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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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41.  ガンマン無頼
正直、前半は、冴えないというか掴みどころがないというか要領を得ないというかツマラないというかイマイチよくわからんというか、正直、どうでもよくなってきちゃうんですが。 フランコ・ネロが保安官で、でも賞金稼ぎみたいなこともやってて、そういうオハナシなのかと思っていたら、どうやら目標の金額をゲットしたらしくあっさり保安官を辞めてしまう。で、唐突に旅に出てしまう。どうやら亡き父の復讐の旅に出るらしいのだけど、いや、そんな展開を唐突に語られても。 彼にはどこからどうみても押しも押されもせぬ若造、というタイプの弟がいて、この弟も復讐の旅についてきちゃう。 道中、悪徳市長(?)の残虐行為を目撃。 うーむ、こう書いてきて、やっぱり要領を得ないオハナシだわい、と改めて思うのですが、後半、俄然テンションが上がってきます。何と、△△△と××とは、実は□□だったのだ、という驚きの事実が明らかにされるのだから。いや、そう思うと、中盤でちょっとした伏線もあったんですよね、あの主人公と弟が敵に囲まれて墓穴を掘らされる場面。 というワケで、あの悪徳市長と主人公の戦いでも描かれるのかと思ってたら後半はちょっと意外な方向に物語を走らせて、ちょっと意外に盛り上がっちゃったりもして、それなら前半ももうちょっと上手く見せられなかったものか、とも思っちゃうのですけれども。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-10-22 07:49:15)
42.  風の無法者
リー・ヴァン・クリーフを筆頭とした悪党3人組。とある若造から、まんまと彼の輸送していた大金をせしめるのですが、どういうわけかその若造と意気投合した挙句、次回の輸送を警護することに。味方だと思わせて次も楽勝で強奪するぜ、ってなところなのですが、そこにホンモノの盗賊団がやってきて・・・というオハナシ。 どこかユーモラスな3人組に、コミカルな音楽が被さって、基本的に明るい内容なのですが、一方で、盗賊団とのガンファイトはなかなかの見もの。 で、ここでふと、疑問になるのが、この主人公は、スゴ腕なのかどうなのか。なにせ演じているのがリー・ヴァン・クリーフなので、もうイメージとして、このヒトはスゴ腕に違いない、と見てる側は思っちゃう。これでスゴ腕じゃなかったら、単なるヘンな顔をオッサンだもんね。しかし作中ではあまりスゴ腕を見せてくれる機会がなかなかない。実は今回の役どころは単なるケチなチンピラなのか?  いやスゴ腕なんです。なにせリー・ヴァン・クリーフ。という訳で、俳優のもつイメージって、重要ですね。むしろ我々の方から、俳優を通じて、映画に対しある種のイメージを投影してしまいますね。 という訳で、「実は主人公よりも若造の方がずっと腕が立つんじゃなかろうか」という気がなんとなくしつつも、主人公の活躍を堪能し、最後も明るく大団円。。。と思いきや、ちょっと意外な展開が待っており、ここは好みが分かれるところかも知れませんが、やっぱりこれぞリー・ヴァン・クリーフだなあ、と。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-01 14:26:13)
43.  片腕マシンガール
「プラネット・テラー」は片足マシンガールだったけど、こちらは失った片腕にマシンガン取り付けて。 で、どうなるかといえば、マシンガンをチェーンソーに付け替えたら、アッという間に「キャプテンスーパーマーケット」に早変わり。 女子高生が制服のまま戦うカッコよさ、ってのは「キル・ビル」を思い出すけれど、栗山千明がふりまわしてた鉄球よりもさらに凶悪な武器を、本作では主人公ではなく敵役のヤクザの親分が振り回してます。これ、いわゆるアレですよ、「空とぶギロチン」です。 で、親分の奥さんは奥さんで、さらにさらに凶悪な殺人兵器・ドリルブラを披露してくれるのですが、見ててふと、「鉄男」のドリル〇〇〇を思い出してしまいました。 結局、本作には一番近いのは一体何なのか、ってことになりますが、ずいぶん昔、ワハハ本舗か何かのネタで「手首切って噴き出る血で水芸」ってのがありませんでしたっけか。そういうイメージです。まあ、噴き出ること噴き出ること。豪快に血をぶちまけてます。 ここまでくると、もはや「痛そう」ってのは、無いんですね。花火みたいなもんです。もちろん血が噴き出た本人は悲鳴を上げるけれど、花火には「音」も必要ですから。「音」があるから、花火は一層の迫力が出るんです。 という訳で、過去のいろんなモノをちょっとずつパクって、残酷描写で味付けしてみました、というような作品ではあるのですが、でも、決してそれだけにとどまらないのです。いちいちアクションがズバリとキマって、いちいち見得を切って、とにかく、カッコいい。異常なほどに、カッコいい。いや、異常なのは残酷描写の方ですが。でも、せっかくなら、眉をひそめずに映画を楽しむよりは、眉をひそめて楽しんだ方が、より楽しいでしょう、と。 いや、本当にそうだと思います。こんな映画でまさかと思うほど楽しんで、まさかと思うほど映画が短く感じらえ、まさかと思うほど、充実したのでした。やっぱり一番近いのは、昭和のダサカッコよさ、じゃないでしょうか、これは。
