの「我が道をひた進む」飄々とした軽やかさが心地良い映画なのに。男惚れする男っていうのは、こういうルークみたいなヤツの事だと思います。ただ私には彼がしゃにむに「権力に立ち向かう」って感じには見えなかった。彼の内深くに潜んでいた、無神論と軍隊での経験で被った虚無感があの無計画な脱獄に走らせたんじゃないかと。あ、パーキングメーターを壊したのもおそらく同じ理由。これ、原題「クールハンド、ルーク」のままじゃいけなかったのかな?公開当時の日本人の英語力だと(笑)もしくは、「クール・ハンドルークと呼ばれた男」(←センスなし)、「南部の脱獄者」(←もっとダメダメ)、「クール・ハンド・ルークのバラード」(←「ケーブルフォークのバラード」のパクリ)確か「ケーブルフォーク~」も初公開時は「砂漠の流れ者」とかいう、味も素っ気もないタイトルだった筈。御大ニューマン亡き今、彼の最高作の一つとして再評価の為にもこのタイトルの変更を望みたいところ。やっぱ無理かな・・・。ルークがもし2年の刑期を終え、生き永らえていたら「ノーバディーズ・フール」(8点)のサリーになりそう。
[DVD(字幕)] 8点(2009-03-01 10:22:19)(良:3票)
10.  3時10分、決断のとき 《ネタバレ》 
オリジナル「決断の3時10分」(9点)はモノクロで地味な作品ながら、これまで観たウエスタンの中でも五指に数えるほど大好きな映画。それがリメイクされたと聞くや否や、封切日が待ち遠しくてたまらず、公開日初日仕事の後、都内唯一の封切館「新宿ピカデリー」最終回に足を運んだ次第。興奮さめやらぬまま、映画館近くのネットカフェに駆け込んでこのレビューを書いてます。うん!!これはオリジナルと殆ど謙遜のない優れた出来栄えのウエスタンっす!!歩んできた道は違えど、確固たる自分の論理に従って生きる男二人の、丁々発止の心理戦のやり取りが全編にわたって繰り広げられています。ストーリー展開はオリジナルをほぼ踏襲。大きく異なる点、居たか居ないか覚えてない位の薄い存在だった牧場主ダン(ベール)の息子が、活躍の場を大いに与えられている事。これによって、息子の成長がサブストーリーとして大きなウエイトを占める事に。次に、対立しながらも奇妙な連帯感で結ばれていく主役二人の人間性が、より深い次元まで掘り下げられている事。演じる俺様ラッセル&クリスチャン・ベールは、どちらも大人の男の色気満点で惚れ惚れしてしまいました。そしてそして、最後に問題になるのが・・・ラスト結末の処理・・・。これがオリジナルとリメイク版最大の差異なのかなと。全体としては甲乙付け難いけれど、う~ん・・・、ここの部分についてだけは・・・、残念ながら俺はオリジナル支持ですね。悩みつつも8点に留めたのはそれが理由。進学、就職、転職、帰郷、結婚、離婚etc、人生「決断のとき」を眼前に突きつけられ選択を迫られつつある(←自分もその一人)ある程度、人生経験を重ねた男性諸氏に観てもらいたい映画。女性観客なんてハナっから当てにしてないぜっていう、クールなタッチの演出に痺れました。いい素材と役者さえ揃えば、優れたウエスタンをまだ作る事が出来るって自分は確信しました。ウエスタンっていうジャンルをこのまま死なせる事がないように・・・。
[映画館(字幕)] 8点(2009-08-09 00:14:11)(良:3票)
11.  男はつらいよ 寅次郎紅の花
元気がない寅さんの姿なんて見たくないなあってずっと思ってたので、「口笛を吹く寅次郎」以降の後期シリーズは全部見逃してました。でもここのレビューでの評価の高さをみるにつけ、ファンならやっぱり寅さんの最後の雄姿を見届けなくちゃいけないって義憤(?)にかられ、恐る恐る先日ようやく観てみました。(鑑賞中)・・・あれ~、導入部のお決まりの夢のシーン、なくなっちゃたんだ、うわっ、寅さんもさくらも結構年取っちゃったなあ、とらやにも若い店員さん入ったんだ、これでおいちゃんおばちゃんもようやく楽隠居出来るよなあ・・・。ストーリーはどんどん進んでいきます。既にこの撮影中、病に冒されていたという渥美さんには確かに往年とは比較にならないほど声にも張りがないし、動きもほとんどありませんでした。正直最初の時点ではやっぱ観るんじゃなかったかなって思った位。でも浅丘「リリー」ルリ子が登場してくるあたりからラストまで、僕はずっと涙滂沱状態でした。これが最後だとは意識してなかったにせよ、この作品はシリーズ最終章としての挽歌になってるんだなって思って。ストーリー上はついには結ばれなかったにせよ寅さんとリリーは奄美大島で幸せに暮らしたんでしょうね。いよっ!寅さん、あんた最後までカッコ良かったよ!
