1. サウンド・オブ・ノイズ
面白いね、ヨーロッパの映画でも特にイギリスや北欧のものってどこか雰囲気が暗いんだけど、その暗さの中でしっかりとした何かを持ち出すのが上手いんだよね。この映画もそういう映画の一つで、この映画では音に焦点を当てながら、それを犯罪者とそれを追う警察官という形で見せてる訳だけど、テロというよりはコンゲームを見ている感じになりました。BGMも基本的にパーカッションだけなんだけど、それがこの映画のテーマにもマッチしていて、非常に良かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2014-03-30 04:27:11) |
2. さや侍
《ネタバレ》 うーんとね、この映画は松本人志のネタのひとつと見るか、映画と見るかで大きく別れてくる様な気がします。この映画の監督が松本人志でなければ、ここまで評価する人がどの位いるかというのがあたしには疑問なんだよね。多分、松本人志という看板が無ければあそこまでシュールなネタで笑えるかという疑問があたしにはあります。あたしは正直言ってあまり笑える所がなかったんだよね。彼の追求している笑いには素人の偶然の笑いを狙った様な所があるのだけど、それを映画に持ち込むにはかなり難しいのかな、という気がします。それと映画的に見ると結構ギャグに無駄も多いんだよね。例えば、火の輪くぐりの本番のシーン、雨で日の輪が消えてる所で落としても十分なのに、敢えて輪をくぐらせる。2段で笑いを取ろうとしているのかもしれないけど、どうもあそこは笑いが変に分散してしまっている様な気がします。これが意図的なら分かるのだけど、他ではそうしてない所もあるから、意図的とは思えないんですよ。そう考えた場合に笑わせかたの内容自体では無く、映画そのものの撮りかたとか、脚本のチェックが甘いのではないかと考えざるを得ない訳です。脚本協力に松本のブレーンである構成作家や芸人がいるのは良いけど、全体を精査出来そうな人がいなかったのか?という気がします。こういう細かい所を丁寧に処理していかないと才能があっても面白い映画は出来ない気がします。個人的には「大日本人」とか、あたしは嫌いではなかったので、一度、ギャグなしの普通の映画を作ってから、こうした笑いの映画を作ったほうが良い映画が出来るんじゃないかな?現在のまま似た様な映画を作っても、次も笑って貰えるかと言われたら結構苦しい気もしますね。 [映画館(邦画)] 3点(2011-06-27 01:57:32) |
3. ザ・ファイター
物凄くオーソドックスな撮り方のされている映画なんだけど、それ故にシンプルに受け手に伝わり易い映画になっているのだろうね。こういう映画こそ非常に演技力を求められると思うのだけど、この映画では役者達がキッチリと演じきれていると思いました。だから、同じ状況に無い筈のあたしも、その場に立ち会っている様な感覚があったし、変な力の入り方している事に気が付いた時に少々恥ずかしかったりしてね。でも、それで良いんだろうなぁと、素直に思えるのがこの映画なんだろうね。こうした映画を日本では残念ながら作れる環境が整えられていないな、と実感すると同時に、こうした映画を生み出せるアメリカ映画の力には敬服します。 [映画館(吹替)] 7点(2011-06-05 09:58:41) |
4. ザ・ライト -エクソシストの真実-
こうした作品についてはかなり賛否が分かれる様な気がします。内容的に実話を元にしているのは事実として、こうした悪魔祓いみたいな物は宗教的価値観を大前提に置いた上で行われる儀式なので、素直に受け止めてしまうのはかなり危険があります。一歩間違えればキリスト教のプロパガンダになりかねない部分が多い訳で、実際に脚本と構成を考えた場合、かなり誘導的な部分が観られます。他の宗教観の持主には受け止めがたい部分もかなり見られるのでこの映画を見る際には真っ向からこの映画を事実と受け止めてしまうよりも、少し達観して観るのが正しいのではないかと。 まぁ、それにしてもアンソニー・ホプキンスの演技は実に見事な物で、それを観るだけでも十分に満足出来るますね。 [映画館(字幕)] 6点(2011-05-07 10:19:52) |
5. 裁判長!ここは懲役4年でどうすか
