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アングロファイルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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1.  海賊じいちゃんの贈りもの
話としてはごくありきたりの家族再生ものなのですが、再生するきっかけの事件というのが、なかなかふるっている。しかし子どもたちの方からすると、納得できる行動なんですねぇ。ちょっとブラックユーモアの香りがするところが、イギリスらしくてグッドです。現実的に考えると、子供3人で限られた時間にあれだけのことをやってのけるのはまず無理でしょうから、ある種のファンタジーとして見るのがいいのでしょうか。なにはさておき、子どもたちがクセがありながら、それぞれ(イロイロな意味で)かわいいので、それだけで高評価してしまいます。カワイイは正義!
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-12-12 21:50:44)
2.  カサンドラ・クロス 《ネタバレ》 
製作から40年も経っていますが、作品の“核”そのものは古びていない。生物兵器がもたらす無差別大量死というものは、むしろ今日の方が現実味を帯びているかもしれません。そういうこともあって、最後まで引きつけられました。「政治的判断」を扱っているところも、現代に通じるものを持っています。  話としては、無線が使えなくなる段取りから、銃撃戦になるあたりの展開がなかなかうまい。細菌が純粋酸素で死滅するというのは、ウェルズの『宇宙戦争』かクライトンの『アンドロメダ病原体』あたりがヒントになっているのでしょうか。拍子抜けですが、脱出するのなら無害にしておかないとまずいですね。あと、無線のある車両が先頭だと思っていたので、乗客を乗せた車両が転落したのには驚きました。ずっと蚊帳の外に置かれていたのは、やはりおかしいですね。こういう行き当たりばったりなところもありますが、全体としてはよかったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-07-24 20:05:46)
3.  帰らざる河 《ネタバレ》 
とりあえず、話が面白くない。アメリカ人が見ればいろいろあるのでしょうが、どうもピンとこないし、本来先住民族のものだった土地を勝手に「所有」したうえ、襲撃者と殺し合いするっていうのはどうよ、と思ってしまう。見どころはモンローの歌ぐらい。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2017-01-03 16:37:03)
4.  カンバセーション・・・盗聴・・・ 《ネタバレ》 
主人公が盗聴のプロなのに、自分の仕事が誰かに悪影響を及ぼすのではと心配するというのは、どうも納得できない。そういう点ではリアリティゼロ。だからなのか、冒頭から長回しでドキュメンタリー・タッチの演出になっています。サスペンスとしてはまあ普通。ドラマとしてもそこそこ見られる。後半の夢か現実かわからないような描き方は、前半と対比させたのでしょうが、それほど面白いわけではないです。とりあえず、この作のテーマであろう「都会人の孤独」(1970年代の映画にありがち)は、よく出ていたのではないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-20 19:46:26)
5.  革命児サパタ
メキシコ革命の映画なのですが、革命らしい争いはあまり描かれず、ほぼ人間ドラマに終始しています。しかし肝心のサパタにあまり魅力を感じなかったし、エピソードとしても興味深いところは少なかったです。兄のアンソニー・クインの方が面白い。エリア・カザンの演出はよかったです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-11-08 08:42:06)
6.  髪結いの亭主
「エロはアートだ!」と思う人は高く評価できるのかもしれませんが、芸術音痴の私は特に心を動かされることはありませんでした。むしろ、妄想的な話ならばもっと妄想できるような描写にしてほしい。直接的すぎます。それもあの結末には必要だったんでしょうけど。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-01-19 22:09:27)
7.  鍵(1959)
