1. サブウェイ123 激突
《ネタバレ》 思っていたより面白かったです。ここでの評価が低かったので、どうかなと思っていたのですが。 オリジナルがあってこその低評価。なるほど。どうしてもリメイク作品は厳しい目で見られがちになるものですから、多少低評価になるのは致し方ないかもしれないです。 パニックムービーとしてもクライムムービーとしても及第点。これ単体で見れば悪くない作品じゃないでしょうか。 演出がパワー不足なのか、やや盛り上がりに欠ける気はします。ですが最初からずっと、それなりの緊張感を絶やすことなく、最後まで楽しませてくれます。 私怨をはらし、利益も追求する。激情家に見せてその実計算高い。そんなクレバーな人物を流石の演技力で魅せるトラヴォルタ。 一方、一般人でありながら、存在感のある主人公を見事に演じていたデンゼル・ワシントン。 この2人が主演を務めたからこその面白さもあるかもしれません。 面白けりゃなんでもよい私にとって、この作品とは相性が良かったみたいです。 唯一難点を挙げるなら、暴走する無人列車そっちのけでライダーの追跡をしちゃうガーバーはキャラに合っていない気がしました。違和感を感じます。人命最優先ではなかったのでしょうか。だったらすぐ本部と連絡をとって状況を説明するのが先決ではないかと思うのですがね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-09-19 09:07:49) |
2. ザ・フィースト
《ネタバレ》 やたらアップが多く画面が見づらい。更にはやたらぐらぐら揺れる画面が見づらさに拍車をかける。 1人逃げた女がそのまま放置っていう展開が気に入らない。 アウトローVSゾンビやモンスターっていう、『毒を以って毒を制す』みたいな話は好きなんですが、この人たちはアウトローというよりダメ人間ばかり。性格ブスだし、とりたててビジュアルに魅力があるわけでもないし、この人たちがどーなろうが知ったこっちゃ無いってのが本音。だからあまりハラハラもしないです。 じゃあ『一矢報いる』的な逆襲のカタルシスがあるかっていうと、そーゆーのもほとんどない。 でもシチュエーションは好きです。顔見知りの人たちが集まる酒場に、突如としてモンスターが襲ってくる。籠城・応戦・脱出。これまで数多くの作品が踏襲してきたB級ホラーの定石であり、王道。1970年~1990年代のモンスター系ホラーが好きだった人ならきっと楽しめるのではないでしょうか。 完成度の高い作品や、常に映画に新しい風を求める人には至極退屈でくだらない映画になっちゃうんでしょーけどね。 [DVD(字幕)] 6点(2020-09-05 13:14:46) |
3. サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009)
ロメロのゾンビはゆっくり歩く。『走るゾンビ』に比べれば、迫力はないかもしれません。 ですが、そんな『歩くゾンビ』特有の恐怖というものが必ず描かれてきました。今までのロメロ作品において、ゾンビは畏怖すべき対象であったのです。 この作品はどうでしょう。今までのロメロ作品とは明らかに何かが違う。この作品ではゾンビはただの記号であり、ただのシンボルであり、ただの消耗品になってしまいました。アイテムであり、オブジェであり、コメディ要員と化してしまいました。 今までのロメロ作品とは違い、本当に低レベルな個性もこだわりもないただのB級作品となってしまいました。 個人的にロメロ作品で好きだったのが、無秩序や狂気のなかに描かれる秩序と平穏。そして壊れ行く文明社会。この作品ではそれも描かれません。サバイバル要素だって全然ない。 人間を捕食する描写がある。だからかろうじてゾンビムービーである。退屈はしませんでした。ですがそれだけの映画です。 [DVD(字幕)] 5点(2020-08-24 23:58:08) |
4. サロゲート
