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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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1.  こわれゆく女
こわれゆく女とあるが、映画で描かれた部分よりずっと以前からこわれています。夫が徹夜残業で家に帰ってこないことも今までに頻繁にあったのだろう。そんなことは描かれていないが見ればわかる。妻が夫の仕事仲間にスパゲッティを振舞うシーン、妻のことを前から知っている人と初めて会う人のそれぞれの表情が全てを語る。とっても怖いシーンでした。 夫は夫でこちらもかなりきている。楽しく遊ばなくちゃいけないんだ!楽しい会話をしよう!と大声で怒鳴る。彼もある意味こわれています。しかしこわれている、というのは第三者の目に映る、いわゆる傍(はた)から見て、というやつで本人達は愛ゆえのいたって真面目な行動。家族を愛することと家族以外のもの(社会)と付き合ってゆくことの葛藤に疲れているだけ。どんなにおかしな方向へと向かおうと愛ゆえの感情の歪みであることを子供を使ってうまく見せている。子供が父親に向かって拳をあげるシーンに泣きました。何もなかったかのようにふるまうエンディングの夫婦に泣きました。めちゃくちゃ怖くてめちゃくちゃドキドキしてめちゃくちゃ感動しました。大傑作!
10点(2005-03-16 10:49:56)(良:3票)
2.  ゴッドファーザー PART Ⅱ
前作よりエンターテインメント性で落ちるものの、人間ドラマとしてはこちらが上だと思う。そしてカリスマ”ヴィト-”の若かりし頃を演じたデニ-ロはお見事と言うしかない。パート1のReviewでも書いたが、パート2によってこのシリーズは伝説の域まで達したと思ってます。
9点(2003-06-16 17:43:06)
3.  ゴッドファーザー
ヴィト-をマーロン・ブランドが演じることでこの映画は重厚なものになり、アル・パチーノのレストランでの演技がこの映画を名作にし、そしてコッポラの才能がこの映画を極上の娯楽大作にした。さらにパート2でカリスマ”ヴィト-”の若き日をデニ-ロが見事に演じきったことでこのシリーズは伝説の域まで達したと思う。ただ殺しのシーンは怖さよりもカッコ良さが上回る。特にラストの殺しは..。マフィアの怖さを追求していくと映画の娯楽性が損なわれるため仕方の無いことなので、あくまで個人的な好みの問題なのですが...。シリーズ3作をひとつの映画とみると間違いなく10点!
9点(2003-06-16 16:17:18)
4.  孤独な天使たち 《ネタバレ》 
冒頭の母に対する息子のいかがわしい言動に、おいおい『ルナ』の焼き直しかよと。母が運転する車に息子が乗ってる図やその背景からも『ルナ』をなぞってる。が、腹違いのお姉ちゃん登場で、ありゃ?今度は『ドリーマーズ』ですかと。といった具合にベルトルッチは過去の自身の作品を想起させる人物設定でもって観客を戸惑わせる。まだそこにいるのかと。久しぶりの再会だというのに何も変わらんのかと。しかしこの映画、センセーショナルな性描写もなければどこかの国の革命やら戦争やらが背景に潜むこともない。むしろ何も起こらない物語なのだ。ベルトルッチなのに。なのに面白いこれ如何に。他者との接触を拒み続ける少年の内側に姉という遺物が混入する。強い姉ゆえに拒めず、そして弱い姉ゆえに守ってゆく。その心理の移ろいの妙。地下室から度々出ざるを得ないときの冒険譚。デビッド・ボウイをバックに歌い踊るシーンの「映画的」としかいえないような現実離れした感動のシーン。物語的には何も起こらない数日ではあるが少年の人生にとっては決定的な数日となる。それを証明するのが今まで見せたことがない表情を切り取るラストカット。『大人は判ってくれない』(トリュフォー)と同じ手法だ。たぶんこれ以上に雄弁なラストシーンはない。
[映画館(字幕)] 8点(2013-06-06 17:39:22)
5.  河内山宗俊
