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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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101.  化石の荒野
角川映画ここにあり、と言わんばかりのダイナミックなアクションで彩られた本作。中でも、あっという間にスクラップの山を築いていくハチャメチャなカークラッシュシーン、何とあの『五福星』よりもコチラの方が先なのです、とは言っても勿論、『ブルース・ブラザーズ』の方がもっともっと先ですけどネ(じゃ、アカンやんか)。まあ、このシーン(カーチェイス~ヘリで自動車釣り)に関しては、単なる賑やかしとでも言いますか、ストーリーに関係なく無理やり挿入されたような感じですけれど、それ以外にも、ロープウェイからの脱出とか、雪山での銃撃戦とか、あの手この手で楽しませてくれます。アクションだけじゃなくて、実際に山でロケ撮影されているのが、イイですね。金塊探しという夢のあるオハナシを、ロケが結構、盛り上げてくれます。さらにそこに、主人公の生い立ちの秘密、というドラマが加わり、ちょっと物悲しさをかき立てたり。あとはまあ、観る側の我々が、このテンションと強引さにどこまでついていけるか、ですけれど。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-07-19 22:32:17)
102.  怪獣大戦争
ゴジラの「シェー」でお馴染みの本作(今回久しぶりに観るまで、その点以外はすべて記憶から飛んでました)。本作に続く「~南海の大決戦」では、ゴジラは鼻の横をポリポリ掻いて見せるのだから、これは要するに、「“イヤミ”と“加山雄三”は同レベル」ということを意味してます。すばらしい。さて今回のオハナシはと言いますと、キングギドラ退治のために、地球人に対し「怪獣のレンタル」を依頼してきたX星人。地球側の快諾を受け、ゴジラとラドンを連れ去ってしまうのですが、実はすべて地球征服のための計画だった、てな訳ですが。湖から引き上げられて宇宙船に連れ去られる、丸まったゴジラが結構カワイイんです。で、X星に連れて行かれたゴジラが例の「シェー」をやって見せる、これが全編の白眉(?)。再び地球に戻されたゴジラとラドンは、X星人の手先となり、破壊の限りを尽くすのでありました。とは言っても、暴れてる場所がド田舎で、古民家みたいなのばかりを破壊するのが、何だか弱い者イジメを観ている気がしてきます。そもそも、X星人、これだけの科学力があるのなら、「ゴジラとラドンをコントロール」なんぞというハンパな攻撃方法をとらないでもいいのでは?というのは言いっこなし、ですかね。それにしても、グレン飛行士。失礼かもしれないけど、その顔、なんとかなりませんかねえ、ははは。よく街でみかける、白人男性と日本人オネーチャンのカップル、オネーチャンの方は「私、バイリンギャル(死語)よ」「やっぱり付き合うなら欧米人よね」みたいな顔をしてますが、男の方は大抵、こういうグレン飛行士のような安っぽい顔してますね(笑)。欧米人なら何でもよいのか、と。我々日本男児は、この顔にも劣るのか、と。そういうオマエは一体何を怒ってるんだ、と。いや、怒ってませんけど、グレンの顔が、「シェー」以上のインパクトがあったもんで。そういう意味では(どういう意味?)X星のトーセーカンって、ほんとうに日本人っぽいよね
[DVD(邦画)] 5点(2010-05-05 10:31:56)
103.  怪奇!吸血人間スネーク