[DVD(邦画)] 8点(2019-08-04 17:43:33)(良:1票)
44.  顔のない天使 《ネタバレ》 
この映画、何と言っても、海辺の小さな町のロケーションが、いいですよね。途中、主人公の少年が「ご褒美」として水上艇での遊覧飛行に乗せてもらえる場面、メル・ギブソン演じる元教師は他者と距離を置いて半・隠遁生活をしているハズなのに、このパイロットとはどういう関係なんだ?そもそもコイツ誰なんだ、こんなシーン必要なのか?ってなトコロですが、それでもこの飛行シーンを入れざるを得ない、この空撮を我々に見せざるを得ない、そんな美しさが、あります。これ以外にも魅力的な光景が多く登場し、決して「奇観」というようなものではないけれど、我々の目を楽しませてくれます。 あと、この物語の中でメル・ギブソンがシャイロック役を長々と演じてみせる必要があったのか、と言えば、これはもう単に「やりたかったから、やってみました」というだけなんじゃないでしょうか。せっかくの初監督作品ですから。90年の『ハムレット』で主演して、意外に真っ当にシェイクスピア劇を演じてましたけど、何となく青白いイメージがあるハムレット役に彼がマッチしているかと言えばそうとも言えない訳で、この物語の流れの中で浮こうが何だろうが、アクの強さでもってシェイクスピア劇を押し切っています。 さてオハナシはと言うと、かつて負った右半身の大火傷の痛々しい跡を残し、町民との交流を経って生活する元教師と、ステップファミリーで家族になじめない少年との交流の物語、なんですけれども、ハテどうしてこんなに見事に右側だけ火傷してて、左側は無事なんだろう、「他者に受け入れられない存在」というなら、いささか中途半端な設定にも思えるところですが、物語を追っていくと、なるほどこれは、「二面性」を象徴するもの、いや正確に言うと、「彼には二面性があるのではないかという疑惑」につながるもの、なんですね。しかし、物語がそういう要素を孕んでいるもんで、作品において、少年側から描く部分と元教師側から描く部分とをどういう按配とするかは、難しいものがあります。正直、さらに視点を少年側に寄せて、元教師を謎めいた存在にしてもよかったか、とは思いますが(例えば模擬試験後に二人が別れるシーン、家の中からではなく外から撮影するべきところでは・・・とか言うのは、発想がベタですかねえ?)。 少年は無事に受験を突破するも、元教師はひっそりと姿を消す。ってコレ、「泣いた赤鬼」じゃないですか(笑)。ただし本作の場合は、後日談を引っ付けて、一見、蛇足っぽいけど、それでも我々をホッとさせてくれます。少年の実の父親がもはやこの世にいない、だからこそ、父親代わりの元教師が、ここにいて欲しいんですね。 それにしてもこのメル・ギブソンが演じている元教師、本来の担当教科は一体、何だったんでしょうか。まさにデキスギ君ですね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-14 11:56:17)
45.  影の軍隊(1969) 《ネタバレ》 
フランスのレジスタンスを描いた作品ですが、地味系スパイ映画、といった感じ、そして何ともやり切れない虚しさ。 『史上最大の作戦』なんかを観てるとレジスタンス大活躍、なんですが、本作はまだそこに至らないホントの地下活動。リノ・ヴァンチュラが収容所で脱走とレジスタンスへの参加を持ちかけられるところから始まるけれど、劇中で最初に描かれるレジスタンス活動が、密告者である仲間の粛清である、ってのがまずやり切れない。これが現実。 そんな中で、シモーヌ・シニョレ演じる女性活動家の存在が、レジスタンス仲間にとって、また観てる我々にとっても、希望となるのですが、彼女にもどうにもならないことだってある。 彼女が最期にみせる曖昧な表情が、安易な納得感を拒絶し、誰もが等しく消耗品とならざるを得ない現実の厳しさと矛盾を、我々に突きつけます。 曇天の下、ひたすら閉塞感がたちこめて、そのまま終わってしまう。レジスタンス活動が最後にどう報われたか、なんて、テロップですらも示さないんです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-07 08:50:53)
46.  カメラを止めるな!