《ネタバレ》 言いたいことは山ほどあるけど、とりあえず車はいらないでしょう。 サロゲートの脚力、跳躍力。更には疲れを知らないときたもんだ。だったら職場まで全力疾走させれば良い。みんなサロゲート持っているんだったら、まず車社会でなくなってないとおかしい。 それに仕事はともかく、娯楽やプライベートまでサロゲート使うかな。それって人間心理に反してないですか?きつい仕事や危険なことはサロゲートを使うでしょう。ですが楽しいことは基本自分でやりたいはず。もちろん容姿に自信がなくてサロゲートを使う人はいるかもしれんけど、少数派のはずです。 で、『世界人口の98パーセントがサロゲートを使用』フムフム。まあ、いいでしょう。 『犯罪は激減。人種差別はなくなりました。人類が抱えてきた難問は短期間で解決しました。』ほほう。そりゃすごいね。それでそれで? 『戦争だー。どっかーん。サロゲートが闘うからゲームと変わんねーぜー。』っておい。人類最大の難問である戦争がなくなっとらんじゃないか。それともアメリカにとって戦争は人類が抱える難問とはとらえていない?そりゃ恐ろしい国だぜ・・。 まあ、なんか文句ばかり書きましたが、それなりに面白い作品ではあります。 世界観だけにおんぶにだっこではなく、しっかりストーリーが考えられているところは好印象。まあそれが面白さにつながっているかどうかはまた別の話ですが。 魅力のある登場人物が一人でもいれば違ったかも。ひまつぶしにはなりますが、人にオススメするにはあと一歩って感じです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-07-03 00:10:14)(良:1票) |
5. ザ・ドア 交差する世界
《ネタバレ》 過去改変ものかと思いきや、全くのパラレルワールド。 そうとは気付かず、ダヴィッドが誤って5年前の自分を殺しちゃったとき、『消える!消える!』と焦っちゃいました。・・・でも消えない。 いったい何が起きているのだろう、そしてこれから何が起きようとしているのだろう、と、興味津々で見ていたらまさかのすり替わり。いや、自分が自分と入れ替わるっていうのはすり替わりですらないのか?このパターンは意外とないですね。 まあ、人を殺しておいて、ハッピーエンドなんて願うべくもなく。いったいどのような結末になるのか。 ・・・ははーん、なるほどですねぇ。思っていたほどのバッドエンドではなかったですね。 5年前の娘や奥さんを助けたからって、5年前の自分やマックスを殺しちゃったことがチャラになるわけありません。なかなか切ないラストを用意してあります。ですがこれが正解でしょう。 スザンヌ夫婦が5年前の自分を殺しちゃうあたりからはホラー色強め。なかなかスリリングな展開です。 浮気相手だって5年後からやってきて平然と声をかけてきます。でもそれはつまり5年前の自分を殺してすり替わっているわけで・・・。怖い怖い。 中盤くらいまでは、殺人がばれそうになる緊張感。後半から終盤にかけては、この世界からの脱出劇。1つの映画で異なる緊張感を楽しめる一風変わったサスペンス。 壮大なスケールで描くのではなく、プライベートな空間に留めたのは良かったと思います。 苦手なタイプの荒唐無稽近未来SFなんかではなく、大変わかりやすいシンプルなSFスリラー。面白かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2020-06-13 02:53:40)(良:2票) |
6. サマーウォーズ
《ネタバレ》 私は化石のような人間なので、そもそも『ネットもの』っていうジャンルが苦手。SNSもオンラインゲームもやらないしね。仕事でワード、エクセル、ネットを使うぐらいです。ですから、こーゆー作品とは、はっきり言って相性はよくありません。 ただ、サマーウォーズはそんな石器時代代表のような私にも、ジェスチャーでわかりやすく伝えてくれるような親切さを感じます。 現在の状況を、アニメーションでデフォルメ化して表現。ただ、その表現の仕方、デフォルメ化はあまりにもマンガチックで子供じみています。まるで『ウホウホ、これだったらわかるかい、ウホウホ』と、ちょっと馬鹿にされているようにも感じてしまい・・・難しいですね。 登場人物は一昔前のステレオタイプな人たちばかり。演出もちょっと古臭い。 こーゆーのに懐かしさを感じ、味わい深いと思うことは確かにあります。ですがこの作品は古いうえにちょっと感情表現過剰な気がしました。 世界の危機だっていうのに、ちゃんと状況を説明しない主人公。だから氷を持っていかれちゃったりするんですよ。ヒロインも侘助にもっとちゃんと説明しなきゃ。そんな主人公とヒロインにイライラ。 主人公がパスワードを解くシーン。キング・カズマのバトルシーン。夏希の花札バトル。それぞれ盛り上がるシーンがあります。ですから最後まで退屈することはないです。ハッピーエンドだし。もうちょっと感動したり、カタルシスを感じたかったりしたのですが、その辺は今一歩といった印象です。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2020-05-17 14:20:39) |
