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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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41.  風が強く吹いている 《ネタバレ》 
箱根駅伝を目指すある陸上部を描いた青春映画。個人的には箱根駅伝になんの興味もないのだが、それでも駅伝シーンは実際の駅伝に参加して撮ったんじゃねーのというくらいに臨場感があり、見ごたえも充分。しかし、実際の駅伝だとちょっとありえないだろうと思う部分や、最後の小出恵介がゴールするシーンはちょっとやりすぎな感じがした。それに箱根駅伝を目指すという部分に焦点があたりすぎてて、主人公二人の背景などイマイチ人間ドラマに深みが感じられなかったのが残念。ここらへんをもうちょっとなんとかしてほしかったが、まあ全体的に爽やかな青春映画という感じで見終わった後の後味もいいので、見て損をしたような気にはならないし、細かいことを気にしなければまあまあそこそこ楽しめる映画だと思う。ところで、「ウルトラマンメビウス」で怪獣マニアの隊員役を演じていた内野謙太がこの映画ではクイズマニアの部員役というのが妙に笑える。
[DVD(邦画)] 5点(2010-04-13 17:45:29)
42.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
確かに子供向けを意識して作ったという感じでこの年になって初めて見たら物足りない部分も多いし、リサの危なっかしい車の運転や、初期の「クレヨンしんちゃん」のしんのすけの如く両親を呼び捨てにする五歳児などちょっと気になるところはあるし、突っ込みどころも探せばけっこうあるのだが、逆に子供向けを意識したのが良かったのか最近の宮崎アニメにあった説教臭さや堅苦しさという物が抜け、気軽に何も考えず楽しめる映画となっていて、「となりのトトロ」よりは劣るが、「もののけ姫」以降の宮崎アニメの中ではいちばん良かった気がする。(「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」にあったグロテスクな描写が抑えられているのも○。)最近のアニメでは珍しくなった全編手描きによる作画もどこか優しい感じでとても好きだ。声優陣も山口智子、所ジョージ、長嶋一茂などいつものように有名人でかためているが、その演技も今回は安心して見られるレベルだったと思う。ここからは完全に私事の余談なのだが、この映画、知り合いの娘さんがスタッフとして参加しているらしいのだが、エンドクレジットがよく読めず、名前を発見できなかった。(ちなみに現在はジブリを退社しているらしい。)
[地上波(邦画)] 7点(2010-03-08 02:56:57)(良:1票)
43.  からっ風野郎 《ネタバレ》 
増村保造監督が大学時代の同期生でもある作家・三島由紀夫を主演に迎えて作ったヤクザ映画。冒頭のタイトルロールの音楽からして大映っぽくなく、むしろ日活アクション映画を髣髴とさせるような出だしに少し違和感が。はっきり言って増村作品云々よりは俳優としての三島由紀夫に興味がいって見た映画だったが、主演の三島由紀夫の演技は共演者たちと比べてしまうと素人の分だけあって下手ではあるが、まあ思ったほど酷くはないと思う。(よくもないが。)話のテンポは増村監督らしくよくて分かりやすく楽しめるものの、出来としては普通のヤクザ映画の域を出ておらず、平凡な印象で、若尾文子に関しても印象は普通で、妊娠を三島由紀夫に告白するシーンや、堕胎薬を飲まされそうになるシーンで、増村監督の映画のヒロインらしい強さを見せるもののそれでも何か物足りない。ラストのエスカレーターのシーンがいちばん印象的だけど、増村映画として特に見るべき点は少なく時期的に「氾濫」同様に発展途上の作品と言ったところか。そういえば主人公のおじさん役で志村喬が出てるけど、増村映画に志村喬というのはちょっと珍しいなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2010-01-07 14:56:23)
