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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  原爆下のアメリカ 《ネタバレ》 
1949年のソビエト連邦の核実験や1950-1953年の朝鮮戦争、またアメリカでの赤狩りといったものを背景にした映画と思われる。強烈なメッセージ性が特徴だが、ほか最後にラブストーリーだけが現実化していくといった構成の妙があるとはいえる。 邦題には「原爆」が入っているが、原題では「侵略」と言っているだけで核兵器は特別視されていない。劇中ではかなり気安く原爆が使われていて、まだ水爆も大陸間弾道ミサイルもない時点での核戦争はこのように想像されていたというようではある。核兵器が使われると熱線と爆風が来るといった感覚もなく(放射能という言葉は出たが)、単に強力な爆発物としか思っていなかったようだが、「核魚雷」で空母が大破して復旧に努めたが総員退去して沈没した、などというのでは普通の魚雷と違わないではないかと思う。 開戦の原因は不明だったが、要は世界征服を企む悪の勢力が一方的に侵略して来たらしく、卑劣な奇襲攻撃に応戦したところから全面戦争に発展する、というパターンができていたようだった。敵の先制核攻撃に対しアメリカは3倍返しで応じていたが、しかし攻撃対象は軍事基地・工場・鉄道・港・油田とのことで、一般庶民の居住地が対象外というのはさすが世界正義を体現するアメリカらしい人道的対応と思わせる。実写映像には朝鮮戦争のものもあった感じで、また「太平洋艦隊」という台詞も出ていたので日本も無風状態だったとは思えないが、とりあえず表面には出ないので突っ込まないことにする。 なお最後に出た言葉は普通に真理だと思うが戦後日本人に言っても意味はない。アメリカも自国で戦争などするはずがないので現代的な意義はない映画だろうが、まだ自国の資金だけで作っていた時代の純粋なアメリカ映画だったとはいえる。現代には現代の問題もあるのでこういうのを腐していれば済むわけでもない。
[インターネット(字幕)] 4点(2023-08-12 11:28:55)
2.  劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season2 輪廻 《ネタバレ》 
シーズン1に続くその2である。前回と同じく2017年4~6月の13話からなるシーズン2を1/5弱に短縮した再編集版で、シーズン1の公開(2018/5/5)一週間後の5/12に劇場公開されている。 単純な続きではなくいきなり5年後になっており、冒頭に少しだけつなぎの部分があるが超ダイジェストのため、かろうじて子ができたことがわかっただけである。その後も何をやっているのか不明な場面が多く、さすがに総集編だけで見るのは厳しい気がした。例えば赤いのが人間を守る方針だった理由は、つなぎの部分でも説明があったようだが、結局Wikipediaの記事を読むまでわからなかった。  物語的には前回に続いて「東京喰種 トーキョーグール」路線に見えるが、登場人物の間で劇中世界への対応姿勢に違いがあることは明瞭になっている。対立する立場のうち、赤いのが「人間は守る」と言っていたのは人類にとっての共通認識であるから、視聴者の立場としてもモグラに死んでもらう必要があったのは間違いない。一方の緑は当事者として自分なりの判断基準を持っていたようで(よくわからなかったが)、目的に応じて赤とも人とも共闘する姿勢だったらしい。 今回少し注目したのは「楽をした分誰かにつけが回る」で終わる一連の会話だった。前回の駆除班がなぜかいつまでも5円玉の御縁にこだわるのは呆れたが、そういう情に流されてどっちつかずの態度を取るのでなく、まずは自分の立場をはっきりさせる(旗色を鮮明にする)ことが大事ということかと思った。劇中でいう「ちゃんと向き合う」というのも、その上でのことだったようである。  キャストについて、武田玲奈さんはやっと前面に出るようになったが、今回はどうもヒロイン役を別人に取られてしまった印象もある。そもそも可愛く見せようという気がないのではと思ったが、しかし劇中人物としては自分の方針をしっかり持っていたのがいい役柄に見えた。また東亜優さんはいきなりお母さんになったあげくにクラゲというのも困った展開だが、上半身裸になって(!) 胸は見せない場面もあったりした(特にエロくはない)。子が父母のそれぞれに似ているというのは泣かせどころだったかも知れない。 そのほか、この手の番組でウニが出て来たのは初めて見たと思ったが、実は昔の仮面ライダーシリーズでも結構出ていたらしい。今回は殻の中身まで見せたようなデザインが秀逸だった。
[インターネット(邦画)] 5点(2019-12-27 23:25:45)
3.  劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season1 覚醒 《ネタバレ》 