7. サンシャイン 2057
《ネタバレ》 今、何が起こっているのかがとてもわかりにくい。複雑な設定。難しい専門用語。細かいカット割り。なんだろう、終始ごまかされているような印象。 とは言え、とは言えですよ。やはり『宇宙』というものに憧れる身としては、この映画にはそれなりの『畏怖』や『浪漫』を感じずにはいられません。でも宇宙やら、それ関連のSFに興味が少しでも持てない方は最初からお断りといった趣。万人向けでもなければエンターテイメント作品とも言い難いでしょう。 後半になるにつれ、サスペンス色が強くなります。終盤は完全にホラー。ピンバッカーについてはボロクソに叩かれていますが、彼の登場でこの作品の娯楽度は上がった気がします。 小難しい話はちょっと・・・。哲学的な話はちょっと・・・。宗教は論外。という私は、『単純なワクワク』『単純な恐怖』を求める庶民代表。ピンバッカー登場によるスリラー演出は嬉しい展開です。 かといって、この映画自体が面白いかと言われれば微妙。そもそも、『予定の針路を勝手に自分たちの判断で変更して、その結果全滅しちゃう』なんてパターンは、私が一番嫌いとするところ。小難しい居丈高な物腰の作品のわりに、そーゆーところはホラーあるあるなんですね。なんだかなあ。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-10-30 07:34:59) |
8. ザ・シューター/極大射程
《ネタバレ》 プロローグで驚異的な射撃能力を見せつけてからの本編。 こんなに有能で善良な軍人が、祖国に1度ならず2度までも裏切られるとは。ここでスワガーと視聴者の怒りが共有され、まんまと物語りに引き込まれていくのでした。 マーク・ウォールバーグ演じるスワガーは、はっきり言ってスーパーマン。こんなに強すぎると緊張感がなくなりそうですが、八方塞がりな危機的シチュエーションが見事に緊張感を生み出しています。特に、罠にはめられてから、サラの元へ行くまでの逃亡劇が素晴らしい。 味方がサラとメンフィスだけってのも良かったですね。陰謀系ではありますが、登場人物を限定し、すっきりわかりやすい勧善懲悪ストーリーにしたのが良い。その一方で、『村を虐殺した部隊をお前達は助けたのだ』のセリフが凄く印象に残っているように、衝撃的なストーリー展開でもあります。衝撃的かつ明確なストーリー構成。だからアクションがより冴えて見えます。まさにサスペンスアクションのお手本のような作品です。 ちょっと残念だったのはオチのつけかた。雪山で大佐と上院議員を殺さない。『これは法に則って罪を償わせ、社会的地位を抹殺する流れか?』と期待。勝ち誇る大佐と上院議員にぐうの音も出ないほどの証拠をつきつけ大逆転。・・・・かと思ったのに、『えええ?』な展開。最後は結局鉄拳制裁って、それじゃあ望むカタルシスは得られなかったりするのです。 それに、最初から比較的暗めのトーンなので、今まで不遇だった分、最後くらいスワガーとメンフィスとサラの笑顔でしめくくってほしかった次第です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-10-14 23:48:46) |
9. サベイランス(2008)
《ネタバレ》 『ヒッチャー』みたいな雰囲気がたまらなく怖い『雰囲気ゴリ押し系ホラー』。それ自体に文句はないんですが、ネタバラシちょっと弱くないですかね。ミステリー仕立てで凄く面白かったのに、フタを開けてみればたいしたミステリーでもない。『何でもありサプライズ』は逆に驚けないのです。 本物のFBIが殺人鬼なのか。それとも殺人鬼がFBIになりすましているのか。どちらにしても基本設定に無理がある気がします。 『最初から二人組みの殺人鬼なんて実はいなかった』というオチかと思っていたのですが、全然違いました。子供の絵も何かのヒントになるかと思ったのですが、回想シーンで何が描かれるかを示唆するだけで、特にヒントではないですね。この映画にミステリーを期待しないほうがいいかもしれません。 ほぼほぼバッドエンディングなんで、後味はあんま良くない。女の子とその家族はかわいそうすぎます。 それに、警官二人がクソ野郎すぎて、殺人鬼カップルのインパクトが弱くなってしまったのも問題。そもそもあのクソ警官どもがみんなの車を停めなければ、みんな普通にドライブして誰も犠牲者は出なかったはずなんで、クズ警官どもの罪は重い。 と、何か次から次に文句が出てきちゃいますが、映画としては普通に面白いので困ったものです。 [DVD(字幕)] 7点(2019-09-01 12:04:31) |