44.  母べえ
山田洋次監督らしい丁寧な作品になっていてほろりとくるシーンもあれば笑えるシーンもあっていいのだが、やはり主演の吉永小百合がこの役を演じるのはミスキャストなのがかなりの致命傷になっていると言わざるを得ない映画で、どんなに主人公一家が慎ましい生活をしていても、吉永小百合が出ているとなんかうそ臭くなってしまい、リアリティーを感じない。志田未来ら子役をはじめとした脇の芝居がいいだけになぜ吉永小百合を使ってしまったのか理解に苦しむ。見ている間、田中絹代のほうがいいよなあとずっと思ってた。(既に現在は故人なんだけど。)海水浴で溺れた浅野忠信を助けるために海に飛び込むシーンとか最後の病院のシーンとかも主演の見せ場を作るためだけに入れたとしか思えない。このキャスティングが影響しているのか作品としての出来のほうも最初に書いたように丁寧な印象はあるものの、最近の山田監督の映画の中でははっきり言って凡作だと思う。「男はつらいよ」シリーズのマドンナにもう一度、吉永小百合を歌子役で起用する計画があったと聞いたことがあったので、ひょっとして山田監督が吉永小百合と仕事したかっただけの映画ではないのかと見る前に薄々思っていたが、実際その通りの映画のような気がした。
[DVD(邦画)] 5点(2008-10-14 13:09:57)(良:1票)
45.  影の車
野村芳太郎監督による松本清張ものの一編。後の同じコンビによる「鬼畜」と同じように子供が話に絡んでいる映画だが、本作では「鬼畜」とは違い、愛人の幼い息子が自分に殺意を抱いているのではと思い込む男の心理が描かれていて「鬼畜」とは全く違う怖さがあってなかなか面白かった。特にガスの充満した家の中に閉じ込められるシーンはかなり怖い。脚本を書いているのが橋本忍で主人公を演じるのが加藤剛(好演。)なこともあってか、破滅していく主人公やタイトルバックとラストの回想の海のシーンはどことなく「砂の器」を思わせている。愛人を演じる岩下志麻は一人の男を愛する情念の女を熱演していてとても大人っぽく、反面普通の母親役だが既に「鬼畜」で演じた緒形拳の妻役の面影があり、少し怖かった。それでもこの映画では子役の無表情な演技がいちばん怖い。そういえば「鬼畜」では岩下志麻と小川真由美が本作と逆の立場の役柄で共演していたが、本作を意識してのキャスティングだったのだろうかとつい考えてしまう。
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-29 19:24:39)
46.  鍵(1959)
市川崑監督の谷崎潤一郎原作ものといえば80年代に作られた「細雪」があるが、あれとは全く印象の違う映画。冒頭映画を見ている観客側に向かって話しかけてくる仲代達矢をはじめ、京マチ子や叶順子の表情と視線など主要な登場人物たちがとにかく不気味で怖く、映画自体の雰囲気も異様な感じがしてインパクトがありなかなか面白かった。ちょっと題材的に数年後に同じ谷崎作の「卍」を手がける増村保造監督向きかとも思うが、「卍」よりも楽しめた。市川監督らしい凝った映像は本作でもいかんなく堪能できるし、皮肉めいたブラックなラストシーンも印象的だった。
[DVD(邦画)] 7点(2008-03-18 14:31:33)
47.  ガス人間第一号
「美女と液体人間」、「電送人間」では警察と変身人間の攻防を中心に描かれていたが、この「ガス人間第一号」は、それよりも実験台にされてガス人間になってしまった男と彼を愛する一人の女の悲しいラブストーリーに重点が置かれており、深い人間ドラマが描かれる秀作になっている。正直言ってここまで深い内容だともはや完全に大人向けの恋愛映画である。考えてみれば本多猪四郎監督は最初の本格的な空想特撮映画である「ゴジラ」でも芹沢博士と山根恵美子の悲恋(一応、三角関係ではあるが。)を描いており、ここにこの監督の本質があるのだなと改めて感じる。それにしてもラストシーンは思わず泣けてきた。出演者の中ではガス人間水野を演じた土屋嘉男、特撮作品には珍しい八千草薫はもちろんだが、藤千代に仕える爺やを演じた左卜全がとくに素晴らしく、彼の演技がよりいっそうこの映画の完成度を高めているといっても過言ではないだろう。