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-05-31 16:34:25)(良:3票)
12.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》 
優れたロードムービーのお手本のような愛すべき佳作。捨てキャラ、不要なシーンすらひとつも見当たらず。何気に買ってたエロ本でさえ後で伏線になっていたり、長男の色弱が判明するシーン(←その前にちゃんと病院で前フリがある)では、あまりの脚本の巧みさに自分は思わず唸ってしまった。それにしても「リトル・ミス・サンシャインコンテスト」って・・・、ネーミングとは裏腹に、何て不健康でジメジメしたコンテストなんだろう。居並ぶ幼女たちが次々と媚を観客に売るトコなんか、なんだか全身がムズムズしてくる。かつて「ジョンベネちゃん事件」をワイドショーで観てた時に感じたモノと同種の、生理的にいやあな感覚、痛々しいというか不健全といおうか。もちろんお腹がちょこっと出た幼児体型のオリーブちゃんだけは別。自分はストレート過ぎる家族団結ものは苦手だけど、こういうちょっと変化球気味で、ピリッとスパイスを効かせた作品は大好きです。登場人物一人一人が抱きしめてあげたい程いとおしい、そんなアメリカ映画って最近なかなかなかったと思います。もしキャストアンサンブル賞とかあったらこの作品にあげたい。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-22 10:46:02)(良:3票)
13.  ノーバディーズ・フール
「人生ってなかなか捨てたもんじゃないぜ」っていうメッセージを、嫌味なく素直に受け取る事が出来る、有りそうでなかなか無い心温まる秀作。いまは亡きポール・ニューマンとジェシカ・タンディ、ニ名優がふとした拍子にみせるチャーミングな笑顔を見ちゃえばなおさら。脇に徹したB・ウィルスも良い味。「雪に閉ざされたスモールタウン」っていう舞台装置もある意味ひとつの重要な役割を果たしています。おそらくこれは女性より、ある程度の年齢に達した男性の方がより共感出来る内容のはず。「クレイマー・クレイマー」のベントン監督、ここでも子役の使い方が巧い。ポール・ニューマン晩年の代表作として、もっともっとたくさんの人に評価してもらいたいなあ・・・。
[DVD(吹替)] 8点(2009-01-03 21:59:02)(良:3票)
14.  男はつらいよ お帰り 寅さん 《ネタバレ》 
まず、最初にお断りしておきます。48作目「寅次郎紅の花」(9点)でも書いていますが、僕は元気のない寅さんはあんまり見たくないっていう主義の人間なので、41作目の「ぼくの伯父さん」から、47作目「拝啓車寅次郎様」までの、寅さん自身の恋物語より満男のエピソードが幅を利かせるようになったらしいシリーズ晩期の作品群、自分は未見です。従って満男君と泉ちゃんの初恋の顛末についてとか、全くの白紙状態でこの新作を観ました。晩期の作品群に思い入れがあるのとないのとでは、この作品の評価はおそらく違ってくるかと思います。後年の半生を寅次郎に生き寅次郎に殉じた、偉大なる役者渥美清さんを失ったこの令和の世に、「男はつらいよ」の新作をこしらえるっていったら「ハイビスカスの花・特別編」的なお茶の濁し方や、過去の名シーンを絡めつつ、今のさくらや満男の日常を描く作り方をするしかないのかなあと、観る前から思ってたけど・・・。実際その通りだったけど・・・、う~ん・・・でも、やっぱりツラいなあ、淋しいなあ・・・この作り方は。「AI寅さん」みたいな登場のさせかたじゃないのはまだ良かったけど。今のニッポンに何が足りないかっていうと、寅さんの男気が足りない!って常々思っている自分ですが、この新作を観た事で却ってますます寅さんロスに陥ってしまいそうです。