1. 黄色いリボン
まだ40代のジョン・ウェインに老け役は難しいのではないかと思いましたが、肌艶はわかかったものの流石の貫禄でした。 作品としてはドンパチの西部劇ではなく、間もなく騎兵隊を去る大尉の心情など心理描写が主で、これはこれで哀愁が漂い良かったです。 主要な登場人物を絞り込んでいたのも良かったと思いました。 美しいオリヴィアが男性を振り回していた描写はよく判らなかったですが、ああいう女性はいつの世にもいるんだなと痛感しました。 [DVD(字幕)] 6点(2023-03-12 16:46:34) |
2. 恐怖と欲望
この作品は、今では文献的な価値しかないかもしれませんが、 これがあったから「非情の罠」が作られ、それがあったから 「現金に体を張れ」が作られ、それを見たカークダグラスが 「突撃」に引っ張り、3年後に「スパルタカス」を監督させ その後の巨匠の階段をかけ上がっていったと考えると 感慨深い作品となる1作です。 脚本はイマイチですがそれでもキューブリックらしい粗削りで 挑戦的な演出も見られ、飽きさせないカメラワークはファンなら 非常に嬉しくなります。 「非情の罠」でマフィアのボスを演じたフランク・シルヴェラの 別の顔が見られたこと、初期のキューブリック作品には欠かせない ジェラルド・フリードのけたたましいBGMなど、若干24歳の キューブリックのたぎる熱意を感じる一作です。 高崎の映画館で期間限定上演された際に見に行きましたが、私含め 場内6~7人でしたが皆さんマニアって感じでしたが満足そうに 劇場を後にされてたのが印象的でした(笑) [映画館(字幕)] 6点(2021-01-16 17:32:10) |
3. 君の名は(1953)
《ネタバレ》 1953年の作品というとあの「ローマの休日」と同じ年の作品ですね。オードリー・ヘプバーンと岸恵子さん、ヒロインを演じた2人の魅力は対照的かもしれないけど、どうにもならない状況での恋愛に苦悶し悩む様子には共通点すら感じました(キュートさも)。確かに古き良き時代のメロドラマですし、冷静になれば突っ込みどころ満載、それでもすれ違ってすれ違って、ようやくラスト、佐渡のつり橋の上で想いを分かち合い抱き合うシーンには(真知子が妊娠しているというこれまた難しい問題はあれど)幸福感を覚えてしまいました。私は根っからこういうコテコテの恋愛モノが好きなんだなと再認識(笑) ダンナがマザコンで束縛野郎でどうにもいけ好かないんだけど、私は出会いから1年半後に結婚した真知子よりもこの男にイライラさせられっぱなしでした。誰しもがどこか突き抜けないもどかしさに包まれた展開に終始していますが、これはこれでいいと思います。こういう恋愛モノもまた味かなと。さすがに後宮が真知子の行方を捜す雨のシーン、線路整備してる人に聞くなら肝心の駅舎に寄れや!と叫んでしまいましたが(^^; なんやかんや書きましたが、結局私は58年前の岸恵子さんにホレちゃったクチかもしれません(爆)一番グっときたのは、歌舞伎座のシーンで、チラチラと後宮を観る真知子のあの目線!あー可愛い(=^^=)第二部第三部はDVDで観ます。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-19 17:37:10) |
4. 紀元前1万年
《ネタバレ》 まずタイトルで損してるなぁ・・・。私は「紀元前1万年」と聞いたイメージから、その時代の人々の暮らしと共に、広く浅く歴史を見せるドキュメンタリータッチな感じなのかと勝手に勘違いしてしまいました。「宇宙戦争」もそうでしたよね、凄く範囲の広いスペースオペラっぽく感じてしまいます。そして中盤まではずっと「エメリッヒ監督ほどの人が何故この時代にこれを作ったんだ?」って脳内でハテナが飛びまくってたほど・・・。 マンモスとかサーベルタイガー、ピラミッドのCGも凄いっちゃ凄いんですけど「ジュラシックパーク」以降、この位は出来るようになったんだなって思って見てるので、どうしても驚きはありません。しかしこの時代の民族間の紛争で、牙と対話=救世主という元で、人質を救いにいく話と割り切ったら後半は盛り上がりますけどね。ヒロインの女性も可愛かったし。ただ巫母が死んで、その生命をヒロインが受け継いで生き返るという件は、そこだけやけに出来すぎている感じもして、ハッピーエンドにはなったけど「うーん・・・」と思ったり。 ひとつ個人的にツボだったのがナレーション!「ドクトル・ジバゴ」の名優オマー・シャリフがあてているのですが、口調が柔らかくて個人的に癒されました!本来は5点ですが、あの優しいナレーションの名優に+1点です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-24 23:52:18) |