映画の撮影の裏側を描く作品って、楽屋ネタみたいなのばっかりだったらヤだな、と思うのですが、その点、本作は、「映画って、こうやってみんなで力を合わせて作るもんなんだよ」という、シンプルで、感動的で、「映画」という枠を超えた一般性のあるメッセージへと、自然に繋げていってるのがいいですね。 単なるアイデア勝負みたいな面もあるんですけれども、多少強引な演出が、よりその可笑しさを際立たせているし、「まさかそこが笑わせるポイントだったとは」という意外性が、二重の笑いを生む仕掛けになってます。
[地上波(邦画)] 7点(2019-06-30 17:11:13)(良:1票)
47.  カリートの道
これはもう、Carlito's Wayというよりは、Pacino's Wayであって、いつも通り、というかいつも以上に、存分に映画の中で語りまくってます。手振り身振り全開で、実に気持ちよさそうに語りまくり、おかげで時にはカットが切り替わると手の位置がズレてしまってる、なんて事も発生する訳ですが、そんなの些細なこと。何せ気持ちよくしゃべってるんですから。 デ・パルマも例によって例のごとく、カメラをクルクルと走り回らせたり、疑似パンフォーカスともいうべき合成映像使ってみたりと、お構いなし。 こんなコトばっかりやってると映画がバラバラになりそうですが、この映画、意外に収まりがいいんですね。主人公像にアル・パチーノがよくハマってる。大物のようでありながら、何となくセコい感じがね。ジョン・レグイザモをいたぶるあのエラソーな感じが、実にお見事。 デ・パルマも本作の終盤のクライマックスでは、実に真っ当に追跡劇をスリル一杯描いていて、そう、やろうとおもったらこういう事できるんですよね。できるのにやらないのね。本作ではちゃんと、シビれるほどの盛り上がりを演出してくれます。 で、これらすべてが収斂していく、衝撃のラスト。衝撃的だけど、でもやっぱりこれしかないよね、という説得力があります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-14 15:36:44)
48.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
つい、本人の将来のためとばかり、勉強しろ勉強しろと子供に言ってしまう日頃の自分に気づかされてドキリとし、本当にこんなことで良いんだろうか、なんて思ってしまうのですが、もちろん本作がそういう現代の風潮を寓話的に描いただけの作品ということはないでしょう。ただこれも一種の普遍性、と言えるのではないか、と。 なにせ、赤ちゃんから少女に成長する「かぐや姫」の、一挙手一投足までが、すべて愛おしい。 高貴の女性はめったなことで立ち上がったりはしない、などと言われるけれど、そして捨丸と再会した姫は籠の中の鳥のように身動きがとれないのだけど、二度目の再会では、振り返りながらスックと立ち上がって見せる、その姿の美しさ。 そしてラストで、記憶がない筈の姫が振り返る、まさに何を想うか、というその姿の美しさ。
[DVD(邦画)] 10点(2018-05-16 22:53:02)(良:1票)
49.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
X-メンの「私、こんな特技あります、映画の中で活躍してみせます」といういささか鼻につくアピールに比べると(そこが魅力なんだろうけど)、こちらは、どうしてこんなポンコツメンバーが集められて一つの作品になっているのやら、正直、企画の意図がよくわからない。 そこが魅力ですね(← 要するに何でもいいのか)。 それぞれが何やら屈託を抱えているらしいのだけど、そういうのも物語のちょっとしたスパイス程度に抑えて、あくまでお祭り映画のノリで。 ただし、本作を見た後は、「動物映画」を見ても素朴に「キャーかわいい!」とは言えなくなる副作用は、あるかもしれません。
[DVD(吹替)] 7点(2018-05-12 02:47:09)
50.  ガトリング砲