寅さんについて語っているみんなの会話が「過去形」じゃないって事は、物語の中では寅さんはまだ元気に日本のどこかで、テキヤ稼業で旅回りしているっていう設定なんですよね?だったらそれを生かしてもう少し違ったストーリー展開に出来たのでは?もちろん姿を実際に画面上見せる事は出来ないけれど、本当に何十年ぶりかに、寅さんが柴又に戻ってくるっていう、毎度毎度のお約束をオハナシの前提に据えた方がまだ良かったのでは?その上で、今回のエピソードを絡めたひと悶着があって、最後は全員で(おいちゃんやおばちゃんタコ社長御前様も登場させて)とらやの店先でタイトル通りに(以下シナリオ風→)一同、出迎える「(笑顔で)お帰り!寅さん!!」さくら「お帰りなさい、お兄ちゃん!」寅さん「よお、さくら!!おいちゃんおばちゃんヒロシも達者か?どうしたい、満男!深刻そうな顔して。ははあ、お前、また恋の悩みだな。結構結構、結構毛だらけ猫灰だらけってか!ははははは!」寅さんの満面の笑みに、澄んだ冬の青い空が重なって・・・。それがジ・エンドのラストカット。こんなカラッとした陽気なラストであってほしかった。最後までずっとウジウジメソメソしてるなんて、断じて寅さん映画らしくない!!寅さんが好きで好きで大好きだからこそ、僕は敢えてこの新作はこの評価にさせていただきます。
[映画館(邦画)] 5点(2020-01-13 09:57:48)(良:3票)
15.  若草の頃
おそらくジュディ・ガーランドが生涯で最も溌剌と光り輝いていた時期に撮られた作品だと思います。「ザッツ・エンターテイメント」のレビュー後、無性にこの映画の本編が観たくなり、レンタルショップへ直行しました。なんかね~、いいんですよ!映画全体に流れてる優雅な雰囲気が。「緑園の天使」や「若草物語」が好きな方なら絶対イケルはずだし(多分これが当時のMGM色ってヤツ?)もちろん「オズの魔法使い」でドロシーに恋した人にもおすすめ。恋する高揚感の中で唄われる「トロリー・ソング」が幾つかの佳曲の中でもやっぱ一番の傑作。可愛らしさだけでなく子供特有の残酷さも垣間見せてくれたマーガレット・オブライエンも良し。惜しむらくは鮮やかなテクニカラーだとばかり思っていたのに、モノクロバージョンのDVDだった事。(追記)カラーバージョンにて再見したので一点追加します!「♪恋したら くちずさもうよ トロリー・ソング♪」おそらく、トロリー(チンチン電車)が鳴らす汽笛と、恋した時の胸の鼓動を重ね合わせこの軽快な名曲は生まれたはず。
[DVD(字幕)] 8点(2005-07-09 11:28:52)(良:3票)
16.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
【映画のラストシーンを汚すのは一体誰なんだ!?】昨日映画館を出た後、どうしても「ある事」が引っ掛って怒りを覚え一晩中殆ど眠れなかった。怒りをぶつけようにもやり場がないので、ここにレビューする事に。多分普段の自分ならば気にも止めない事だったかもしれないが、あいにく昨日の俺は病み上がりで神経がかなり過敏になっていたと思われる。映画そのものは世評通りの秀作でした。イーストウッドは老いても漢の中の漢だと改めて再確認。嬉しかった。ラスト、海岸沿いをグラン・トリノが駆け抜け、そのシーンにメロウな雰囲気の主題歌が被る。相変わらずイーストウッドは曲の選択のセンスも素晴らしい。が、何故か字幕に歌詞が出てこない。ま、いいか、あとで調べればどんな内容の歌詞かわかるし、ここはゆったりと映画の余韻にしばらく浸っていよう・・・。ん・・・?何故か画面の横、おかしな箇所に「字幕担当○田奈津子」っていう字が。え~、おい!!ラストシーンに流れる主題歌は訳さない代わりに、観客が映画の余韻に浸っている時に、ご自分の名前だけは堂々と出すワケ?どんだけアンタ自己顕示欲が強いの?俺結構映画観てるけど、こんな中途半端にご自分の名前出した作品なんか観た事ないっすよ。