原題が『Sssssss』と、やる気の全く感じられないタイトルですが。先年亡くなった作曲家マウリシオ・カーゲルの曲で『Rrrrrrr...』ってのがあるので、本作はその続編かと思いきや、本作の方が作られたのが先だったのですね。というのはどうでもいいコトですが。しかし、どうでもよくない点は、本作、映画版『ドクター・モローの島』(テーマ的に似た点がある)よりも先に作られているコト。この点だけは、大いに褒めておいてよいのではないでしょうか。何しろ、他に褒める点は、特にありませんし・・・。ヘビを研究している博士が、助手に妙な注射を打って、ヘビに変えてしまう、という、訳のわからない映画。助手役が、特攻野郎Aチームのフェイスマンことダーク・ベネディクト(懐かしいなあ)で、そのせいだか、そのせいではないのか、映画全体に何やらホモっぽい雰囲気があります。だからどうだという訳ではありませんが。あと、ジョン・チェンバーズが関わったというヘビ人間のメーキャップ、これは良くできているので、これも褒めておいて罰はあたらないですかね。こんな映画でも、リキの入ったメーキャップ。律義ですね、頭が下がります。
[DVD(字幕)] 5点(2010-04-22 23:05:04)
104.  ガメラ対深海怪獣ジグラ 《ネタバレ》 
日本の環境問題の歴史を語る際には、67年の公害対策基本法、70年の公害国会、71年の環境庁(現:環境省)設置、そして同じく71年の『ゴジラ対ヘドラ』と『ガメラ対深海怪獣ジグラ』、こういった点が重要なポイントとして挙げられます。ECO検定でもよく出題されるので、しっかり理解しておきましょう。さて本作、子供の頃には、ガメラがジグラの背鰭でガメラマーチを演奏するシーンが何とも楽しく、好きな作品だったのですが、その後何故か昭和ガメラの中では本作のみ、なかなか目にする機会がなく、久しぶりに観てみて・・・いやはや、こんなヒドイ作品だったとは(笑)。ジグラ星の宇宙船に囚われとなった親子。ジグラ星人は巨大地震を発生させ、人類に科学力を見せつけるのだけど、むしろ、宇宙船内のセットのショボさに、科学力の無さを感じてしまいます。さらに、ジグラ星人のおねーちゃんを翻弄する子供たち。しかも、その子供たちに向かってジグラ星人が言うセリフが「こらっ、チビッ子、待ちなさい!」なんだから、腰砕け。易々と親子は宇宙船から逃亡してしまう。「あの子供たちは宇宙船の秘密を知り過ぎた。消せ」というスケールの極端に小さい指令を受け、ジグラ星人のおねーちゃんは子供たちをつけ狙うのだけど、子供たちにぬいぐるみをぶつけられただけでひるんでしまう。もう、弱すぎ。いやもっとも、「どうもこのおねーちゃん弱過ぎると思ったら、実はジグラ星人じゃなくて、催眠術によってジグラ星人の手先となっていた地球人だった」ということが後で明らかになり、おお、実はすべて伏線だったのか・・・と感心するはずもなく。他にも、「どう見ても自衛隊の現場責任者」みたいなオジサンに「国連本部」から電話がかかってきて、日本語で元気よく応答、「お待たせしました、こちら防衛軍総司令官」というのにも、脱力してしまう。とにかく、驚くほど緊張感の無い映画です。でもこれも、貴重な貴重な、昭和ガメラの一本には違いなく、大事にしたいもの。って、何の義務感やねん。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2010-04-22 22:37:03)
105.  からっ風野郎
ゴリラ似の素人俳優が主演のやくざ映画。この主演のヒト、何でも、本業は作家なんだってさ。え?みんな知ってるって?どれだけ演技がヘタか確認するために本作を観たって?ふむ、あんたもよっぽどのからっ風野郎ですな。ま、確かにヘタなんですけど(素人俳優によくある通り、他人のセリフの間、次の自分の演技のみに意識が行ってて、目が泳いでしまってる)、大丈夫、見慣れてくると違和感なくなります。タイトルは「からっ風野郎」ですが、この主人公、イマイチ、からっとしていない。どーせ俺バカだから、みたいなノリはいいんだけど、思い切りが足りなく、少々ジメッとしている気がするんですけどね。そこが可愛いと言えば可愛いところ。見た目はゴリラですけど・・・。若尾文子演じるオネーチャンを孕ませてしまった挙句に、何とか堕胎させようとするくだりなど、いかにもヘナチョコ。当の御本人の『金閣寺』などではもっとエグイこと、やってらしたじゃないですか。ま、そういう訳で、どこか青っぽい主人公の活躍を青っぽく演じ切り、やくざ映画でありながら青春映画としても楽しめる、なかなかの快作になっております(実際、オモシロイ)。最大の見どころは何と言っても、「三島由紀夫 in 遊園地」。三島由紀夫、後に割腹自殺を遂げるアノ三島由紀夫が、何と木馬に乗ってデートしている姿! 彼のセリフじゃないけれど、まさに「その手があったか!」と言いたくなるシーンですね。
