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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 お世話になっております。
只今『真・女神転生VV』攻略中のため新規投稿お休みしております。

2024.6.28


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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21.  カオス(2000)
こりゃ、カオスというよりエロスだよ。
[DVD(邦画)] 5点(2008-08-08 19:32:47)
22.  ガチ☆ボーイ 《ネタバレ》 
人生に意味や価値を求めるのが人間という生き物だと思います。ある者は仕事に、又ある人は趣味や恋愛、家庭の中に、自分の生き甲斐を見つけます。何かを成して、何かを得るという作業の繰り返し。日々積み重ねていく経験と記憶が生きてきた証であり、それが土台となって成長がある。主人公の記憶障害は、彼からこれら希望を奪い去りました。どんなに努力しても何も残らない。これ以上の成長は望めない。その事実を突きつけられた彼の胸中たるや、察するに余りあります。目を覚ます度に絶望するでしょう。しかしその苦悩は、彼だけのものではありません。“無に帰す”恐怖は、永遠に生きられない人間全てに課せられている。ある日突然訪れる理不尽な死。その真理の前で、なお私たちが平気でいられるのは、普段はその事を忘れていられるから。明日死ぬと分かっていて、今日頑張れる人はそうはいないと思う。でもそれは間違いだということを、主人公は教えてくれました。自分の頭は忘れてしまっても、自分の体は覚えている。自分の記憶には残らなくても、他人の記憶には残る。それがどんなに嬉しいことか。どんなに勇気づけられることか。自分では分からなくても、気付かなくても、あるいは自分が居なくなっても、自分の行為は無駄にならない。強く人生を肯定された気がします。生きる意味、生きる価値、そして生きてきた証がマリリン仮面のファイトには詰まっていました。あんなに泣けるアンクルホールドは見たことがありません。あんなに熱い逆水平も。ドロップキックには心を打ち抜かれました。そして五十嵐の笑顔。心から笑うために、人は努力を惜しんではいけないのだと思いました。自分は映画ファンである前にプロレスバカです。それも10代後半から20代の青春時代をプロレス観戦に捧げてきた。自分が愛してきたプロレスの本質が本作には間違いなく在りました。心から「ありがとう」を言わせてください。
[映画館(邦画)] 10点(2008-03-17 17:53:58)(良:5票)
23.  監督・ばんざい!
前作『TAKESHIS’』が今までの監督人生の集大成とするなら、本作は人間、北野武の原点回帰。氏の本質、アイデンティティは、“芸人ビートたけし”なのだと思います。爆発オチなんかお笑いウルトラクイズと同じ。世界的な映画監督、大御所タレント、文化人、コメンテーター。どんな呼ばれ方をしようとも、結局オイラはおいら。ペンキ屋の小倅がたまたま芸人として売れただけ。大した才能なんか持ち合わせちゃいねえよ。そんな心の声が聴こえるよう。ただ、それなら『みんな~やってるか!2』でも良かった。あえて小津作品やALWAYSを揶揄するようなパロディにしたのは、映画関係者及びファンから非難されたいが為ではないかと。巨匠扱いは御免。もう一度、お笑い芸人タケちゃんの軽いスタンスで映画を撮りたい。その前フリとして、世間が持っている監督イメージの破壊を狙ったものと想像します。だからツマラなくて正解。コケて本望な気がする。『監督ばんざい』は、もうお手上げということ。そう考えると、たけし“らしい”と思います。爆発炎上でさら地となった大地に、今度はどんな花を咲かせてくれるのか。今から楽しみです。
[DVD(邦画)] 5点(2008-01-17 19:40:41)(良:2票)
24.  完全犯罪クラブ 《ネタバレ》 
邦題の『完全犯罪』はこけおどし。でもそういうのには慣れているので問題ありませんでした。でも、原題の『ナンバーズ』のほうは本気で分からない。DVDのセットアップ画面でもやたら“数字”を印象付けようとしています。数字にまつわる殺人、あるいはトリックがあったとは思えない。もしかして物語云々ではなく、この謎こそが『完全犯罪』なのかも。だとすれば自分の完敗です。サンドラ・ブロックの過去とかも、実は物語と密接に関係あるのでしょうか。
[DVD(字幕)] 4点(2007-09-06 19:21:26)
25.  カオス(2005) 《ネタバレ》 