原作は良く知っていたけど、映画化するには物語を作らなくてはいけないから、どういう風に映画にするのかと思ったら、なかなか面白い作りにしたな、という感じでしょうか。基本的に裁判の面白い所を凝縮して見せるという、ノウハウ映画の側面が強いのですが、そこにちゃんとドラマ性を持たせて一本の映画に仕上げたという所がこの映画の良い所なんだと思います。そんな映画にコントの上手い設楽を主役に起用したのが正解だったのでしょうね、コントで見せる様なすかした演技が面白いくらい嵌っていました。そんな具合だから、物語もシチュエーションコントの繰り返しになっていて、飽きる前に次が始まる様に出来ていてあたしは非常に好感を持ちました。で、最後に大ネタを持ってくる訳ですが、最後の最後まですかして、だれもがハッピーエンドを期待しているのにすかされてしまうのが逆に快感になってくる訳です。 こういう作りの映画ってのは、日本では上手く作れる人が少なくて、中々見ることが出来なかったのですが、久々にこうした映画を見られたというのが嬉しいですね。低予算だから役者は芸人が多かったり、演技も玉石混合ではありますけど、見てて楽しいからそれで良いと思います。エンドロールの選曲も最高です。 [映画館(邦画)] 7点(2011-03-09 15:16:27)(良:1票) |
6. 最後の忠臣蔵
《ネタバレ》 原作もテレビ版も知らずに見てきました。今年は時代劇が当たり年だったかな、と思える締めの作品かな?(この時点で「武士の家計簿」は未見) 杉田が監督という事で中途半端に「北の国から」みたいな作りをしないかと、あたしはかなり警戒感を持って見たクチなんだけど、開けてみたら悪くないかな、と思いました。人形浄瑠璃で曽根崎心中を入れたのがかなり効果的で、物語のブリッジの役割を果たすだけでなく、端的に瀬尾と可音との関係性と瀬尾の行末をキチンと補完していると感じました。海外の人が見ても分かりやすい作りにしていると思いますね。 但し、寺坂と瀬尾の友情関係の描き方が薄いとか、切腹の説得力が少ないという【蛇蟇斎狐狸窟】さんの気持ちは分かる反面、時間的には絶対に無理だな、とある意味納得をせざるを得ない部分もあります。どちらも役所広司や佐藤浩市顔や目の表情だけでその辺は十分に補完していると思うのですが、やっぱり分かりにくいですよね。かなり武士の生き方みたいな事を事前に知らないと、”なんで?”と思う箇所は多いと思うし、そう感じる人の為の親切な映画にはなっていないかな、という気がします。でも映画としては瀬尾という人物の生き方に絞って作ったという事が判れば十分なのだと思って解釈するしかないとも思えるんですよね。 あたし的に難点を言わせて頂ければ、あれだけ丁寧に作っているにも関わらず、細かい所で余計な事をしているのが見え隠れする事かな。例えば、瀬尾が旧赤穂藩士に襲われる場面、後々を考えれば必要なのだけど、あれほど時間を必要としたのかに疑問があったり、カットの前後でヘンに見える部分があったりしてね。気にする程の場面では無いのかもしれないけど、こういうのって、良い映画を作ろうとした場合に、絶対大事だと思うんですよね。 [映画館(邦画)] 7点(2010-12-24 17:31:03) |
7. サイボーグ009/超銀河伝説
最近になって観直したのですが、当時観たのと何か印象が違っていました。あれ、思った程悪く無い。なんだろう?あれほど当時は文句を言っていたくせに・・・まぁ、漫画と映画と割り切って観る事が出来る様になったからかな? [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-11-18 01:54:31) |
8. ザ・カンニング〔IQ=0〕
頭を空っぽにして観るのがこの映画の正しい観方でしょうね。やってる事が結構馬鹿馬鹿しいのだけど、だからこそ楽しいんでしょうね。 [地上波(字幕)] 6点(2010-11-18 01:21:01) |
9. THE LAST MESSAGE 海猿