[DVD(邦画)] 8点(2007-12-27 01:52:19)(良:5票)
48.  河内カルメン
「悪名」の今東光の原作を鈴木清順監督が映画化した風俗映画。ストーリーだけ見ればドロドロした内容なのだが、テンポのいいストーリー運びと清順監督のスタイリッシュな演出のおかげで、変な言い方かもしれないが、暗い映画のはずなのにとても楽しく見られた。野川由美子がバイタリティーあふれる主人公を熱演しており、すごくかっこよかった。主人公が使う河内弁の響きも「悪名」の勝新と同じくとてもいい。
[DVD(邦画)] 9点(2007-11-26 02:22:05)
49.  眼下の敵
前に見た時ははっきり言って地味な印象しかなかったが、久しぶりに見てみるとめちゃ面白かった。ただひたすら駆逐艦とUボートの戦いを描いているのはすごく分かりやすくてかつスリリング。ロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンス演じる両艦長ともにかっこよく、また駆逐艦とUボートどちらか一方に比重を置いた描き方をせず、双方が対等に描かれているので偏りがなく二人の艦長が主人公のような扱いなのでこの二人の人間ドラマとしてもじゅうぶんに楽しめた。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-11-07 13:29:23)
50.  ガメラ2  レギオン襲来
十数年前の初見以来、かなり久しぶりに見た。以前見た時は仙台の壊滅などに衝撃を受けながらも前作「ガメラ 大怪獣空中決戦」のインパクトが強すぎてこの2作目は全体としてはそれほど印象に残っていなかったが、今回改めて見てみると前作より面白かった。前作もかなりリアリティーを持った怪獣映画だったが、本作はそれ以上にリアリティーを感じさせており、自衛隊の描写も「機動警察パトレイバー2」で自衛隊のクーデター事件をリアルに描いていた伊藤和典が書いている上に全面協力のもとで撮影しているだけあって今まで見たどの怪獣映画よりもリアルさが際立っている。ただ、いささか自衛隊の広報のようになってしまった気もするが。後半の自衛隊とレギオンの攻防も自衛隊側に非現実的な描写がないのがいい。レギオンの生態解明に迫っていく部分が前作のギャオスのそれよりもさらに凝っていてよりミステリーとしての面白さがある。特撮部分も草体レギオンのシーンは「ウルトラQ」の「マンモスフラワー」を思わせていて印象的だし、小型レギオンの群れがガメラに吸い付くシーンもなかなかだと思う。レギオンの名前が聖書から取られているのは今にして思えば押井守監督の影響があるのかもしれないなあ。何はともあれ、プレッシャーもあったであろう中で前作に負けないほどの完成度の高い怪獣映画を作り上げた金子修介監督、樋口真嗣特技監督以下スタッフの力量にはおどろかされる。(この勢いが三作目まで持続しなかったのは少々残念だが。)最後に出演者について少し。渡良瀬を演じる永島敏行は「異人たちとの夏」や「地震列島」に続いて今回もレギオンに襲われる吹越満とラサール石井を助けに現れ、もうこういうのが個人的にイメージとして出来つつある。(まあ今回は自衛隊のメンバーということもあるんだけど。)川津祐介は若い頃より年を取ってからのほうが好きだな。そしてワンシーン出てくる小林昭二。「ウルトラマン」や「仮面ライダー」などで特撮ファンにはお馴染みの俳優(1976年の「犬神家の一族」以降の市川崑監督作品の常連でもある。)で、幼い頃からとても好きな俳優なのだが、特撮作品ではこれが遺作なのかと思うとなんだか切なくなってくる。(2010年4月17日更新。)
[CS・衛星(邦画)] 9点(2006-06-03 13:49:33)(良:1票)
51.  がんばれ!ジャイアン!! 《ネタバレ》 