[DVD(邦画)] 8点(2010-03-29 22:49:21)
106.  怪獣島の決戦 ゴジラの息子 《ネタバレ》 
試しにウチの娘に見せてみたら、意外に喜んでた! わが子ながら、見る目がある(いや、無いのかな。笑)。ここは南の島、ゾルゲル島(←島の名前くらい、ちゃんと考えろよなあ。豆乳はゾル、豆腐はゲル。ってか)。そこでは日本の研究チームが、食糧問題を解決すべく、「シャーベット計画」が進められていた(何がしたいのかも、何故こんな辺鄙な場所でやっているのかも、問わないことにする)。しかし実験は失敗、もともと、島には巨大カマキリが生息していたのだが、実験の影響でさらに巨大化、怪獣カマキラスとなってしまう(島中のカマキリが巨大化したら大変なことになりそうだけど、意外に数が少ない)。巨大カマキリどもは、何を思ったか、突然地面を掘り返し始め、すると地中から現れたのは何と巨大なタマゴ。いったい中から何が出てくるのか。ウチの子もワクワクしながら見ていると、何と、中から出てきたのは、ガチャピンを気色悪くしたような顔の、ゴジラの幼虫でしたとさ。このショボさ。うちの子もさすがに呆れるかと思いきや、このあたりから映画にのめりこんでいく。それでいいのか。でも確かに、面白いっちゃあ、面白い。ミニラをカマキラスどもが理不尽にもいじめていると、親ゴジラが来てカマキラスを一喝。その後、親ゴジラの熱血指導により、熱線の吐き方をマスターしたミニラは、カマキラスに仕返しをしようとするのだけど、返り討ちに。とまあ、とにかく人間的で、ほほえましいことこの上ない。さらには、ゾルゲル等に住む巨大クモ:クモンガまでもが目を覚まし、怪獣たちが決戦を繰り広げる展開。このあたり、「宇宙人の侵略」みたいなオソロシゲなものではなく、あくまで地球の怪獣同士のノンビリした対決、安心感もありますし、またカマキラスやクモンガの動きもなかなか見事なもので、伝説のカルト芸人“テント”のネタ「クモの対決」を思い起こさせるものがあります。ウェッウェッ。そしてラストの、雪の中で抱き合うゴジラとミニラの、哀愁漂う姿。巨大なもの同士であるがゆえに、その身を寄せ合う姿は印象的、これは名シーンですね。うん、いい映画じゃないですか。
[DVD(邦画)] 7点(2010-02-24 22:47:13)(笑:1票)
107.  カーズ
いや、だからさ、その「美しい自然」を破壊してきたのが、まさにこのクルマ社会なんでしょうがあ、と言いたくなるクルマ嫌いの私。私が『地球が静止する日』のクラトゥなら、こいつら全車、抹殺してやる。とまで言うといささか穏やかではありませんね、環境原理主義者(主義車?)じゃあるまいし。登場人物がクルマであろうが無かろうが、この映画から流れてくるノスタルジーには、やっぱりグッとくるものがあります。あとは、色んな意味で、このクルマを擬人化したCGキャラに、どこまで馴染めるか、ですね。あと、CGで描かれた風景を「どう、美しいでしょ~」と見せられても、う~ん、だからどうなのよ~と思ってしまう面はある訳ですが
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2009-10-25 07:03:49)
108.  学校Ⅱ
寅さんシリーズとは違って、毎回テーマが変わる学校シリーズ。だけど、この「学校がテーマ」という制約の中で、これだけ“おもしろい”作品を作ってしまうのは、やはりすごいと思う。さすが、フーテン男で48作撮ってしまう山田監督ならでは。制約があるほど燃えるタイプなのではなかろうか(笑)。ファンタジー色の強い後半の展開など、第1作と雰囲気を変えてきて、よくこんなストーリー思いつくなあ、と、ひたすら感心する。ただ、やはり難しいテーマだと思う。そして、その難しさに対して、この、寅さん映画と大差の無いマンネリズム的なマトメ方は、やはり釣り合わない(娯楽色が勝ち過ぎ)。頂点とともに限界を露呈しているのが、例えばこの映画だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-20 12:46:35)
