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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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21.  海底大戦争
●●大戦争、というタイトルの映画もいくつかあって、何となくスケール感を期待できないものがあるのですが。  これもそんな一本。だけど出演者の殆どが外国人というところに、微妙なゴージャス感(恐らく当時としては)があります。 この外国人俳優たち、有名なのか無名なのかは知りませんけれども・・・と言ってる時点で、有名ではないような気がする。 で、物語はと言うと、海底にマッドサイエンティストの作った基地があり、そこでは人間を改造して半魚人を作っている、というオソロしいオハナシ。原作は御大・福島正実となってるんですけど、大丈夫なんですかねー。半魚人をサイボーグと呼ぶあたりにSFらしいコダワリが感じられるような気もしますが、気のせいかもしれません。 で、この半魚人なんですけど、これ、キグルミって言って、いいんですかねえ。ゴムか何かで作ってくれりゃいいんですけど、どうみても単なる半魚人風の「服」、なんですよねえ。ダブダブで、皮膚感、全く無し。あまり暴れたら裾を踏んで転んじゃいそうな。 で、とにかくこの基地に、千葉真一演じる主人公、他1名が、とっ捕まってしまう!哀れ、二人はこのまま半魚人に改造されてしまうのであろうか!?(・・・はい)。 という訳で、色々とショボい面はあるのですが、海中での魚雷攻撃のミニチュア撮影などはなかなかよく出来ているし、決して多くはないけど千葉チャンのアクションもちょっと楽しめるし、SFらしさもそこそこ感じられるし、「●●大戦争」モノにしては、上出来なんじゃないですか? そうでもない?
[インターネット(邦画)] 6点(2021-11-13 13:24:20)
22.  神さまの言うとおり 《ネタバレ》 
どうしてこんなに面白くないんだろう、とつい考えてしまう点では、これも「考えさせる映画」なんでしょうけど。 結局のところ、誰も何も「決断しない」のが、つまらんのかな、と。最初からいきなり不条理世界が始まっていて命を賭けたゲームが展開され、主人公ですらまるで背景がわからない存在なんだから、ここで次々死んでいく連中はこの作品の中では単なる「死体」でしかなく。主人公を含む中心人物たちもおよそ背景を有さない単なる「駒」となっていて、その割りにはグズグズと悩んでみせるのが、見ててさほど面白くない。悩みよりもここは、恐怖、じゃないのかしらん。 で、グズグズ悩んだ挙げ句に、急に「真相を見切った」と、我々見る側にわざわざ不必要な了解を求めてくる。納得なんてのは後でするもんであって、それをなぜ、先に納得させようとするのか? だもんで、ここには「理解」はあれど、「決断」がまるでない。これの繰り返し。ただただ、事件が起こり人が死に、だけど決定的にサスペンスが欠けていて。 全編通した一貫性もなく、これはもう、ただの思いつきの羅列に過ぎないんじゃないでしょうか。
[インターネット(邦画)] 3点(2021-08-22 17:38:03)(良:1票)
23.  帰ってきたドラキュラ
1年前にドラキュラを倒したはずなのに、再び惨劇が繰り返され、司教がドラキュラ城に出向いて封印の儀式を施す。しかし結局は司教一行が足を運んだが為に、ドラキュラが蘇っちゃう皮肉。 じゃあ、ドラキュラがまだ復活してなかったんだったら、あの冒頭の犠牲者は何だったんだよ。とか言うことはこの際、どうでもよくって。この後、映画の半分くらい、何も起きずにズルズルとオハナシが進んでしまうことの方が、問題。 しかし、色彩的な映像が目を引いて、何も起きないながらも結構、惹きつけられます。いよいよドラキュラが暗躍し始めても、これまたやることいちいち、スローモーなのですが、それがドラキュラらしさでもあって。じわじわと迫ってこられて、なぜか逃げられない、という恐怖。いや、所詮はクリストファー・リーのジジ臭い顔なので大してコワくはないけれど、あの「血走り過ぎた目」の描写などで、映画の色彩が活きてます。 家々の屋根を舞台にしたシーンなども、何となく現実離れした感覚があって、なかなか悪くありません。 音楽も映像にピタリと合わせていて、キマってるし。 最期はちと、おマヌケでしたけれども。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-28 23:07:06)(良:1票)