あまり好きなタイプの映画ではないのですが、腹に一物持った人たちのやりとりは、それなりに見ごたえがありました。しかし、こうした心理戦のような話は見ていて疲れます。主要人物に善人がいないので、そこのところも気が重い。適度に挟まれたユーモアが救いです。最後はブラックユーモアになりますが……。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-11-25 20:09:23)
8.  カトマンズの男
邦題からすると『リオの男』の姉妹編かと思いますが、実際はまったく関係ありません。内容的には『リオの男』より劣る。こちらは徹底したドタバタギャグ映画なのですが、それがかなりしつこい。ドタバタのためのドタバタという感じで、かえってつまらなくなってきます。保険会社のボディガード2人なども、無駄に騒ぎすぎ。全体としてメリハリがついておらず話がダラダラと続くのも欠点でしょうか。執事のレオンやゴー氏などはよかったのに、残念でした。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2015-11-02 20:48:01)
9.  狩人の夜 《ネタバレ》 
ある意味、ヘンテコな映画です。聖職者であって犯罪者であるというパウエルのキャラクターが面白い。みんなコロッとだまされてしまいますが、やはり聖職者というのが利いているのでしょうね。しかし、本当に信仰心があるクーパーさんはだまされないと……。こういうところ、キリスト教徒の人はどう見るのか、興味があります。  あと、子どもたちが川を下るときの岸辺の描写。色々な動物がいてのどかな雰囲気ですが、そこが緊迫感のある展開と対照的で印象に残ります。パウエルも人を殺して奪った馬に乗り、歌いながらのんびりと追いかけるあたり、不気味さが増します。ここもなかなか秀逸でした。  終盤では、捕らえられたパウエルにジョンが怒りをぶつける場面とか、民衆が暴徒化したりとか、やや唐突で散発的なエピソードが見られますが、それぞれインパクトが強いのであまり気になりませんでした。前者に関しては、「こんな金のためにお母さんが殺されてさんざん追いかけ回されたのか」というような憤怒を感じました。この時パウエルを「お父さん」と呼ぶのは、かなり皮肉っぽいですねぇ。実際、金を持ってきた父親に対する怒りもあったんでしょう。  何にせよ、パウエル役のロバート・ミッチャムの怪演と、対照的なリリアン・ギッシュの存在感、そしてチャールズ・ロートンの演出がおみごとでした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-23 21:07:27)
10.  悲しみよこんにちは 《ネタバレ》 
バカンスでヒマがありあまっているおっさんの色事ごっこにつきあわされたという感じ。娘も最初は調子に乗って同調してたけど、やっぱり子どもらしくそういうのが嫌になって真剣な恋にあこがれるけど、結局大勢は変わらないってこと。まったく埒もない話でした。それに、現代の庶民からすればまったく縁のない、どうでもいいつまらないことで、当時はこういうものが人気があったのかもしれませんが、それも過去のお話でしょう。  ちなみに同じサガン原作の『さよならをもう一度』と比べると、中年男がプレイボーイで女を遊び相手としか思っていないこと、それに恋した中年女が一時は希望をつなぐが、結局は男の本心を知ることなどが共通しています。こういう価値観でものを書くというのは、この人どういう育ち方をしたんでしょう。原作はまったく読む気になりませんが、小説より書いた当人の方に興味があります。小説の方は明らかに時代遅れになったようですし。まあ斬新なものは、陳腐化するのも早いのです。最終的には、手垢のついた「おなじみのパターン」というものが、残ったりするものです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-05-09 17:43:45)
11.  帰ってきた若大将 《ネタバレ》 
というわけで(どういうわけだ?)帰ってきました、若大将。ただし、ヒロインは草刈正雄版にも出ていた坂口良子。おばあちゃんの飯田蝶子が死去したため、やはり草刈版に出ていた賀原夏子が、代理のような形で出演しています。 お話の方は、あいかわらずといえばあいかわらず。しかしどうも、若大将と純子さんの接近度が弱いように思え、純子さんが嫉妬する展開に違和感を感じます。若大将も恋愛に関しては淡泊なように思えますし。これに対して、青大将は例のごとく。特に後半は、手紙を取り返すドタバタの展開でほとんど主人公なのですが、このシリーズのドタバタの例に洩れず、たいして笑えない。さらに、死ぬだの何だのと、これもあいかわらず幼稚な言動を繰り広げていて、見ている方は疲れます。ただしラスト、純子さんを若大将に譲るという展開では、男気を見せてなかなかいいです。これまでシリーズを見てきた者としては、「恋より友情をとる」という内容で、嬉しくなります。 田能久のメンバーの出番が少ないとか、ほかにも不満はありますが、『若大将対青大将』ではなく、本作でシリーズが終わって本当によかったと思います。それだけでも製作された価値があるでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-02-16 19:50:51)