仮面ライダーシリーズの劇場版である。今どき「アマゾン」である理由に関して、劇中でも開き直ったような説明は一応あったが、それよりこれ自体がAmazonプライム・ビデオで公開されたオリジナルコンテンツだそうなので、そのこととの関連で捉えた方が素直に納得できる。 この映画は、2016年4~6月の13話からなるシーズン1を1/5以下に短縮した再編集版とのことで、総まとめとなる劇場版の公開(2018/5/19)に先立ち5/5に劇場公開されている。総集編のため細かいところは飛ばしているのだろうが、大まかな話としてはわからなくはない。ちなみにもとの13話も追加料金なしで見られるがそこまでの熱意はない。  まずアクション部分はかなりハードな印象があり、力任せの生体破断など残酷というより豪快で、自己の存続をかけた容赦ない闘争の表現に見える。ただし自称が「ボク」の男が2人もいるのは気色悪く、そんなことで同情を買おうとするなと言いたくなったが、そういう甘ったれも最初のうちだけだったらしい。 一応は子どもを含む広い世代が見る想定のようだが、ただし製作側が意図したように「30~40代の男」にとって「見応えのあるもの」かどうかは何ともいえない。特に、ちょっと恥ずかしいほど「東京喰種 トーキョーグール」と似たようなことを言っている(2017年の映画しか見ていないが)のでまたこの話かと思わされるが、しかし最後になると赤いのがあくまで「人間を守る」と宣言する一方、駆除班までが反対側に味方したりして、それほど単純な図式でもなかったらしい。これを見た限り緑の立場は微妙なようで、そのうちどこかで無理が出るのではという気はしたが、とりあえず今後の動向を見るしかない。  キャストに関しては、個人的に最大の見どころになるはずだった武田玲奈さんが、この再編集版ではほとんど出番がないので落胆させられる。こんなことならかえって変に危ない場所に出て来ないで別のところで可愛く女子高生でもやっていればいいのではと思ったが、キャスト配列順を見るとヒロイン役(緑の方)の位置付けのようで、次回以降は活躍の場があるのかも知れない。また東亜優さんも素性不明の役だが、同じく大人のヒロイン役(赤の方)ということになるので、そういうことも含めて期待感を高めておくことにする。
[インターネット(邦画)] 5点(2019-12-27 23:25:41)
4.  K-19 《ネタバレ》 
最初に見たのはTV放送で、とにかく放射線障害が悲惨だったことだけ憶えていた。医学的にどうかはわからないがわずか10分でこの状態になり、それでも次々に人員が投入されていくのが恐ろしい。日本でいえば1999年に東海村臨界事故があったので、何かと雑なソビエト連邦の出来事だからとも言い切れなかった。  今回は無料公開の終了間際ということで見たが、上記以外の部分はそれほど感心しなかった。一応は実際にあった事件をもとにしているので、先の見えない展開のようでも自由度は狭まっており、例えば総員退艦して自沈する選択はありえなかったことになる。事故の話だけでは不足と思ったのか、前半では艦長が無理してスリリングな見せ場を作っていたが、その理由の説明には納得できなかったので落胆させられた。終盤で再度300mをやったのは、前にもやったので気分的には怖くないという意味だろうが、物理的には1回が限度で2回は無理ということもあり得たのではないか。 人間ドラマとしても、前艦長が一番いい人かと思っていたら艦長も感化されていい人になって、最後は仲間が一番大事で終わるのは極めて普通というしかない。少し意外な点として、艦長の父親も息子に似て野心家だったが「ツキの落ちる日」が来て収容所に行ったのかと思っていたところ、終盤でその想定をひっくり返す展開になっていたらしいが、それもそれほど印象的なものにはなっていなかった。 最後の集合写真で大感動もできなかったが、もうアメリカでもかつての敵への偏見などはなく、ロシア人の乗員に素直に心を寄せる余裕があったのだなという感慨はあった。ロシア風の背景音楽も耳に残る。  以下些細なことだが、字幕で近くの島の名前が「ヤン・マヤン」だったのは何語か見当がつかず南洋の島かと思ったが、これはノルウェー語でJan Mayen、ロシア語でもЯн-Майенで、カタカナでは「ヤン・マイエン」と書くのが妥当と思われる。こういうところにも気を使ってもらわないと北極海の雰囲気が損なわれるわけだが、そもそもその前の段階でバレンツ海を「ベーリング海域」と訳すようではどこの話かわからなくなる。劇中の地図を見ればいいにしても杜撰な翻訳だ。
[インターネット(字幕)] 5点(2019-10-27 19:28:28)
5.  劇場版 東京伝説 歪んだ異形都市 《ネタバレ》 
前作「劇場版 東京伝説 恐怖の人間地獄」と同時制作で、同じく5話オムニバスになっている。 【ぬいぐるみ】 話自体は目新しくもなく単にくどいだけ。主演は中島愛里というカワイイ系美女。 【野外】 これのどこが東京なのか(奥多摩か)。主演は劇団に所属している小野川晶という女優だと思うが、公式プロフィールの写真よりも肉付きがよく見えてユニークな印象がある(好意的)。 【素振り】 自分で部屋に連れ込んだのでなければ単なる夢オチ。主演の堤千穂という人は舞台に出ていることの多い人のようで、最初は脚ばかり見せられるが(悪くはないが)、ラストのとぼけた顔はかわいく見える。 【廃墟】 映像製作マニアは頭が変だと思わせる話になっている(「カメラを止めるな!」の対極)。主演は黒川芽以と同じ事務所の秋山タアナという女優で、あか抜けなく見えるが本来はカラっとした感じの美女らしい。 【ホテル】 黒川芽以に危害を加えようとする者には死んでもらいたい。  一番怖いのは人間、というコンセプトなのだろうが、単に荒唐無稽で面白味もない独りよがりの作り話に終わっている。ただし最終話は、異常さの程度は別としてこういう体質の人間は実際その辺にいるわけなので、現実味がありすぎて単純に不快である。不快なこと自体に価値はないので、要はやられる立場ではなく、他人がやられるのを見て楽しみたい、または自分でやりたい立場(自分がやられるとは思っていない)に奉仕するものとして作られたと思うしかない。ちなみにここは0点がつけられるのでありがたい。  付記:あえて心霊を排除した映画のはずだが、黒川芽以が初日舞台挨拶の時に、自分は霊が見えるとか言い出して体験談を語ったというのを読んで笑った。単純にホラーつながりで話したのだろうが映画の趣旨がわかっていないのではないか(笑)。