今年はろくなテレビドラマの劇場版が無かったせいか、比較的まともに見えたんだよね。勿論、ツッコミ所も沢山ありますよ。でも、物語に破綻が無くて(というか、破綻を生み様が無いのだけど)、子供から大人まで観られるエンターテインメントとしてはしっかりしているから、その部分は評価出来ると思うんだよね。残念なのはどこかで観た様なシーンやカットが沢山観られる事。勿論、このドラマのシリーズである訳ではなくて、別の映画の何かだよね。そういう印象を抱かせてしまうというのはちょっと残念です。 [映画館(邦画)] 6点(2010-11-14 16:23:46) |
10. さらば愛しの大統領
ナベアツ監督だから、この得点。 [映画館(邦画)] 3点(2010-11-12 01:14:54) |
11. 桜田門外ノ変
《ネタバレ》 基本的に史実をそのままなぞって作られた映画ではありますが、 事の善悪は捉えずに、事実を描いた点では貴重じゃないかな? 映画の構成自体は回想と現実を織り交ぜ、ナレーションやテロップで補語する形は非常にお佐藤純彌らしい映画だと思います。 ただ、ちょっと残念なのは、変に無駄なカットがあること。例えば白洲に並べられた、変に参加した浪士を引っ立てるシーン、あれが異様に長く感じるんです。ひとりひとりの名前と末期と享年をテロップで引き出される順に出していくのだけど、物凄く間延びした感じになるんだよね。あれはどうかな?とちょっと思ってしまいました。それまでが結構テンポ良く話を進めていたのに、あの部分だけ変にテンポが崩れるんです。こういうのって観ている側は結構テンション下がるんだけどね。それと、薩摩藩士や鳥取藩士、京都の人々がそれぞれの国の言葉を使っているのに、水戸藩士や浪士が標準語なんでしょうね。あの辺もかなり残念だったかな。悪くない映画だと思うだけに余計残念でなりませんでした [映画館(邦画)] 7点(2010-10-23 16:09:15) |
12. ザ・コーヴ
《ネタバレ》 先ず言っておくけど、あたしはこの映画、嫌いだからね。 この映画の中でプロパガンダという言葉が出てくるけど、この映画こそプロパガンダだし(笑)。 ドキュメンタリー映画っていうのは、基本的に撮る側の意思が非常に明確になる物があるから、それを見てる側がどのように汲み取るかで評価は大きく変わると思います。また、ドキュメンタリーって別に公平性が必要な物ではないという事を知っていないといけないでしょうね。 基本的に反捕海豚の連中しか出てこないから、日本の側の人間が出てきても良い様にあしらわれているという感じにしかなくて、反対側の意見ってものは全くと言って良い程出されていないって事が公平に見るという目線では無くなっているから実は日本人側の立場はハナから弱いんです。そうした徹底的な映像的な操作は悔しいけど上手いんだよね。だから全く捕鯨や捕海豚の実態を全く知らなければコロッとだまされると思います。さらに、この映画は捕海豚の反対を明確に謳っている映画なので、そこだけを見れば良い映画って事になるかもしれない。基本的には自分たちの活動の正当性とその活躍(?)ばかりで、やっている事の半分くらいは正当性を欠く映像ですね。 但し、ここは誤解しないで欲しいのだけど、この映画は、映像的には良いかもしれないけど、内容的に正しいとは必ずしも言えないという事ですね。例えば、事前の話としては、海豚の肉は水銀濃度が高いから食肉としての危険を警告するものだという、この映画の主人公のリック・オバリーの話があったと思うのですが、そんな話は映画の中では、1割も出てきません。主張する方法も意図的に操作されている箇所もあって、大した主張では無いんですよ。むしろ、海豚に対しての感情的な意見など、彼らの一方的な都合でしか主張が展開されていないという点で、その意味ではかなり視聴者のインテリジェンスが試される映画ではあります。また、こういう映画ではよく使われる手法ではあるけど、騙し討ちや姑息な手を遣っているっていう点で、過去のドキュメンタリー映画と比較しても、出来は正直良くは無いですね。むしろ、この撮影をする為に色々と工夫をしたり夜中に人目を避けながら準備をするシーンを見ていると、やり方としてお粗末さみたいな物を感じられますしね。 基本的には見て欲しいという意味で6点を付けさせて頂きますが、映画的には2点、内容は1点が良いとこかな。 [映画館(字幕)] 6点(2010-09-12 08:43:12) |
13. さんかく