12.  ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 《ネタバレ》 
なかなか深いですねぇ。たとえばこんな見方ができるかも。  前々作が封切られた1995年は、阪神・淡路大震災が起こった年でした。しかも震災発生から2ヶ月足らずという、まだまだ記憶に新しい時機での公開。製作側としてはそれに対して思うところがあり、それが本作に表れたような気がします。 もともと怪獣というのは、自然にたとえられることがあります。このシリーズでのガメラは人工的に作り出されたもののようですが、時として人間の味方となり、恵みをもたらすかと思えば、大きな災害を引き起こすこともあるというのは、自然そのものでしょう。そして人間は、荒ぶる自然に打たれたとしても、ふたたび立ち上がろうとする、生きることをあきらめない。龍成君がイリスに立ち向かったのも、その行為自体が重要なのであって、結果は二の次なのでしょう。怪獣映画といえば「破壊」がモチーフですが、その点本作では、逆に建設的な未来志向が根底に流れているようです。  というのはもちろんひとつの側面で、これ以外にも「怪獣よりも、それを作り出した人間の方が恐ろしい」という古典的なテーマや、心を閉ざした少女と「世界」との関わりなどが扱われ、それらを(かなり力業ながら)一応それらしくまとめてしまったところは評価できます。が、一方で浅倉・倉田の存在が完全に浮いてしまっていて(そもそもどういう人物なのか詳細不明という、このシリーズらしからぬ不明瞭さ)、ストーリー的には持って回ったような部分もあり、明快さに欠けます。ただし明快さに欠けるのが、狙いだとも思えますが……。あと、仲間由紀恵の場面は、申し訳ないけどギャグにしか見えません。というかあそこは、『ジョーズ』のパロディのつもりなんでしょうか。 ガメラとイリスの戦いは、空中戦はよいものの、地上に降りてからはちょっと地味。これも、怪獣の戦い自体が眼目ではないといえば言えるんですが。渋谷でのギャオスとの戦いは、非常によくできていました。(しかしこれ、どう考えても「冒頭」に出てこないでしょう。このシーンを「冒頭」と書いている人が多いようですが、「冒頭」の意味をわかって使ってるんでしょうか。) そんなこんなで、全体の印象としては今一歩ですが、見終わってからあれこれ考えさせるという点では、シリーズ随一。いちばんの「問題作」かもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-12-29 18:11:28)
13.  ガメラ2 レギオン襲来 《ネタバレ》 
だいたいガメラシリーズというのは、敵怪獣に特徴があって、その特徴をうまくフィーチャーした時良作になるという伝統があるようです。本作のレギオンもそのパターンで、レギオンの特質が物語の牽引役を果たしています。それは怪獣対策にも生かされ、終盤小型レギオンを送信所におびき寄せるあたり、かなり嬉しくなりました。ガメラも、炎をエネルギーとする、一度は敵に敗れるなど、昔ながらのパターンを踏襲していてよいです。小型レギオンは、前年の小型デストロイアよりはよほどそれらしくて○。巨大レギオンも、宇宙生物らしく異質なデザインがよかったと思います。怪獣同士の戦いでは、終盤よりも霞目飛行場の方が、シチュエーションやカット割りのよさも目立って見ごたえがありました。出演者では、吹越満さんがなかなかいい役回りでしたね。 逆にまずかった点としては、あいかわらず女性キャストにまずさが目立つところと、最後に陳腐すぎる「環境問題」を持ってきたところでしょうか。あと、途中報道番組の映像が続くところがありましたが、ちょっと長くて飽きてしまいました。あの辺はもっと短く切り上げてほしかったところです。 前作も含め、日本のお家芸である「ミニチュアワーク」がまだ生きており、アナログな作りのよさを感じさせるところは、個人的にはポイントが高いです。それと特記すべきはタイトル。従来の「○○対××」というパターンから脱却した斬新なもので、ポケモンの映画にも影響を与えていそうです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-12-27 20:57:53)
14.  ガメラ 大怪獣空中決戦 《ネタバレ》 