[インターネット(邦画)] 0点(2018-12-16 17:29:26)
6.  劇場版 東京伝説 恐怖の人間地獄 《ネタバレ》 
5話オムニバスである。 【立ち読み】問題外、何も迫って来ない。足立梨花さんの顔をじっくり見るだけ。ネットカフェというのに入ったことがないので物珍しい。 【エンスト】何が面白いのか。撮影地は茨城県石岡市宇治会という場所で、北に走れば100mも行かないうちに人家の集まったところがあったはずである。主演は藤澤志帆という人で、小柄でキュートな感じの女優さんだが、できればこういうのでないところで見たい。 【ネックレス】題名に意味があるようだがだから何だ。ちなみに撮影地は静岡県富士宮市西小泉町にある公園。主演は真凛という人で、就活スーツ姿と顔の雰囲気に少しギャップのあるところがいい。 【夜道】こういうのをやりたかったのは一応わかったがそれだけ。主演の林裕子という人は、現在は結婚・出産して引退とのこと。性的倒錯をイメージさせるエピソードのため、短いスカートの脚を少しエロく見せている。 【食べてはいけない】一応見たがだから何だ。主演は鵜飼真帆という人で、ちょっと年増な感じで出ている。役としては部屋に来て「あたしで大丈夫ですか」と聞くような職種だが、この人なら歓迎だ。  人間の怖さを追求する企画のはずだが、単に心霊が出ないというだけでリアリティも何もなく、怖いと思うところも全くない。また宣伝文句の「大都会東京を舞台に」という方向性が一貫しているわけでもなく、静岡県の都市公園はともかく茨城県の薄暗いGSでは意味が違って来る。平山夢明氏の「東京伝説」シリーズはごく一部読んだことがあったかも知れないが、さすがにこんな話だったかどうか。 脚本・監督・編集を1人でやっていて、いわば作家性も出ているのかも知れないが積極的に評価はしたくない。一つの場面を長引かせるとか同じ台詞の繰り返しといったくどい趣向にも付き合う気にはならないが、しかしとりあえず女優だけ見ていれば耐えられるという面はある。女優の色気を見せようとはしているが、生の露出に頼らず抑制的なのはよかったかも知れない。
[DVD(邦画)] 3点(2018-12-10 19:57:51)
7.  劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!! 《ネタバレ》 
2017年の特撮TVドラマ「ウルトラマンジード」の劇場版である。ウルトラシリーズというのはここ十数年間ほとんど見ていないのでまるきり部外者の立場になる。 世界観としては、昭和のいわゆる第2期ウルトラシリーズ以降に定着した兄弟設定を基盤にしているようで、「光の国」をあからさまに映像化していたのは個人的には物珍しい。昔の宇宙人が多く出ているのも見ればわかるが、そういう旧作から継承されたものとは別に、キャラクターの多さや軽さなどに何となく東映特撮風の印象があり、昭和も遠くなったものだという感慨がある。 ストーリーの面では本編を見ていないので何とも言えないが、TVシリーズが一通り終わっているはずなのに主人公がまだ「ウルトラマン失格だ」などといじけているのはこれでいいのかという感じで、よほどこれから期待される成長幅が大きい若者なのだろうなと思った(一生こうなのか)。ほかのキャストに関して、沖縄在住の宇宙人役の本仮屋ユイカという人は、これまで年齢なりの可愛い役をやってきていると勝手に思っていたが(全部は見てないが)、今回は主人公が幼く見えることとの対比ということなのか、変にオバサンっぽく見せていたようなのが非常に残念だ。これはまことに心外だ。  なお今回は主に沖縄が舞台で、沖縄風の木造建築物のミニチュアを作って赤瓦が崩れるなど結構細かく作っている。普通の特撮番組なら、どこだかわからない(恐らく首都圏)の街が壊されるのを普通に見ているだけだが、この映画では現地の実景を見せて、「沖縄市街地」(沖縄市の市街地という意味)といった具体的な地名も出しているので、いかにも沖縄の街が大被害を受けている感じが痛々しい。 ちなみに劇中の設定では、太古の昔から「大地を守ってる」怪獣が沖縄にいたことになっていたが、こういう強力な守り神がいたのなら島の平和のために一切の武力行使を許さず、沖縄一円を非武装地域にするくらいの強権発動をしてもらえば、周囲のどこからも自由で平和な沖縄ができたろうにと思った。しかし太古の昔から武力行使が許されないとなると、琉球王国も成立しないことになってしまうといった問題はある。
[DVD(邦画)] 5点(2018-12-04 18:56:26)
8.  検事の死命<TVM> 《ネタバレ》 
柚月裕子という作家の同名小説をもとにしたドラマである。地方検察庁が舞台になっており、原作では東北のようだが(作家の現住所が山形市)、このドラマでは周囲の山が群馬県のように見えた(少なくとも高崎市での撮影はあったらしい)。 前半では主人公の検事が刑事部に所属して捜査に当たり、後半では公判部に異動した上で裁判劇になるという構成である。当初は伏せられていた背景事情を、終盤になってからまとめて説明した場面は盛り込み過ぎのようでもあったが、まあそういう意外な展開もあって退屈しない話になっている。主人公が喫煙場所を常に探しているとか、居酒屋の場面など和ませるところもある。  問題の性犯罪(痴漢行為)は映像的にはソフトイメージだが、何度も出る「たかが(迷惑防止)条例違反」という発言によって、逆にもみ消しなど絶対に許されないという方向性が明示されている。