24.  怪獣王ゴジラ
よく「アメリカ人は字幕が嫌いだから、外国語の映画を字幕で見るくらいなら、英語版のリメイクを作っちゃう」、などと言いますけれど、リメイク以外にもこんな裏技、荒技が。なんと、追加撮影した英語パートを継ぎ接ぎして、外国映画を英語作品へと改造してしまう、という・・・。我らがゴジラ映画がその犠牲に。 しかし、こうやって惨憺たる状態となったゴジラ映画を、こうやってわざわざ字幕で鑑賞する日本人たちって、実はとってもエライんじゃなかろうか。 一部日本語も聞こえては来るんですけどね、ただ、「追加パート」に出てくるニホンゴ、たどたどしいとか聴き取りにくいとか言うレベルではなく、意味の判らないセリフをうろ覚えのままかろうじて言い切った、という印象。もはや演技ですらありません。 という、デッチ上げ感の濃厚な作品ではありますが、そうは言っても、実は結構、芸が細かい。編集の妙、とでもいいますか、意外に手が込んでます。元映画の部分と追加撮影分とが、ごちゃ混ぜ。どこが追加分か、なまじ見当がついてしまうだけに、余計、手が込んでいるような気がしてきます。 ここまでやっちゃうんだったら、主人公のアメリカ人記者を傍観者に徹しさせたのが正解だったのかどうか。いささかまどろっこしいです。 元映画のパートも一部、順番を入れ替えたりして、工夫も見られるんですけどね。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-06-17 23:24:20)
25.  関東テキヤ一家
「仇の一家へ殴り込みをかける主人公、その歩く姿の背景に流れるのは、主演俳優のヘタクソな演歌」というクライマックスシーンは、もう既視感バリバリなんですが、その主人公が高倉健ではなく菅原文太というのがミソ。 そんなんどっちだって大差無いわい、などと言うなかれ。いやここだけ見たら大差無いかもしれないけれど、やはりそこは菅原文太。そして監督が鈴木則文。血飛沫飛び交う殴り込みの激しさがある一方で、全体的にはユーモアが溢れてます。まず、ヤクザ映画でありながらも、あくまで「テキ屋」なもんで、少し寅さん路線も入ってます。寅さんよりガラが悪く、そして寅さんよりも、ヤセ我慢の世界。 興行のハナシが出てくるのは題材からしてもごもっとも、ではあるけれど、そこで全女が登場する、というのがなかなか貴重。かつて全女が不渡り出して倒産した時には「現存する日本最古のプロレス団体が倒産」とニュースで騒がれたけど、そう、何せこの映画の頃にはまだ新日も全日も無かったんだもんね。 アラカンの親分は、やっぱり見ててヘンなんですが、他の人では出せない味があります。そして桜町弘子姐さんの、こちらは掛け値なしのカッコ良さ。その他、例によって例のごとく多彩な登場人物たちが収まるべきところにピタリと収まって。お見事。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-14 23:04:27)
26.  火線地帯
