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anemoneさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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21.  シャフト(2000)
確かに私は一般の人に比べて著しく記憶力に劣る方ですが、それにしてもこれだけサミュエル・L・ジャクソンを愛しているのにシーンの断片すら思い出せないとは尋常ではないと思います。予告編の方がよっぽど記憶に残っています。愛する人が出ている以上、劇場で居眠りなんかしていたはずはないのですが。覚えているのはただ、帰り道の足取りが重かったことだけです。ストーリーってあったんでしたっけ。
1点(2003-12-29 12:31:20)
22.  ジャンヌ・ダルク(1999)
フランスが誇る不滅のヒロイン、ジャンヌ・ダルクを敢えて祈祷性精神病患者の疑惑を漂わせて描いたのがリュック・ベッソンだったというのが面白い。これをフランス人以外の人がやっちゃったら大変ですよ。実際のジャンヌ・ダルクが本当に神のお告げを聞いたのか?それとも単なるイカれた姉ちゃんだったのか?というある種のタブーを取り上げた、非常に興味深い映画だったと思います。ただし私は異常に戦争映画が好きなので、この映画でもジャンヌが「Follow me!」と叫んでダーッと軍隊の先陣を切るところですっかりコーフンしてしまい、必要以上に面白がってしまったという意味では公平な判断が出来ているのかどうかもう一つ自信がありません。女性が軍隊を率いて闘う戦争映画って普通あんまり観られませんので、戦争映画好きの女性という立場からはこれがそこそこ面白いのは当然なのではないかと。ただし後半、妄想なのか神なのかはっきりしないダスティン・ホフマンの執拗なささやきなんかは、あーこれは狂気を扱った映画なんだと気づいてちゃんとそれなりに興味を持続できました。おそらくこの映画では、ジャンヌ・ダルク精神病患者説を主に主張していると思えるのですが、それで勝てちゃうプラシーボ効果みたいなものもまた否定できない事象ではあるので、歴史物としても戦争物としても、ある程度のクォリティは保てていると思います。実は私、公開当時この映画が気に入って3回観ました。後で周りの評判を聞いたらすごく悪かったので驚きましたが、よっぽどウマが合ってしまったのでしょうか。
8点(2003-12-20 03:51:11)(良:2票)
23.  死の接吻(1991)
へちょちょ星人さんのコメントに著しく同意。原作を読んだことのある方なら見るまでもなくおわかりでしょうが、はっきり言ってこの小説を映像化するのは無理。「映像化不可能」という売り文句を良く見かけるが、そういう次元ではなくもう物理的に絶対無理。ひょっとしたら原作に忠実に撮るという道もなくはなかったかも知れないけど、実はこの小説、アイラ・レヴィンが映画界に仕掛けた挑戦状だったような気がする。「絶対に、映画化できない小説を書いてやれ」と思って書いたような作品なのに、これを映画化するなんて無謀にもほどがある。それでもやっちゃった人たちの厚顔無恥ぶりと勇気と根性には敬意を表する。本当にもう、誰か止めてあげる人はいなかったんだろうか。マット・ディロンに3点。
3点(2003-12-20 03:32:01)
24.  シド・アンド・ナンシー