一方で、その程度の「たかが条例違反」で犯人の家庭を壊すことまですべきなのか、という問題意識も見えており、これはその点だけみれば確かにそのようにも思われる。しかし逆に、それなら最初からそういうことをしなければいいだけのことで、犯人の償うべき道義的な罪はその分だけ重いということである。 また、犯人が県レベルの地域ボス(名家)の縁者だったことから、地元代議士を動かして地検のトップに圧力をかけるという展開になっている。「たかが条例違反」くらいで上層部に逆らってまで意思を通す動機など主人公にあるのかという気もするが、しかし「たかが条例違反」なのに話を大きくしたのは名家の側の勝手な都合であり、それとは関係なく「たかが条例違反」なりの償い(懲役6か月、ただし実刑)をさせるのが検事の役目ということらしい。 「たかが条例違反」でも、罪は罪として裁かせるという点で一貫しているのはかなり共感できる。被害者が主人公に伝えた最後の一言を聞けば、たとえ少しだけでもそのように思える社会を作ることが本来の目的だろうと思わされる。  なおキャストとしては、志田未来という人は本当に可愛い人だと改めて思い知らされた(先日電撃結婚してしまったが)。また被害者役の竹富聖花さん(当時)が、本来の持ち味を生かしたいい役だったのは他人事ながら嬉しい(感動的だった)。同級生(演・荒井萌)も含めて真の悪人でなかったのは安心した。
[インターネット(邦画)] 7点(2018-10-20 09:46:02)
9.  劇場霊 《ネタバレ》 
まずは劇中劇の「鮮血の呼び声」などという陳腐な題名を誰がつけたのかと思うわけだが、中身は実在の「血の伯爵夫人」エリザベート・バートリ(1560~1614)をもとにした話だったようで、そういう背景をくどく説明しない態度は悪くない。 しかしホラー映画としては人形が人を襲うという設定を生かせておらず、立って歩いて来るなら逆に近づくまでは危険がないのだろうから、近接する前に蹴り飛ばしてしまえば簡単ではないか、という方に考えが行ってしまう。だいたいこういうモンスター的なものを出せば済むと思っているのは呆れるしかなく、終盤、舞台の上で騒いでいたあたりは面倒くさくなって早く決着をつけろという気分だった  またドラマ的にも話が薄く必然性のない展開で心に訴えるものもない。特に問題なのは主人公が本物のバカに見えることで、「人形が」で台詞を止めることに何かこだわりでもあったのか。そもそも何を言ったところで中止するはずないのだから放っておけばいいだろうがとしか思われず、足立梨花さんには申し訳ないが、人々の死に特に悲哀を感じるようなこともない。 あえて真面目に考えると、エリザベート・バートリや劇中の人形と同じように、他人のものを奪ってでも我を張り通して生き残れ、という芸能人向けのエールだったのかも知れないが、それにしても万人が共感するようなものではない。とりあえず個人的には、先日見た「劇場版 私立バカレア高校」(2012)の方がよほど娯楽としてまともにできている気がした。  余談として、この映画のように舞台の演出家が主演女優に個人的関係を要求するとか(先行例としては「リング0」)、アイドルが売り出しのために枕営業を強いられるとか(最近見た別映画)が多い気がして、演出家だけでなく映画監督とかプロデューサーとかの全部がもれなくこういうことをしているのだろうと思うようになってきたが、業界の立場としてはそう思われてもいいのか。自分には縁のない世界なのでどうでもいいが。
[インターネット(邦画)] 3点(2018-09-16 08:54:59)
10.  劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 《ネタバレ》 
日頃TVを見ないので知らなかったが、3シーズン10年にわたるTVドラマの劇場版ということである。 一見の客として見たところでは、TVドラマっぽい出演者が忙しく立ち回って飽きさせない作りになっている。本筋に関わる話としては主に医師と看護師の結婚話、及び外国へ派遣されるのが誰かの2つで、あとはゲスト出演者や出動場面に起因するエピソードが5個くらい入っている。本筋ドラマが個別エピソードに影響を及ぼしたり、個別エピソードが主要人物の心を変えたりして関連付けができており、またTVドラマ風ではあるが各種の感動場面もある。最後はこの場を去っていった人々も、救急医療で経験を積んだことが別の場所(外科、産婦人科)で生かされたということらしい。 個別エピソードのうち、序盤から衝撃的だったのががん患者の話で、肌は結構若々しく見えるのに突然大吐血したりするのが非常に痛々しい。また11歳で家出した男のエピソードは、小さくまとまりすぎて小噺のようでもあるが、なかなかうまくできた話ではあったと思う。  登場人物では、レギュラーで感じがよかったのは緋山という医師で、本質的なことを真っすぐに言うので人に信頼されるということかと思った。また、すらりと背の高い冴島という看護師(公称169cm)も有能そうで好印象だ(好きだ)が、この人の相手が身長162cm(公称)の男だというのは不満である(役者に恨みはない)。まあその辺は本編ですでに確定していたのだろうから仕方ない。ちなみにキスシーンはなかった。 ほか出演者としては、今回ゲスト出演の山谷花純という人は前から知っていたが、地が可愛いのに普通に可愛い役をやることがあまりない人で、これは本人の役者志向が強いからだろうと思っている(今回は本当に丸坊主にしたらしい)。また馬場ふみかという人は、以前にろくでもない映画でろくでもない役をやっていたのしか見たことがなかったが、最近はこういうまともな役で頑張っていたのだなと少し感心した。ちなみに新木優子さんは今回それほど活躍がなかった感じである。 なお気に入らない点としては主役の男が格好つけ過ぎだということと、重傷者が多数いる中で私的事情でしゃべり始める奴がいることである。脇で黙々と仕事しながらそういうしょうもない話を聞かされている木更津市の消防隊員などはご苦労様なことで、こういう人々が救助活動を地味に支えているのだなという感慨があった。