感動短編シリーズ第4作。ジャイアンとジャイ子の兄妹愛を描いているが、感動短編シリーズというよりはほぼジャイアンのスピンオフ作品といった感じで、彼の魅力は存分に出ていてジャイアンが好きならじゅうぶん楽しめる内容となっている。(実際、ジャイアン好きなのでそこそこ楽しめた。)しかし一方で、この話を感動短編シリーズでやるのはちょっと異色に感じるし、そういう目で見ると話的にも平凡で物足りない気がするのも事実ではある。でも、エンドロールまで見るとのび太と結婚するはずだったジャイ子は結局誰と結婚したのかが想像できるようになっていて、そこは良かった。(2023年3月19日更新)
[DVD(邦画)] 6点(2006-03-16 00:27:37)
52.  隠し剣 鬼の爪
確かに「たそがれ清兵衛」と似たようなストーリー展開で、新鮮味はなかったが、こちらのほうが山田洋次らしい映画だったように思えて、個人的には山田作品としては「たそがれ清兵衛」よりも良かった。出演している役者陣ではきえ役の松たか子が実にいい。実は芝居をしている松たか子を実はこれで初めて見たのだが、アイドルのイメージが強かった(って、何年前の話だよ。)ので、予想以上にいい演技をしているのを見て驚いた。ところで、山田監督の次回作はまた藤沢周平原作の時代劇だそうで、楽しみではあるが、主演がキムタクとのことなのでちょっと心配。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-01-10 03:35:45)(良:1票)
53.  家族(1970) 《ネタバレ》 
この2年後にほぼ同じスタッフ・キャストで作られた似たような内容の「故郷」を先に見ていたので、印象がかぶってしまわないかとちょっと心配だったけど、「故郷」とは違い、北海道にたどり着くという一つの目標があり、それを達成するために旅を続ける家族の姿が描かれ、また違った感動がある。東京で娘が倒れてしまい、必死に病院を探す主人公夫婦にとても感情移入してしまった。とくに、倍賞千恵子演じる妻のなんとか助けてあげたいという気持ちが痛いほど伝わってきて、かなり切ない。前田吟や笠智衆も良かった。シリアスな物語の中にあって、チョイ役で出演の森川信やハナ肇、渥美清が出てくるシーンではついほっと一息つける。ドキュメンタリーを見ているかのような撮り方もその時代の空気が伝わってくるようで効果的だと思う。しかし、「男はつらいよ」を始めたこの頃の山田洋次監督の映画は本当に外れが少ないなあ。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2006-01-04 14:17:00)
54.  帰ってきたドラえもん 《ネタバレ》 
感動短編シリーズ第1作。「ドラえもん」の中でも名エピソードの一つである「さようならドラえもん」と「帰ってきたドラえもん」を原作にしていて、この話はついこの間見た「STANDBYEME ドラえもん」でもやっていたのだが、こちらの映画も久しぶりに見てみることに。夜眠れないドラえもんとのび太が散歩で出かけた公園でシーソーに乗っているシーンが本当に二人の別れが近いことを感じさせていて良いし、その後に現れたジャイアンに対してドラえもんに頼らず何度ボコボコにされても泣きながら立ち向かっていくのび太がまさに「漢」というものを感じさせていてかっこよく、その涙や「ドラえもんが安心して未来へ帰れないんだ」という言葉には友を思う優しい気持ちとドラえもんが居なくなるというさびしさが入り交じっていて、それだけでもう泣けてくる。ドラえもんとのび太の別れと再会を描いていて、二人の友情や絆の深さにももちろん感動してしまうのだが、やっぱりこのジャイアンとの決闘シーンにドラえもんに対するのび太の気持ちがいちばん表れていると感じるし、この話は友情の大切さもそうだが、それだけでなく困難に一人で立ち向かう勇気を持つことについてもちゃんと描いていて、やはり名作だと思わずにはいられない。ちなみに感動短編シリーズは大山ドラ末期近くに始まったものだが、原作の一つである「さようならドラえもん」は当初本当に最終回として書かれたものらしいので、純粋に大山ドラのメンバーでこのタイミングで映画としてやれたのは良かったと思う。(2023年2月24日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-08-28 14:28:33)
