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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  ケイコ 目を澄ませて 《ネタバレ》 
主人公の台詞はほぼ無し。BGMもありません。無表情、あるいは不機嫌そうな顔ばかり。化粧っ気なし。腫れた瞼。それが主人公の日常です。そんな彼女の表情に感情が現れるのがボクシングでした。嬉しそうにミット打ちをする姿に何だか救われました。多分彼女はボクシングを通じて会話を交わしていた気がします。普段はままならぬ他者とのコミュニケーション。「打てば響く」心地よい時間は「生きている実感」そのものだったことでしょう。会長がくれた宝物のような時間。「チャンピオンになりたい」ではなく「会長や仲間と練習したい」が本心だったのでは。ですから「会話」にならぬ「怒鳴り合い」はそこまで楽しくありませんし、話し相手を失うジム移籍は論外でした。 会長との2人シャドーのシーンがたまりません。至福の時間。でもこれが最後。恋人を、いや父を失う感覚でしょうか。大切な時間が消えて無くなる寂しさや辛さは察するに余りあります。しかし誰もが通る道でもあります。人生に永遠などありません。彼女にも人生の岐路が訪れたということ。主人公と何ら変わらない、顔を腫らした対戦相手とリングを下りて対峙した時、彼女の胸に去来したのは何だったのでしょう。もし彼女がボクシングを続けるのであれば、その目的は今までとは全く違うものになるはずです。誰よりもよく観察して、彼女は自分の進むべき道を走って行く。 岸井ゆきのさんは各種映画賞受賞も納得の熱演。三浦友和さんの演技は個人的に好き過ぎました。あの声、あの佇まい。憧れます。刺激的な描写や展開はありませんが、シーンの切り取り方に独特な間合いがあり惹きつける力がありました。後からしみじみ感じ入ることが出来る良い映画だと思います。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-06-24 18:25:17)
2.  ゲーム・オブ・デス(2017) 《ネタバレ》 
※はじめに注意!こちらは2010年制作の同名映画ではありません。スプラッタージュマンジがこちらです。再度ご確認くださいませ。  『N人殺すまで終わりません』な殺人ボードゲーム。代数はたぶんランダムで今回は24でした。つまり24人を殺さない限りプレイヤーは生き残れないルール。無理ゲーかつ糞ゲーここに極まれり。ゲームクリアはほぼ望めません。ゲームバランス(設定)が滅茶苦茶なのです。一番の害悪は時間制限が極めて短いこと。おそらくインターバルは15分から20分程度。もし時間の猶予があれば、血の契約を破棄する方法を探すことも出来ますし、対処療法的に殺す相手を吟味することも可能でしょう。しかしこの短時間ではどうしようもありません。諦めて死ぬか無差別殺人くらいしか選択肢がありません。まあ対策を取られたらゲーム制作者(悪魔又は死神)が困るんでしょうけど。結果、ただ悪趣味なだけのスプラッターが一丁出来上がりと。希望が皆無なので、サバイバルとしてもスペンスとしてもぱっとしません。ただしスプラッター祭りと割り切れば不満はありません。血飛沫は特盛ですが、不思議と汚らしい感じはありませんし(あまりに浮世離れした設定だからかな?)プレイヤー最後の演説は、達観した者の凄みがありました。なお特徴的なテレビゲーム演出は惨殺シーンの省略(制作費削減と刺激低減の両方)の意味合いがあったように感じますが、どうせ馬鹿映画なのですから小細工なしで殺しまくった方が潔くて良かった気がします。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-05 22:18:08)
3.  劇場版 呪術廻戦 0 《ネタバレ》 