これはイタかったですねぇ。私はシド・ビシャスにもセックス・ピストルズにもなぁ~んの思い入れもない単なる映画ファンですが、こういうあからさまな泥沼系は決して嫌いじゃないです。この話は絶対に浮かんで行かないことが保証されている泥沼なので、まさに泥沼中の泥沼という意味で胃の痛くなるような辛さを感じました。真実についてはもはや想像するしかないわけですが、私の想像では、この映画に描かれたシドはファンが想像するよりショボいですが、実際よりはたぶん美しく描かれているんじゃないかと思いますよ。この時代のロックってそういう世界ですよね。筋金入りのダメ人間が、不幸な偶然の導きで神がかった存在にまで押し上げられてしまう。でも当人は神様でも何でもないタダの生身の人間ですから、そのジレンマに押しつぶされて行くわけですよね。そういう世界で運命の波を上手に泳ぎ渡って行く人たち、たとえばミック・ジャガーみたいな人って、本当にタフな精神の持ち主で、もちろん相当頭も良いんだろうな、と思います。最近ではロックの世界にも最初から頭良くないとなかなか入って来られないようになって来ましたが、創成期にはこういう不幸な人たちが多かったみたいですね。
6点(2003-12-20 03:22:30)(良:1票)
25.  地獄の逃避行
あーこれ、デビュー作だったんですか?国内ではもう全然ビデオが手に入らないんで、アメリカ行った時にテレビで観ました。シシー・スペイセクとマーチン・シーン、この後長らくサイコ役者で生きて行く羽目になった理由が非常に良く理解できました。映画史上稀に見る境界性人格障害者ですね。もう目がイッちゃってますもん。正直私は今でもシシー・スペイセクという女優さんって、演技に道を見出してなかったらただの境界線上の人だったんじゃないかと思っています。演技をするということはある意味、祈祷性精神病に近い物がありますよね。たとえば恐山のイタコなんかね、死者の声を聞いてその声で語るみたいなところは、要するに俳優業と本質的には一緒なんじゃないのかな。そういう意味では、シシー・スペイセクって生まれて来る時代を間違えなくて良かったですよね。この人、中世ヨーロッパに生まれていたら間違いなく魔女狩りに遭って処刑されてます。でもオスカーの授賞式にスーツで来るのはちょっとイタダケないですね。やっぱり本業はイタコじゃなくて女優なんですから。
7点(2003-12-20 03:07:11)
26.  地獄の黙示録
フランシス・フォード・コッポラにやりたい放題やらせちゃイケナイ、とハリウッドが悟るには充分な映画でしたね。でも突き抜けたおバカさ感があって私は好き。これ本当にやっちゃうんだから、やっぱりコッポラって相当な映画バカでしょう。作品としてまとまりに欠けるとか、言いたいことがちゃんと言えてないとか、とにかくもうありとあらゆる欠点だらけの映画なんだけど、監督の「誰が何と言おうとオレはこれがやりたいんだぁ~~~っ」という有無を言わせぬイキオイがガンガン伝わって来るので気の弱い私なんかうっかりゴメンナサイとか言ってしまう。これはそういう映画なんであって、シナリオ作法の教室にこれを持ってったら落第食らうのは必至。でもね、こういうクレイジーなことが出来た頃のコッポラってやっぱりステキだったんですよ。私にとってジゴモクって、横山ヤスシの漫才と一緒。さすがに当人も凝りたのか、その後あんまり大バカはやらかしてないみたいだけど、守りに入っちゃったなぁおとーちゃん。という感じですね。この映画、必要悪と違いますか?