なかなか面白かった。特に序盤はテンポもよく、米森と長峰の間をうまく切り返して、こちらを引き込む展開になっていました。思わせぶりな短いカットが効果を上げています。そこから福岡ドームへの持って行き方も秀逸。ただし、主要キャストの台詞回しのまずさはかなりいただけません。藤谷文子(あとこの人は、どう見ても小野寺昭の娘に見えない)はともかく、中山忍ってこんなに下手だったかなぁと、驚きました。 本作ではガメラとギャオスを「超古代文明が作った生物兵器」という設定にしたのが技ありで、「恐竜の末裔」などというありきたりな設定よりも、かえって現実感を生む要因となっています。また、そのことによって、2怪獣の性質なり性格なりを簡潔に説明できています。実際この映画の大半は「ガメラとギャオスは何者なのか?」というポイントで観客を引っ張っておいて、それがわかってきたところで両怪獣の最終決戦になるという、シンプルな構造になっています。テンポのよさもおそらくはこのシンプルさから来ているのでしょう。ただ、ギャオスが復活した理由で環境問題を出しているのは、正直「またか」という感じ。まあ、今後怪獣が出現する理由は、主に環境の悪化のせいにされるんでしょうね。「核実験」みたいな大義名分はもう使えませんから。ここでは、環境問題がテーマというわけではなく、単に理由として必要だったから名前を出しただけのようで、簡単に扱っているのは助かりました。 あとこの映画に関しては、ナントカのひとつ覚えのように「リアル、リアリティ」と言われているようです。個人的には、リアルか否かより面白いかどうかが重要なわけで。リアルでなくても、面白ければそれでよし。「リアルでないから面白い」ことだってあるわけですから。本作はリアリティがあるというよりは、「怪獣が出てくる普通の映画(あるいはパニック映画?)」って感じなんですよね。いわゆる“怪獣映画”ではなくて。しかしもちろん、だからいいだとか悪いだとか、つまらないことは言いません。面白いんだからいいでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-12-26 20:05:52)(良:1票)
15.  怪獣大戦争 《ネタバレ》 
怪獣映画に、宇宙人による侵略ものをミックスした作品。あくまで対X星人がメインで、怪獣は一歩引いた形になるのですが、それでもかなり面白かった。「電子計算機に支配され、命令を聞くだけ」というのは現実世界への風刺なのでしょうが、それを味付け程度にとどめて基本的に娯楽作品に徹したのがよかったです。  関沢新一の脚本は、アメリカ調の明朗快活なユーモアが持ち味のひとつですが、前作『地球最大の決戦』あたりから、その扱いが変わってきているようです。笑いの要素を人間でなく怪獣が受け持つようになってきました。前作なら、ゴジラとラドンの間での岩の投げ合い・それを見るモスラという場面が典型でしょう。ぬいぐるみ自体も目がクリクリ動くようになったりと、表情豊かになっています。本作では抑えられていますが、X星で目覚めたゴジラが伸びをするあたりにおかしみが感じられます。ゴジラの「シェー!」もその路線として出てきたものでしょう。これらは一般的には「子供向け」と捉えられているようですが、それは少々違うと思います。あくまで笑いを取る「ユーモア」の要素を怪獣が表現しているのです。もっともそのため、怪獣が「お芝居」をするようになった結果、人間くさくなって怪獣が持っていた脅威や巨大さが薄れたのも事実でしょう。しかし円谷英二監督としては、怪獣を単に「出てきて暴れる」存在ではなく、演技をつける「役者」として捉えていたのではないかと思います。  閑話休題。本作はメインの出演者にゴジラ映画初登場の方も多く、水野久美・沢井桂子の2人は共に魅力的。ニック・アダムスも、陽気なアメリカ的演技が本来シリアスな物語の中でいいアクセントになっていたと思います。やっぱりこの頃の東宝怪獣映画は、問答無用で面白いです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-09-15 08:00:46)(良:1票)
16.  風の音、愛のうた 《ネタバレ》 
監督が三人で3つのエピソードが平行して描かれるということは、もしかして製作費がなくて合作したのか、あるいは一本の映画として作るには短すぎるからなのか。どちらにしろ、エピソードを組み合わせる必然性は感じられませんでした。原題の"Loving You, Loving Me"がテーマだと言ったらたしかにそうでしょうが、それだと扱う範囲が広すぎると思いますし。一応メインの(?)音楽編は、人物設定もあってそれなりによかったです。靴屋のおじいさんも悪くないですが、あまりにもありがち。母子ものは今ひとつピンと来ませんし、父親の扱いに意外性を持たせたのでしょうが、普通の映画ならともかく、ほかの話を並行して進めているためか、ややこしくなってひねりすぎだと感じました。あと軍人さんをやたらと讃えていたり、最後に「国王の長寿を願います」というメッセージが出たりするのは、政治的な意図があるのかと気になりました。そんなこともあって、高く評価できません。 そうそう、ポー役の女の子が、上野樹里というか、彼女が演じた「野田恵」にそっくりなので、その点話のネタにはなるかも。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-08-31 18:04:22)