10. 30デイズ・ナイト
《ネタバレ》 2時間近い長尺ながら、開始20分足らずで最初の犠牲者を出す潔さ。田舎町ひとつを壊滅させるスケール。犠牲者多め。適度なペースで物語がどんどん進むのが良い。 いわゆる『ゾンビ系映画』では『すでに荒廃した街』や『ゾンビが巣食う街』ってのはよく描かれます。ですがそうなるに至った経緯を描いた作品っていうのは、意外と多くないんです。この映画はゾンビ系ではありませんが、吸血鬼の一団によって田舎町ひとつが壊滅するまでを描いた貴重な作品です。次々と町の人たちが襲われていく様子は圧巻です。 嫌悪感を抱かない程度のグロ描写。心臓が止まらない程度の緊張感。私の好きな『かくれんぼホラー』のテイストも含まれているおまけつき。ホラーアクションとして、バランスが良い作品と言えそうです。 難点を挙げると、主人公達の行動選択に説得力が欠けていたこと。まあ元々が吸血鬼サイドに有利すぎる条件で八方塞がりなので、仕方ない面もありますが。だとしても『警察署まで行って○○をすれば助かる』『町外れの工場へ行って○○すれば逃げられる』など、明確な理由、説明、説得力が欲しいです。『成功すれば必ず助かる』という希望は、ホラー映画では絶対に必要。希望が無い状況では、恐怖ではなく『絶望』や『諦観』が幅を利かせてしまうのです。 [DVD(字幕)] 7点(2019-08-15 18:43:51)(良:1票) |
11. サイレントヒル
《ネタバレ》 どうやら『現実世界』と『異世界』と『異世界の裏の世界』の3つがフィールドになっているようですね。 『異世界』が『死後の世界』なのか、それとも『生と死の境界』なのか、その辺がはっきりしません。ローズとベネット巡査が、交通事故により死んだのか、それとも生きたまま連れてこられた世界なのか、それさえもあやふや。冒頭『サイレントヒルでは大規模な火災事故があった。大勢の住民が死に、大勢の人間が行方不明のまま』と説明があります。とすると、アレッサが復讐のため、自分を焼いた人間たちを異世界に生きたまま閉じ込めた。そして異世界ではなぜか教会がアレッサも手を出せない聖域として存在し、住人達はそこへ逃げ込んだと考えるのが妥当かもしれません。教会はシャロンと同じように、アレッサの良心が具現化したものかも。 映像すばらしいです。クリーチャーも怖い怖い。冒頭の焼けた子供たち(おそらくアリッサをいじめた報いでしょう)。元用務員のクリーチャー。看護婦の格好した悪魔みたいなの。そのどれもが凄い迫力。特に序盤はわけがわからずひたすら怖かったですね。なのでホラー映画としては、もうかなりの完成度で満足です。 ストーリーに関しては、アレッサが自分勝手にローズとベネットを巻き込んだのがちょっと不満。ローズもベネットもあんなに頑張ったのに。なにより善人です。なのにベネットは殺されて、ローズは結局もとの世界に戻れないなんて可哀想じゃないですか。パパだって可哀想。バッドエンディングでも構わないと思うときももちろんあるのですが、この作品はハッピーエンドで良かったんじゃないでしょうか。アレッサはシャロンとなって、もう一度ローズ一家の娘となって幸せな人生をやり直すでいいと思うんですけど。後味悪いです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-04-06 14:10:05)(良:2票) |
12. サハラ 死の砂漠を脱出せよ