8点(2003-12-20 02:49:42)
27.  潮風のいたずら
ロマンチック・コメディとしては、これを超える作品には滅多にお目にかかれていない。いくら記憶を失くしたからって、あれほどの高慢ちきがあそこまで劇的にイイ人になってしまうなんてちょっとあり得ないとは思うけど、そこはファンタジー。ゴールディ・ホーンが大きな目をギョロつかせながら、悪ガキたちを相手に悪戦苦闘する様は楽しい。最悪な性格だった彼女の中にも、密かに眠っていた母性があって、いつの間にか子供たちを守るスーパーお母さんに成長して行くという設定も楽しい。対するカート・ラッセルの無骨で無教養な大工も、実は人間味溢れる優しくてタフな男だったりする価値観の逆転ぶりが面白い。コミカルにハートウォーミングに笑いを取りながらも、さりげな~く「人間ってお金や学歴じゃないんだよ」という深遠なメッセージを混ぜ込んでいて全然押しつけがましくないところにも好感が持てる。四の五の理屈をこねるような作品ではないのだろうが、こういう楽しくて心も暖まり、なおかつこっそり良いメッセージの隠された作品って私は大好き。だってやっぱり映画って楽しい方がいいでしょ。
10点(2003-12-20 02:41:16)(良:1票)
28.  市民ケーン
天邪鬼な私としては、誉めなきゃいけない義務感に負けたような気がして非常に悔しいところなのだが、正直、この作品にはごめんなさいと言おう。負けました。確かに傑作だと思います。何しろ映像が恐ろしいくらい凄い。この作品が1941年に撮られたということを抜きにして考えても、やっぱりこれは凄い。ということは、1941年に撮られたということを考慮に入れたらもう、想像を絶するくらい凄い。綺麗なパンフォーカス。白い壁。薄靄の中に佇む豪邸。何もかもが凄い。決して観客に媚びず、着いて来たい者だけ来なさい、というスタンスで物語を運びながら、嫌でも食いついて行かされてしまうストーリーも凄い。こういうエネルギーって、傑作と言われる作品を観ていても滅多に感じられるものではない。あまりにも多くの人から、長い間傑作と絶賛され続けている作品。こういう作品を誉めることはまったく本意ではないのだが、いかに天邪鬼な私でも、この作品に意地悪なツッコミを入れられる余地が全然見つけられないのは悔しさの極みでもある。でも凄い。「完璧な映画」はあり得ないというのが私の持論であるが、この映画は少なくともそれに限りなく近いと言えるだけのものは持っている。映画を発明した人々がこの作品を観たら、自分たちの仕事には間違いなく意義があったと、きっと泣いて喜ぶだろう。この作品のためだけにでも、映画は存在した価値がある。
10点(2003-12-20 02:31:12)(良:2票)
29.  十戒(1956)
手っとり早く旧約聖書をダイジェストで理解するにはもってこいの作品。一度は見ておいて損はないと思うけど、いかんせん現代のスピード化社会においてはこれでも長い。おもしろいとかつまんないとかいう以前に、教養として身につけておくのも悪くないとは思う。何度観ても、かの有名な海の割れるシーンは圧巻だと思うし、長い映画を我慢して観続けた結果あのシーンにたどり着けたという一つのカタルシスは味わえる。だから何なのよ、って言われたらミもフタもないのだけど・・・特に宗教観を養うとかいう目的でなく、洋画を楽しむ上では根底に横たわる彼らにとっての「常識」をさらっておくのもまたよろしいかと。
6点(2003-12-18 01:21:00)
30.  ジミー・ハリウッド
実は私、この映画大好きなんです。誰が見たってスターには見えないのに、涙ぐましいぐらい一途にスターを目指しているジョー・ペシ。何故か彼を一途に慕っていて、どう見てもアタマの弱いクリスチャン・スレイター。冷静に見るとかなりイタい二人なのに、空回るジョー・ペシの奮闘ぶりと、意味不明のコトバを発するスレイターのボケぶりが不思議と和むんですよね。音楽を元ザ・バンドのロビー・ロバートソンが手がけていて、全体にミスマッチなBGMも上手くハズしてるな~と感心します。これ、計算じゃなくて偶然だったら大笑いなんですけど、狙いすぎずギリギリの線でズレている感じが、ハマる人にはけっこうハマるんじゃないかと思います。「キカ」のビクトリア・エイブリル、たぶんこれがハリウッドデビューじゃないかと思うんですが、一体なんでまたこんな作品を選んじゃったの!?と、これも妙にオチていて笑えたりします。シナリオがさりげなく上手いです。「イタい」が芸になるって、やっぱりジョー・ペシ半端じゃないですよ。