すべての登場人物たちが物語を把握することなくすれ違ってゆく。我々観客だけが把握する。終盤にかけて大筋は把握してゆくのだが、細かいところは把握していない。よって娘を助けるという一致した終焉に向かってゆくクライマックスは、けして全てを理解した者同士ではなく、人間味を持ちにくい世の中にあって、汚れを知らぬ光を消し去りたくないという想いであったり、女の意地であったりというそれぞれの想いが交錯しながら進行していく。真相を知らなくても人間としての尊厳や情というものがたったひとつのエンディングへと誘う。人間らしく生きることを選択し散ってゆく者たちに涙せずにはいられない。悲劇でありながら、快活な演出と怒涛のクライマックスが娯楽に富んだ名作へと昇華させている。原節子が身売りを決心するシーンの画面に立ち込める重い空気を今でもはっきりと覚えています。
[映画館(字幕)] 8点(2005-12-27 13:12:35)(良:2票)
6.  殺しの烙印
安っぽいアメリカのハードボイルドの雰囲気を醸すも主人公はハードボイルドとはほど遠いご飯の匂いフェチ。とことんウラをかいてくる。さらに日活解雇の逸話からも想像できる美しい映画文法の破綻がそそる。生活感を一切感じさせないモダンな部屋のカットがセックス描写の合間に挿入され、そのセックス描写も後の『陽炎座』において芸術の域にまで達した感のあるデフォルメされたカタチを映すのみで性的な臭いは一切ない。唯一性的な臭いを感じるのが、本来生活感を感じさせるはずの炊飯器という観客のイメージをも混乱させるつくりに驚きと喜びがこみ上げる。イメージといえば、主人公の中で雨とともにイメージ化された女を、常にそのイメージのまま(雨とともに)登場させることにも驚いた。実体感の無い女を見事に演出していた。つくづく思った。鈴木清順は凄い! きっとこの人は我々を驚かすことだけを考えてこんなことをやっているのではないと思う。ただ映画が、テレビや演劇でもない、ましてや小説でもないということを誰よりもよく知っているだけなんだと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-22 14:00:10)(良:2票)
7.  コラテラル
とくにストーリーの破錠や穴を感じることなく鑑賞できました。タクシーを使うのは最後にタクシードライバーを殺し、全ての犯行現場に立ち寄ったタクシードライバーを犯人に仕立て上げる為だし、組織のアジト前でタクシーが包囲されなかったのも、現場の指揮が殺しの犯人を追う警察ではなく、組織をマークしていたFBIだからだし、アタッシュケースのすり替えだって、組織の人間ではなく、ヴィンセントの雇った第三者を通してと考えるのが妥当だろうし、、、まあ、完璧に穴が無いとは言いませんが、、。第一の殺しがマックスに見られるというのはヴィンセントのミスではなく、ヴィンセントが「人としての何かが根本的に欠けている」ことを象徴しているシーンだと思います。地球上に住む人間の中のたかだか一つや二つの命を消す、人を殺すことを重く受け止めていないからこそ平然と、隠すことを全く考えずに人を殺す。見られて都合が悪ければ殺しちゃえばいい。ターゲットを殺すのが仕事であるが、ターゲット以外を殺しちゃいけないなんて感情の余地が付け入る隙は全く無いということ。 それにしてもこの作品はコヨーテのシーンがあるのと無いのとでずいぶん印象が変わります。都会的であわただしい映像がその一瞬だけ神秘的な時間の空白を見せてくれます。ここで繰り広げられる殺し屋とタクシードライバーのドラマ自体さえもちっぽけに見えるほどのドラマを背負っているかのようにコヨーテがただ歩いてゆく。このシーンが出てきた瞬間、この映画を好きになりました。
[DVD(字幕)] 8点(2005-07-25 14:23:30)(良:5票)
8.  國民の創生
冒頭でアメリカに買われたアフリカ黒人の姿が映され、「悲劇の種は蒔かれた」というような(正確には違う文言だったと思います)字幕が出る。つまり黒人蔑視の描写があっても、黒人=悪のストーリーではなく、諸悪の根源はアメリカが黒人奴隷を買いつけたという歴史にあると言っている。とはいえ、そのことを理由にKKKを正当化していることは間違いないところ。しかし、それもその時代の南部出身のグリフィスの視点という意味では仕方のないことなのかもしれないし、当時の思想を見る、という部分では興味深かったりもする。ストーリーはさておき、この作品の凄いところは、今ある映画手法のほとんどがこの作品によって生まれたということ。映画をいきいきとさせる、そのための手法がわんさと投入されるこの作品は、今見ても存分に楽しめるものとなっている。映画手法のパイオニア的価値を見出すまでもなく、その躍動感だけで十分この映画は面白いのである。物語がどんなものであれ。 ただしストーリーを全く無視するということはなかなか難しく、またストーリーによる感動も些細ではあるが映画の一部であると思ってしまう私は、心情的に違和感を感じた光り輝くラストシーンだけがどうも...。あれさえなければ10点を付けていたかもという可能性を否定できません。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-16 12:38:28)
