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よしのぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  新選組(1969) 《ネタバレ》 
実年齢49歳(もっと老けてみえる)の三船が、33歳で死んだ近藤勇を演じる。違和感ばりばりである。他の役も同様で中年の演じる新撰組になっている。そのため総てが嘘っぽく見える。芹沢鴨の役の人は迫真の演技をしている。【史実と違う点】①浪士隊で京都に残ったのは13人ではなく24人(17人説もあり)②壬生浪士組のとき近藤は芹沢に大阪の商人に用は無いといってるが、実際には大坂商家から資金の提供を受けている。③池田屋事件では9名討ち取り4名捕縛。映画では斬りすぎている。④油小路事件で伊東甲子太郎を暗殺したのは近藤勇ではなく大石鍬次郎。⑤近藤勇はお雪(深雪)太夫を身請けしたが、その後妹お考と出来て妾にしている。お雪とはその際200両の手切れ金を払った。お考が近藤を殺そうとした事実は無い。⑥沖田総司は戊辰戦争には参戦せず、江戸で死んだ。⑦映画で近藤はいさぎよく出頭しているが、実際は名前を変えて出頭している。彼の顔を知っている者がいて素性がばれた。
[ビデオ(邦画)] 5点(2011-09-18 05:54:08)
22.  十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 
グロい映画でついていけません。四肢切断など趣味が悪いです。まず言いたいのはあの手の大名はいないということ。江戸後期にもなれば大名はみんな物わかりがよく大人しい。非道の振る舞いをすれば、いくら将軍の弟でも乱心扱いで押し込め隠居させられます。朱子学、儒教に基づいた倫理観(御世道)が許しません。それよりあの大名が剣豪だったら面白いのにと思いました。たいてい馬鹿大名は武道に疎い青瓢箪ですが、その裏をついて欲しかった。そうすればラストの対決は見どころがあった。あっさりを首を刎ねられて残念。面白い性格だったのに。【疑問点】①参勤交代の行列が出発してから何故三日間ものんびりしてたのか?②宿場は公共のもので買い取ることなどできない。毎日何百人も宿泊するのだ。宿場に村人がいないのも変。③大名行列には常に先遣隊がいて、宿泊する陣屋などと打ち合わせをする。先遣隊があの大仕掛けに気づかない筈がない。④当時は家の改修でも役所の承認が必要。大仕掛けを見た誰かが役所に密告する。⑤当時の大名はお金がなくて、江戸に出入りするときと出帰藩するときだけ人足を雇って格式通りの大名行列をするけど、それ以外は少人数だった。途中で手勢を集めたといってるが、どうやったのか。⑥新左衛門は「小細工はここまでだ!」と弓矢攻撃をやめるけど、まだ130人も残っているんだよね。⑦火まみれになって暴れる牛がかわいそう。動物虐待です。⑧山の男が強すぎる。山の男が不死身すぎる。山の男がどうして参加したのか不明。⑨明石藩士達は鉄砲、弓矢、槍を使わないのが不思議。鉄砲手は射られる場面があるが。⑩真っ先に屋根の上に登り、射者をうつべし。⑪街道の両側を塞いだところで、いくらでも脇に抜け道はある。⑫大名暗殺が目的なら行列の伸びきる山中で待ち伏せて鉄砲で狙えば良い。井伊直助暗殺の事例(18名、ピストルを使用)をみてもわかるが側面から襲撃すれば比較的容易い。宿場で待つのは阿呆。全員を殺すのは無駄な殺生で、大名の被害者より人数が多い。⑬新左衛門が大名にわざと刺されるのはどうして?⑭陣笠、編傘などは視界が悪くなるので真っ先にはずす。⑮大罪を犯した武士は類が家族郎党に及ぶので離縁したり、息子と縁を切っておく。⑯四肢切断女の目から流血してるのはなぜだろう。⑰どう考えても明治維新や原子爆弾とは無関係。
[DVD(邦画)] 5点(2011-09-17 04:55:59)(良:2票)
23.  地震列島 《ネタバレ》 