7点(2003-12-17 02:12:29)
31.  ジョニーは戦場へ行った
ダルトン・トランボについては既に多くの方が語っておられるので私ごときに付け足せるものは何もない。この映画について言えることは、とにかく他のどんな「傑作」と比べても、一度は必ず観ておくべき作品であること。私は25年前にこれを観た。そして、それから25年間、この映画に出会えたことを感謝しない日はないし、もう1度この映画を観たいと思ったこともない。2度3度、繰り返してこの映画を観られる人は、人なみ外れた強靭な精神力の持ち主だろう。少なくとも私自身に関しては、もう2度とこの映画を直視できる勇気がない。それほどこの映画の放つメッセージは痛烈であり、はっきりとした胸の「痛み」として突き刺さって来る。これまで何度も、イヤというほど「衝撃の」という宣伝文句を聞かされて来たが、どの衝撃もこの映画に比べれば蚊に刺された程度のものでしかない。阪神淡路大震災の死者が6千人。911テロの犠牲者が3千人。その1人1人に家族があり思い出や将来の夢があり、顔を見たかったわが子や孫があり、あらゆる人生にかけがえのない重さがあることを、この映画は必死で私たちに訴えかけて来る。数多くの作品を残す機会に恵まれなかったトランボは、残り少ない人生の中でそれほど沢山の映画が作れるわけではないことを承知の上でこの作品を撮った。彼がその人生の中で語りたかったことを全て、余すことなく描き切りたかったその情熱が、この映画には凝縮された怨念のようにきっちりと封じ込まれている。ジョニーは銃を取った。それが別の時代、別の国なら、あなたも私もみんな、顔もない、名前もない、黙って死んで行くしかない「死者ン千人」の1人だったかも知れない。【追記】かくして25年間1度もリピートしていないので記憶が定かでないのですが、最後のモールス信号は「SOS HELP ME」ではなかったですか?字幕ではそう出ていたように思うのですが。実際には「KILL ME」だったとか?
10点(2003-12-14 18:59:39)(良:1票)
32.  ジェイコブス・ラダー(1990) 《ネタバレ》 
ウーン。これ微妙にあざとくないですかね?なんか最後の最後になって、本当のジャンルはこうだよ、って言われてるみたいな。そういう映画だと思ってなくて、真面目なミステリーと思って観てたらガチョン。な映画でした。オチの寸前までかなり盛り上がってて楽しく観てたのに脱力しました。じゃあつまんないのか、って言われたらそうとも言い切れないところが私も甘いですが。良く出来たネタ物って、爽快なヤラレタ感があるものなんですが、この作品には「ほー。そう来るか」って敵意がメラメラしただけでした。やるならやるで、正々堂々と正面からかかって来い!と思いますね。でも最初からそう言われてたらわざわざ観なかったかも。やっぱりずるいよこれ。
7点(2003-12-14 03:56:53)(良:1票)
33.  七年目の浮気
男性諸君にはたまらない話なのでしょうが、特にフェミニズムに関心のない私ですら、これはちょっとという感じ。ビリー・ワイルダー監督にしては、ギャグもすべってる気もするし、マリリン・モンローのとびきり可愛い姿が見たいぞ、という向きにはお勧めできるがだから何なんだ感は否めない。だいたいマリリン・モンローがキレイで可愛いなんてあったりまえの話なわけで、だからこそ成立している映画なんだろうけど、見た目と違って実は知的で頭の良い女性だった、という説が有力になった没後ン十年にこれを見ると、もう痛々しさしか感じられないですよね。銀幕史上屈指の美女なわけだから、あれこれ取り沙汰されるのも無理のないことかも知れないし、本人に会って確かめることができない以上、本当にバカじゃなかったかどうかなんて今さらわかるワケないんだけど、不幸な境遇から這い上がってセックスシンボルというイメージとのギャップに苦しんで、何度も結婚と離婚を繰り返して死ぬまで愛に飢えていた薄幸の女優、というイメージが一度定着してしまうと、こういうシンボリックな役柄こそ彼女を追い詰めた元凶という感じがしてしまって素直に受け止められないのも事実。したがってこの作品を正当に評価するのは、少なくとも没後の現在になって初めて観る世代には不可能。ただしマリリン・モンローは文句なく可愛い。だから何なんだ。