《ネタバレ》 言ってみれば、『スターウォーズ』とか、『パイレーツ・オブ・カリビアン』とか、そっち系の作品。映画として見応えがそんなにあるわけではないけれど、見ている間は普通に楽しい。そんな感じです。 『内戦』『産業廃棄物』『暗殺』といった物騒なテーマを、とにかく軽いノリとパワー全開の映像で楽しく見せちゃう映画。 序盤はまさに登場人物の紹介って感じで、ややかったるい。そんな中でも、ペネロペ・クルス演じるエヴァのターンは『謎の病気』がらみで、名作『アウトブレイク』のような緊張感とホラーテイストで結構ドキドキ。でもそれも期間限定で、トレジャーハンター組のダーク&アルと合流してからは否応なしに陽気なアドベンチャーへと様変わり。どっちが良いかは人それぞれでしょうが、序盤のミステリアスな緊張感を中盤以降も少し欲しかったかな。雰囲気が軽すぎて、途中からどーでもよくなってくるんですよね。 凶悪な軍事国家や、悪い企業が相手なので、多勢に無勢で危機的状況がひっきりなし。にも関わらずお気楽な空気が変わらないのは、ひとえにダークとアルのキャラクターによるもの。また、2人の能力も高いため、どんな状況であってもすべて何とかなってしまいます。そのため大変気楽に見れるエンターテイメントではありますが、本格的なアクションやスリルを求めると肩透かしをくらうのは間違いないでしょう。 自分自身、そんなに期待していたわけでもないのに、中だるみしちゃってたときがあったのは確か。とは言え、一つの映画としてきれいにまとまっていて面白いし、最後まで見ればラストは爽快な気分になれちゃうので、期待していなかった分得した気分です。 [DVD(字幕)] 7点(2018-02-28 02:19:37)(良:2票) |
13. サマータイムマシン・ブルース
《ネタバレ》 タイムマシンを使って一日前に戻るドタバタコメディ。 タイムトラベルもドタバタコメディもやや苦手。それでも手に取った理由は、ここでの評価が高かったからです。それに、好きな俳優さん達が出ているというのも理由のひとつ。 で、見た感想は、一言で言うと、飽きはしないけれど映画的な面白さが足りません。伏線を回収してすっきり、という感覚も弱い。 たった2日間の出来事。せめて、過去に戻ることの必然性がもう少し強調されていれば良かったかもしれません。どちらかというと、タイムマシンは舞台設定の一つにすぎず、散りばめてある小ネタを楽しむような作品みたいです。『ハリキリスタジアム』とか、『ヴィダルサスーン』とか。 つまらなくはないし、悪くはないのですが、観終わった後の満足感は低いです。 [DVD(邦画)] 6点(2017-11-30 14:35:13) |
14. SAYURI
《ネタバレ》 うーん。これはどうでしょう。 面白い、面白くないの問題ではなく、ちょっと興味がわかない、どちらかと言えば苦手なタイプの映画です。 まず暗い。そして長い。 途中まではサクセスストーリの様相を呈していますが、『サクセス』とは少々違う気がしますね。 期待していたほど『SAYURI』にカリスマ性を感じることができず、芸者としての才能も、見ている分にはよくわかりません。 心の成長みたいなものがあるわけでもなく、『SAYURI』をメインとしたドラマとしては、物足りなさを感じます。 また、なんのひねりもオチもなく、バッドエンドのまま終わっているエピソードがあるのも、もやもやします。 姉と初桃はいなくなって終わり?おカボは実はさゆりをずっと恨んでいました、っていうサプライズだけやって終わり?延はさゆりをもう許せないってだけで終わり?さゆりは会長とうまくいきさえすれば、他の人間関係はもういいの? そりゃあそっちのほうが人間ドラマとしてはある意味リアルかもしれないけどさ、見るほうはそこに後味の悪さを感じこそすれ、満足感を得ることはできないのです。 桃井かおり演じるおかあさんが、なんかラスト良い人っぽくなっているのもなんだかね。この人も相当なことやってますよ? それに、私はフェミニストではありませんが、やはりこの時代の女性蔑視の社会通念みたいなものが苦手なようです。 [DVD(吹替)] 5点(2017-05-11 02:07:48) |
15. サタンクロース
《ネタバレ》 思っていたよりサンタがおとなしい。 全然関係ないけど、これだったらスティーブン・セガールのほうがまだ凶暴。 なぜサンタが主人公ばかりを狙うのか疑問だったのですが、天使のお孫さんでしたか。そりゃ納得。 ですがそうなると、『約束の期限がきれたサンタが無差別に人を殺しまくる。』っていう私の期待を裏切り、『サンタ』VS『天使の一族』みたいな『私事』になっちゃうのがつまんないですね。 内容も、ホラー・コメディというよりは、アクション・コメディ。ファンタジーの要素もあり。 ストーリーはあってないようなもので、いたって退屈。 短い時間にでる欠伸。ドキドキしない。笑えない。 アイデアは良いと思います。主人公の彼女がかわいいのも良い。 設定は適当。クライマックスのサンタ撃退も拍子抜けレベル。 何もかもが中途半端で、悪い意味での脱力系シネマと言えそうです。 [DVD(字幕)] 4点(2017-04-30 14:43:08) |