あんまり映画がダメダメでポンコツだとかえってカルト的な人気映画になっちゃったりしますけど、そういうのはポンコツ映画界のエリート中のエリート。たぶんその多くは地味でダメな、地味ダメ映画。ポンコツ映画の裾野は広くって、西部劇にだってダメダメなものは、あるもんです。 例えば本作。気持ちいいくらい、ポンコツですねえ。うれしくなってきます。 マカロニかと思いきや、アメリカ製。 ガトリング砲を運ぶ一行と、それをつけ狙う先住民との戦いが、一応は描かれてるんですが、この演出力の無さたるや、なかなかのレベルに達しております。適当に登場人物を立たせて適当に撮った感じ。セリフの無いヒトは演技もしないでいいんだよね、という感じ。この、すべてにおいて気の抜けた感じ。これに比べりゃ、普段目にしている映画たちが、どれだけ「ちゃんと」作られてることか。 ガトリング砲の争奪戦という明確なテーマがあるにも関わらず、作品がグダグダで、内容がボケボケ、登場人物も誰が誰やら一向に興味がわきません。『バファロー大隊』なんかでお馴染みのウディ・ストロードは一応、何となくは目立ってますけど、でもまあ、あくまで、ほどほどの活躍。 なにせ、戦闘シーンがヒドイんです。最初の方で、撃たれたヤツが唐突に爆死したのには笑いました。オマエはショッカーの怪人か、と。先住民が襲ってくる場面なんかの撮影は、それなりに物量作戦で盛り上げようとしてるんですけどね。ただ、撃たれた連中の倒れ方が、ただ寝そべってるだけ、やる気ないことこの上なし。何となく撃ちまくって、何となく倒れる(いや、寝そべる)。大勢撃たれて死屍累々、ともなると、後から撃たれて倒れるヤツは、先に倒れているヤツをよけて、空きスペースを探してヨッコラショと倒れ込む始末。 馬に蹴られたからといって、死体役は動いてはいけないのです。 きっと出演者には「適当に撃ち合って適当に倒れてよ、あとはカメラがうまいことやるからさ」とか言って、カメラマンには「迫真の撃ち合いやるからさ、適当に撮っといてよ、あとは編集で何とかするからさ」とか言って、で、何ともならなかった、ってことじゃなかろうか。 昨今、わざとカメラを手ブレさせる映画は珍しくないけれど、「カメラマンが何かにぶつかったか、つまずいたかして、大きくブレてしまった」みたいな、家庭用のビデオでよくある失敗を、そのまま編集で落とさずに映画に採用するってのは、どういうことなんだろうか(何か所か、あったよね)。 先住民が撃たれて落馬するスタントシーンを、まるで急に思いついたようなスロー映像で見せるのも、カッコよくない、というか、もはやビンボー臭い。 一番問題だと思うのは、物語のキモともいうべきガトリング砲がついに火をふいても、絶望的なくらい、迫力がないんですね。これが。 という訳で、ちょっとした珍品と思って観れば、楽しめますヨ。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2018-04-29 17:04:08)
51.  カンニング・モンキー/天中拳
とてつもなくバカバカしい内容、ってのは座頭市やポパイのパロディを見てもわかる通りですが、とにかくジャッキーが弱い。フザケてばかりで、ひたすら弱い。なのにラストでは、奥義書をナナメ読みしながら戦い、強くなっちゃう。何だか、空手を「通信教育」でやってた、という岡八郎の往年のギャグを思い出しますが。 そんでもって、オハナシはとにかくデタラメで、もう何がいいたいのやら何を描きたいのかサッパリ、なんですが、中盤、とっ散らかすように登場させまくったキャラたちが、クライマックスでは何故だかちゃんとそろい踏みしていて、何故だかちゃんとスピーディなアクションを繰り広げてみせてくれる。なんと強引な。でもこういう「一見存在しないかと思われた起承転結が、実はちゃんと存在している」ってのは、いいもんです。 それにしても、実にデタラメですが。
[地上波(吹替)] 7点(2017-11-07 22:45:03)
52.  怪盗グルーのミニオン大脱走
今回は、悪役のノリが80年代風、ってのがあって、しかも巨大ロボみたいなのが出てきたりすると、少し『20世紀少年』なんかを思い起こしたりもするし(←80年代じゃないけど)、さらにビックリドッキリメカみたいなのがウジャウジャ出てくると、タイムボカンとかヤッターマンとかを思い起こしたりもして(←80年代じゃないけど)。 それにしても本作、実に実に豪快にとっ散らかしてくれました。例によってエキセントリックな悪役が登場するのはいいとしても、シリーズ初登場の「こんな人が登場したら一ドラマも二ドラマもありそうな」キャラが、当たり前のような顔をして加わるやら、その一方ミニオンたちはどこかに行っちゃって勝手な事ばかりするやら、どこまでも物語は広がり、とっ散らかり、楽しいことこの上なし。これだけ散らかしたんだからいっそのこと、このまま無限に発散して映画を終わらせちゃったら、一大迷作として殿堂入りさせようものを、映画が進むに従い、チャッカリ見事に収束させてくる。あーどうせこうやって伏線がどんどん収束していくんだろう、くそー、ウマイことやりやがって、と、大いに楽しみつつ、何だか少し腹が立ってくる(笑)。 CGアニメの面白さも格別。悪役がムダにダンスしたりして、とにかくこのムダな動きの数々、「すべて人工的なCGのはずなのに、予想のつかない動き」になってるのが、これまた楽しいんですね。 あ~、楽しかった。