109.  華氏451
最初に観たのは、中学か高校の時、よみうりテレビの深夜放送「cinemaだいすき」で。エラくハマってしまい、それ以来、「もっともSFらしいSF映画」というと、本作を思い浮かべちゃう。と言っても、別に宇宙人やら巨大生物やらが出てくるわけでも無いし、画面がキラキラピカピカと特撮で飾られているわけでもない。どっちかというと、地味な田園風景が広がっている映画舞台、そこに登場する、妙な形の消防車やら、モノレールやらのカッチョ良さに、当時の私は、惹かれたようです。で、最近観直してみたら、やっぱりそういったシーンに、「そうそう、これこれ!」とうれしくなってしまう。それに、独身時代は親から、結婚後は妻から、「本買い過ぎ!」「これ以上買うの禁止!」と責められてきた私にとって、この映画で描かれている内容は、なかなか他人事と思えないものがあります。もし、ピンと来ない方は、この映画の「本」を「エロ本」と置き換えてみれば、男性諸氏ならばヒジョーに身につまされることでしょう、隠した「本」を見つけ出され、処分される、その恐ろしさ、ブルブル。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-04-25 20:35:20)
110.  隠し砦の三悪人
スターウォーズの原点みたいによく言われますが、冒頭あたりに出てくるいかにも汚らしい群衆シーンとか(これがスバラシイ!)、隠し砦の現実離れしたロケーションとか(これもナイス!)、こういったあたりは『猿の惑星』の原点だ、とも言いたくなります。あとは、ユーモア、アクション、危機また危機、というまさに娯楽の極致(ここまでくると、サービスし過ぎ?)。「いい映画」ってのは自分だけのために大切にしたいもので、人に薦めたくなるのは「面白い映画」。本作はその両者を兼ね備えた見事な作品ですね(ま、強いて言えば、後者、ですけどね、えへへ)。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-04-04 16:26:23)
111.  ガス燈(1944)
ガス燈が時々暗くなっただけで騒ぎすぎなんだよ~、と言いたくなるのだけど。さらに、犯人バレバレやんけ~、とも言いたくなるのだけど。犯人バレバレな分、はたまたヒロインが妙にカンが悪かったり良過ぎたりする分、見どころは「展開をどう見せるか」にあるわけで、陰影に富んだ映像とともに、物語はどこに行きつくのやらわからない微妙な展開を見せ(あとで考えれば結構無難な展開だったナーという気もするが)、よく出来たサスペンス映画でした。ケチをつけるなら、「出来すぎのサスペンスには必ずしもハラハラさせられない」ってトコですかね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-03-14 18:16:44)
112.  華氏911
何でもこの映画、カンヌ映画祭に出品されて「なかなかよく調べたで賞」を受賞したらしい。正直、この映画の内容については、どう考えていいのか、あるいはどう感じていいのかすら、よくわからないところがある。いわゆる軍産複合体などのお馴染みのネタについての、ドキュメンタリーという体裁ではあるけど、その中には“破線のマリス”が充満している。そんなこんなの結果、民主党小浜氏の勝利により、問題続出のブッシュ政権は、世界恐慌というあまりにもクサい最後っ屁を残して、今、ついに終わろうとしている。では今後状況な今よりマシになるのか?それはわからない。アメリカという国の歴史は、他国を蹂躙し不平等条約を押しつけ遮二無二覇権を目指してきた歴史であろう。