16. 最後の恋のはじめ方
《ネタバレ》 『デート・ドクター』という恋愛コンサルタント業は面白いですね。 ただ単に女性をひっかけるというわけではありません。 『本当に好きな女性とのデートを成功させる。』これが誠意が感じられて良いです。 ウィル・スミス演じるアレックス・ヒッチは、おしゃれでありながら、誠意もあります。過去の苦い経験のエピソードが、彼の人柄に安心感を与えています。 『真剣な想いを応援する。』という土台が既にあるので、アレックスがどんなにテクニックを使っても軽薄に感じることはありません。 むしろ、女性を振り向かせたい男性たちにアレックスがアドバイスすればするほど、その一生懸命さを応援したくなります。 これはキャラ紹介における演出と脚本が非常に上手なんでしょう。 個人的には、導入部分が『恋愛コンサルタント』という仕事の一番面白い部分が見えた気がします。 それ以降は、まあゆっても王道ラブコメの域を出るものではありません。『誤解』⇒『けんか』⇒『ハッピーエンド』という絶対外れないパターンを踏襲しているわけですから、あっと驚くような展開があるわけではありません。 でもそれが良い。 奇をてらわなくても、楽しい映画はいつみても楽しいものです。 アレックス・ヒッチ、サラ・ミラス、アルバート・ブレナマン、それぞれに心境の変化が起こるのも良いですね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-04-23 22:20:30)(良:2票) |
17. サン・ジャックへの道
《ネタバレ》 ロードムービーはどちらかと言えば苦手なジャンルです。ここでの評価がよほど高くなければ見ることはありません。 結論から言えば、素直に最後まで飽きることなく見ることができました。 ロードムービーの良さというものを堪能できた気がします。 まず第一に風景。 そして第二に、一緒に旅をする仲間との連帯感。 第三に、旅の過程において変化・成長していく一人一人の心。 第四に、宿や食事、洗濯に歯磨き、買出しなどの、旅先ならではの生活感。 そういったものが、矢継ぎ早に次々と映し出されていくスピード感と心地よいリズムが、この作品にはあります。そう、1つ1つのシーンが短いのがこの作品の特徴ですね。長い長い旅なのに、スピード感があるので、最後まで一気に見れてしまうのです。 小粒なエピソードを、軽快なテンポで見せてくれるので、まさに一緒に旅をしているような感覚になります。 三兄弟の長男社長が、『俺は最後まで旅を続ける』と言ったとき、すごく共感するんです。観ている側も同じ気持ちになれるってのは、ロードムービーとして貴重。 ただ個人的にこの作品で残念な人物が、三兄弟の中で仕事をしていないダメ人間の次男。 飲んだくれ。頭が悪い。自制心がない。人に依存する。平気で嘘をつく。自己中心的。空気が読めない言動、行動。私は、こーゆー人間が一番嫌いなんです。 そんな人間でも、例えば劇中で他人の荷物を持ってあげるとか、心の変化が見られればまだ救いがあったのですが、一切ありません。 むしろ、後半になればなるほど、彼に対するいらいらは募るばかりです。 それに、これは自分の問題ですが、『宗教』『世界史』、本当に疎いのです。 おそらく夢の世界を含め、宗教や哲学的なメッセージが発信されているように感じるのですが、その真意が知識不足でつかめず、残念。 とは言え、誰が見ても楽しめるように作られている作品ではあります。 特に、メインの9人以外の登場人物を頻繁に絡ませる演出は素敵ですね。 これによって、9人の擬似家族の絆が、コントラスト効果によって、より色濃く鮮明に浮き上がる感覚が好きです。 [DVD(吹替)] 7点(2017-04-03 14:11:16) |
18. 13 ラブ 30 サーティン・ラブ・サーティ