ラインシリーズ最終作、という以前に、旧・新東宝ほぼ末期の作品で、石井輝男がいなくなって助監督が代理で監督を務めたような形になってます。が、作品を見る限り、貧すれば鈍す、と言うこともなく、なかなかトンガった演出でハードボイルドアクションの世界を作り上げてます。 チンピラ二人組が良からぬ事をしでかしてヤクザ組織に追われるも、ライバル組に拾われて、ある「ブツ」の強奪に関わることになる。 一方で何やら怪しげな雰囲気を漂わせつつ、彼らの周りで暗躍する謎の男・天知茂。 謎の部分をすべて天知茂のキャラに押し込んでしまったのが正解だったのかどうなのか、全体的に物語が伸びず、こぢんまりした印象は拭えませんが、青春映画の要素を絡めつつもこうやってギャング映画みたいなことを大真面目にやっているのは、今となっては貴重です。 天知茂は、普通のライターも持っていたのであった。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-06-06 12:21:47)
27.  ガンヘッド
巨大ロボものの、SF実写映画。という、なんかヤバそうな感じのする作品でして(何せ80年代当時の邦画ですから)、特撮ならウチに任せろ、の東宝と、巨大ロボならウチに任せろ、のサンライズが手を組んでいる訳ですが、ラストのクレジットを見ていると、「製作委員会」方式になっていて、さすがヤバそうな企画だけあってリスクヘッジもちゃんとできてるんだなあ、と。 当時の決して芳しいとは言えない状況の邦画界において、過去のシリーズものに頼る事無く、まずは果敢な挑戦、とは言えると思いますが、しかしやっぱり、苦しい。廃工場みたいな雰囲気の舞台がどこまでも続いて、最初から最後まで変わりばえがしません(唯一目を引くのはバスクリン溶かしたみたいな水が張られたタンクの場面ぐらい)。何だか、エイリアン2からエイリアン登場シーンをすべて取り除いたものを延々と見せられているような。 色合いだけでももうちょっと、映像にバリエーションつけてくれないと、正直、見てて余り面白味が感じられません。 しかしさすがに、ミニチュアによる特撮は、なかなかのものです。CGはまだモニター画面内のスケルトン画像として登場する程度。ミニチュアと合成でもって、未来世界を描ききります(今となっては、過去かな)。 しかし、ロボットなら最後は2足歩行で締めて欲しかった・・・などと言い出すと、結局こういう作品には、東宝より東映の方が向いていたんだろうか?
[インターネット(邦画)] 4点(2021-05-30 12:22:16)
28.  帰ってきたヒトラー 《ネタバレ》 
まず、映画としてこんな手があったのか、という驚き。現代にヒトラーが蘇る、という基本ストーリーがある一方で、どうやらそのヒトラーに扮した俳優を、その格好のまま街中を闊歩させて、一般ピープルの反応をドキュメンタリー風にカメラに収めている模様。 「模様」というのは、彼らの顔がボカされてたりして、いかにもソレっぽいシーンがあるかと思えば(いわゆる「警察24時」風)、別の場面ではカメラが切り替えされたりして、アレ、これは演出なのか、と思ったり。 その境界がよく判らないまま、ついには、現実なのか非現実のCGなのか、すらも境界が脅かされるようになって。 最初はこれはコメディ映画なんだろう、と思って見ていたけれど、そもそも、映画が特定のジャンルに最初から最後まで収まるなんて保証はどこにもないわけで。 結局、今まで信じていたものは、本当に信じられるものなのか、という疑い、その疑いすらも「本当にその程度の次元に対する疑いで充分だと言えるのか」、と疑わしくなってくる。 ああ、ここにも、「メタ」へと我々をおびき寄せる罠が。 しかし我々には、この罠を避けて通ることは許されないのです。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-05-22 18:06:25)
29.  カリフォルニア~ジェンマの復讐の用心棒