それは手を変え品を変え、今でも続いている(もちろん自国に有利なように働きかけるのは、どこの国でも同じだけど……それ「自体」を商売にしてしまっているのが、アメリカではないか)。そういう観点からすれば、所詮この映画で主張されてることって、我々から見れば、正義vs悪の対立でも何でもなく、ただの「対岸の国の中での、ケンカ」に過ぎない。アメリカはいつまで経ってもアメリカだ。……ただし、ただし。やっぱりこの映画、面白いんだ。これだけ見事に「ブッシュ=悪人」というテーマで映像作品を作っちゃう手腕は大したもの、ホトボリの冷めた100年後くらいにこの映画を観た人の中には、「このブッシュって人、オモシロイねえ」とブッシュ・ファンになっちゃう人も続出するのではないだろうか(笑)。そしてまた、この映画は、前半は全速力でブッシュをボロクソけなしつつも、後半は、戦争というものの持つ問題に(意図してか、意図せずにか)踏み込んでいく。だから、観てて、ツライ。本当にツライ。いや、戦争に限ったことではなく、人が人を殺めるという、人間の歴史、人間の将来、そういったものが、重くのしかかってくる。考えすぎか?そうかも知れない。でもやっぱり時々は考えざるを得ない、今この瞬間にも、誰かのもとに何らかの不幸が訪れ続けているのだ。何か手はあるのか?我々に救いはあるのか? 少なくとも、ブッシュの退陣が、その解決には、ならないだろう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-11-30 16:23:42)
113.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
2歳10ヵ月の娘が、「ポニョ、観たい~」と言うもんで(どこまで本気か不明)。映画館に連れて行くのは『ゲド戦記』以来2年ぶり(って、0歳だもんな)、などと言ってる私自身、映画館に足を運ぶのはそれ以来、という、実にお恥ずかしい次第……と言う訳で、久し振りに味わう劇場の興奮に、モハヤ冷静さの欠片も無く、感動の連続、涙腺緩みっぱなしでした(例えばバケツが風に飛ぶシーン…)。ああどうして、絵がここまで動くのか? 背景はいかにも“手書き”っぽく、言わば「動く絵本」。絵をどこまで本物っぽくリアルに描くか、よりも、線で描かれた「図形」としての絵を、どのようにオモシロく動かすか。音楽でいえば、濃密なオーケストレーションよりも、一見素朴なメロディが、これでもかと絡みあう強烈な対位法の世界(まるでマーラー5番の第五楽章!)。自分の視覚が認識できる以上に、複雑に動きまわる絵、これが人の手でなされているという事に恐ろしさも感じれば、その一方で、まだまだ自分が汲みつくしていない魅力がそこに残り続けているという、安心感もあるわけです。とか何とかゴチャゴチャ言ってる私だけど、一番気になったのは娘が途中で飽きないか、だったりする訳で。で、どうだったかと言うと、ちゃんと最後まで、それこそ身を乗り出して観てましたよ! 意味が判ったかどうかなんて、どうでもいい。何しろ私にだってよくワカランのだし(笑)。で、どういう話だったかと言うと、少年の前後を弁えぬアサハカな“決断”の話でして。ポニョを何がなんでも守る、いや、ポニョは魔法を使えるもんだから、守ってるのやら守られてるのやら。とにかく彼は頑張る。そしてラスト、ポニョは半魚人だけど引き取ってくれるか、との問いに、深く考えもせずOKする。こんなワガママ娘と、この先長い人生、うまくやっていけるワケが無い、不幸の始まり。とは言っても、童話のシンデレラと王子様だって、あんないい加減な馴れ初めで、その後幸せになれたハズもない。結局我々の人生だって、過去の誤った決断のせいで、何と面倒なことになっていることか(笑)。でも、それがもし無かったなら、人生そのものが成立しなくなる! 悩むのは良い、だけど、気にし過ぎるなかれ! 時には宗介クンのように、ストレートに、信じる道に向かってエイヤッと、決断することも、必要なんでしょうなあ(もちろん相変わらず、私は自信が無いのだけど)。
[映画館(邦画)] 9点(2008-07-27 18:15:51)(良:4票)
114.  感染