『トランスポーター』シリーズで一躍名を上げたジェイソン・ステイサム。今、最高にセクシーでダンディーな中年男。彼の魅力はその渋い雰囲気と、格闘系アクション。本作では一方の売り、アクションをほぼ封印しています。しかし満足。彼には、佇まいでその場の空気を締める力がある。正直演技は上手くないような気がしますが、この雰囲気は役者として得がたい財産だと思います。今後も目が離せません。そのステイサムとコンビを組む新米刑事もなかなかいい。若者の青さと、ステイサムに負けない利発さを発揮しています。彼が後半の主役。24時間の間に彼が成長していく様は爽快でした。カオス理論を持ち出すのはいささか大げさだと思いますが、サプライズありの面白いお話でした。難点はステイサムがもはやビッグネームだということ。オチを悟られないようにするために、もう一工夫あっても良かったと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-05 00:08:20)(良:2票)
26.  怪談新耳袋 ノブヒロさん 《ネタバレ》 
生前のノブヒロさんはいたって普通。その異常さは死後判明します。彼の持ち物から、その偏執ぶりを知る。この流れ自体は悪くないです。でもインパクトに欠ける。歳月の長さには驚きますが、行為自体は大したことない。写真はいかようにも手に入る程度のアングル。髪の毛や使用済みストローも,某野球マンガ家のような徹底さがない。ストローなら100本必要だし、髪の毛なら1,000本あっていい。他にも異常さをアピールする小道具なら、いくらでもあるはず。衝撃が足りないから“電波ってる”ノブヒロさんをイメージしにくいです。結果、幽霊になったノブヒロさんも怖くない。しかもコントのオバケ程度のメイク。視覚で怖がらせようという意識を感じません。それだけ物語で怖がらせる自信があったのでしょうが、先に述べたとおりイマイチ。結局、平田満は平田満にしか見えません。テレビシリーズのレベルの範疇に収まる怖さ。なら、映画じゃなくていいと思ってしまいます。
[DVD(邦画)] 4点(2007-08-15 18:11:39)
27.  頑張れ!グムスン 《ネタバレ》 
開始10分足らずで、登場人物のキャラクター、一家の生活環境、結婚に至った経緯など必要な設定が漏れなく説明されます。このあたりの手際がいい。男の子に間違われる赤ちゃん=丈夫な赤ちゃん。だから夜連れまわしても大丈夫なんですよ、という論法は力技ですが一応計算されている。“夜の繁華街で赤子を背負って奮闘する若妻“という、かなり無理矢理な設定がどうにか成立しています。どんどんトラブルに巻き込まれていく主人公。この流れも悪くない。都会の暗部を見せることで、主人公の正義感を煽る。アホだからトラブルに巻き込まれた訳ではありません。ちゃんと必然性がある。ヤクザを相手にしたことで肝が据わり、結果ダンナも無事に取り返すことが出来た。大筋の脚本は悪くありません。ただしドタバタで終始してしまったのはもったいない。この設定ならば、ベタに人情アピールをしても良かった。また、本作の基本スタイルは「グムスン+赤ちゃん」。そこに魅力がある。天空平手打ちをするグムスンの背中に、赤子がいてこそ画になります。クライマックスで彼女が子供をおぶっていないのはマイナス。この場面に限らず、赤ちゃんという強力な切り札を活用する意識があまり感じられません。もっともっと”お姫様“を利用すればいい。演技が出来なくても、キャラを発揮させる方法はいくらでもあります。結果、この一家に感情移入するまでには至らず、「頑張れ!グムスン!」と声を大にして叫びたくなることはありませんでした。残念。でもドゥナ好きとしては、可愛い彼女が沢山見られて十分満足なんですけど。
[DVD(字幕)] 6点(2007-07-19 19:52:42)
28.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
自分は「オシャレ」な作品が苦手です。気取ったところが鼻に付くから。「癒し系」の作品もダメだったりする。何甘えてんだと思ってしまうので。そういう意味では、本作は自分に合わないかも、と思っていました。ところが全然そんなことなかった。確かに雰囲気はオシャレで、癒しの要素がある。でも嫌味が無いから素直になれる。心地よく吸い込まれるように鑑賞しました。その一因はキャストの妙。主要3人が自然体。気負いを感じないのがイイ。とくに小林聡美。無さそうで在りそうな存在感が素晴らしい。女優としてのポテンシャルの高さに驚きました。おそらく、3人とも人生をリセットするためにフィンランドにやってきた。もし、かもめ食堂が3人にとって逃げ場所でしかないと感じたなら、共感できなかったと思います。でも小林聡美は言っています。人はずっと同じではいられない。変わっていくものだ、と。その認識があるならば、ココは逃げ場所じゃありません。