[映画館(邦画)] 6点(2018-07-28 17:28:19)
11.  劇場版 私立バカレア高校 《ネタバレ》 
まりやぎという人が出ているので見たが、そもそもAKBというものに全く関心がなかったので(1回だけ総選挙でチーム8の人に投票したことがあるが)、ヒロイン役を含めてほとんど誰の顔も知らない。かろうじてみおりんという人は外見が特徴的(小顔)なのでわかったのと、見ているうちに高身長なのが光宗薫という人だというのも薄々わかって来た(同年の「女子カメラ」というのを見たことがある)。 しかし今になってみると、ここに出ているAKBのメンバーは既にほとんど卒業してしまっているようで、世の変転は激しいともいえるがそれでもAKB自体は不滅だともいえる。そういう面で一定の感慨を覚える映画ではあった。 ちなみに石井杏奈という人の顔も見えたがこれが映画初出演とのことで、その後はE-girlsに所属して各種映画にも出ているので知らない人でもない。  中身に関しては、意外にもというか当然だろうがストーリーはちゃんとできており、男連中の話の方が主軸になって、そこに女子の物語がからんで来る感じに見えた。男女それぞれのファンが見に行く前提だったはずだが、どうせ数的には女子中高生が多いのだろうから、男の友情とかアクション(暴力沙汰)でとにかく盛り上げるように作ったのかも知れない。女子の方はお嬢様というだけでなく知能程度も高かったようで、ヒロインに関していえば、こういうしょうもないお話からも一定の人生訓を学び取る賢明さを備えた人物のようだった。最後の「自分でみつける」というあたりはうまく感動的にまとめてある。 TVシリーズは見ていなかったが(当然だが)それでも劇中の回想場面から、それなりの積み重ねがあった上に今があることがわかり、また「大嫌い」というのがいわば(2人限定の?)キーワードだったらしいのも知られる。この手の企画を毛嫌いせず、大らかに受け入れようとする気にさえなれば、娯楽として見る分には支障がない映画だった。 ちなみにヒロイン役の人は、周囲が全員アイドルであるのにその中でちゃんと特別の美少女として目立っていたのに感心したので、そのうち「劇場霊」(2015)でも見るかという気にはなった(特に期待はしない)。
[DVD(邦画)] 5点(2018-07-20 19:59:09)
12.  限界戦線 《ネタバレ》 
邦題は中身と関係なく適当に付けてあるが、原題の“Последний бронепоезд”は「最後の装甲列車」という意味のようで、英題はその直訳らしい。ちなみにロシアとベラルーシの合作ということになっているが、場所がベラルーシというだけで、ベラルーシという国の主体性は特に感じられない。 本来は映画というよりTVドラマであって、オープニングなどいかにも連続ドラマ風にできている。IMDbによれば放送時には全4回で計124分、拡大版が6回で計215分で、映画版として上映されたのはTV4回版に相当するものらしい。TVドラマをつないだためか、戦闘場面のほかに若手・年増女子2人とのからみとか戦闘ともいえない殴り合いなど、各種の見どころを少しずつ出して連続させていく形に見える。しかし全部通して見ての高揚感とか満足感があるわけでもなく、いわば暇つぶしで延々とTV番組を見ている感じになっている。  物語としては1941年6月の独ソ戦開始から3週間経った7月中旬の出来事で、ドイツ軍が早々に占拠してしまった鉄道橋を、現地のソビエト軍が装甲列車に頼って取り返す話になっている。スターリンによる粛清で軍が弱体化していた時期であり、地位を追われて収容所にいた元軍人を主人公に据えることで、最後にソ連側が勝ってもソ連万歳には必ずしもつながらない話を作っている。 軍事に関しては詳しくないが、原題の装甲列車は文字通り装甲していて砲や機関銃も備えていて勇ましい感じに見える。またグライダー(滑空機)による空挺作戦が珍しく見えたり、急降下爆撃機がこういう風に降りてきたら怖いだろうと思うところもあった。特に個人的に印象深かったのは、砲撃で死んだ男の腹が裂けて腸がはみ出していた場面で、実戦なら陸海問わずこういうことはいくらもあっただろうが、映像化してみせたのは自分としては初めて見た。 ほかキャストに関して、若い看護師役はハンガリー生まれのロシア人で、NHKの「坂の上の雲」に出演して強い印象を残したマリーナ・アレクサンドロワという女優である。この人がなんと裸になるというのがこの映画の売りになっていた(少なくとも自分はそのつもりで見た)が、実際はほんの一瞬上半身を見せるだけの控え目な露出だった。別にそれで落胆して点数を落としたわけでもないが。
[DVD(字幕)] 4点(2018-06-04 21:25:55)
13.  ケアニン ~あなたでよかった~ 《ネタバレ》 