5. キシュ島の物語
《ネタバレ》 とっても不思議な作品。特段面白いわけではないのに手元に置いておきたくなり、ふと観返したくなる時があります。というわけでDVDも買ってしまいました。 観光当局が作成したようで、実際のキシュはこんなに美しいワケではないらしいのですが、とにかくこれでもかと日本ではお目にかかれない自然が映しだされます。勿論それだけではなく、1話目では神秘と現代文明の対比、2話目では妹に指輪を買うために必死になって働く男を通じ、兄弟愛や暮らしの窮状等、作品のメッセージ性も感じます。ただ3話目のドアの話はちょっと意味が・・・。背負ってるドアと心を開くが何かかかってるのかな??海に入っていきますが、それが現代社会への絶望という意味なのか別の意味があるのか・・・。 それでもヤギと共にドアを背負いながらひたすら砂漠地帯を歩く老人の引きの画は非常に印象的でした。ぼーっとしたい時、映像世界で現実逃避したい時にオススメの一本です。 [DVD(字幕)] 6点(2009-02-03 11:11:33) |
6. 奇人たちの晩餐会
《ネタバレ》 コテコテのコメディではなく人間ドラマ。いい感じにドタバタしていて非常に面白かったです。しかし寝取られたのは主人公の奥さんじゃなく、査察官の方だったとは(^^;全体のテンポもいいし舞台劇を上手く映画にしてると思いました。でもやっぱりピニョンに尽きますね、彼が本当にバカに見えてきた!最後だけ「おっ!いい仕事したじゃん!」と思わせておいて「あ、やっぱりウザイわ。。。」で終わるしめ方も◎。でも観る人を選ぶかな?ピニョンのあまりのしつこさにウザイと思っちゃう方もいるかもです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-10-27 18:27:16) |
7. CUBE ZERO<OV>
《ネタバレ》 「CUBE」の謎を解く解明編ですが、下に書いていらっしゃる方もいるように元々単発で作った映画の世界であり、後付け感は否めません。それにミステリアスであるからこそ、CUBEの魅力もあったわけで、そこで政府やら実験施設やらと説明されると少々興ざめです。またオリジナル公開から7年も経過した後の続編は少々食傷気味であり「今更どうしたの?」的な見方をしてしまいます。最後の最後で「CUBE」の彼に繋がった部分で少しはスッキリしますが、この結び付け方を見せたいがための作品かと思うと、前半の展開にもう一山欲しかった気がします。それでも亜流のCUBE系や「CUBE2」よりはだいぶ頑張ってます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-07 13:34:53) |
8. ギフト(2000)
《ネタバレ》 メンバーが豪華な事と、監督がサムライミなので、もっと派手なゴシックホラーになるのかと思ってたので、初見時には少し肩透かしでしたが、改めて見返してみると結構丁寧な作りに好感が持てる映画です。保守的な田舎町で霊感の強いヒロインが苦しむ様子もリアルですし、終盤のどんでん返しも予想外(幽霊の手助けも含めて)で楽しめました。ヒラリー・スワンクは勿体無いキャスティングかなとも思いましたが、アンサンブルキャストの安定感から、緊張感も持続できましたし中々良作のサスペンス映画です。 [DVD(字幕)] 7点(2006-09-24 19:10:08)(良:1票) |
9. キングダム・オブ・ヘブン
まずもって、シビラを演じたエヴァ・グリーンの目が何とも魅力的で綺麗です、ありがとうございました。777のボンドガールの方も期待しております。さて、作品なんですがこの頃に量産された歴史モノの中では結構よく出来ていて楽しめたかなと思います。バリアンは完ぺき主義者・理想主義者っぽい事を言ってたのに、結構それがケースバイケースでグラグラ変わる辺りにイライラもしましたが、中立に描かないといけない題材の中で、完成度が高かったかと思います。主役のオーランドも適役で貫禄すら感じましたし、それよりなによりあの位置に存在していたジェレミー・アイアンズのおかげで作品の重厚さが増しました。あとリドリー・スコットって最近の作品でアクションシーンに理由付けはしないで、ひたすら迫力を出そうとしているように感じ、それはどうなのかな?とも思いましたが、そこに力入れるのならむしろ、周辺の人物の心理描写の変遷(特に王女)や、人間ドラマの部分にも深みを持たせてほしかったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-09-10 19:02:28) |
10. キャリー(1976)