『シルバー・サドル 新・復讐の用心棒』と相前後して、どうもジェンマに愛想がない。本作なんかも寡黙な役どころで、どっちかというとフランコ・ネロとかに演って欲しいタイプの主人公です。まあ、ジェンマのマカロニ・キャリアも終盤に入って、年相応の役、ではありますが。 その代わり、彼の相棒となる若造がなかなかの美青年で、コチラの方が女性受けはよろしいのではないか、と勝手に想像しつつ。 舞台は南北戦争後のアメリカ。北軍とつるんだ悪徳賞金稼ぎが、南軍兵士にかけられたでっち上げの懸賞金を目当てに、彼らをつけ狙う。という訳で、ついにジェンマの怒りが爆発する復讐劇、ではあるのですが、イロイロと事件が起きるもんで、これはいったい誰の復讐を誰に対して行う物語なんだろう、と、やや焦点がボケ気味の印象も。いや、いいじゃないですか、怒りの要素は多ければ多い程、いいのです。 ところどころのシーンでカメラに逆光を取り入れたりするのが、なんだか小賢しく感じられ、無理にそんな気取らなくてもいいのに、とか思っちゃうけれど、映画自体は面白くって、だんだんそんな事、気にならなくなってくる。という時点で、技法としては失敗、ということにもなりますが。ま、これも、いいじゃないですか。 終盤の敵との駆け引きも、本作のユニークなところ。 はい、正直、オモシロかったです。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-12-31 07:34:15)
30.  関東流れ者(1965)
本作の新規登録依頼を「日本大侠客」と一緒に出させていただきましたが、どちらの作品も、明治時代を舞台に鶴田浩二が、大木実を子分に従え、藤純子とは微妙な関係にあり、内田朝雄に立ち向かう、要するに殆ど同じようなことをやってるもんで、チョット混乱してきてしまいます。私自身はコチラの方を先に見たにも関わらず、両者を比べると何となくコチラの方にパクリ感を感じてしまい、でもコチラの方が先に作られた映画なのです。本作の方が、やることなすこと、いちいち極端なんですよね。面白いからいいけど。 何が極端と言って、ダイナマイトを手に獅子奮迅の活躍をする大木実もそうだけど、とにかく村田英雄の眼力のスゴさ。ほぼ人間離れしていて、これぞ極端中の極端といってよいでしょう。顔は鶴田浩二より若いようにしか見えないけれど、描きに描きまくったような眉毛の下で眼力を飛ばしまくり、鶴田浩二に「オヤブン」と呼ばれて本人も完全にその気になって、ひとり、異次元に突入してしまっています。まさに摩訶不思議な村田ワールド。 後半には若き日の北島サブちゃんも登場。正直、こちらはサルにしか見えない。ごめんなさい。いやホントごめんなさい。でも風呂に入ってはイイ声を披露し、終盤には泥にまみれて壮絶な最期を遂げてみせる、さすがサルちゃん、じゃなかった、サブちゃん。 ちょっと冷たい感じの小山明子と、鶴田・大木との哀しき関係。さらにはどこのイモ姉ちゃんかと思ったら洋装の藤純子。工事請負に関し不正を働く、内田朝雄・遠藤辰雄率いる悪徳業者の横暴ぶり。ついに彼らが一線を越えたとき、男の怒りが炸裂する。 やってることはいちいち極端だけど、ストーリーの盛り上がりに対してすべてがちゃんと収まるところに収まっていて、さすが、と思わせるオモシロ映画になってます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-31 06:56:08)
31.  風立ちぬ(1976)
堀辰雄の「風立ちぬ」を映画化。ってアレ、こんな話だっけか。 いや、戦前に書かれた小説ですから、戦時下が舞台の訳がありませんね。そこは映画化におけるアレンジ。 それにしても、三浦友和・山口百恵コンビの文芸路線も4作目ですか。見事に同じようなことをやっていて(特に、前年の『絶唱』と何が違うんだろうか)、ある意味、感心させられます。 それに、これだけ悲しげなオハナシを、これだけ悲しげに描いている(はず)なのに、これっぽっちも泣けそうな気がしない、というのも、これもある意味、感心しちゃうのでした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-28 21:45:35)
32.  片目のジャック