水野久美さんがヒロイン役?の映画が上映されるというので見たが、FINAL WARSなどよりよほどいい出演作だった。この人を主人公が彼女扱い(今カノ)していたのは相手が誰でも同じではなく、やはりそもそもが美形の人だからこそそういう発想が出て来るのだと思われる。劇中では施設利用者の若い頃の写真を並べてその人の人生を思う場面があったが、水野さんの昔の写真を出せば皆さん恐れ入るのではないか。舞台挨拶の写真で見る限り、背筋も伸びてお元気そうで他人事ながら嬉しくなる。今後一層のご活躍を期待申し上げたい。  ところで自分としてはこの方面の仕事に関わったことがなく、この映画が実態をどの程度反映しているのかはわからないが、結果として現職の介護職員にエールを送り、またこの道を目指す若者を励まそうとする映画には見える。虐待はないのか、という友人からの問いを主人公が軽く受け流したのは若者らしい反応とも見えたが、あるいは他はどうでも自分は違う、というプライドを込めた対応とも取れる。 また自分には要介護の身内がおらず、こういう施設が理想なのかもわからないが、家庭的な対応の施設を見せることで家族に訴えかける部分もあったようである。ヒロイン?の息子のエピソードはかなり作為的に感じたが、この映画としてはぜひとも必要な登場人物だったのだろうし、終盤に至ればその息子も認知症との向き合い方を体得したということらしい。目の前にいるのが誰だかわからないだけで、人そのものの存在を忘れてしまったわけではないということである。 ほか全ての人にそれぞれの人生があり、最後まで人間として生きているのだといったことは、人間への敬意を忘れるなという意味で、介護の分野にとどまらない一般向けのメッセージにもなっているように思われる。  個別の場面では、個人的には序盤でオレンジの皮をむく場面に和まされたが、人物の動きを止めて観客の意識を集中させる場面も複数あり、軽薄に見えた登場人物の発言が重たく響くところもある。最後に用意されていた落ちも少々わざとらしいが悪くなく、この人らしいきれいな字で書いてあったのが泣けた。どうせ関係者が内輪で盛り上がるだけの映画だろうと思っていたらそういうことでもなく、役者のおかげもあって広く人々に訴える力のある映画になっている。自分としては水野久美さんに引かれて見た形だが、主演俳優の今後にも期待したい。
[映画館(邦画)] 8点(2018-03-17 18:49:25)
14.  劇場版 仮面ライダーオーズ/OOO WONDERFUL 将軍と21のコアメダル 《ネタバレ》 
冒頭から「ドイツ・テューリンゲン州」とのことで大きく出たなと思ったが、その後はさらにわけのわからない展開になってせっかくの海外進出もどうでもよくなる。どうせ東映太秦映画村だろうなどと言わずに享保年間の江戸だと思わなければならない。 江戸市中に出現した妙な風体の連中が敵ではないと知らせるために、非常にわかりやすい場面が設定されていたのは大変結構だったが、徳田新之助なる人物の正体を最後まで明かさなかったのは過剰説明を避けた感じになっている。本人が「徳川家に献上されたもの」と言っていたのに劇中人物が反応しなかったのは、まあ取り込み中だったからその時は気づかなかっただけと思われる。 自分としてはこのシリーズの基本設定がよくわかっていないので、手だけが飛んで行った場面で何だこれはと江戸の町衆同様の気分だった。しかし何となく家族というものがテーマになっていたらしいことはわかり、疑似的な父母と子が手をつないだあたりは心和むものがあった。みんな家族などというのは綺麗事だと言われて、綺麗事でも欲望本位だからいいのだ、と開き直ったところは大笑いした。ここは見ていた側より制作側が一枚上手である。 またこの手の企画の通例どおり、終盤で次期ライダーが加勢する場面もある。個人的事情としては、平成に入って初めて見た仮面ライダーがフォーゼだったのでこれまで何とも思っていなかったが、別のライダーの劇中に並べてみるとフォーゼが変なライダーだったことがよくわかる。そういえば高校生という設定も初めてだったのかも知れず、「若いっていいな」という劇中人物の台詞が可笑しい。顔出ししていた福士蒼汰もいかにも若い。
[DVD(邦画)] 5点(2017-11-09 19:39:38)
15.  劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land 《ネタバレ》 
TVシリーズは当然見ていない。特にこの映画を見る義理があったわけでもなく、同時上映の戦隊モノを以前に見たのでその関連でということだが、メインキャストのうち3人(白石隼也・奥仲麻琴・戸塚純貴)をこのサイトで人名登録したのが自分だということもあって若干の思い入れはなくもない。うち白石隼也は、映画初出演の「制服サバイガールⅡ」(2008)では最悪の印象を残していたわけだが、さすがにこの段階に至るともう違和感もなく、基本的にはイケメン役者だろうがとぼけた感じも出していて、かなり好感度の高いキャラクターになっていた。ほか凛子ちゃんというのもきりっとして感じのいい人である。 この劇場版では日常を離れた異世界で物語が展開し、単純なTVの拡大版でないのは「劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト」(2003)のようでもある。世界が「マジックランド」になってしまったために主人公の強さが相対的に低落し、TVシリーズを見ていなかった自分としてはもっと普通に格好いいところを見せてもらいたいと当初は思ったが、中盤以降は当然ながら本領発揮していたようで結構だ。ちなみに黒が基調で透明感のある赤という姿は嫌いでない。 ストーリーとしては何だかよくわからないところもあるが、今回の劇中世界では浮いた存在に見えた「ファントム」というものが終盤でちゃんと意味を持つことがわかったのは感心した(感心するまでもなく当然だろうが)。また自分としては、特にエンディング後のしあわせ感のある場面が非常に嬉しかった。登場人物の役名で「マヤの妻」というのがあったのでどこに出たのかと思っていたら、最後になってそういうことだったのか、という意外感がある。「世界を一つ、ブッ壊した甲斐があったな」という台詞が感動的だったといえなくもない。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-19 20:54:32)