原作マンガは未読ですが、二女が子ども時代の私そっくりのアニメオタクに仕上がっており、その影響から流行りのテレビアニメは大体リピート鑑賞している状態です。テレビアニメの呪術はファンという程ではないものの、結構面白いという認識です。 さて、本作は放送済みテレビシリーズの前日譚。主役は名前だけはよく聞く乙骨先輩でした。あの声で喋られると否応もなく碇シンジ君が脳内再生される世代でして。キャラクター造形的にも両者は似通っており、何より「アイデンティティの確立」というテーマまで同じ。皆さん同様すっかりエヴァンゲリオン感覚で観てしまいました。だから困ったとか、つまらないとは思わないですけども。悩み多き思春期の主人公は少年マンガの王道。悩んだ分だけ素敵な大人になってくださいな。 バトルシーンはハイクオリティで見応えあり。術式とか理解不足な点はあれど問題なく楽しめました。リカちゃんが思いの外可愛かったので消滅してしまったのは残念でしたが。テレビアニメ次期シリーズも楽しみにしてます。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-12-30 19:51:18)
4.  決戦は日曜日 《ネタバレ》 
タイトルの元ネタはドリカムの名曲『決戦は金曜日』と思われます。日曜日、それは選挙投開票日を意味しました。国政に挑む世襲候補とその秘書の奮闘を描いた社会派ブラックコメディです。政界・選挙戦を扱った映画やドラマは数多くありますが、そのリアリティ度合いは様々です。ドキュメンタリーから架空の国を描いたファンタジーまで幅広い。本作はリアリティを担保しつつシリアスに寄り過ぎぬ軽やかさが魅力で「大人な笑い」を満喫できました。何と言ってもキャラクター造型がいい。ルックス良好、歯切れ良く意味不明な言い回し。世襲候補のモデルはあの方かな。そんなお嬢様を支える秘書を窪田正孝さんが好演しました。絶やさぬ笑顔は、魑魅魍魎跋扈する政界で生きぬく為の知恵でしょう。仮面は心を守る防護マスクです。でもずっと仮面をしていたら、外し方を忘れてしまいまうもの。コーヒーの味も分からなくなる程、泥に浸かっていた事を悟った主人公は遂に我に返りました。かくして新人候補とその秘書による掟破りの極秘計画が実行されたと。後半は一気にエンタメ色が強くなりましたが、その皮肉な選挙結果や希望と覚悟のエピローグも含め腑に落ちるものでした。川島有美氏は意外と骨がある人物でしたし、優秀な懐刀も腹を括りました。これから良い政治家になることが期待されます。モデルとなった現役議員さんの方はどうか知りませんが。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-10-01 22:46:24)(良:1票)
5.  劇場版 殺意の道程 《ネタバレ》 
ブラックコメディというよりは、バカリズム流サスペンスコメディ。唯一無二のジャンルです。シリアスな『架空OL日記』と思ってもらえればよく、バカリズムの笑いが好きな方なら間違いなく楽しめます。個人的にはバカリの脚本家としての才能に舌を巻くばかりです。ただ惜しむらくは、トリックの肝の部分が成立していないこと。いくら警察がボンクラでも、あれがあそこでああなっていたら不自然過ぎるでしょうよ。ただそれに気づかぬバカリズムのはずはなく、「そんなわけねーだろ」な雑な設定もバカリのオモシロの一環と思われます。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-03-25 19:55:53)
6.  劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 《ネタバレ》 