逃げ場所とは、頑なに今を維持しようとするための場所だから。それにフィンランドが舞台であることに、特別な意味を持たせなかったのも大事。森なら日本にもあるし、寂しい人や悲しい人は何処にでもいる。彼女らの選んだ場所が、たまたま此処であっただけのことです。肩の力を抜くことの大切さ、入れて貰ったコーヒーが美味しい理由を教えてもらいました。最後に個人的なこだわりをひとつ。おにぎりは家の外で冷えたのを食うのが最高に美味いんです。もちろん海苔はしんなりでね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-05-04 17:28:46)(良:2票)
29.  ガッツ伝説 愛しのピット・ブル 《ネタバレ》 
監督は舞台の演出家。確かに舞台のような雰囲気があります。役者の演技が濃い。ナチュラル演技全盛のおり、演技らしい演技の印象は悪くないです。ただアクションシーンについては、それが悪いほうに出た気がします。気になったのは“記号”の表現。“殴ったふり”で殴ったことにする、ある種の決まりごと。舞台でも映画でも見られますが、映画の方がよりリアリティを演出することが可能です。見せ方に工夫ができる。でも本作では、舞台さながらに記号の表現が幅を利かせており、安っぽく見えました。役者の力量が不足しているのであれば、それをカバーすることも演出の役目だと思います。逆に、“映画的”と感じたのはクライマックス。お祭りの太鼓演奏のシーンでは、カメラワークを駆使しています。でも迫力が伝わってきません。本作はいたって真面目な人情喜劇。タイトルから感じるようなオチャラケ企画ものではありません。ただ脚本が弱く、後半はヨレヨレ。正攻法なだけに、よけいに粗が目立ちました。真面目な制作姿勢を批判するつもりはありませんが、もっとはじけて欲しかったと思います。
[DVD(邦画)] 4点(2007-03-20 18:43:12)
30.  がんばれ!ジャイアン!!
劇場版『ドラえもん』は、その優れた娯楽性と完成度で子供のみならず、大人の観客をも虜にしてきました。映画なら観るという大人も多い。初期の作品ほどその傾向が顕著だと思います。かつて一貫して感じた制作姿勢は、『ドラえもん』=子供のもの。子供の楽しみを、大人が分けてもらっているという感覚です。本作(並びに、この時期制作された一連の短編作品)には、それが感じられません。最初からターゲットを大人(親)に絞っています。例えるなら、カレーを子供用と大人用に作り別けるようなもの。もちろんその方が作りやすいし、客のニーズにも合うのだと思います。ただ、子供向けでありながら大人も唸る美味いカレーを食べたいのです。贅沢な話ですが。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-03-05 18:11:22)
31.  カミュなんて知らない 《ネタバレ》 
本作は倫理に反する者ばかり出てきます。彼女がいても他の女と平気で寝る男。彼氏の留守中に他の男とキスしてしまう女。教授でありながら学生に想いを寄せてしまう男。そして劇中劇の殺人犯。一義的には“禁を破るとろくなことが無い”と言えそうです。結末はみんな哀れ。さらにもうひとつ。「禁じられた行いをあえて経験してみたい」。殺人犯と女に共通する心理。倫理より自己の欲求を優先させること。でも現実に倫理に背いても、残るのは虚しさや後悔だけ。女にいたっては、過ちを自ら彼氏に告白する始末です。禁じられているのには理由があります。導かれるのは、“所詮人間は倫理(ルール)に縛られて生きている”ということ。(その最たるものが“人を殺してはいけない”。だから劇中劇とはいえ、ラストの殺人シーンは心を逆撫でします。)人間の性(さが)が表現されている気がしました。なお、映画を含め、文芸関係のタイトルや作家名がわんさと出てくるので、そういった素養の無い自分にはチンプンカンプン。タイトルどおり、カミュなんて読んでないし、本作を理解する上でキーとなる「実存主義」が何たるかも説明出来ません。教養は大切だと思いました。実際、カミュを知らなくても生活には困りません。でも人生を楽しむうえで損をしているのは確か。もっと本を読むなどして教養を身に付けたいと思いました。自分の知識の無さを痛感したことが一番の収穫でした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-20 17:47:20)
32.  隠し剣 鬼の爪 《ネタバレ》 