[映画館(吹替)] 8点(2017-09-18 18:16:27)(良:1票)
53.  怪談(1964)
観てる人をビビらせるための「ホラー映画」とは一線を画していて、でもまるっきりコワい要素ゼロと言ってしまっては言い過ぎなので、0.5線くらいを画している、とでも言いますか。画面の中で、隅の方が薄暗いとなんだかヤな感じが出るところですが、この映画では全体的にわりと明るいんですね。見通しがいい。 その代わりと言っちゃなんですが、観てると「え~これもスタジオやんか、どれだけ大規模なセット作りまくってるのよ」と、その大判振る舞いぶりが、ちょっとコワくなってくる。おかげで、にんじんくらぶ、潰れたんでしたっけ。それはともかく。 残酷版うらしまたろうみたいな第一話から、おなじみの雪女(雪女って走るんですね)、耳無し芳一と来て、最後にデザート替わりの小品がオマケについてくる。いずれも夜中にトイレ行けなくなるような怖さじゃないけれど、どこか「崩壊」の感覚に繋がっていて、はかない夢のような虚しさがある。 それを増幅させる、武満徹のテープ音楽。和楽器の音色を大きくは損なわないように提示しながら、ところどころで思わぬ変調をかけて、独特の世界を作り上げていってます、が、これだけ音楽が個性的でありながら映画にもちゃんとマッチしてる、ってのは、特筆モノでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-08-21 21:57:31)
54.  カーズ クロスロード
「およげたいやきくん」並みに、サラリーマンのおじさん向け作品でした・・・別にサラリーマンにもおじさんにも限定されませんけれども。 と言ってもそんなシブい内容じゃなくって、やや性急な展開。ドタバタしてます。子どもも大いに楽しめます。映画中盤なんか、カオスです。でもこうやって泥まみれになってみて、初めて掴める真実ってのもあるんだね。と、しみじみ。 カーレースという、メカニックで人工的な世界、それと対極にあるような、泥だらけのハチャメチャレース。あるいは海岸での走行練習。そういった「自然」が、CGで丹念に描写されています。実際、映画の中で、緻密に描かれた背景にハッとさせられる場面もしばしば。そうか、1作目だってホントはこういう驚きを目指してたんだろうね、と思えば、これもCGの進化というのか、あるいは深化というべきか。 個人的には、クルマに顔がついてて、しかも天才バカボンに出てくる本官さんみたいに目ん玉つながりなのが、どうも苦手で、できれば「表情に頼らない描写」ってのを目指してほしいなあ、という気もしつつ、でもクルマに人格がある事を表現するためにはある程度のクローズアップは必要なワケで、その辺りのバランスも、何とか保てているのかなあ、と。 2作目は「なかったこと」になってるのかどうなのか、メーター君はふたたび脇役にまわってますが、ここでもやっぱりいい味出してます。
[映画館(吹替)] 8点(2017-08-06 03:30:57)
55.  海底二万哩
ミニチュア撮影も水中撮影も見事な、1954年カラー作品。有名な原作を元にしつつも、いささか長すぎて間延びした感もある原作に比べると、エピソードをうまく配置して実にテンポよく物語が進みます。タイミングよく登場するアシカちゃんも印象的。 ただ、この映画のネモ船長、原作ほどの「強さ」は感じられないですね。どちらかというと少しイジけた感じもあって、それが原作と異なるラストにも繋がっていきます。映画では、ネッド・ランドが事実上の主役と言っていい存在になってますが、これが、楳図かずお服に身をつつんだカーク・ダグラス。マッチョな肉体を見せびらかしつつ、若々しいネッドを演じているのですが、実際にはそこまで若くないし、そもそも顔がカークダグラス顔だもんでちょっとコワいし、正直、違和感が無いでも無い。