6点(2003-12-11 01:18:11)
34.  シャイニング(1980) 《ネタバレ》 
映画と小説は別、なんてキレイごとは言っていても、なんとなく中途半端に原作と繋がってしまっている映画が多い中で、映画が原作を離れて独り立ちした非常に稀少な作品。まあキューブリックはこれが多いが。原作のエピソードをそのまま使っている部分もけっこうあるわりに、原作の意図したところと完全に別の方向に向かっちゃっているあたりは、あっぱれと言うより他にない。原作もコワイが映画も立派にコワイ、なおかつ両方のベクトルが全然別の方向を向いているのはスゴイ。だいたいキューブリックという人はかなり茶目っ気のある人で、折々のトップスターを主役に持って来て話題騒然なテーマをぶつけて来る遊び心たっぷりな監督であるわりに、映画が独特の重厚感を持ってズシンと迫って来るギャップが凄いんだけど、たぶんこの作品も「ジャック・ニコルソン主演でホラー映画を撮っちゃおう」という楽しいアイデアから出発したはず。斧持って走り回るジャック・ニコルソンはとてつもなくおっそろしいし、逃げ回るタリア・シャイアの表情もおっそろしい。無表情な双子が放つ「Hello, Danny.」は当時ちょっとした流行語になるほどコワかったし、「REDRUM」はアマチュアバンドのバンド名として引っ張りダコになった。とにかく冒頭、コロラド山脈をのろのろと登って行く黄色いフォルクスワーゲンひとつであれだけコワイというのは既に名人芸と言って良いだろう。ワケもわからず巻き込まれるスキャットマン・クローザースの存在感も無駄にコワイし、キューブリックがホラーをとことん笑った映画と考えればこれは傑作の域に入るのではないか。
9点(2003-12-07 14:06:57)(良:2票)
35.  白い家の少女
原作者自らシナリオを書いているのだからギャップが少ないのは当たり前だが、小説から喚起されるイメージがここまで裏切られないというのは極めて稀少な例と言えるだろう。少女役のジョディ・フォスターも彼女がモデルではないかと思えるほどのハマり役。美しいカナダの田舎町を舞台に、父親の死を隠して一人で暮らす少女の孤独な日々と彼女に思いを寄せる若者の幼い恋、そして彼女が自由を守り抜くために犯して行く殺人を、ショパンのピアノ曲に乗せて綴る異色サスペンス。詩的な情景、甘酸っぱい初恋の香りと、連続殺人という極めて異質な組み合わせが、何故か不思議なノスタルジーをかもし出す、どこまでも美しい映画。秋の夜長にビデオ鑑賞を決め込むには、なかなか味わい深い作品かも知れない。
8点(2003-12-06 01:14:22)
36.  JAWS/ジョーズ
弱冠25歳の若者が撮った、という点を除外して考えても、パニック映画史上でトップレベルのクォリティを誇る作品。姿の見えない巨大サメの影に脅える夏の海水浴場を舞台に、次々と無残な死体をさらし、泣き叫ぶ人々が恐怖に駆られて走り回る前半。孤高の漁師クイントを軸に、科学武装をした青二才の学者と水面恐怖症の警察署長という奇妙なメンバーで大海原をサメ退治に乗り出す後半。老練な漁師は海の男の哲学を語り、水に脅えていた警察署長は英知を駆使して巨大な敵に立ち向かう勇気を手にする。時にはコミカルに、時には壮絶な戦いの姿を、絶妙のバランスで組み合わせたこの作品が、この後どれだけの亜流を生み出したかを考えれば、アニマルパニックという分野を確立するにまで至ったこの作品への支持の高さが伺い知れるというものだろう。実際、この作品から後数年に渡り、クマ、タコ、ワニ、ゴリラなどあらゆる生き物が様々な理由で巨大化し、世界中が巨大生物に湧きに湧いた。こういうことを日本で25歳の若者がやろうとしたら、必ずこの道30年とかいうカメラマンなどが我が物顔で現場を乗っ取り、監督にうるさく指示を出して映画をメチャメチャにしてしまうのだが、そこは分業意識の徹底したアメリカ。スピルバーグの天才ブリもさることながら、アメリカという国の持つ合理性、プロ意識というものにつくづく考えさせられる作品でもある。上昇志向の感じられた頃のスピルバーグは、今とは完全に別人であると言って良いと思うけれど、この頃の活躍はやっぱり無視できないんじゃないだろうか。