55.  怪談(1964) 《ネタバレ》 
小林正樹監督が小泉八雲の作品の中から4つのエピソードを映画化したオムニバス時代劇で、小林監督にとっては初のカラー作品となる映画でもある。ジャンルとしてはホラーに分類されるのかもしれないが、それよりも文学的な香りを感じさせる作品で、一般的なホラーとは違った趣があり、これぞ日本映画というような品性が感じられるのがいいし、小林監督が初カラーでこだわったという各話の色の使い方や武満徹の音楽も良い。3時間の長尺だが、これもオムニバス(短編3話と長編1話。)という構成のためか、案外すんなりと見ることができた。(昔見た時は1話ずつ分けて見た記憶があるけど。)ここからは各話について。第1話「黒髪」は、ややナレーション(滝沢修)による状況説明が多いと感じるものの、どことなく「雨月物語」を思わせるような話で、妻(新珠三千代)を捨てた男(三國連太郎)の身勝手さや、捨てられた妻の悲しみがよく描かれているが、やはりドラマとして見ごたえのあるものになっていて、同じ小林監督の「人間の条件」もそうだったが、やっぱり新珠三千代はこういう女の悲しみを演じると上手いなあと感じる。第2話「雪女」はおなじみの話ではあるが、全編をとおして映像的にはこの話の赤い夕焼けがもっとも印象的だった。雪女を演じる岸恵子もハマり役。第3話である「耳無し芳一の話」もよく知られている話であるが、オムニバスの本作の中では1時間超えの長編となっていて、昔見たときにはちょっと長いなと思ったのをよく覚えているが、この話がいちばん引き込まれ、長さも感じなかった。本作ではほとんどのシーンをセットで撮影しているが、冒頭の源平合戦のシーンはセットとは思えないほど力が入っていて迫力があるし、芳一(中村賀津雄)が奏でる琵琶の音色が美しく、芳一が亡霊たちの前で演奏するシーンをはじめ、全体的に芸術性も高く、この話だけでも本作を見る価値はじゅうぶんにあると思う。寺男ふたりが良い味を出しているのも良かった。第4話「茶碗の中」は、冒頭に断りが入るとおり結末が描かれないのがやはり少しもやっとするが、この話を最後に持ってくることで、締まりが良くうまく全体をまとめている。それに終わってみればこの4つの話の分け方もよく考えられたバランスの良い構成になっていて、これも上手かったと思う。(2024年1月3日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-08-16 18:09:51)
56.  カルメン故郷に帰る 《ネタバレ》 
初めて見た時は「日本映画初のカラー映画」という知識だけで見て映像がものすごくキレイで印象に残った反面、ストーリーにイマイチのれなかった覚えがある作品だが、あらためて見直してみるとけっこう楽しかった。平穏な田舎の町に都会でストリッパーをやっている娘が帰ってくるという内容だが、全体的にはほのぼの人情喜劇という感じで安心して見ていられる無難な作りなのがいかにも松竹喜劇的でいい。高峰秀子といえばどちらかといえば過酷な運命に翻弄される芯の強い役柄が多い女優だが、この映画ではあっけらかんとしたカルメンを明るく演じているのも、「二十四の瞳」や「浮雲」などの彼女の主演作を何本か見たあとである今になって本作を見ると、かなり新鮮に感じる部分が多い。とくに高原で見せるストリップのシーンはこういうシーンを演じるという印象が皆無な女優だけにかなり衝撃的だった。脇役ではそんな娘に対する複雑な感情を抱く父親を演じる坂本武がいい。校長役の笠智衆もいい味を出している。戦争で盲目となった佐野周二は思わず「二十四の瞳」の岡田磯吉(田村高廣)を思い出さずにはいられないが、こんなところにもさりげなく木下恵介監督の戦争に対する怒りが込められているのだろう。さきほども書いたように全体的にほのぼのしていて放牧的な雰囲気にも癒される楽しい映画ではあるが、この佐野周二が運動会でオルガンを弾くシーンで笑われたと思い、演奏を中断してしまうシーンは本作で唯一、重く感じたシーンだった。本作は日本初のカラー映画であることもそうなのだが、成瀬巳喜男監督と並んで木下監督とも名コンビと言われる高峰秀子が初めて木下監督の映画に出演したという意味でも記念碑的といえる作品だろう。(2013年1月14日更新)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2005-08-10 19:56:10)