でも、肉体派スターとしての本分は十分発揮されていて、違和感を補って余りある魅力を感じさせます。 あと、原作では大ダコに襲われますが、映画では、これはバイラス星人でしょうか。このあたりもたっぷりと戦いを見せてくれて、大きな見どころになってます(そういや、原作ではむしろ、ネッドの方がネモに助けられるんでしたっけか)。 あと何と言っても、ノーチラス号の造形が、いいですなあ。蒸気機関車の持つ機能美というか、「鉄」の魅力というか。あのゴツゴツした感じ。変に近代的にしようとしていないのがかえってユニークであり、見てて嬉しくもなってきます。 それにしても人食い人種の、何という多さ。カーク・ダグラスひとり食っても、腹の足しにならんでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-04-08 09:35:30)
56.  外人部隊フォスター少佐の栄光
今やすっかり売れっ子プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー。その彼の初期のキャリアにおいて、このディック・リチャーズという監督さんとの仕事が続いていたのが目を引きます。本作もその一本、ってか、その最後。結構、シブい仕事やってたんですね。 ジーン・ハックマン演じるフォスター少佐の率いる外人部隊。今回の任務は、発掘隊に同行し、彼らを護ること。外人部隊ってのはやはり、「消耗品」のイメージですね。フォスターが今の地位にあるのも、たまたま生き残ってしまったから、という側面がある。そして今回また新たに集められたのも、生え抜きの軍人ではない、「寄せ集め」の兵士たち。発掘隊の警護という任務は、現地の部族から襲撃される恐れもあれば、砂漠の過酷な行軍もあり、確かにそれは命がけの大変なものではあるけれど、でもやはり、「戦場に向かわない軍隊」ってのは、どこか矛盾をはらんだような、奇妙な存在でもあるんですね。もともと、外人部隊という、「祖国のために戦う」という形式的な名目すらも持たない彼ら。今回の任務は、フランスの立場から見れば考古学の発展のためかも知れないけれど、現地の部族から見れば、単なる侵略と略奪に他ならない。という矛盾に満ちた任務のために、過酷な訓練と行軍を続ける彼らのその傍らには、発掘隊という民間人が、日常を引きずりながら存在してる、というその光景は、何だかシュールでもあります。まるでその彼ら一行が、ひとつの閉じた世界、小宇宙でもあるような。そういう矛盾と緊張感をはらみながら、壮絶なクライマックスへ。 正直、せっかくなんだからもうあと一人か二人、外人部隊の中に特徴的なキャラクターを入れて、物語を膨らませてもよかったのかな、とも思うし、奇をてらった演出は今となってはむしろ時代を感じさせたりもするけれど、それでも描かれるこの独特の世界が、強い印象を残す作品であることは、間違いないでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-02-26 08:52:25)
57.  カイロの紫のバラ
映画賛歌のようでもありながら、ニューヨーカーのウディ・アレンによるハリウッド批判も含んでいるようでもあり、なかなか一筋縄にはいきません。 舞台は恐慌下のアメリカ。主人公の女性、仕事はつまらないし(本人のやる気が無さすぎるのも問題だけどそこはご愛敬)、夫は暴力を振るうし、そんな冴えない日常の中で、楽しみは映画を観に行くこと。現実とは違い、映画には、夢が、希望が、ステキな世界が溢れてる。それどころか何と、映画のスクリーンから憧れのスターが飛び出しきて一騒動が持ち上がる、というオハナシですが、要するにコレ、映画がスクリーンの向こうにとどまらず、現実世界にまで夢や希望を押し売りしてくるオハナシでもあるんですね。映画を観終わってしまったら、また厳しい現実に戻るしかないのに。 主人公の女性は、夢が現実になったと感じ、ついにこの幸せとは言えない生活から離れることができると感じる。しかしそういったものすべては、ひと時の幻影に過ぎない。それはあたかも、映画を観ている束の間だけ信じることができた、夢や希望。それに所詮そんなものは、ハリウッドのシステムの中では単なる商売道具だったりもする。 でも、それでもいいじゃないの、つかの間でもつらい現実を忘れて夢を見られるならば。だからみんな、映画を観るんだ、と。 あーーーーなんてイヤな映画でしょうね、これは(笑)。ホントはそんな事も含めて、忘れてしまいたいのにね!!
