1. シャーロットのおくりもの(2006)
最初に「シャーロットのおくりもの」のオリジナルアニメを見たときは大変感動した。これはすばらしい物語であり、原作がたくさんの国のことばに翻訳されベストセラーになるわけだと思ったのだが、この映画ではそれがまったく感じられない。ひとつにはCGが発達したせいか、蜘蛛は蜘蛛、豚は豚であまりにもリアル過ぎて愛着がわかないからかもしれない。蜘蛛が巣をはるようすなどは教育テレビの生物の時間みたいだし、かと思うとストリーは非常に幼児っぽく見えたり、アンバランス。 [DVD(吹替)] 4点(2015-05-05 15:17:42) |
2. シモーヌ
CG女優とは恐れ入った。アイデアが良く実におもしろい。ただシモーヌがそんなに魅力的かは疑問、私としては娘役のエヴァン・レイチェル・ウッドの方が清純で可愛く見えるけど・・・。ところでシモーヌはシミュレーション・ワンの省略形なのか、映画の中でもIは1、Oは0になっているのがいかにもコンピュータ的。 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-11 03:39:09) |
3. 白い犬とワルツを(2002)
予告編が良かったし原作の物語にも興味を惹かれたので見てみた。オープニングのピアノ音楽も良いし、自然に囲まれた村の風景も良い。妻に先立たれた男と娘たち、さぞ感動作かと期待したけどその後がどうも良くない。テーマの白い犬もパッとしないし、在日どうこうというのも物語にあまり関係ないように思える。犬も主人公にだけしか見えないはずだつたのにそれも後半あやしい。死の間際に言った「三人」が誰々をさすのか、どんな意味を持つのかよくわからなかった。 [DVD(邦画)] 5点(2014-09-03 10:00:26) |
4. ジョゼと虎と魚たち(2003)
ジョゼの祖母が死んだと聞かされたとき、私も恒夫同様跳んでいっただろうと思う。今でさえ誰かが車いす(買えないので乳母車)に乗せてくれなければ外出できないのに、側に誰もいないとなるとどんなに不自由だろう。(乳もみゴミ出しは妙にリアル)しかしジョゼは平然、元々海の底にいる者はそこにとどまる限り何の不自由もないのかもしれない。タイトルは何これという奇抜なものだったけど、中身はとても純粋でリアルで切ないものだった。これだけ強く印象に残った映画は他にはあまりない。 [DVD(邦画)] 9点(2014-07-19 21:30:29) |
5. 重力ピエロ
レイプ犯と放火犯か、ミステリーとしてはずいぶんこじつけたようなところもあったけど、ドラマとしては結構おもしろかった。遺伝子のA・T・C・Gがどうこうのはちとむずかしかったけど、落書きのアートは芸術的、消すのがもったいない。 [DVD(邦画)] 6点(2014-04-09 11:27:35) |
6. ジェーン・バーキンのサーカス・ストーリー
大人の愛と言えば聞こえはよいが、魅力的で話題を呼んだジェーン・バーキンもすっかり老け込んでしまった。その分どうしても映画が退屈に思える。皿を割る寸劇などサーカス部分にはおもしろいところもあるのだが・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2013-09-24 06:57:55) |
7. ショコラ(2000)
心温まる名作、「北風と太陽」ならぬ「北風とチョコレート」だった。シザーハンズのような雰囲気も良いし、音楽も好き。いかにも古いメルヘンチックな幻想を抱かせる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-05-18 21:31:29) |
8. しゃべれども しゃべれども
十河のムスッとした顔が饅頭よりこわかったけど、落語の世界がよくわかっておもしろかった。点数は少々甘いが、村林に免じて7点。 [DVD(邦画)] 7点(2013-03-25 08:58:06) |
9. 少女 an adolescent
ここまで常識を覆した映画はめずらしい。好き嫌いは抜きにして、だからこそ存在価値のある映画だと思う。ちょっとばかしレオンに似ているかなと思ったら、フランス映画への思いが込められていたという。それで少しばかり納得。演じる方も大変だったろうと思う。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-08-25 20:04:07) |
10. シルヴィア
芸術家であればあるほど、神経は繊細で感情は激しいものらしい。ましてや詩人となるとそれがもっと顕著に現れるのではなかろうか。自分自身が何者かを自ら問い、絶望のどん底に自らを突き落とす、そういう芸術家も過去にたくさんいたことだろう。 詩人シルヴィア・プラスもまたそういう芸術家を思わせる。映画の中の作品評でも、すばらしいと恐ろしいが一体となっていた。彼女がなぜ自殺に至ったかは私みたいな凡人には到底理解はできないが、激しく生きた人だったに違いないと思う。 映画の中のグウィネス・パルトロウは、そのシルヴィアになりきっていたといって過言ではないだろう。見事なまでの演技だと思う。 ところでシルヴィアの母親役のブライス・ダナーだがグウィネスと目のあたりがよく似ていると思ったら、本当の親子だったとは・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2012-08-08 16:41:21) |
11. シムソンズ