重要だけれどあくまで裏方のお仕事なんだから、たいてい一番最初かクレジットが全部流れ終わった後、極力目立たない形で慎ましく出すよね。これがベテラン○田女史のご自身の指示によるものなのか、配給会社の判断か良くわからんけど、大切なラストシーンに主題歌のスーパーも流さず、字幕担当者のネームを出すっていうのは絶対間違ってると思うぞ!こんなチマチマした事を言ってたら、映画のイーストウッドに「だからケツの穴の小さいイエロージャップは・・・」って嘲られそうだけどさ。イーストウッドだって、ラストシーンをこんな形で汚される事は容認しないような気がする。最近観た「PS・アイラブユー」でもオリジナルの主題歌が、何故か徳永英明にアレンジされていて、その時もえ?って思ったが、あれはまあたいした出来の作品でもなかったので許せた。でもこれは巷で役者引退かもと囁かれるイーストウッド最後の映画になるかもと言われている。しかも出来も良い。まだ昨日公開されたばかり。汚したラストシーン部分のプリント修正はまだ可能なはず。誰がやったのかわからないが、とにかく配給会社の猛省を求めたい。
[映画館(字幕)] 8点(2009-04-26 10:47:23)(笑:1票) (良:2票)
17.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 
オリジナルとは全く別物だけど、これはこれで単なるアニメの枠を遥かに超えた青春映画の秀作だと思います。・・・実は、自分はオリジナル大林宣彦=原田知世バージョンについて、過剰な程MAX最大級クラスの思い入れがある人間なので、ちょっとでもアラを見つけたら酷評するつもりで満員立ち見御礼、都内唯一の封切り館「新宿テアトル」にて鑑賞してきました。でもそんな自分の姑息な思いなど吹っ飛んでしまう位、原作のテーマを損なわず、しかもオリジナルのファンをも失望させない素晴らしい仕上がりになってましたね。最大の勝因は新ヒロインをいまどきの「ポシティブシンキング」な少女に設定し直した点だと思います。原作(←わりかし幼稚)ともオリジナル(←可憐だが受動的)とも異なる、全く新しいヒロイン像の創造、これに尽きます!思えばオリジナル公開当時でもすでにアナクロニズムに近かった、芳山和子という少女、あのヒロインは尾道という一種ユートピア的舞台設定と原田知世という稀有なる透明感の女優を得た事よって辛くも成り立っていた人物でした。それを20余年経た今、同じ性格の女の子を主役にするっていうのはやはり到底無理が有る。監督も脚本家も頭良いです!「未来で待ってる」や「前向いて走れ!」とかツボにはまる台詞も多数。シーンの合間に挿入される、学校の何気ない日常風景にも癒されます。唯一の減点は、真夏の日差しの様にキラキラ輝く彼等の聖三角関係が、オッサンに片足突っ込んでいる自分にはまぶしすぎ、軽い疎外感というかジェラシーを感じてしまったから。主人公と同年代の方で、今この映画に出会えた方が本当に羨ましいです。自分もそろそろ原田知世という女優さんを「時かけ」=「芳山君」という呪縛から解放してあげなければいけないよなあ・・・。
[映画館(邦画)] 8点(2006-08-04 17:55:10)(良:3票)
18.  北の国から '84夏<TVM> 《ネタバレ》 
観たのがもうずいぶん昔だから、れいちゃん(横山めぐみ)に一目惚れした、私にとってのシリーズ最高傑作の「初恋」より、印象が若干薄れている点でこの点数です。丸太小屋が炎に包まれるシーン、「北の国から」ファンの方なら触れずにはいられない、閉店間際のラーメン屋丼下げシーンも文句なし。やっぱり「北の国から」屈指の、全シリーズを通じても忘れられない名場面のひとつですよね。しかも当時は気づかなかったけれど、ラーメン屋の鬱陶しげな女店員というチョイ役に、名脇役伊佐山ひろ子さんを使っているのも贅沢。本日、中畑のおじさん=地井武男さんの思いがけない訃報に接しました。