ももクロちゃんのライブ映像作品以外で予約してブルーレイを購入するのは久しぶり。これは、新型コロナの影響で本作劇場公開時についぞや映画館へ足を運ぶことが叶わなかったからです。鬼滅の刃ファンの二女には劇場鑑賞を約束していたのに。正直スマンかった(健介の口調で)。円盤が擦り切れるまで観るがよろしい。 さて、私はTVシリーズ鑑賞済み、原作漫画も読了済みの立場ですが、客観的に評価するなら本作が歴代興行収益記録を塗り替えるほど“特別な出来栄えだった”とは思いません。スペシャルだったのは“コロナ禍”なり“鬼滅の刃ブーム”なり外的要因の方。勿論、映画自体に魅力がなければ、こんな大記録は打ち立てられない訳で、TVシリーズや原作ファンを満足させるクオリティがあり、かつファン以外の観客にも分かりやすく、そして良い感じに“刺さりやすい”内容だったのは間違いないと考えます。 ブームを検証して『それらしい理由』が見つかったとしても、踏襲して同じブームを巻き起こすのは不可能です。『風が吹けば桶屋が儲かる』あるいは『カオス理論』か何か知りませんが、様々な要因と偶然が重なりあって大爆発が起きるのが『社会現象』というヤツかと。この先当分は塗り替えられないであろう金字塔に、リアルタイムで立ち会えたのは幸運だったと思います。でもやっぱり映画館で観たかったな。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2021-06-19 23:57:00)(良:1票)
7.  決算!忠臣蔵 《ネタバレ》 
舞台が赤穂(兵庫県)ということで関西芸人が多数キャスティングされています(バリバリ関東芸人イメージの上島竜兵さんが兵庫出身とは知りませんでしたが)。彼らに期待されているのは、ネームバリューとネイティブな関西弁を操ること。コメディリリーフとしての役目は課されていません。芸人が大挙出演しているのに彼らが全然笑わせようとしないため、妙な違和感を覚えました。そうでなくとも、大笑いするタイプのコメディではなく、現代社会と対比させた風刺がメイン。言うならば苦笑い系喜劇です。純然な笑える喜劇を期待してみると肩透かしを食うかもしれません。勿論これはコメディとして不出来なのではなく、仕様の問題。カカオ80%チョコが大して甘くないのと同じです。討ち入りシーンも無ければ、吉良上野介に至ってはキャスティングもされていない異色の忠臣蔵でした。かつて『わんわん忠臣蔵』なんて映画もありましたが、手を変え品を変え、様々なアレンジが施されるのは、原作が長年日本人に愛されてきた証であります。もはや擦られ過ぎて原形が分からない気もしますが、これも『歴史に名を刻む』事の副作用のひとつでしょう。中村義洋監督のお金時代劇は『殿、利息でござる!』に次いで本作で2作目。これはもう3部作行きますね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-20 20:27:37)(良:2票)
8.  検察側の罪人 《ネタバレ》 
法で裁けない罪人を私刑に処すという考え方自体は(それが許されるかどうかは別にして)理解出来ます。『必殺仕事人』制度。いわゆる主水スタイルですね。本作の場合も、口パッツ男・松重がかつて犯した罪を告白した時点で、仕事人に任せれば良かったワケです。主人公には裏社会へのコネもありました。しかし、彼はそれを良しとせず、別件の罪を着せてまで司法の力でヤツを裁くことに拘りました。何故でしょうか。ただ殺すのでは生ぬるい?それも確かにあるでしょう。しかしそれ以上に、自らの力(検察官の立場)で憎い奴に鉄槌を下すことに魅力を感じたのでしょう。何の事は無い。単に公権力を使った私刑です。この場合、困るのは現在捜査中の事件の犯人の処遇。そうだ、こちらの事件の犯人は俺が殺しちゃおう。有力容疑者が消えれば松重を犯人に仕立て上げられるし、真犯人にも罰を与えられる。一石二鳥じゃん、と。傍からみれば無茶苦茶な理論です。公私混同もいいところ。検察官が持つスペシャルな権力と「正義」という魅惑的な概念が、主人公を狂わせたと考えられます。実はこれ、誰の身の上にも起こり得る事象です。『業務上横領』が発生する構造と同じ。“慣れ”とは本当に怖いことです。