病院に「4号室」があったりする時点で、まあ、リアリティを追求するタイプの映画ではないワケで、どちらかと言えば不条理モノ、これが意外に面白かった。この映画の舞台である「病院」ってのが、ひとつの「世界」であって、その中に集まった、屈託を持った人たちの中に、ヘンテコなウィルスが感染していく、というホラーで、この病気を表現するのに「緑のドロドロ」ってのが、チト古臭いような気がしないでもないのだけど、それでも、何といいますかね、今の「格差社会」における「負け組」という“病”、こいつを何だか予言したような内容で。「勝ち組」「負け組」とは言うけれど、実際には「負け組の人々」と、「負け組にいつ入るかとおびえる人々」ばかりが存在しているような、何とも知れぬ閉塞感が蔓延する現代社会、そういう雰囲気が、この映画と重なっているように感じるのです。
[地上波(邦画)] 7点(2008-07-13 22:59:32)
115.  影武者
私の周りでも「勝新主演で観たかった」「仲代ぜんぜんダメ」との声をよく聞く、この映画。わたしゃ、好きですけどねえ。確かにイビツなこの映画、しかし、そのイビツさゆえに、決して忘れられませぬ。大量の物量・人員投入、そして、矮小な人間の運命を冷たく見通す天の視点。戦闘がただ「死体の山」として描かれる本作のラストは、『乱』における、あの酸鼻を極める三の丸の悲劇につながるもの。『影武者』『乱』の2作は、確かに批判も多い作品ですが、私にとっては大事な作品、黒澤監督にとってもきっと「どうしても撮らなければならなかった作品」だと思いたい。ところで、音楽界のダジャレ帝王こと池辺先生の音楽ですが、“スッペの軽騎兵序曲をイメージした曲”との指示があったので、こういう曲を作ったらしい(『羅生門』の“ボレロ?”など、黒澤映画でクラシック曲にそっくりな音楽が出てくるのはこれが原因)。さすが池辺先生、実に見事に無理難題(笑)にこたえているではありませんか!
[CS・衛星(邦画)] 9点(2008-03-01 09:00:52)
116.  カンバセーション・・・盗聴・・・
どこか無気味な不条理感の漂うサスペンス。このキモチワルサはどこからくるのかと言うと、おそらく、“盗聴”という題材からくる、「“音”に対する過剰な意識」と、それに伴う「“音”と“映像”の乖離」と言えるだろうか。いやとにかくキモチワルイ。「盗聴」という、現実から音を切り取る行為。“音”が現実から切り離され、ひとつの存在であることを主張し始める。一方、音を切り取るための盗聴装置の映像描写、その装置の精巧さがもたらす現実感。“現実”と、“現実”を脅かし始める“音”。しかし映像と音の乖離は、盗聴という行為そのものだけではない。カメラが固定のまま、登場人物が画面内から立ち去っても、声だけが続くシーン、そこにも象徴されている。その不安定さによる落ち着かない雰囲気が、映画全体を支配しつつ、最後に到って一気に焦点を結ぶときの衝撃。「意外なラスト」を売りにするような映画とは明らかに異なるこの衝撃は、それまでの漠然とした不安感を根こそぎひっくり返し、観る者をさらに強烈で明確な不安感へと叩き落とす、価値観の転倒の恐怖ともいうべきもの。忘れがたい映画である。それにしても、観るたびに思うのだけど、ハリソン・フォードはこの役が一世一代のハマリ役ではなかろうか(→って、それじゃあ彼の出演作は基本的に殆どミスキャストっちゅうことになるやんか)。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-02-08 17:45:55)
117.  片腕カンフー対空とぶギロチン(93分版)
怪人奇人たちの奇想天外なる死闘を、カッチョよいカメラワークで描ききった伝説の名作。いくら誉めても誉めきれぬ、かといっていくらケナしてもケナしきれぬ。無駄が無いというか、無駄しか無いというか、とにかくすごいです。例えばジミー師匠が弟子に練習をつける場面が長廻しカメラで描かれる、その颯爽とした姿。例えば武術大会における死闘がロングショットで描かれ、手前には冷たく剣が林立している、その寒々とした構図。その他、視線による間接的な動きの表現、移動カメラ、ズームアップの数々。効果的かどうかは別にして(笑)、とにかくカッチョいいんだから仕方が無い。そして、映画の中身もまた、ドアホなキャラ満載の、ユメのような異種格闘技戦で、実にタマリマセン。そう、これはまさに、映画そのものが究極の異種格闘技戦と申せましょう。