16.  劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト 《ネタバレ》 
10年以上前の仮面ライダーに今どきコメントをつけるのも何だが、とりあえず見たので書いておく。 TVシリーズは見ていなかったが映画版は完全に別物とのことで、仰々しいディストピア設定がよくわからないながらも黙って見ていたが、「人類の進化形」に乗り遅れた人間が2433人しか残っていないのなら共存などというまでもなく滅んでしまえばそれまでだと思うわけで、主人公その他の人々は一体何のために戦っているのかと空しくなるが、それでもなぜか一私企業が世界を支配している体制はどこかの段階で打破すべきだろうから(日本国政府はどうなったのか?埼玉県庁はまだあるのか?)、そのために主人公とヒロインはこれからも戦い続けるのだろう、と思っておく。そう思わなければラストをどう受け取ればいいのかわからない。 全体的には深刻すぎて陰気くさいところがあるが、一応の見どころとしては、さいたまスーパーアリーナの10000人エキストラというのがけっこう圧巻で、大勢がその気になってアクションに合わせた動きをしているのは笑った。またキャストとしてはヒロイン役がかなり可愛い人だったが、ほか黒川芽以という人が若い頃の姿で出ており、薄汚れた小娘の役だがちゃんとお化粧して可愛らしいところも見せている。劇場版だけ見た人間が面白がる要素は少なかったので主に女優の顔が印象に残る映画だった。
[DVD(邦画)] 4点(2017-08-19 20:54:29)
17.  劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョ・オブ・ミュージック 《ネタバレ》 
戦隊シリーズの第37作目とのことである。TVは当然見ていないが、なぜか女子が1人しかいない戦隊だったようで寂しい。この劇場版では女子力不足を補うためか、ゲストの若手女子としてスーパーアイドル1人(後述)と悪役2人が加えられており、うち悪役2人は型どおりカワイイ担当とセクシー担当(または「胸」担当と「脚」担当)という分担があったようである。 時間的には28分しかない映画で、それは戦隊モノの劇場版に共通だろうが今回は特に詰め込み過ぎのようで、展開も早いため部外者には何が何だかわからない。アクションと特撮に時間を取ったからかレギュラーメンバーの個性が出る場面が少なく、またせっかくの悪役女子も結構強かったようだが出番が少ないのでそれほど印象に残らなかった。また今回は副題で示唆されたようにミュージカル映画という趣向だそうだが、それにしては単に歌とダンスが入っていなくもないというだけで、どこがミュージカルだったのかという素朴な疑問が最後に残る。全体として、これの直前に見た「手裏剣戦隊ニンニンジャー」と比較すると、TVを見ていない人間が劇場版だけ見て楽しめる要素は少なかった気がする。  個人的に今回最大の見所だったのは、劇場版ゲストとしてのスーパーアイドルの登場である。冒頭のコンサートの場面では、これだけ多くの観客がいる中で撮影というのはどういうシチュエーションかと思ったが、これはこの映画のためだけに600人を集めたとのことで、観客が劇中の出来事に対応していちいち盛り上がるのが可笑しい。ストーリー的にも歌が重要な役割を果たしており、終盤でスーパーアイドルの歌が世界を救うのは少し(わずかながら)感動的だった。歌唱力の面ではちょっとどうかと思ったが、それはそれとして中村静香という人は可愛い(というかこの人が出ているのでこの映画を見たわけだが)ので、できればもっとかわいく見せてもらいたかった。
[DVD(邦画)] 4点(2016-11-24 22:22:31)
18.  携帯彼氏 《ネタバレ》 
携帯サイト「魔法のiらんど」で公開されたケータイ小説を原作とした映画で、同サイト発のものとしては「恋空」(2007)、「赤い糸」(2008)に続く映画化ということらしい。それを聞くととても成人男子がまともに見るものではないということになるが(「赤い糸」は見ていないが「恋空」で想像はつく)、しかし別に非常識で不道徳な過激描写が連続するわけでもなく、おおむね一般常識の範囲に収まっているので特に問題はない。 ストーリーとしては若年者向けのため他愛ないところもあるが、謎を解明していく要素もあったりしてあまり退屈しない作りになっている。自分としては続編の「携帯彼女」(2011)を先に見てしまったが、それよりはまだしも面白く見ていられる感じだった。特に主人公が小柄で可愛らしいので和むものがあり、「言ったらチョー寒いって絶対引くよ」とかいう今風の台詞が微笑ましい。 公開時には女子高生限定試写会などというものも開催されたようだが、そもそもの携帯サイトが「ガールズエンタテインメントサイト」とのことで、初めから女子が主な対象層だったらしい。この映画でも次の「携帯彼女」でも若手の女性監督を起用したのはそのせいだったのかも知れないが、しかしこれだけの各種美少女満載映画を男子に見せないつもりだったとは考えられない。自分としては前田希美さんという人が出ていたので見たわけだが、この映画では軽薄で可愛気がなく台詞が上滑りするような人物で、いかにも真っ先に死にそうな感じだったのが残念である。まあもともと死体になる役が多い人とのことで、この映画はその最初の例ということらしい。 なお興味本位で原作も読んだが(上記サイトで無料で読める)、主人公の女子(高校生ではなく卒業後の社会人)の考えがその時々の感情で簡単に左右されて不合理な行動に走る様子が見えたりして、そういうところが共感を呼ぶのかと興味深かった。 [2018-6-30追記]主人公の友人役で朝倉あきという人が出ているので再見。当時17~18歳くらいで可愛らしい感じで、若干のお色気担当で熱演している。またお話全体としても「言ったらチョー寒い」言葉がちゃんと生かされていて悪くないと思ったので、この機会に+1点としておく。