ですからドラマの肝は、主人公が“超えてはならぬ一線を超える心理経過”にあったワケですが、物語上の処理は実に淡泊で、あれよあれよと言う間に主人公は罪を重ねていきます。残念ながら物足りません。これは“既に主人公が壊れていた証”とも言えますが、置いてけぼりを食らった感覚は拭えません。何気にスゴイと思うのは、木村拓哉の代表作『HERO』久利生公平のイメージをスポイルする可能性がある本作を、キムタクが引き受けたということ。一昔前の映画俳優なら絶対にNGだったでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-06-30 21:17:11)
9.  劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 《ネタバレ》 
山下智久さんには、本作の役作りそのままで、ぜひとも『笑ってはいけない』に出演して欲しいと思います。
[DVD(邦画)] 3点(2019-05-10 21:27:44)
10.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 爻(コウ)ノ篇 《ネタバレ》 
『天』の感想にて、“回収する気のない伏線”や“どうせ畳めやしない大風呂敷”等と書いてしまった事を、まずは謝罪させてください。いやいや監督、御見それしました。ちゃんと特大の風呂敷を綺麗に畳みましたね。何なら完全放置だった『ケイゾク』まで一緒に畳んでしまうとは(まあ、コチラはドサクサ感半端ないですが苦笑)。この結末はTVドラマの時点から決まっていたと考えて差し支えないでしょう。当麻のスペックはこのラストに繋がる伏線でしたか。お見事です。もっとも元ネタが元ネタなので、壮大かつぶっ飛んだ結末も腑に落ちるというもの(まるで『石作りの海』の結末の如し)。またデヴィッド・クローネンバーグ監督の某傑作SFを彷彿とさせる“報われぬ正しい行い”も個人的には大好物であります。瀬文が着せられた汚名は、世界が救われた証に他なりません。私情は厳禁。大義に生きる。これぞシリーズを通じて主張してきた『刑事魂』そのものです。そして何より当麻と瀬文の絆の深さに涙しました。救いなどあるはずもない無限地獄の中の一筋の光。魂で繋がる2人が尊いこと。この余韻は絶品です。『ケイゾク』の柴田・真山、『トリック』の山田・上田、そして『スペック』の当麻・瀬文。堤監督のキャラクター造形は一流。それだけは疑いようもない事実です。お話の方は悪ふざけが過ぎたり、インチキオカルトで煙に巻こうとしたりする悪癖がありますけれども。TVドラマ監督としての信頼感は絶大でも、映画監督としては信用ならぬという(私の中の)基準をそろそろ見直そうかなと。『12人の死にたい子どもたち』も良かったですし。お詫びも込みで8点進呈です。
[DVD(邦画)] 8点(2019-04-20 09:26:27)(良:1票)
11.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 漸(ゼン)ノ篇 《ネタバレ》 
3週間をかけて、スペックシリーズ一気鑑賞したので感想を書きます。シリーズ完結編・前半戦ハイライトは、やはりゴリさん係長殉職の件。後半怒涛の展開の中では埋没してしまったでしょうし、愛すべき係長に敬意を表する意味では、一応分割した意味はあったかと思います。本作単独での評価は、ほぼ意味を成しませんので詳細は後半の方で。
[DVD(邦画)] 5点(2019-04-20 09:23:04)
12.  獣は月夜に夢を見る 《ネタバレ》 