9.  恋のエチュード
トリュフォーは言葉で心情を説明することをフランス映画の悪いところと批判してきたが、この作品では反対に「言葉」の魅力をたっぷりと見せてくれます。イギリスとフランスのちょっとした言葉の壁、クロードが妹のミュリエルにフランス語を教えるシーンなどは「言葉の大切さ」を。母への手紙、ミュリエルとの手紙のやりとり、本の出版などは「言葉のもつ力」を。作品を覆い尽くすナレーションは「言葉の美しさ」をそれぞれ教えてくれる。このナレーションがまた心地よい。まるでBGMのようです。そして面白い恋愛小説を一気に読み進める感覚でこの映画を鑑賞できます(恋愛小説は苦手ですが)。最初の足を怪我するシーンとテニス中に目がくらむシーンは【藤村】さんのおっしゃるとうり、言葉ではなく映像で語るヒッチコックへのオマージュなのかもしれません。この作品の中ではういちゃってますけど。でもそんな遊びもヌーベルバーグならではです。
8点(2004-06-16 13:39:31)(良:1票)
10.  ゴダールのマリア
ゴダールの公私にわたるパートナー、アンヌ・マリー・ミエヴィル の短編「マリアの本」とゴダールの長編「こんにちは、マリア」の二部構成というまたまた新たな試みで攻めてきた。そして「こんにちは、マリア」の内容が、聖母マリアの処女懐胎のゴダール流現代劇パロディなもんだから、当然キリスト教団体からは猛烈な抗議運動があったらしい。ゴダールといえば鮮やかな”赤”ですが、この作品はトーンを抑えた”青”が支配する。大いなる意思の象徴たる太陽や月の映像が美しい。大学の授業のシーンではE.Tの話まで出てくる。つまり宇宙の神秘のひとつとして処女懐胎伝説にせまる。処女懐胎は旧約聖書の誤訳と聞いたことがあるが、そんなことはどうでもよい。ゴダール流アプローチは神秘そのものである。耳慣れた数々のクラシック音楽が流れては相変わらずブチッと切れる。わけが解からない部分も多々あるが、私の感覚という感覚にゴダール作品の中でも特に刺激を与えてくれた作品である。完全版があるらしい。ぜひ観てみたい。 
8点(2004-04-08 11:50:56)(良:1票)
11.  ゴッドファーザー PART Ⅲ
この作品にパート1、2のように重厚感を感じないのは当たり前。1、2ではカリスマがいてこの作品ではいないのですから。1、2で重厚に感じたのはヴィト-・コルレオーネという存在が在るゆえ。シリーズ完結となると、又テーマからいっても、マイケルにヴィト-のようなカリスマはあってはならない。カリスマになれない葛藤を描いているが、どんなカリスマかは1、2で十分に描かれておりここでは新たに描くことをしていない。なのでこのパート3に関してはこの作品のみではなく、シリーズの一部として評価しなければならない。1のReviewでも書いたが、シリーズをとおして10点です。その完結作とすれば良く出来た作品だと思う。唯一のマイナス点はヘリでの乱射。
8点(2003-06-16 18:33:51)
12.  御法度
戦争という異常な環境の中で男色が描かれた『戦場のメリークリスマス』のように人殺しをするための集団という異常な環境の中で男色が描かれる。職業俳優を好まない大島渚はここで16歳のまっさらな、しかし松田優作の血をひく青年を主役に抜擢する。まわりを固めるのは二人の映画監督だ。演技をしない面々で作られた新撰組は妖しさを一層引き立てている。衣装も青に白のダンダラ模様といった見慣れたものではなく黒の着物。近藤でも土方でもなく沖田を中心に結束しているのもうまい改変だ。全てはこの集団に最初から潜む妖しさを表している。ロウソクの火のオレンジと月夜のブルーがやはり妖しく画面を覆う。オチだけコントみたいだった。
[DVD(邦画)] 7点(2011-11-22 17:09:31)
13.  恋はデジャ・ブ 《ネタバレ》 