57.  雁の寺
以前にも一度見ている映画だが、川島雄三監督の映画を何本か見ているうちにまた見たくなり、約10年ぶりに再見。以前見た時はなんせ川島監督の映画を「幕末太陽伝」しか見てなく、喜劇映画の監督という印象が強いままの状態だったので、暗く陰湿な物語にビックリしてしまったのだけど、今回改めて見てみると、全体に漂う雰囲気が独特で、里子(若尾文子)、和尚(三島雅夫)、慈念(高見国一)の三人の関係を川島監督は不気味な効果音や覗き込むようなカメラワークなどを駆使して描いており、和尚と里子、里子と慈念の関係それぞれにゾクゾクとさせられるもの(里子に対する和尚のなんともいえないスケベさや、里子を見つめる慈念の眼差しなど。)があり、見ていて本当にドキドキするようなゾクゾク感であふれている。また、それだけではなく、この映画は「女は二度生まれる」、「しとやかな獣」といった川島監督のほかの大映2本と比べても格段に芸術性が高く、これまで見てきた川島監督の映画の中でももっとも作家性を感じることの出来る映画となっていて、中でも慈念の母親への思いはひょっとしたら川島監督自身の母親への思いでもあるのではないかと感じる。ラストの修復された親子雁の襖絵のショットなどは川島監督のそんな思いが込められているような気がするのだが、やっぱり考えすぎだろうか。(でも、ちょっと考えとしては浅いかも知れない。)いずれにせよ本作は川島監督にとって大映での仕事の中でもとくに傑出している映画であり、間違いなく川島監督の晩年の代表作と言える映画だと思う。でも、あと何回か見ないとこの映画のすべてを理解することは不可能かもしれない。それだけとても深い映画だ。(2010年5月27日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2005-08-08 23:42:57)(良:1票)
58.  学校Ⅱ
前作同様いい映画だと思うけど、実際に養護学校に通ったことのある身からすると教師を美化しすぎのような気がしてやや違和感を感じた。西田敏行演じる教師の娘役が歌手デビュー前の浜崎あゆみだったのは後で知ったのだが、今と違ってけっこうかわいいのに驚く。ところで彼女がこの役に抜擢されたのは「釣りバカ日誌」の主人公 浜崎伝助(西田敏行)に関するネタだったのだろうか?。(いや、それはないな、さすがに。)
[ビデオ(邦画)] 5点(2005-06-27 18:25:16)(良:1票)
59.  隠し砦の三悪人
面白かったんだけど、見る前の期待が大きすぎたのか「用心棒」や「椿三十郎」ほど印象に残っていない。(でも8点。)C3POとR2D2のモデルがあの百姓二人なのは見る前から知ってたけど、それはおろか主人公たちの位置づけが全部「スター・ウォーズ」の基になってるような気がする。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2005-06-22 22:45:43)
60.  海底軍艦 《ネタバレ》 
小学生の頃、マンダ目当てに見たが、出てきてすぐに凍ってしまい、あまり活躍しなかったのが残念。ストーリーも戦争とか絡んで小学生(当時の自分が頭悪かっただけかもしれんけど。)が見るにはちょっと難しかった。でも轟天号はやっぱカッコよかった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2005-06-09 16:45:01)
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