[地上波(字幕)] 9点(2007-12-31 17:41:47)(良:1票)
118.  カラーパープル(1985)
スピルバーグがこういう作品を撮り出して、当時は、「そんなにオスカー欲しいかよ~」と陰口叩かれたりしたワケですが(いや、今でも言われてるのかな)・・・・・・まあ、何か目標を持つってのも、結構なことじゃないですか(笑)。それだけ、確かに力のこもった作品でもあり、美しい映画に仕上がっています。姉妹の別れの場面で二人がかわす“手遊び”など、「視覚的キーワード」とでも言いますか、雰囲気や感情をあくまで映像として刻みこもうとするのが、スピルバーグ好みというか、いかにも「らしい」ところ。それが、映画全体と通してとなると、もう一歩の踏み込みの甘さが感じられなくもなく。暗い話をヘンに救おうとする、妥協の産物のような安心感。結局、映像を充実させんとする才気は溢れていても、映画の題材に対するシンパシイが、それに追いついていないのではなかろうか?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-12-02 23:43:55)
119.  ガメラ 大怪獣空中決戦
「こんなの、どこがガメラだよ~」と言うと、普通なら非難の言葉ですが、ここではまさしく喜びのあまり、そうつぶやいてしまう! 怪獣映画って、ホントはこうあるべきだったんだ、と正解を見せてもらったような。満を持して登場の平成ガメラ、敵は、あの、昭和ガメラが最も苦しめられた、そして昭和ガメラシリーズもっとも感動的な戦いを繰り広げた(笑)、ギャオスであります。ギャオスは首の骨が2本あり、これが音叉の役を果たして、口から殺傷能力の高い超音波を出す(音叉がこんなに大きくては、低周波しか出ない気もするが)。その代わり弱点として、構造上、首が回らないため、背面からの攻撃に弱いのだ・・・・・・って、アレ、だいぶ雰囲気が違いますね。そう、こんなアホな設定を削ぎ落とすことで、シリアスな怪獣映画が誕生したのです。まー、ここで例えば平成ギロンなんかが出てきてもらっては、シリアスさが台無しになりますよね、いくらギャオスより強いとは言え。という訳で、あの「崩壊した東京タワー上のギャオス」という名シーンが生まれ、「平成ガメラここにあり」と、我々の心に強烈なインパクトを残してくれたのであります。
[地上波(邦画)] 7点(2007-09-15 00:32:09)(良:2票)
120.  ガメラ3 邪神<イリス>覚醒
前半の渋谷大パニック、後半の京都駅ビルの死闘は、日本怪獣映画究極の到達点ともいうべき、奇跡のような出来栄え。素晴らしい!ありがとう! ま、逆に、「ただそれだけの映画」になっちゃってますけど(笑)。ガメラが、ギャオスが、何のために生まれたとかいう話、「このヘンでそういう話も織り交ぜないと、作品に厚みが生まれないからな~」とばかり、クライマックスの京都駅であわててそんな会話を繰り広げても、手遅れです。そんなことより、3作を通じて、ガメラがだんだん人間味を増していくプロセスが、いいですね。満身創痍となっても、次なる戦いに向かおうとするその姿、それなりに感動モンです。ところでところで、奈良県南部で生まれたイリスがガメラと戦うクライマックス、「奈良市内を飛び越えて」国際観光都市・京都を舞台としてしまうあたり、う~む、やはり現在奈良に住む私としては複雑な気持ちに。東寺の五重の塔は絵になっても、興福寺の五重の塔ではダメなのか。東大寺大仏殿ではダメなのか。奈良の宣伝のためにも、少しは写してあげてくださいな。
[地上波(邦画)] 7点(2007-09-09 18:57:30)(笑:1票)
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