[CS・衛星(吹替)] 8点(2017-01-11 22:30:53)
58.  カンサス騎兵隊
ごんべさんの赤ちゃんがカゼひいた~でお馴染みの、奴隷解放活動家ジョン・ブラウンが、ここではだいぶイッチャッてる原理主義者として描かれてます。目をギラつかせたその顔からあふれ出る、強固な意志。そして、その彼に立ち向かう騎兵隊の若造ふたり、これがエロール・フリンとレーガン大統領。マヌケ面が(失礼)なんとも頼りないのです。逆に言えば、彼らのプチ成長物語でもある訳ですが、ま、さほど成長はいたしません、ハイ。 それはともかく、片や狂信的なジョン・ブラウン、片や甘っちょろいところのある若き兵士、その間には、騎兵隊を追い出されブラウンの手下になった者がいたり、逆にブラウンに愛想をつかす息子がいたり、そして何といっても、両者の争いに巻き込まれる形で運命を左右される黒人たちがいたりする、というあたりには、ドラマの多層性というものも幾分、感じられます。 が、理屈抜きに、やっぱり見どころは戦闘シーンですかね。ちょっとした戦争映画です、これは。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-09-12 22:25:28)
59.  がんばれ!ベアーズ
弱小少年野球チーム、いや弱小なんてもんじゃなく、ポンコツの極みみたいなチームに、吞んべえの監督がやってきて、それはそれはもうどうしようもないハズなんですが、手っ取り早く助っ人を入団させて快進撃。日頃の地道な努力なんて知ったこっちゃない。おいおい、そんなんでいいのか。 まあ、いいんでしょう。スポコンではなく、ホノボノ路線でとどめていることで、多少の能天気さは気にならないし。勝ち負け以前に、まず大事なのはチームワーク、信頼関係だ、というのも悪くない。 ただせっかく、チームの子供たちをそれぞれ個性的に設定したのに、肝心の彼らの表情を、もうちょっとうまくとらえられなかったもんかねえ、というのが何とも残念。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-08-21 10:25:30)
60.  革命児サパタ
本作が公開された1952年という年は、エリア・カザン監督にとって運命の年とでも言いますか、本作の後、赤狩りに協力して仲間を「売って」しまった訳で、そう思うと、この、隣国の革命家を描いた作品の位置づけというのも、タイミング的に言って微妙なものがあります。 とは言え、そういう背景が関係したにせよ、しなかったにせよ、主人公であるエミリアーノ・サパタという人に、あまり入れ込むことなく、客観的に描いていることで、引き締まった作品になっております。一農民でありながら反骨精神を光らせる登場シーンから、やがて革命軍を率いる存在になっていくまで、映画は歩みを止めることなくどんどん進んでいき、マーロン・ブランドも不愛想な表情を貫いて、どこか近づきにくい主人公のイメージを保ち続ける。結果的に、アンソニー・クイン演じる兄の人間臭さとの対比が生まれ、兄とのエピソードも生きてくる。 サパタが「伝説」となっていくラストなども、心憎いですね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-02 10:45:53)
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