本作を語るうえで『たそがれ清兵衛』は避けて通れません。少し比較してみます。まずは主役2人。松たか子については文句ありません。惚れました。ハート鷲づかみです。宮沢りえと甲乙つけがたいくらい素晴らしかった。永瀬は予想以上に良かったという印象。時代劇でも十分通用することが分かりました。ただ、真田と比較すると殺陣の部分でツライものがあるのも事実。そして物語。展開は似ているものの、印象はだいぶ違います。本作の方が軽いです。意図的に笑いを入れた描写が多かったことも原因ですが、主人公に悲壮感が感じられなかったのが大きい。失うものが無いこと、迷いが無いこと。主人公の人物造形がやや薄かった気がします。鬼の爪を使う経緯にしてもやや短絡的。人を斬る(殺す)ことの恐怖、重大さを知っている主人公ですから、もう少し強い理由付けが欲しいと感じました。“鬼の爪を物語上どうしても披露したかった”という風に見えます。やはり自分は『たそがれ』の方が好きです。言葉は悪いですが、二番煎じの感は否めません。ただ元々のお茶が上質なので、二番煎じでも十分美味しくいただけます。
[DVD(邦画)] 6点(2006-12-25 18:25:51)(良:1票)
33.  カリスマ 《ネタバレ》 
本作のキーワードは、「世界の法則を回復せよ」。それは、今は“法則が失われた状態”であるということ。生ける者全てが従うべき大原則、生態系における決まりごと。それが「法則」。「弱肉強食」、「己が生きるために他を殺すこと」。人間も生物であるならこの法則に従うべきなのに、現実にはそうではありません。人間はこの法則の範疇外にいます。本作で比喩的に提示されるカリスマVS森林の構図は、個VS集団と捉えられます。猿が高度な社会生活を営むに至って人間となった。種の主体性を個から集団にシフトさせ、法則を捨てる代わりに集団生活のための別の規則(役所=刑事は規則の典型)を手に入れたのです。つまり「法則を回復せよ」を言い換えるなら、「個に戻れ」ということ。桐山が言うように藪池がカリスマであるなら、その能力は木のカリスマと同じ。ラストカットの燃え盛る市街地は彼が引き起こした「社会の崩壊」。藪池の言葉を借りるなら「なすがまま」。以上が本作のテーマ部分の解釈です。次に作品の外郭的な解釈。本作の舞台となるのは、何処か分からない森林、廃墟となった施設、教授の家。どこか変です。キノコを生で食べ、簡単に発砲する藪池。2代目?カリスマの発現の仕方。枯れかけの木に大金を出す男。謎の2つの巨大アンテナ。これら不合理なことを全て説明できる解釈があります。それは“この世界は藪池の夢”。冒頭から2回繰り返して眠る藪池を登場させていることから想像できます。本作の出来事が“夢ではない”という保障はありません。でもこれだとちょっとつまらない。もうひとつの解釈は、“この世界は地獄”。中曽根(大杉漣)が最後に言った台詞です。2回も出てくる“火”と“トラバサミ”。集団で押さえつけ頭をハンマーでつぶす様は、まるで鬼の仕業。社会と隔絶され、金を積んでも抜け出すことが出来ない場所。燃え盛る市街地。まさに「地獄」。こんな解釈も可能だと思いました。想像する余地のある作品は好きです。
[DVD(邦画)] 8点(2006-10-21 18:38:25)
34.  感染 《ネタバレ》 
サイコホラーとしての出来は悪くないと思います。罪悪感の意識に感染するという発想は面白い。キャストも豪華で、芸達者揃い。観ていて安心感がありました。ただ、面白いかと問われれば「普通」、好きかと聞かれれば「別に」と答えてしまいます。理解していない部分が結構あるのですが、そのままでもいいかなと。リンチや黒沢清監督作品の場合、難解でも「理解したい」と思います。“答え”を見つけたいと思う。それが作品の魅力。でも本作の場合、見つけても結果ガッカリする、あるいは答えが用意されていないような気がしてしまいます。何故そう思うのかは分かりません。なので、いつか急に本作を好きになる可能性もあります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2006-10-07 18:14:00)
35.  ガラクタ通りのステイン~エピローグ~ディレクターズカット
「ガラクタ通り」は文字通り、不要なものや使えなくなったもの、値打ちの無いモノの吹き溜まりです。“モノ”は“物”であり、“者”でもあります。毎回、ステインが拾ったガラクタに端を発する物語は、いつも可笑しく、ときに哀しくほろ苦く、驚くほど“毒”を含んでいます。そして「生きる厳しさ」や「幸せの意味」を問いかけてきます。本作『ハーモニカ』は、レギュラーの短編13話に比べて異色の作品です。毒気の薄いラブファンタジー。かなり一般向けにアレンジされた印象です。シリーズファンからすると物足りない。しかし本作がエピローグであることの意味はとても大きい。あのステインが、“生きている人間”に恋をしています。これは作品の世界観を揺るがす大事件。ステインの住むのは人間社会から隔離された世界。貧しくても、人間関係の棘はありません。生暖かな心地よさがある。そこから踏み出し、社会と関わり合いを持ち始めたエンディングに意義を感じずにはいられません。シリーズ全体としてなら満点ですが、本作単独なら6~7点といったところ。でも思い入れの分、オマケさせてください。心優しきステインとガラクタ通りの住人たち。笑いながら、彼らから大切なことを学びました。