今年3月「あゝ野麦峠」(7点)のレビューをした少し前、入院されたというニュースを聞いた時には容態がそれほど悪いとは思わず、復帰の願いをこめレビューさせて頂いたんですが・・・残念です。最初に地井さんを意識したのは「犬神家」での「菊人形佐武」でした。もちろん「太陽にほえろ」の実直そうな刑事役もリアルタイムで観てた。でも、私にとってはそれ以上に地井さんという役者さんは、「中畑のおじさん」に代表される「近所の(←決して親戚ではない)頼りになるおじさん」っていうイメージの方でした。多少ちゃらんぽらんな部分がある草太兄ちゃんにはちょっと打ちあけずらい、深刻で重い相談も中畑のおじさんになら思いきって話せる、いつのまにかドラマの純の視線になって、ブラウン管の中の地井さんをずっと今まで眺めていたような気がします。子供の頃からずっと映画やドラマで活躍されてた役者さんたちが、少しずつ少しずつ亡くなられていく時に感じる寂しさって、きっとこれからもっともっと増えていくんだろうなあ・・・。地井さん、長い間本当にお疲れ様でした!
[地上波(邦画)] 8点(2012-06-29 23:14:25)(良:3票)
19.  ビッグ・フィッシュ
子供の頃って童話とか聞いてる時、途中「ねえ、それから?それからどうなったの?」って親にねだったりするじゃないですか。自分はこの映画を観てる間、久しく忘れていたそんなわくわくするような気持ちを存分に味わう事が出来ました。虚実入り交じった奇想天外なストーリー展開に魅了され、且つ父親とのコミニュケーション不全症候群の自分にとっては、ツボはまりまくり、いい大人が泣く泣く・・・。やられました!この映画はティム・バートン特製、大人のための飛びきり上等な絵本に仕上ってると思います。看板に珍しく偽りなし、これはまぎれもなく彼の最高傑作です。映画が好きで良かったと思える瞬間が確かにこの映画にはある!<補足>tommymarandaさん、自分も女性の方がこの映画、評価が辛いかもなって思いましたよ。ジェシカ・ラングはもちろん好演ですが、妻の心理が多少描き足りないって気もしたんで。でもいいじゃないですか、たまにゃ男性側に迎合する映画があったって。
10点(2004-03-13 14:05:21)(良:3票)
20.  男はつらいよ 幸福の青い鳥 《ネタバレ》 
自分、ほんっとに長渕苦手なんです・・・(←力説したいくらい)テレビに出てきたら即チャンネルを変えたくなる、数少ないアーティストの一人。偏愛しているこのシリーズのうち、長いことこの作品にどうしても手を出せなかったのはそれが原因。長渕アレルギーと長年の寅さん思慕を秤にかけたら・・・まあ当然のごとく寅さんが圧勝なわけで(笑)まだこの時期は「長渕俺様度数」30%くらいしか発揮(?)していないようだったんで、鑑賞強制終了するほどの嫌悪感はなかったです。当時の痩せ長淵って、なんとなくロンブー淳にキャラも外見もかぶっとりましたね。もともと「寅次郎頑張れ!」あたりからはじまる、寅さん恋愛指南シリーズってそんなに面白くないんですよ。ここでももう寅さんってば、はなっから恋愛感情放棄保護者宣言しちゃってるようなもんだし。まあ私のこのシリーズ最低ライン「恋愛塾」よりは若干上かなという程度の評価。寅さんが中華屋のおかもち下げて、のうのうととらやの前を通り過ぎるシーン、久々の大爆笑でした。それにしても、かえすがえすも志穂美悦子の女優戦線途中離脱が惜しまれる・・・。あのままずっと活動を続けていたら、いい女優になっただろうになあ・・・アクションまでこなせる大きな可能性を持った大器だったのに。あ、これも潜在的に長渕が嫌いだった理由のひとつだったのかも。
[DVD(字幕)] 5点(2011-05-25 11:50:48)(笑:1票) (良:2票)

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