死んだって次の日はやり直せるってシーンもあったのだから町中の人たちを助ける意味なんてないように思う。だって誰かが怪我したって、それこそ死ぬことになったってその日はまたやってくるんだから。でもたぶん、同じ日を生きるうちに助けられずにいられなくなるんだと思う。人のために何かするってのは元来気持ちのいいことだから。逃げられないならいかに有意義に生きるかしか行く方向ないもんね。そこに行き着くまでの過程の描き方がうまい。これだけ同じ日を何度も何度も繰り返されるといいかげん飽きそうなもんだが全く飽きないってところも凄い。その同じ日がバラエティに富んでるってだけじゃなく、見せ方がうまいんだと思う。全く同じシーンを繰り返すことで生まれる笑いはもちろん確保しながらも省略短縮しながらテンポよく見せることで弛ませない。そして何よりこの人が恋をしているってところがミソ。楽しい映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-17 14:49:40)
14.  コッポラの胡蝶の夢
映像がとにかく美しい。夜道が青い画調の中で光り輝くシーンの美しいこと。時代を感じさせるくすんだ色も素晴らしい。暗闇とソフト帽がノワールの香りを、幻想的なストーリーと静かな語り口が文学の香りを発散する。セピア色に映える女優の顔は美しさと儚さを演出する。色調にはかなりの拘りを感じる。どこからも詮索されない環境で作るとこんなのが出来ちゃうのかという驚きと納得。かといって自己満足にかたよりすぎずにちゃんと「見せる」映画に仕上げているのは娯楽の王道のトップを走ってきたコッポラゆえか。素晴らしいです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-04-14 16:33:18)
15.  ゴーン・ベイビー・ゴーン 《ネタバレ》 
次の監督作『ザ・タウン』もそうなんだけど、とにかく脚本が素晴らしい。物語の何もかもが必然となっている。ボストンの小さな町を舞台に、小さな町であるがゆえの物語(ここんところも『ザ・タウン』と共通)なのだけど、主人公の探偵が地元のチンピラと一悶着起こすシーンや、探偵の公私のパートナーと誘拐された娘の母親(母親の薬中仲間のほうだったけか?)が顔見知りであることなんかも「小さな町」であることをさりげなく見せている。そしてある者たちの繋がりが露呈してゆき犯行が発覚するという衝撃的な結末もまた「小さな町」であることで成り立つ。「小さな町の物語」であることを丁寧に紡いでいるがゆえに衝撃的でありながら唐突ではない結末を見事に作り出しているのだ。ある者は死に、ある者は捕まり、ある者は去ってゆく。取り残されたようにこの小さな町にいる主人公。この愁傷感が「小さな町」の閉塞感を表現しているようでもあり、エンディングをやるせなくする。
[DVD(字幕)] 7点(2011-04-04 15:41:08)(良:2票)
16.  絞殺魔 《ネタバレ》 
こりゃおもろいと思ったのだが評価悪いな。前半は連続殺人の犯行シーンと捜査する側の試行錯誤が描かれる。そこで分割画面が多用されるんだけど、捜査する側が全く犯人を追い詰めることなく右往左往してる様がこの分割画面でより顕著に表現されているように思う。見た目のかっこよさより実用性で選ばれた分割画面。で、まずまず面白いこの前半は前フリでしかなく、なので犯人が誰なのかとかどうやって捕まるかなんてのは映画の肝となりえない。犯人は捜査側の懸命の努力とは関係なく市民にいとも簡単にとりおさえられてしまう。ここからが実は見所。犯人は二重人格であって犯行を全く覚えていない。で、本人に少しずつ思い出させようとするんだけど、その悪夢のような回想の見せ方がなかなか凝ってて唸らせてくれる。唸らせてくれるんだけどちょっと冗長な気がしないでもない。だけど本当の見所はまだここからあって、犯人が正常から異常になったときの様相をじーーっくり見せるところ。ここ。ここでこれまでのことが全て前フリと化す。このシーンの重さ、尋常じゃない。
[DVD(字幕)] 7点(2010-12-22 17:20:44)
17.  こねこ 《ネタバレ》 