復讐モノのホラーの中ではこれがダントツに怖い気がします。シシー・スペイセクのあの強い目とロングのヘアーの風貌から魔女っぽくも見えてしまいました。但し彼女が受けていたイジメは同情に値するし、復讐に関しては途中まで「それいけキャリー」的な目で観ていたのも事実です。デパルマの映像魔術師ぶりはこの作品でもいかんなく発揮され、スロー、分割、クローズアップ等の効果を適材適所に使用していて、恐怖が増したと思います。皆さんが仰るようにラストの墓場のシーンは、心臓が止まるかと思う程怖かったです。あとトラボルタもさすがに若かったですね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-20 14:34:05) |
11. キル・ビル Vol.2
このキル・ビルの後編は、いい意味でも悪い意味でも普通ですね。あの前編のムチャクチャぶりを先に体感していると、ストーリーとしてはちゃんとビルに会いに行くという展開があるものの、ザ・ブライドがビルをどうしたいのかという心情がイマイチ判りづらく、感情移入出来ませんでした。他の作品へのオマージュがあってもいいし、タランティーノなんだから和洋折衷何でもござれでいいと思うんですが、何だか垢抜けないB級映画って感じになっていたのが残念でした。そもそも前編を「R-15」にして、こっちをレイト無しにしても、こっちだけ見る人かなり少ないと思います。これなら「vol.1」をあと30分長くして、いきなりビルとの対決にしてほしかったです。それでもお腹いっぱいだと思いますけどね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2006-07-11 14:49:47) |
12. キング・コング(2005)
良く出来ている映画ですね。CGもカンペキで大迫力です。コングの背中からも哀愁が漂うし、ヒロインへの愛情も目や動きそのもので体現していて伝わってくるものがありました。ただ、船に乗るまでのプロセス、ヒロイン以外のクルーが恐竜や生物に襲われるシーン等、不必要に長い部分で少し中だるみがありました。ここをもう少しサクサクいって20分位は縮められたのではないかなと思います。むしろ島を脱出してからの街での後半のシーンは面白く、大暴れするコング、逃げ惑う人間のパニックぶりは印象的で凄く面白かったです。皆さん仰るように少しヒロインがコングに惹かれるプロセスが弱いので「なんで?」と感じる部分もありますが、物悲しいラストまで一気に観たくなる作品でした。トーマス・クレッチマンとエイドリアン・ブロディという「戦場のピアニスト」コンビの共演、父親そっくりになってきたコリン・ハンクス、ヒロインとして魅力十分のナオミ・ワッツとメンバーも豪華で満足ゆく作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-09 13:53:50) |
13. 救命士
結局何が言いたいのか全然分からない映画ですね。途中から観てる方も「この映画は人に説明しずらいなあ」とか思いながら観てましたが、結局最後までそのまま。スコセッシにはもう少し万人受けする映画を作ってほしいです。 [ビデオ(字幕)] 2点(2006-06-14 17:30:03) |
14. 奇跡の人(1962)
アン・バンクロフトとパティ・デュークが本物のサリバン先生とヘレン・ケラーに見えたまま嵐のように過ぎ去ったとても中身の濃い充実した時間でした。話は小さい頃に読んだ伝記モノで知っていましたが、あの「WATER」のシーンの感動。鳥肌が立ったし涙腺が緩みました。実話だし感動の押し付けって感じがあまり無いし。こういう作品を名作と呼ぶのでしょうね。シリアスで観るのに結構気を入れる必要がある重い作品ですが、DVDを手元に置いておきたい凄い映画でした。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-02-03 16:42:05) |
15. 菊次郎の夏
暴力描写が上手すぎて怖い北野映画において、この映画はちょっとポジションが違う気がして何度も観ました。ロードムービーとしてゆったりとした暖かい空気が流れているし、切なくなるシーンも押し付けてこないので逆にクセになるような印象を持ちました。カンヌの笑いを取った「タコ男」も、あれが井手らっきょの笑いだし受け入れて観る事に(笑)たけしの「バカヤロー」は小さい頃からずっと聞いてたので(笑)むしろセリフの1つとして心地よく感じたり。特に最後の「菊次郎だよバカヤロー」は優しい言い回しでジーンときた。久石譲の音楽もこの映画が最も素敵だと思った。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-18 12:43:02) |