かつてマーロン・ブランドとカール・マルデンが銀行強盗を働き、マーロン・ブランドのみが取っ捕まって、カール・マルデンは彼を見捨てて逃亡した。数年後、マーロン・ブランドは脱獄するが、向かった先で出会ったカール・マルデンは、保安官となっており、妻と義理の娘との3人で幸せに暮らしていました、というオハナシ。 だったらそれでいいやんか、何で結局モメてしまうのか、いまいちよくワカランような気もするけれど、よくワカランから面白い、ような気もします。 で、さらにマルデンの義理の娘とマーロン・ブランドが恋仲になってしまう、というドラマ展開。なんだかこうなってくると、西部劇というより、古代ローマとかを舞台にした史劇でも見ているような気分になってくる(ついでに「ムチ打ちの刑」なんてのが出てくるから、さらにその気分に輪をかける)。 この物語の題材が、西部劇に向いているのか、どうなのか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-03 17:00:47)
33.  空手バカ一代
マス大山の半生を描くシリーズ第3弾(他は見てないけど。スミマセン)。 これが実話ってんだから、スゴイよね。だなどと思う人がいる訳もなく、まあ、ムチャクチャです。 まずは、冒頭の道場破りの場面から、千葉チャン空手が炸裂しまくり。さらには沖縄に渡って、プロレスとの異種格闘技戦。プロレス技が決まるたびに技の名前がテロップで出る、という親切設計で、プロレスを知らない人でも大いに楽しめる、かどうかは保証の限りではありません。 命じられた八百長に従わなかったことから、マフィアを敵に回してしまった大山たち。少年たちとの交流とか、夏樹陽子との出会いとかが描かれつつ(彼女の都会的な色白さが目を引きます。正直、沖縄っぽさは皆無)、クライマックスは敵の巣窟に乗り込んで、襲い来る者どもをバッタバッタと蹴散らしまくる。ははは。実話なワケが無かろう。 この辺りになってくると、ノリは完全に、燃えよドラゴン。サモ・ハンが主演したカンフー映画には「燃えよデブゴン」なんていう邦題がつけられていましたけれど、それに倣うなら、本作はさしずめ、「燃えよチバゴン」といったところ。 ダメ押しするかのように、最後は、鏡の間、みたいな場所での戦いまで登場して。 それにしても、千葉チャンたちに斃された敵が、異常なまでにピクピクと痙攣して悶絶しまくるのが、今見るとなかなか新鮮ではあります。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-09-13 14:28:10)
34.  かごの中の瞳
やけに淡々とした映画。視力を殆ど失っていた奥さんが、角膜移植によって視力を取り戻したは良いけれど、それを境に、何となく二人の間がギクシャクするようになって・・・というのだけど、彼らの心の動きを敢えてハッキリとは描かない。というより、心の動きに関する描写は、それを匂わせる部分は確かにあるものの、大幅に省略されていて、そもそも「視力を取り戻した」という大事件ですら、随分サラリと描かれています。 心理に直接関わるような描写の排除。物語の背景には確かに心の動きがあるのだけど、それはハッキリとは描かれず、さらには「行動」としての動きも、物語の背景にある、らしいのだけど、それも直接には描かない。 なるほど、そういう描き方もあるのだな、とは思うけど、いかんせん、これでは訴えかけてくるものまでもが乏しくなってしまって。 妻の視点による映像が再三、登場するけれど、本人の気持ちが我々から遮蔽された状態で、こういう一人称視点(意味ありげで実は意味の無さそうな、歪んだ視点)を見せられても、何を感じればよいのやら。こういうのをもって「幻想的な映像です」と言われても、なあ。 心理を削ぎ落したのはいいけれど、変に思わせぶりなだけで、見ててあまり心に引っかかるものが無い、ってのが正直なところ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-08-03 20:55:49)
35.  海底47m