[DVD(邦画)] 9点(2006-09-28 18:58:28)
36.  彼女を信じないでください
ラストが簡単に想像できるストーリー。ひと昔前のテレビドラマであったようなベタな展開。そして笑って泣いて楽しめます。非常に手堅い印象を持ちました。こういうありきたりなラブコメを、観客の期待するように、注文どおりに提供されると“やるな”と思ってしまいます。主演のキム・ハヌルも上手い。とても魅力的な表情のできる女優さんですね。(ここ数ヶ月でチョン・ジヒョン、ペ・ドゥナ、ソン・ガンホ(!)…どんどん韓国の俳優さんの名前を覚えてしまっています。一般教養としてペ・ヨンジュンとチェ・ジウくらいしか知らなかったのに、ヤバイ。韓国映画の魅力にはまりそうでちょっとこわいです。)何はともあれ、安心して楽しめます。
[DVD(字幕)] 8点(2006-09-18 12:17:18)
37.  回路 《ネタバレ》 
頭が混乱してしまったので、自分なりの解釈をして整理します。本作の基本設定は武田真治が述べたこと。霊界はいまや飽和状態。死んだ魂の行き場所が無い。溢れ出る場所は現世しかない。霊界から現世に溢れ出るには“回路”が必要。その回路とは“開かずの間”。(タイトルロゴとガムテープを赤色で統一し、観客に説明。)幽霊(霊界に行き場所がなくなって困っている魂。だから“助けて”と繰り返す。)がインターネットを使い“開かずの間”を人間に作らせようとする。その誘い言葉は「幽霊に合いたいですか」。霊の誘いに乗り開かずの間を作った人、あるいは開かずの間に入った人は死ぬ。それは開かずの間が霊界(の入り口)だから。霊界にいるということは死んでいるということ。(最初は自殺という分かり易い方法で死んだが、次第にただ影を残して消えるという形式になる。これは霊界と現世の区別がだんだん無くなっていきているため?)最初、開かずの間は入り口のひとつでしかなかったが、それが増えると霊界と現世の境界が無くなってしまう。霊界=現世。よって現世は崩壊を迎える。言い方を変えれば、生と死の区別が無くなる。(実際、死者にも実体があった。)伝えたいメッセージはパブロン中毒さんのおっしゃるとおり。ラスト15分前までは、展開上の不合理やアラが目に付き、イマイチと思っていましたが、見終わった感想は“凄い”。ここまで話を大きくされると、かえって気持ちがいいです。個人的にCOCCOが大好きなので「羽根」を聴いて好感指数もアップ。ホラーであってホラーでなし。面白い作品だと思いました。でも自分は、本作の本当の姿を分かっていない気がします。一度観ただけでは厳しい。そのため点数は控えめです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-09-15 18:00:38)(良:1票)
38.  亀は意外と速く泳ぐ 《ネタバレ》 
日がな1日ぼーと暮らしている(ように見える)亀、水槽の中で自由を奪われて生きている亀は、主人公そのものであり、平凡な普通の人の象徴でもあります。“亀は意外と速く泳ぐ”は、文字どおり主人公の人命救助のエピソードを表していると同時に、私たち普通の人へ向けたメッセージでもあります。“あなたは自分が思っている以上にやれるんじゃないの?”これはラーメン屋のエピソードからも見てとれます。エンディングでクジャクを救うべく旅立つズズメ。センスのないシールを貼ったトラベルケースを引っ張る主人公の表情は晴れやかです。今の環境を抜け出してちょっとだけ冒険してみようか。“亀は意外と速く泳ぐ”んだから。平凡な毎日を送る人たちへの応援に感じました。(もちろん平凡であること、普通であることを否定している訳ではありません。コレ重要。)正直言うと、作品の空気を掴むのにとても手間取りました。しかし観終わってみるとこの作品を大好きな自分がいました。一旦、好きだと認識してしまうと、すべてのシーン、台詞が可笑しく、愛おしく思えてきます。観る度に愛情が深まっていくタイプの作品だと思いました。脇役が抜群に上手く、上野樹里の魅力が全開の脱力系ファンタジーコメディ。今よりもちょっとだけ楽しく、心豊かに生きていくためのヒントが本作にはあります。本当はもっと高い点数なのですが、この作品には敬意と愛を込めて“そこそこ”の点数を付けたいと思います。
[DVD(邦画)] 6点(2006-06-29 18:08:57)(良:6票)
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