《ネタバレ》 主人公のジェナは悪い人間ではありませんが、ミーハーすぎて好感が持てないです。 30歳になった自分がどういう人間か知り、変えようとする。根は真面目な人間ですから、理屈はわかります。 ですがその真面目な人間が、ルーシーという悪友の影響だけでここまで変わるものかという疑問は残ります。 人に濡れ衣をきせて簡単にクビにする。自社を裏切り、他社に情報を売る。友人の同僚を寝取る。もはや別人格です。 ストーリーについても苦言をひとつ。 本作のストーリーは、ある種サクセスストーリーのテイストだと思います。 幼馴染のマットと組んで、ポイズ誌の誌面刷新に取り組むジェナ。30歳の自分を知り、13歳の頃の良さに気付く。13歳でしか味わうことが出来ない人生、その思いが反映された誌面。会議で絶賛されるジェナのアイデア。これがサクセスストーリーでなくてなんでしょう。 ここでお約束とも言うべきルーシーの裏切り。ジェナのアイデアはライバル誌スパークルのもとへ。スパークルの広告に掲載されるジェナのアイデア。なんて悲しくて悔しい展開。いったい、ここからどんな巻き返し、逆転をはかるのか。 期待に胸をふくらませながら見ていたら、ここでまさかのタイムスリップ。 おいおい!それは反則なんじゃないか。 のび太くんだって、もう少しちゃんとけじめつけまっせ。 なにもかもを一からやり直せば、そりゃあ未来を知っているんだから上手くいくに決まっていますが、それは『タイムスリップの搾取』です。 [DVD(字幕)] 6点(2017-03-16 13:48:36)(良:1票) |
19. ザ・ターゲット(2002)
《ネタバレ》 クリストファー・ランバート演じるヒットマン兼ガードマンのアレックス。 アレックスに身辺警護を依頼する会計士ロバート(デニス・ホッパー)。 二人の間に次第にビジネスの関係を超えて生まれてくる友情。 そして何を考えているのかわからない凶悪な犯罪者と、その信者たち。 さらには、アレックスとロバートの過去には、思いがけない接点があった・・・! と、ここまで面白くなりそうな素材が揃っているのに、中盤以降の中だるみが尋常じゃないですね。 序盤は良かったのに。途中で監督が変わったのではないかと思うくらいの路線変更です。 ピークはロバートの娘を救い出すシーンまでで、それ以降はクライマックスも含め、すべて蛇足に思えます。 唯一良かったのは、ロバートが過去の贖罪をアレックスに打ち明けるシーン。ここは良いですね。 ただ映画としては尻すぼみが酷くて、とても面白いとは言えない代物に。後半になるにつれてテンポが遅くなる作品って嫌いです。 最初からドラマとして見ていれば、『ドラマの割りにアクションに力が入っていて・・・』と、評価が高くなったかもしれません。 ですが、パッケージを見る限り、ごりごりのアクション映画にしか見えません。 アクション映画として見ちゃうと・・・。そして凶悪犯、石投げるだけかーい。 [DVD(字幕)] 5点(2017-01-23 15:00:46) |
20. 座頭市(2003)
《ネタバレ》 途中までは面白かったのですが、中盤以降の盛り上がりに欠けます。 人間ドラマ中心で描きたいのか、剣戟アクション中心の展開でいきたいのか、はっきりしません。 姉弟のエピソードを掘り下げるのは、復讐のカタルシスを得るために必要。ですがそのエピソードに尺をとりすぎて、どうしても中だるみを感じてしまいます。また、尺を取っている割に、エピソードに深みがありません。人間ドラマを淡々と描いてしまう北野監督の良さが、今回はマイナスに働いている感じがします。 それは他のキャラクターにも言えることです。また、個性をはっきりさせた割に、その個性の『良さ』が劇中で活かしきれていない気がするのも、もったいない。 服部は最後まで結局ただの用心棒としての役割に終始。そこに葛藤があるのかもしれませんが、惜しくもそれは描かれません。病床の妻とのエピソードは、半ば放置。服部は切られ、病床の妻は唐突に自害。二人への共感が劇中でもっと感じられるようになっていれば、服部と座頭市の対決の味わいは格別なものになっていたかもしれません。 新吉は終始ただのにぎやかしで、何かの役に立つことはありません。おうめもただの良い人どまり。 この作品では、『人の心境の変化』『イメージとのギャップ』などがほとんど描かれていないのです。そこにあるのは、ただ決められたストーリーをなぞるだけの、出来レース。もちろんフィクションは総じて出来レース。ですがそれを感じさせないのが映画でしょう。 それでもこの作品がそれなりに面白く感じるのは、座頭市アクションの爽快感。これに尽きます。 特に『効果音』の使い方は、個人的に大好き。アニメチックなくらいオーバーで、この『効果音』が座頭市の『強さ』を演出する最大の立役者となっている気がします。 よってアクションは良い。人間ドラマは今いち。期待していた程の映画ではなかったのが正直な感想です。 [DVD(邦画)] 6点(2016-12-07 12:07:37)(良:1票) |