『ジョーズ』におけるリチャード・ドレイファスの役柄というのは、要するに「ビックリしたら大事なモノを落としてしまうヒト」なワケで、映画中盤と終盤にそれぞれ、大事なモノを取り落として海底に沈めてしまいます。そうすると、本作でもやっぱり、落とすなと言われて渡された借り物のカメラを取り落としてしまうのですが、それに続いて、こちらは何と「自分自身が海底に落ちてしまう」という展開。『ジョーズ』のクライマックスが印象深いだけに、その手があったか、という驚きがあります。 サメ除けケージごと海底に落ちてしまい、ケージに閉じ込められてしまう女性2人。しかも付近には巨大ザメがいるらしく、ケージから出られたとしても海面には戻れない。いわば、変則的な「閉じこもり映画」ですね。サスペンスの手法としては、サメが迫る姿を登場人物には見せずに我々にだけ見せるような手法もあり得るのでしょうけれど、本作は基本的には登場人物の視点に沿って描いており(これはラストに向けての必然性でもあるのだけど)、サメがどこにいるのか、いつ現れるのか、わからない。最初にサメの姿を見せて、その存在をハッキリ提示しているのだから、あとは登場人物たちと一緒に、いつ現れるかわからないサメを怖がってね、という趣向。 サメの存在に限らず、海底に「閉じ込め」られているので、サメの存在のみならず、周囲の状況自体が、わからない。状況がわからないと、ちょっとしたことが不安になったり、希望になったり、絶望になったり。その一喜一憂をこうやって丹念に描くと、なるほど、目が離せないサスペンスになります。 サメが本当にこんなコトするのか、とか、サメに襲われてこの程度のケガで済むのか、とか、リアリティばかり気にする人を、まるであざ笑うかのようなラスト。ちょっと痛快。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-07-27 21:26:09)(良:1票)
36.  GANTZ:O
フルCGで、最初から最後までひたすらバトルの連続、とりあえず「よくやるなあ」とは思いますが。 ただ、ホントに「それだけ」なので、何だか、単にゲーム画面を延々と見せられてるような気分。そういうのをYoutubeでボケっと見てられる人には最適な作品かも知れませんが。 そもそも、死んでも生き返ることができる、という可逆的な設定自体が、盛り上げを損ねるに充分な傷を抱えているのですが、それを補うような要素は特に見当たらず。吉本ネタなんてのも、私の世代にとってはそりゃ懐かしくもあるけれど、だから何なんだ、と。 一応、ストーリーが全く無い訳でもなく、主人公の高校生と大阪のヤンママが・・・って、コレ、合コンレベルのオハナシじゃないですか。 がっくし。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2020-06-02 20:34:56)
37.  カイジ 人生逆転ゲーム 《ネタバレ》 
SLAVEカードを何番目に出そうと、要するに、自分がSLAVEを出す時、相手がCITIZENカードを出したら、SLAVE側の負け(※)。 なので、SLAVE側が負ける確率は4/5 3回やって、3回とも負ける確率は、4/5 × 4/5 × 4/5 = 64/125。 引き分けは無いのだから、3回やってSLAVE側が1回は勝てる確率は、1 - 64/125 = 61/125。 なので、61:64でSLAVEがわずかにEMPERORより不利とは言え、まあ、トントンと言っていいでしょう。 これでレート10倍、だそうですから、期待値としてはSLAVE側が圧倒的に有利。むしろ美味しすぎるのでは? という説。 ⇒興味のある方は、「サンクトペテルブルクのパラドックス」ってのも、調べてみてください。  それにしても石田のおっさん、どうしてあんな土壇場の平均台の上で、長々と身の上話を始めてしまうのか。これじゃ、(本人は「足が震える」などと自己申告してるけど)余裕があるんだか無いんだか、よくわからない。身の上話って、映画の中のもっと早い段階(明らかに余裕のある段階)でしておくべきでしょう。そうすれば、「身の上話をした段階から平均台の上まで」が、我々にとって、「このヒトには死んでほしくない」と思える時間になる訳で、その時間をたっぷり取ることができたはずなのですが(意地の悪い人は、「死亡フラグ」と呼ぶのでしょうが)。 