[DVD(邦画)] 5点(2016-10-09 22:56:10)
19.  原始獣レプティリカス 《ネタバレ》 
最初から余談だが、怪獣を攻撃していた軍艦はデンマーク海軍のコルベットF346フローラ(Flora, 894t)である。これはイタリアが建造したアルバトロス級コルベットをNATOの枠組みのもとでアメリカがデンマークに供与したもので、1956年に就役し1977年に退役している。また空軍が活躍する機会はなかったようだが、この時期ならF-100スーパーセイバーとかに出てもらいたかった。 劇中では場所がデンマークのわりにアメリカ人が妙に幅を利かせており、登場人物がみな英語なのも興を削ぐところがあるが、コペンハーゲンの現地映像はそれなりに出している。不機嫌なアメリカ人が暇だという理由で市内観光に出て、若い女性の案内でいきなり機嫌を直して人魚姫その他の名所を回るあたりは、背景音楽のせいもあって楽しいひと時を過ごした気分にさせられなくもない。図々しいまでのご当地映画ぶりも笑える。  ところで怪獣に関しては、「爬虫類から哺乳類への進化の過程」というのはゴジラ風にも聞こえるが、実際は恐竜というよりドラゴンのようなもので、翼が付いているが飛べない仕様だったらしく、また脚も動いていないのでただの蛇である。爆雷攻撃時にこれが海底に沈んでいた姿には大笑いした(目に生気がなく攻撃前からすでに死骸)。 しかし見た目はともかく実は結構恐ろしい怪獣であって、襲撃された農場主が妻子の目の前で怪獣に呑まれるという悲惨でチープな合成映像があったりもする。また口から緑色のものを吐いていたのは「酸性粘液」(acid slime)とのことだが、実際これにやられるとどうなるかの映像化を徹底的に回避していたのは残酷描写を自己規制していたのかも知れない。 さらに恐ろしいのは死体を1000個にばらすと1000匹に育つという性質であって、そのため通常の爆発物による攻撃ができずに手詰まりになった場面は一定の緊張感を出していた。ここで指揮官がアメリカ人であるからには熱核攻撃とか言い出すのではと思ったが、さすがにヨーロッパで核兵器を使う発想はなかったらしく、代わりに薬物を口から撃ち込んだのは斬新な手法だった。この辺は「シン・ゴジラ」(2016)の元ネタだったのではと勘繰ってみてもいいかも知れない。 世間的に酷評されるのもよくわかる映画だが、自分としては正直けっこう面白かった。ちなみにランゲ橋という大きな橋(長い橋)を大勢の市民が逃げていた時、跳ね橋部分を上げたために人が落ちていく実写映像は特撮場面以上の驚きがあった。
[DVD(字幕)] 3点(2016-09-17 19:59:40)
20.  原子怪獣現わる 《ネタバレ》 
レイ・ブラッドベリの短編「霧笛」をもとにした映画とのことで一応それも読んでみると、劇中では灯台のエピソードに化けていたようである(形だけだが)。全体として「ゴジラ」(1954)の元ネタになっているというのはその通りかも知れないが、北極圏から出現するとか灯台を襲うところなどは「ガメラ」(1965)でも真似しているように見えた。 そういう面で歴史的意味はあるのだろうが、しかしこの映画自体にはどうにも褒める材料がないので困る。定評のある特撮部分を除けばほとんど取り柄のない映画であって、これに比べれば「ゴジラ」などは特撮技術とメッセージ性の両面で全く新しいものを創造したというくらいに言ってしまっていいのではないかという気がする。 まず苦情を言いたくなるのは、全編の3/4程度は怪獣がほとんど出ないので人間を見ているしかないわけだが、その間のドラマ部分が非常にかったるいことである。精神病扱いされてまでモンスターにこだわる主人公の気が知れず、どうせそのうちニューヨークに出るのだから放っておけばいいだろうと言いたくなる。ちなみにタコをサメに食わせる水族館映像をしつこく見せられるのもつらい。 やっと怪獣が上陸してからはそれなりに見ごたえがあるが、しかしその怪獣が人間にとって致命的な病気をばらまくという展開は唐突で変である(ちなみに日本語字幕で「細菌」「病原菌」と出るのは不正確で、また「分子」は明らかに誤り)。その必然性がどこにあったかというと、当時の科学の最先端だった放射線でなければ除去できなさそうな感じの危険な性質を怪獣に付与しようとしたかったようで、要は人類の未来を担う核技術バンザイと言いたかったらしい。しかしそういう強力な放射線を使うには作業着のようなものを着れば安全だと思ったのか、また怪獣が死んだ後でも死体に残った放射性物質の危険性は変わらないという意識があったのかは不明である。そもそも主人公は最初から身辺が放射能だらけのように言っていて、とても長生きできそうにない男であるから、ヒロインは早目に別れてしまって生涯の伴侶を別に求めた方がいいだろう。 そういうことで、古い映画をわざわざ見ておいてけなすのは大人気ないと思うが、ここは見た通りの点数をつけておく。ちなみに映像表現としては、高圧電線に触れた時の光の明滅と、怪獣が火のついた構造物を跳ね上げたところが印象的だった。
[DVD(字幕)] 4点(2016-09-17 19:59:32)
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