17.  華氏451 《ネタバレ》 
原作は中学生の時に読みましたが、正直ピンとこなかった。内容もほとんど覚えていないし……。映画の方は再見で、以前はそれほどとも思いませんでしたが、見直したらそう悪くないという印象です。 雰囲気としては、いかにも昔の人が考えていた未来像というイメージがありました。しかし、未来的なのはモノレールと大画面のテレビくらいで、あとは製作当時の世の中とあまり変わらないんじゃないかと思います。つまり、「未来を舞台にしたSF」として作られたのではないという可能性もあります。内容的に言っても、必ずしも近未来である必要性は低いと思いますし。 原作者のブラッドベリとしては、「テレビによる文化の破壊」を描く意図があったようで、最後に登場する“ブックピープル”なんかは、本以前の口承文化までさかのぼってしまいます。テレビという間接的に相手と相対する装置に対し、直接会って話をするという点も対比になっているのでしょう。 しかし、映画全体としては、体制による思想の統制が強く出ているようで、そのあたりのズレが、最後になって「そこに落ち着くのか?」と思ってしまう原因になっているようです。統一感に欠けるのが残念です。また、ファビアンがいろいろと都合よく目撃しすぎでしょう。それと合成(ブルーバック?)が下手すぎ。1966年といえば、テレビで『ウルトラQ』が放送された年ですよ。 しかし、いろいろな暗喩に満ちたところがあり(モンターグがポールを使わなくなる・治療された妻が食欲旺盛になるあたりの描写・自宅でモンターグがまずベッドとテレビに火炎放射器を向ける等)、どういう意味があるのか正直よくわかりませんが、なかなか一筋縄ではいかない作品のようです。また折を見て見直してみたいです。 そういえば、この映画は吹き替えで鑑賞しなければ意味がないという意見があるようです。お説ごもっともですが、最後に堂々と出てくる"THE END"の文字は、問題ないんでしょうか?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-26 22:27:05)
18.  カレンダー・ガールズ
話としては鉄板なのですが、イギリスらしいシニカルさがあって好き。おばさまたちのはじけっぷりが楽しい。パリーの「エルサレム」が婦人連合のテーマ曲になっているのも嬉しいです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-26 19:46:38)
19.  神様のくれた赤ん坊 《ネタバレ》 
倦怠期(?)に陥った男女が、旅をすることによって関係を修復するというお話。それと女のルーツ探し。子供の父親探しというのは、はっきり言ってどうでもいい。旅に出るためのきっかけにすぎません。自分探し的ロードムービーとしては、特によかったとも思いませんでした。しかし脇役がなかなか個性的で、軽い気持ちで楽しめます。時代的なものか、かなりもっさりした作りで(特に前半)、見ていてある種のしんどさを感じました。 最後は、道を引き返すところで終わって正解。かんじんの子供が「帰りたくない、ここにいたい」と言ったら、それまでですから。何となく、そうなりそうな気がします。 『集金旅行』のリメイクとされることもあるようですが、共通しているのは「子供を連れた男女が、人を訪ねて西日本を旅する」ということだけ。やはり単なる元ネタ程度でしょう。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-09-02 21:40:50)
20.  かあちゃん 《ネタバレ》 
『しゃべれどもしゃべれども』を見たせいか、最初に熊五郎の家に泥棒に入るあたりで、てっきり落語が原作かと思いました。別に違っていてもいいんですが、もう少しハチャメチャというか、笑える展開でもよかったかと思います。長屋の4人組などは、面白かったですが。メインの話がまじめすぎますかねぇ。いい話なんですが、いい話すぎて、かえって損をしているのでは。台詞回しとかはいいんですけど。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-07-19 20:33:08)
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