もしかしたら、作り手もそんなことは百も承知で、でも映画の中にそんなマッタリした時間帯を作る訳にはいかぬ、テンポよく物語を進めねばならぬ、ということなんでしょうか。でもそのせいで、おっさんは、何の余韻も残さず映画から消え去り、何の印象も残さず我々の意識から消えていく。 それにこのシーン、風が吹いて危機一髪、ってんなら、旗か何か、強風を表現するものを画面に配置するような工夫があってもよいと思うのですが。  (※)自分がSLAVEを出す前に相手がEMPERORを出して終了しちゃうケースも、ここに含みます。もしも終了せずにゲームを続行すれば、「自分がSLAVEを出した時に相手がCITIZENを出す」ケースに該当することになるので。
[地上波(邦画)] 4点(2020-05-04 15:12:28)(良:1票)
38.  海峡
高倉健と吉永小百合、二大スターを主役に据え、青函トンネル工事という題材にかこつけて実際は二人の男女の恋愛を描いた人間ドラマ・・・かと思ったら、これが正反対。壮絶な工事の模様を描いたスペクタクル路線の映画で、もう、小百合さんなんかそっちのけ。物語の発端から関わってくる三浦友和なんて、普通ならかなりのキーパーソンのはずなんですけれども、惜しげもなく雑魚キャラへと追いやられてしまってて。かろうじて「オヤジ」こと森繁久彌は、存在感を出すことを許されておりますが、まあとにかく、トンネル工事の映画です。ひたすら、湧き出てくる水との戦い、かなり大がかりなセットを組んでいるようですが、実際のトンネル工事現場でのロケ撮影もあるのでしょうか、とにかく臨場感はかなりのもの(実際の工事中に映画が製作され、映画の中でトンネルが貫通してから間もなく、実際のトンネルも貫通)。 トンネル内だけではなく、吹雪などの厳しい大自然もみどころで、『八甲田山』ふたたび、といった趣きも。いい「画」をとるためならば、たとえ火の中、水の底。俳優もスタッフも体張ってます。シケの中、小船が荒波にもまれているシーンからして、かなり危険な香りが。 終わりの方の居酒屋で、健さんと吉永小百合が二人きり、ここだけとってつけたように恋愛ドラマになってて、ちょっとヘンなんですけれども、それよりも、トンネルが貫通して涙する健さんに、猛烈に違和感を感じてしまうのは、何なんでしょうね。健さんだってそりゃ、泣くときもあるんでしょうけれど。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-04-06 20:59:33)
39.  カイジ2 人生奪回ゲーム
いくらなんでも、どうしてここまで、説明的、なんだろう。最初から最後まで、ことごとくが、説明。 それをわざわざセリフで言うか、というムダなセリフの連続。演じている俳優さんたちも好きなだけ熱弁をふるって、存分に「演技」しまくってます。 こういう仕掛けです、この後こうなるんです、等々、説明に説明を重ねた挙句、敵役の伊勢谷友介までもが誰も訊いちゃいないのに身の上話みたいなのを勝手に「語り」始めて、もはやここまでくると、ビックリです。
[地上波(邦画)] 3点(2020-02-03 20:41:15)
40.  解散式
経済ヤクザ隆盛の時代に、一人、着流し姿の鶴田浩二。その頑なで時代遅れの感じが、「滅びゆく任侠映画」というにはまだ早い67年の作品ではありますが、やくざ映画の行く末を予告しているようでもあります。 ライバル格として丹波哲郎が登場するものの、クライマックスで対決する訳でもなければ、共闘する訳でもなし。作品のテイストはあくまで、後の実録路線のそれではなく、当時の任侠映画に則ったものだとは思うのですが、ひとり巨悪に立ち向かおうとする鶴田浩二の存在は、巨大コンビナートを前にひたすら小さく、寂しさを伴った余韻を残す作品となっています。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-10-26 10:31:04)
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