面白いのだけど、なんか腑に落ちない。 メインの3人は物凄く良いのだけど、脇がグズグズで、もうちょっとこの辺を何とかしたら名作にもなり得たと思うのだけど、ちょっと中途半端かな。シナリオ的には最初の数十分を見てしまって後半が予想出来ちゃうほどのペラペラ感があります。まぁ、これが現代の若者の感覚や感情にマッチするって事なのかな?役者的には小野恵令奈って言うんですか?あの妹役の子は。演技は兎も角、中途半端な美人って感じがとても子供っぽくて良かったと思います。演技の面では高岡蒼甫と田畑智子がちょっと今まで観た事の無い様な演技で非常に良かったと思います。 [映画館(邦画)] 6点(2010-09-04 15:25:24) |
14. 「さよなら」の女たち
「恋する女たち」が面白かったから、これも監督が同じなんで面白いかな、と思ってみたのだけど、全く違いました。コミカル(というか、ドタバタの方が近いかな)に仕上げていて、やたらと展開が速いのだけど、その分面白さを感じる事が出来なかったですね。アイドル映画と見ても中途半端だし、ドタバタとしても中途半端なんで、眠くもならないけど、面白くも無い。そんな感じかな。 [映画館(邦画)] 5点(2010-07-11 11:43:46) |
15. 砂漠の戦場 エル・アラメン
いわゆる、”マカカロニ・コンバット”のひとつなんだけど、これは良いですよ。世間的にはボロカスに言われるイタリア軍で唯一ドイツ軍からも絶対的な信頼を受けた”ファゴーレ”空挺団の奮闘が描かれてます。ストーリーもこの手の映画ではかなり秀逸な部類に入るでしょう。なんか物凄くリアルな感じがすると思ったら、兵装は殆どが実物です。カーロ・アルマートやセボメンテの実物を拝めるのは信じられませんでした。イタリア軍がこれだけ格好良く描かれた映画は皆無なので、イタリア軍好きには是非とも見て欲しいですね。 [DVD(字幕)] 9点(2006-02-14 17:54:02) |
16. 西遊記(1960)
25年ぐらい前にテレビで見て、面白かったと印象を引っ張り続けて、最近になって久々にDVDで見ました。 最初に見たときの印象はとにかく綺麗、と言う言葉に尽きます。ストーリーに真新しいものは無くて(あたりまえ)、展開はミュージカル、というより戯曲的なんでしょうか、音楽に誘導されてる感じが強いのだけど、決して不快じゃないんですよ。物語もあらかた判っているけど、丁度良い具合に沙悟浄と猪八戒が崩れていて、それが面白いなぁ、って思っていました。「ぼくの孫悟空」が元なんですか、それは知らなかったけど、なるほど、思えば手塚的なギャグの書き方がされてるのかな、と言う感じでしょうか。改めて見直したら、かなり古くさい印象を受けるかな、とも思いましたが、意外な事に古くささを感じてないあたしが居て、なんとも奇妙な感じがあります。 個人的には今でも凄く面白いと思うけど、今のアニメに慣れてしまった人だと、このアニメーションの面白さとか良さは伝わり難いかも知れないですね。 [DVD(字幕)] 8点(2005-06-07 19:40:58) |
17. サイレントメビウス
ファンにはたまらない映画なんだろうね。あたしも漫画は読んでたけどこっちはどうも中途半端な感じがありすぎてこれ以上の採点は残念だけど出来ません。 5点(2003-07-04 21:52:30) |
18. 最前線物語
けして出来の良い映画じゃないけど、だから故に変なリアリティがありましたよね。マーク・ハミルの成長が著しいと感じました。【Y-N】さんも書いてますけど、ホントに表情が良いですよ。 8点(2002-10-18 22:49:16) |
19. 猿の惑星・征服
この映画はなんかやっつけ仕事にしか見えなかった映画ですね。この映画を見たのはもう15年以上前なんだけど、今見たら違った風に見えるでしょうか? 5点(2002-10-18 22:12:46) |
20. ザ・ワン
同時に見た映画が「少林サッカー」という事もありまして、なんだか非常にワイヤーアクションの使い方を間違えてる感じがありました。リー・リンチェイじゃねぇ、ジェット・リーは何作か悪役をこなした影響か演技がかなり自然な感じになってよかったですね。それと久々にカンフーアクションって感じの彼の技術もふんだんに見せていただいたのはよかったかな。 5点(2002-06-09 13:49:49) |