最近、生後約1ヶ月の子猫を拾って飼いだしました。そんなときに観たもんだからたまりません。めちゃくちゃかわいいです。寝ていると足の指を噛まれたり、初めてのおトイレに拍手したり、棚に置いてあるあらゆる物を落とされたり、いちいちウチのかわいいかわいい子猫ちゃんと同じ。猫好きの義父が猫をして「神の作ったもののなかの最高傑作」と言っていたが、たしかにこの可愛さを目の当たりにすれば納得のお言葉。トラックの幌の上に乗ったまま寒空の中を遠くはなれた場所まで運ばれてゆくのだが、このときのあきらかな合成にはショボさよりも愛を感じる。大人の猫たちが人間顔負けの演技をするのは、まあわかるのだが、主人公の子猫ちゃんの危なっかしい素振りは演技じゃないから出せる本能を刺激するかわいさが充満している。ラストも感動的です。お父さんが音楽家であることがラストシーンへの伏線としてちゃんと活かされている。これはたぶん猫好きじゃなくても楽しめますよ。
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-27 13:53:32)
18.  コンドル(1975)
初めて観たときのことをよく覚えている。小学生のときで土曜日の午後。学校から帰るとテレビで吉本新喜劇を見ながら土曜日の昼ご飯定番のお好み焼きかたこ焼きか焼きそばか焼き飯が出来るのを待つ。食べ終わったら即外に遊びにゆく。ただ、この日はグダグダとしてるうちにテレビで映画をやりはじめた。それが『コンドル』。すでに『明日に向かって撃て!』でレッドフォードのファンだったのもあってついつい見始めてしまったのだが、すぐに遊びに行くつもりでテレビの前で座らずに見ていた。遊びに行きたいけどテレビから目が離せないというジレンマ。結局最後まで立ったまま見終えた。サスペンスへの目覚めだったのかも。後々に見直したときに、あぁ、そういうことだったのか!と主人公の狙われる理由に納得したものだったが、はっきり言ってそんなのどうでもいいってくらいにドキドキさせてくれる。サスペンスでそこをないがしろにしたって面白いと思えるのは、たんに私にとっての特別な映画だというだけのことなのだろうか。ちょっとした小物の使い方とか冬の乾いた空気と濡れた路面のコントラストとか事務所襲撃シーンに代表される音の使い方とか魅力的な演出も多いんだけど、この作品の最大の魅力は、いかにも70年代らしいかもしれないけど俳優の魅力を最大限に見せているということだと思う。中でもマックス・フォン・シドーはやばいくらいの当たり役。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-04 14:36:50)
19.  ゴジラ(1954)
その後人気者になるとは到底考えられないほどゴジラは「怪獣」であり、核の化身であった。この映画は原爆を唯一落とされた国の悲痛なまでの叫びそのものだ。人が死に、街が破壊される描写をもって「反戦映画」とするなんて子供っぽい発想で終わらない。この映画は原爆を作った科学者たちをも許さぬと言っている。特撮もゴジラの造形もゴジラの鳴き声も、そしてゴジラのテーマもとんでもなく素晴らしいから「ゴジラ」がその後一人歩きしてゆくのだが、この第一作は作り手のメッセージというにはあまりに痛切な想いが詰まっていて、たぶんその強烈な思念が画面に漂っていて作品に風格をもたらしている。この異質ともいえる風格は、今後どんなに素晴らしいゴジラ映画が生まれてもけして真似のできない代物である。
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-28 19:08:01)(良:1票)
20.  今宵、フィッツジェラルド劇場で 《ネタバレ》 
誰かが楽屋で話している姿が映され、次のカットに移る。次のカットにはその前のカットの話し声が遠くに聞こえる。誰かが歌っている姿が映され、次のカットに移る。次のカットにはその前の歌声が流れている。例えば、群像劇のお手本のような『ショート・カッツ』は大袈裟に言うならば編集作業でどうにでもなるような気がするが、皆が皆、同じ場所にいるこの『今宵、フィッツジェラルド劇場で』でこそ、音と光のコントロールを駆使し、編集の選択の限られたアルトマンの群像劇を堪能することが出来るかもしれない。さりげないけどお見事。お話はひとつの時代の終焉を描いている。そこに誰かをこの世から連れて行こうとする天使が現れる。まるで「遺作」であることを前提に作ったようなお話だ。結果として本当に遺作となったこの作品はあまりに遺作らしい作品になっている。人間の本質をちょいと毒を効かせて語ってきたアルトマンが、今度は毒のフリをした心温まる調味料をふりかけている。ラストの天使を見やる皆の表情がいい。
[DVD(字幕)] 7点(2008-03-03 11:36:56)
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