DVDに収録されていた予告編には、トーマス・アルフレッドソン監督の『某作品』を彷彿させるとのコメントが。ああ、それ言っちゃうんだという感じ。おっしゃる通り、基本設定は『某作品』(後にヒットガールちゃんでリメイク)を連想せずにはいられないもの。言葉を選ばなければ二番煎じです。ただし、オリジナリティ云々を理由に低評価を付けるつもりはありません。そんな事言い出したら、ゾンビ映画なんてほとんどパクリですし。問題なのは尻切れトンボのような終わり方。彼女の素性は知れました。さあそこからどうするかって話が知りたいんです。確かに彼氏から意思表明らしき言葉は発せられました。でも行動が伴ってこそ初めて価値が生まれるのでは。ピロートークの「愛している」と、クロちゃんの「守るから」を信じられるほど、お人好しではないもので。寒々とした空気感はさすが北欧の映画。見慣れた米国製映画のそれとは違う新鮮味を感じましたが、ちょっと残念な仕立てでした。
[DVD(吹替)] 5点(2019-01-10 19:18:22)
13.  犬猿 《ネタバレ》 
私は長男で、妹が一人。また三姉妹の父親でもあります。本作は個人の経験(人間観)と照らし合わせて楽しむタイプの映画。同じ兄弟でも、異性と同性では当然ながら関係性は異なるワケで、私の場合は比較対象とするサンプル=娘たちとなります。車の座席、おやつの分配、お風呂の順番、外食先の店選び。全然すんなり決まりません。その一方タッグを組んで強力なおねだり作戦を敢行することも。仲が良いんだか悪いんだか。絶対的に頼れる友であり、最高に苛立つ永遠のライバル。今はまだ幼い娘たちですが、大人になったらあんな風になるのかと思うと、感慨深いことで(苦笑)。本作のタイトルは『犬猿』。これは愛あるタイトルと捉えましょう。嫉妬しようが煙たかろうが、本作の兄弟姉妹はいずれも相手を認めています。同じ桃太郎チームの一員です。桃太郎=親が不在となったとき、どのように関係が変化するか(あるいはしないのか)興味深いところですね。現実には全く相容れない『水と油』な兄弟もざらに存在しますので、充分微笑ましい兄弟関係の物語と感じました。あのシチュエーションで厄介者の兄を見捨てなかった弟は尊いというか、お人好しというか。監督の人の良さが現れていると思います。その一方、コーヒーカップに乗るニッチェに豚鼻の効果音を入れたりと、嫌らしい(悪戯な)一面も。実に吉田恵輔監督らしい映画であったと思います。最後にキャストにも触れておきましょうか。男の方は人気と実力を兼ね揃えた俳優コンビであるのに対し、姉妹ペアは芸人とグラビアタレントの組み合わせ。本職役者組と比べると演技面では流石に敵いません。しかし、彼女らは彼女らなりに、生々しい犬猿姉妹の空気感を見事に作り上げてくれました。何より顔の造作が似ているところがポイント高し。コント上手のニッチェ江上は兎も角も、筧ちゃんが予想外に良くてちょっと驚きました。決して演技が上手いわけではないですよ。でも自らのリアル芸能人生をキャラにダブらせ、身を削った心意気や良し。根性もありそうです。要するに、筧ちゃん=二代目磯山さやかという結論でファイナルアンサー。
[DVD(邦画)] 8点(2019-01-05 16:58:05)
14.  獣道 《ネタバレ》 
ナレーション役の須賀くんが再三口にするように、本作のテーマは人間にとっての“居場所”の重要性。ヒトが初めて手にするそれは、親の腕の中にあります。沢山の愛情を受け、絶対的な自己肯定を獲得する場所。温かな家庭は、巣立ち後に待っている新たな居場所を手にいれるための“孤独な戦い”の備えをする場所です。言い換えるなら、孤独に耐えるための技能と体力を養うところ。しかしながら、本作の子供達は、最初の居場所で満足な支度が出来なかった様子。人生のレールどころか、進むべき道さえ示されません。そう、彼女らの人生は獣道。銃の扱い方も知らぬまま、戦場に放り出されるが如し。孤独に耐えられないから群れるしかありません。あるいは、孤独を孤高と言い換えて、自分自身を騙します。居場所の作り方を知らないから、他人の居場所を盗むような真似をしますし、せっかく手にした居場所の守り方も知りません。彼女らのストーリーを知る観客は、同情することが出来ます。しかし、現実には個人の事情を他者が知る術はありませんし、一部の暇人や好事家を除いては、そもそも他人の境遇に興味がないのです。