16. CUBE2
単純に「CUBE」を謎多き不思議な閉鎖空間ホラーとして観た私としては、CUBEの建てられた背景の説明とか、4次元によってより複雑さを増した展開とかは求めてないんですよ。あとこのCUBE明るすぎて怖さが助長されない。むしろ「1」と同じあのCUBEに別の人間達が入れられ、同じように汚い人間の心理が垣間見えて、更に新しいトラップ(悪趣味だけど)がお目見えする方が観たいんじゃないかな?と思うのです。もうそれこそ第一線級の俳優を並べて。トム・クルーズとハリソン・フォードとメル・ギブソンが罪をなすりつけあったり(笑)唯一の女性参加者のアンジェリーナ・ジョリーを奪い合うコリン・ファレルとオーランド・ブルームとか(笑)それはともかく、複雑になればなる程、私は「え?こういう展開は求めてないんだけど・・・」と思うのです。今度公開される「CUBE ZERO」もそれが心配です・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2005-11-14 15:28:06) |
17. きれいなおかあさん
展開がこじんまりしすぎてて物足りなかった。ただ、襲われた末に得たお金で補聴器を買いに行く所や、行き場の無い怒りをぶつけるコン・リーの表情は素晴らしいとしか言いようが無い。補聴器の事でバカにされて辛い子供に言う事を聞いてもらえないあの母親の立場を考えると、彼女にとって子供の人生は全てだから、ああいう感情になるんだろうなあと思った。あまりに社会的弱者に辛い設定だが、学校の先生という救いがあって良かった。本当に耳が不自由という子供を使ったので一層のリアリティは出た。でも感動を押し付けないまでも、もう少し何か展開を広めてほしかった気がする。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-13 23:29:21) |
18. キング・アーサー(2004)
ジェリー・ブラッカイマー作品だし、空撮にお金かけたり戦闘シーンも迫力があったけどイマイチ感情移入が出来なかったかなあ。もっともっとスケールの大きい映画を勝手に期待してしまったのもあってちょっと物足りなかったです。ハンス・ジマーは相変わらず無難に壮大な曲を書いたんですけどね。イギリス人俳優にこだわったのがあまり意味を感じられなかったのもちょっと残念でした。ただ映画としてはまとまってはいますし、クライヴ・オーウェンは貫禄ありました。でもWOWOWで十分かな? [CS・衛星(字幕)] 5点(2005-10-31 18:29:45) |
19. キッド(1921)
古臭いってだけで敬遠してるフシのあったチャップリン映画だったが、この映画は凄く暖かさを感じた。ジャッキー・クーガン演じるキッドの上手さも相まって、サイレント映画なのに声が届いてくるんじゃないかという雰囲気があった。ただ皆さんが仰っているように、終盤の夢のシーンは不要だったのではないかと思う。ラストを盛り上げるまでに何かを挟みたかったのかな?とにかく観終わった後に心地良い映画。コミカルな面も勿論持ち合わせていてチャップリンらしさも存分に出ていると思う。連れていかれたキッドとチャーリーが再開して抱き合うシーンは鳥肌が立つくらいジーンときた。どれほど時代が流れても、人と人との絆の大切さは変わらないんだなと痛感した。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-10-13 15:09:26) |
20. キャット・バルー
殺された父への復讐を誓うキャットバルーとその仲間の話ですが、やはりこの映画でオスカー主演男優賞を獲ったリー・マービンの存在感には圧倒されます。昔観た時は一瞬コバーンかと思った位です(笑) 物語のテンポもよく、キャットバルーに力になる登場人物が皆個性的なのでとても楽しいですオープニングから殺人罪で絞首刑になる直前という設定で、その回想という形をとっているのですが、どのようにしてキャットバルーが敵討ちをしたかという点よりも、そのプロセスを楽しむ映画です。繰り返しになりますが酔っ払いのガンマンは強烈です(笑)でも酔ってても腕は凄いんですよねー。 若かりし頃のジェーン・フォンダが西部劇に出ているという事で購入したのですが、オスカーを獲る前のコミカル路線の彼女の魅力も満載ですし、ビデオ屋にあったら借りて損の無い映画だと思います!劇中流れるナット・キング・コールの歌もこの映画を盛り上げています!ラストが痛快で個人的には何度観ても飽きません!! [DVD(字幕)] 7点(2005-10-13 11:02:37) |