映画も良かったけど、カーリングのおもしろさやチームワークの大切さも改めて教えられた。カーリング日本女子チームがんばれと応援したい。 [DVD(邦画)] 7点(2012-07-13 22:27:31) |
12. 上海の伯爵夫人
代表作「日の名残り」を初め数々の賞に輝いたカズオ・イシグロ氏の脚本だけあって、実に見応えのある映画だ。上海事変という日本軍の中国侵略を背景に、地元中国の人のみならず、上海に難を逃れて人たちの運命をも描いているが、歴史劇とロマンスのバランスもとれている。 盲目になったジャクソンが戦乱の街をさまようなどやや無謀とも思われる筋書きもあるが、ドラマだから許そう。しかし中国が舞台なのだからもっと中国人を活躍させて良かったのでは・・・。映画ではその他大勢に扱われいる。 この映画はロシア風、中国風、欧州風と音楽や舞踏など、いろいろな文化が入り交じり、混乱の中国をうまく描いていて、もっと評価されてよい映画だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-27 22:03:47) |
13. シカゴ(2002)
歌と踊りは大変素晴らしい。本職のダンサーや歌手に混じって、経験を積んだキャサリン・ゼタ=ジョーンズと訓練を受けたレネー・ゼルウィガーが健闘、アカデミー賞を受賞したかノミネートだけに終わったかは経験の差か。 金さえあれば黒も白になるというストーリーは好きではないが、米国社会に対する皮肉を込めたものと捉えれば悪くはない。 [DVD(字幕)] 6点(2012-05-06 10:09:07) |
14. 精霊流し
さだまさしのグレープ時代の「精霊流し」は、たしかに名曲だと思うし、私も大変好きだ。しかし映画「精霊流し」は、さだまさしの自伝とも言えるのにどうも好きでないし、駄作にしか思えない。原作が悪いのか、脚本か、監督か、演じているキャストが悪いのか、何かはわからないがぴんとこない。思いは語られているようには思えるが、伝わってこないのだ。 [DVD(邦画)] 4点(2012-04-25 03:34:41) |
15. 7月24日通りのクリスマス
中盤完全な中だるみ、リスボンの町でなければ、長崎の町でなければ、中谷美紀でなければ、途中で見るのを止めていただろう。 あーあ、くたびれた。 [DVD(邦画)] 3点(2012-04-23 20:51:27) |
16. シャーロット・グレイ
ナチスドイツ侵攻によって二分された第2次世界大戦下のフランス。南部ヴィシー政府はドイツ傀儡政権、ナチス寄り政策を進めると共にユダヤ人検挙も積極的に行った。それに反発する市民や左翼はレジスタンスとして政府に立ち向かった時代である。 シャーロットはそんな政治的関心があるわけではなく、ごく普通の看護婦であったのだが、フランス語が堪能だったことと愛する男を追って、レジスタンスの一員となる。映画はそういう激動の時代の中で、強く生きるシャーロットの生き様とロマンスを見事に描いている。 主役を演じたケイト・ブランシェットは実にすばらしい。エリザベス女王に限らず彼女が演じたどの役柄にも存在感を示してくれる。一方でまた、ジュリアンの父を演じたマイケル・ガンボンもまた良い味を出している。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-12 18:03:04) |
17. 人生は、時々晴れ
終盤になってようやく光が見えたかなという感じで、全体を通じて湿っぽく、イジイジした感じだった。何度「クソッ」という言葉があっただろうか。 [DVD(字幕)] 4点(2012-04-12 14:25:01) |
18. シャーロック・ホームズ(2009)
少年時代に慣れ親しんだシャーロック・ホームズとはまったく違う映画だった。ユーモアとミステリーの世界から、ホームズやワトソンの名前を借りただけのアクション映画の世界に飛び込んでしまった。ミステリーとしてはお粗末そのもの、昔見たロバート・スティーヴンスのホームズがなつかしい。 [地上波(吹替)] 2点(2012-03-20 10:00:13) |
19. JSA
最初は38度線で、こんな友情が生まれるはずはないと思いつつも、後ではこれが切なく、祖国を二つに分けられた悲しい定めと統一への願望かと感じるものがあった。そしてよく顔ぶれを見るとソン・ガンホを初めイ・ビョンホン、イ・ヨンエと大物スターの勢揃いにびっくり。イ・ヨンエはもったいないほどの美しさだった。 事件の核心部分についてはいまいち理解できてないところもあるが、ま、いいだろう。 [DVD(字幕)] 7点(2012-03-06 19:22:52) |
20. 四月の雪
《ネタバレ》 名作「八月のクリスマス」を作ったホ・ジノ監督らしい、すばらしい映画だった。ストーリーはゆっくりとそしてきわめて静かに進んでいく。この監督は男女の微妙な感情を実に見事に描き出すが、他の監督では決してこのような映画は生まれなかっただろうと思う。 「四月の雪」タイトルこそ「八月のクリスマス」と同様な季節外れの名前だが、これが実に意味深長なものがある。伏線になるのが二人の会話、片方が「春」もう片方が「冬」が好きだと言う。そして「春に雪が降れば良いのに・・・」と続く。この現実起こることがなさそうなことが、映画のラスト起こる。それで結末は十分にわかるので、少なくともラストに関しては完全版よりこっちの方が良いはず。 重ね重ねだが、ラストシーンの雪の映像は実にきれいで印象的だ。 [DVD(字幕)] 8点(2012-03-03 14:23:42) |