9点(2003-12-05 02:04:10)(良:2票)
37.  ジャイアンツ 《ネタバレ》 
伝説のスター、ジェームス・ディーンの遺作として余りにも有名な作品だが、個人的には初の本格的映画として評価したい。この作品で見せたジェームス・ディーンの素晴らしい演技力は、単なるアイドルにとどまらず、彼が無限の可能性を秘めた演技者であったことをうかがわせるには充分である。正直なところ、この人がこの若さで急逝しなければ、あの人やこの人や、何人もの「大物」が現在の地位を保っていたかどうかは怪しい。死ぬことによって伝説となったスターは多いが、死ななくても伝説となり得たのではないかと想像できる数少ないスターである。アメリカン・ドリームの体現者として富を掴んだ貧しい牧童は、ついにその人生で手に入れることのできなかった愛だけをいつまでも望み続ける。努力や勇気こそが報われる道であると説き続けて来たアメリカの正論を、踏みにじるのがこの映画だ。愛こそが人生で手に入る唯一にして最高のものであるという少々使い古された感はあるが、富や名声だけが人を幸福にするわけではないと歌ったこの作品の精神はやがて次なる世代のアメリカン・ニューシネマに受け継がれて行くことになる。ジェームス・ディーンの前にジェームス・ディーンはなく、ジェームス・ディーンの後にもまたジェームス・ディーンはいない。どんな役者も成し得なかったこの小柄で貧相な演技者の足跡として、忘れることのできない作品である。
10点(2003-12-03 01:44:14)(良:1票)
38.  7月4日に生まれて
これはちょっと評価の難しい作品ですね。映画としてどうなのかと言われれば、特にスゴイところもなければマズイところもないような気がするんだけど・・・時代性をきちんと描こうという監督の姿勢に共感できなければまず、NGでしょう。トム・クルーズが社会派ドラマに挑戦!?というフレコミにビビッてしまい、長年おあずけにしていた作品ですが、恐れていたほど悪くはなかったです。ただメッセージ色が強すぎて、映画自体が見えなくなってしまうところはありますね。オリバー・ストーンの作品ってだいたいそうなんですが。好き嫌いの別れる映画だと思います。私はまあまあ好き、ぐらい。
7点(2003-11-29 18:30:42)
39.  幸福の条件(1993)
「ねぇねぇ、もし100万ドルあげるからエッチしてって言われたらどうするぅ~?」とあちこちで話のタネにはなったが、必ず結論は相手がロバート・レッドフォードならタダでも、というコトになってしまいお話にならなかった。まあそういう映画。
1点(2003-11-29 18:13:21)(笑:1票)
40.  ショート・カッツ
もう一つ、アルトマンの世界には馴染めずにいる私だがこれはそこそこ楽しめた。これが売り物の豪華な顔ぶれも、豪華すぎずでマル。それぞれの個性が微妙に絡み合って、独特の雰囲気をかもし出している。全体の雰囲気もウェルカムなムードで誰にでも入り込みやすい仕掛けになっているし、いろんな意味で楽しい映画だったと素直に思う。何か痛烈なメッセージとか感動を期待するのは難しいが、ひまつぶしにはお勧めの一作。
7点(2003-11-29 17:21:12)
0121.86%
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2172.63%
3264.02%
4304.64%
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710416.10%
813120.28%
910115.63%
108613.31%

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