一定の年齢を過ぎれば例外なく自己責任を求めるシステムを、私たちの社会は採用しています。そう、沙莉ちゃん、もといアマンダちゃん、もとい愛衣も、自己責任で居場所を確保するしかありません。子供時代と寸分違わぬ現在地は、成長していない証。たぶん愛衣が一番その現実に慄いているんじゃないでしょうか。だからラスト、彼女は須賀くんを呼び止めたのだと思うのです。さて、須賀くんの居場所に彼女は必要なのでしょうか。もし必要ならば、それを愛と呼ぶのでしょう。ももクロの茶色担当こと伊藤沙莉ちゃん目当てで、生涯初めて公開初日の舞台挨拶付き上映会を体験してきました(出張のついで)。なんとまあ、沙莉ちゃんのカワイイこと。あのハスキーボイスは大変な武器。そしてコメディエンヌとしての才能を再確認しました。ちなみにアントニーが想像以上に存在感を示していたことにも驚きました(そもそもデカイですしね)。バラエティーに富んだキャスティングは満点級。各人の演技も上々。ただ脚本は、ちょっとマニアックだった気がします。初見で『すげー面白かった!』とは言い辛いお話でしたが、繰り返し観ると良さが分かってくるタイプの映画だと思いました。実際自分の中で反芻するうち、どんどん味わいが増しています。体を張った沙莉ちゃんに5点、韓姉さんに2点、須賀くん、吉村さん、アントニーと矢部太郎に各1点だと10点を越えてしまうので、やっぱり矢部はマイナス2点としておきます。その方が芸人的にはオイシイでしょうから。それにしても、マイベスト映画『幕が上がる』の下級生役の皆さんの活躍ぶりは凄まじいばかり。この先『幕が上がる』が、どれほどのお宝映画に化けるのか、とても楽しみです。
[映画館(邦画)] 8点(2018-10-26 22:44:27)
15.  ゲット・アウト 《ネタバレ》 
優れたフィクションはリアリティを凌駕します。本作では、脳移植(人格の移植)や催眠術の実効性について、疑問を呈する気になりません。所詮は枝葉の話。それほどに、基本となるアイデアが秀逸であり、展開が見事であったと感じます。物語の根底に存在するのは人種差別。米国人でない私に問題の本質を肌感覚で理解するのは難しい作業ですが、主人公が人として扱われていないのは明白でした。彼ら黒人はあくまで“器”であり“乗り物”。芸術センスや身体能力といった“人種としての特長”は肯定しつつも、反面、人としての尊厳は認めていません。だから体を乗っ取っても良心は傷みませんし、疑似恋愛で誑し込めても情が移ることなどありません。道路で鹿を撥ねたところで「だからどうした」と思うのと一緒。この理解不能な価値観は生理的な嫌悪に繋がり、絶望という名の恐怖を引き出された気がします。また個人的には、真相が明かされてすぐ気付く仕掛けよりも、観終えて反芻するうちに理解する伏線に、より価値を感じました。例えば序盤、フィアンセが警察の職務質問で彼氏の身分証呈示を拒んだ件。反人種差別や彼氏の気持ちを慮っての抵抗では無かったワケですね。カメラのフラッシュが元人格発現のキッカケとなったのは、洗脳部屋でのビデオ鑑賞の記憶が呼び起されるからでしょうか。大変緻密に計算された脚本。観返せば、きっと沢山のフラグが隠されているはずです。なお、主人公が躊躇なく「正当防衛」の権利を行使するあたりも、実にスッキリしました。やられっ放しで逃げるなんてまっぴら後免ですから。
[DVD(吹替)] 8点(2018-07-05 17:56:31)(良:4票)
16.  劇場版 お前はまだグンマを知らない
伝統的な童貞コメディ+自虐的な郷土愛。間宮祥太朗の顔芸と馬場ふみか姫の可愛さを愛でる映画と言っていいでしょう。それ以上でも以下でもなく。悪くはないが良くもなく。
[DVD(邦画)] 5点(2018-05-10 21:08:08)
17.  激流(1994) 《ネタバレ》 
“逃走中の強盗に脅されながら、大自然の中を川下り”という、トリッキーな設定を有するサスペンスは、恐怖度1コワの甘口仕様で家族揃って楽しめる娯楽作品でした。ハイライトは、ガントレットと呼ばれる激流をゴムボートで乗り越えるシーンで、普通にアクティビティを楽しむ感覚。ノーCGの迫力ある画が楽しめますが、クライムサスペンスのハラハラドキドキとはまた別の種類のもで、ネイチャーアドベンチャー要素の比率の方が遥かに高いと考えます。それにしても、途中から別行動となったお父さんの動きが謎過ぎました。家族救出を試みるなら、(絶対に越えられないと散々アナウンスしていた)ガントレットの前じゃなきゃ駄目なんじゃないでしょうか。まあ、そのあたりも“お約束”と捉えて、ゆるく楽しむのが正しい観方なのでしょう。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2018-02-25 23:02:57)
18.  劇場版 マジンガーZ/INFINITY 《ネタバレ》 
有安杏果さんのももクロ卒業を明日に控え、モノノフ(ファン)が今観る映画はやはりZだろうと本作を選択。と言うのは半分冗談ですが、何やら良さそうな噂を耳にしておりましたので劇場鑑賞に至りました。懐かしのスーパーロボットが今風のアプローチでどう生まれ変わったのか興味津々でしたが、まあ、何と言いますか、馬鹿映画というか、変態映画というか、滅茶苦茶でしたね。『シン・ゴジラ』チックなリアルシミュレーションエッセンスもありつつの、トンデモSF理論やら中2病的倫理観やらが混在するカオスな世界観。さらに劇画風お馴染みキャラと新顔の美少女萌えキャラの作画の差異も違和感アリアリで、食べ会わせがいいんだか悪いんだか。兎に角、リクエストのあったもの全部ぶち込みました感が凄いです。そうそう、火薬の量も半端なかったので、やはり馬鹿映画で間違いありません。良くも悪くも振り切れている作品なので文句はありませんが。
[映画館(邦画)] 7点(2018-01-20 20:48:41)
19.  劇場霊 《ネタバレ》 
“人形(ヒトガタ)”はその形容と性質から、不気味な雰囲気を醸し出すことが可能な、ホラー映画御用達の人気アイテム。実際、『チャイルドプレイ』や『死霊館』『デッド・サイレンス』では物語の核として機能しています。とはいえ、取扱いが難しいのも事実。特に『チャイルドプレイ』や本作のように人形自身が人を襲う場合、殊更設定や脚本、演出法を練らなければなりません。問題点。そもそも不気味であっても、命の危険は感じないこと。動くはずの無い人形が襲ってきたらそりゃ驚きます。でも逃げれば済むこと(あるいは戦っても勝てますよね)。そこで“相手を魅了する能力”や“武井壮並みの身体能力”を人形に付加する必要が生じます。でも強すぎる霊能力(超能力)を持たせてしまうと物語は硬直してしまいますし、高い身体能力は人形本来の魅力を半減させかねません。さじ加減がとても難しいのです。本作の場合、設定・脚本・演出、全ての面において、残念ながら工夫が感じられません。恐怖創出のグランドデザインが用意されていないのです。我々は何処をどう怖がればよいのでしょうか。AKB48の島崎遥香主演。『女優霊』から20年。キャッチフレーズだけでは……。そもそも何故『人形霊』ではなく『劇場霊』なのでしょう。『女優霊』から連想され易いという理由で『劇場霊』だとしたら、流石に志が低いと思ってしまいます。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2016-11-25 00:48:40)
20.  劇場版 東京伝説 恐怖の人間地獄 《ネタバレ》 
オムニバス5話全てがシチュエーションの提示のみで、脚本家が仕事をしていません。紛うことなき“とほほ”なホラー=トホホラー。第4話『夜道』に至っては完璧に悪ふざけ。画面分割で粋がったことをデ・パルマ師匠に謝ってください。
[DVD(邦画)] 2点(2016-02-29 21:22:02)
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