いろんなことに説得力が無い駄目映画。脚本が新藤兼人じゃ仕方が無いか。特撮部分も特に見ごたえなし。◆「30日以内に東京に直下型の大地震が来る」と断言する地震学者川津。だがその根拠がさほど示されない。火山のマグマ溜まりが増えたのと、井戸の水の水位が上がったくらい。これでは単なるはったりだろう。川津の独自理論など用意すべき。◆川津は燃えない車の研究とか、トンネル内での消化方法の研究などをしているが、地震予知学者がどうしてそんなことをするのか理解しがたい。◆総理大臣に提言するのに「日本中の道路を倍に広げて、広げた部分は非常用道路として普段の使用を禁止する」とか無茶言いすぎ!◆川津は地震が来る、地震が来ると騒ぐけれど、結局自分では何の防災もしていないと思われる。それが証拠に自宅が簡単に崩れ落ちてしまったではないか。自分の家くらい耐震設計にしておけよと言いたい。それに知人などには、東京から避難すべきだと警告を発すべきだろう。1人で深刻ぶってるタイプ。◆前半で、学者仲間に理解されない川津の苦悩が描かれる。彼が地震が来ると広く一般に告知し、そしてその通り地震が来れば、彼の苦労も報われるのだが、川津が放送で発表しようとすると政府関係者に拉致されてしまう。結局川津の自説は一般に知られなかった。これでは観客がストレスを持ったままになってしまう。観客は主人公に感情移入するのだから、主人公を活躍されなければダメ。主人公はあくまで英雄タイプであるべき。そして愛する人は一人。単純な設定が望ましい。最後の自己犠牲も中途半端。◆川津には同じ地震所の研究員の富子という愛人がいる。川津の妻は家や子供を顧みない夫と離婚したがっている。富子の幼馴染でルポライターの橋詰は富子を愛している。川津は妻と離婚し、富子と結婚する決意をする。しかし地震で川津と妻の愛情が復活。富子は、命がけで救ってくれた橋詰に愛を感じはじめる。地震パニックものにこんなややこしい昼メロを持ち込んじゃだめでしょ。◆貯水漕に避雷針で雷を呼びこんで爆発させる。避雷針は導雷針なので矛盾はないが、爆発はしないだろう。タワーリング・インフェルノのぱくりだよね。◆予算の関係でパニック群像劇が見られるのはほんのわずかで、自衛隊、警察、消防隊なども一切登場しない。せめて上空から東京の全貌がどうなっているのくらい見せてほしかった。
[DVD(邦画)] 5点(2011-05-11 01:05:01)
24.  地獄の黙示録 特別完全版 《ネタバレ》 
【ウィラード】諜報部隊の暗殺要員。故郷では歓迎されず、妻と離婚、戦場に戻るが、戦争の偽善と欺瞞を知っており、精神を病んでいる。カーツ暗殺を命じられるが、戦争の実態とカーツを知るに従い彼に同情し、心の平衡を保てなくなってゆく。カーツの分身でもある。 【カーツ】エリート軍人で、実績も申し分ない人物。戦地で恐怖と狂気を体験し、魂を病む。ベトコンが躊躇なく子供の腕を切断するのを見て、恐怖の克服の仕方を学ぶ。倫理や道義心など捨ててしまうことだ。それに気づいたとき彼の心は自由となり、軍隊を離れ、王国の支配者となる。そこでは彼は神のように振る舞い、処刑された死体がごろごろ転がっている。生と死の境が曖昧だ。一方で苦悩が消失したわけではない。そこでウィラードに自分を殺させ、自分の物語を息子に伝えてくれることを願い、それを演出する。彼にとって自分の死も取るに足らない。魅力的ですらある。 【感想】戦争はどうして止まないか?それは戦争に美しさがあるからではないか。その命題を誠実に追求して完成させた作品。◆ウィラードが前線に到着してからわずか10分足らずで戦争の凄まじさ、悲惨さ、凶器を表現出来ている。監督の力量に脱帽。キルゴアはカーツの対極にある人物。狂気に苛まれているのは同じだが、戦争を楽しんでいる。まだ心の均衡が保たれている。奥地に進むに従い、狂気と混乱が増す。指揮官が居ない前線、もはや誰と戦っているのさえ不明な混沌。正義も大義も無意味だ。兵士たちは戦争に踏みにじられている。農園を守るフランス人は、自らの正当性を主張するが、すでに敗北は決定している。ウィラードの部下も精神を病み、次々と脱落してゆく。カーツの王国は原始的社会。神話が生きている世界だ。カーツ暗殺は、牛を捌く儀式と並行して描かれる。すなわちカールの死も神に捧げる儀式。カーツが死んで神話が完成した。それが「Apocalypse Now(現代の黙示録)」◆戦争の美しさとは何か?神と一如となる体験かもしれない。人間にその原初的な誘惑があるからこそ、戦争は潜在的に魅力的で、無くなることはないのだ。反戦のための映画ではなく、戦争が存在する根源的理由を抉り出した問題作。戦争の美しさは、導入部のナパーム弾と音楽でエレガントに表現できている。監督の狂気だろう。だが心の平衡を保つためには、時に狂気に触れてみるものいいかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 9点(2011-02-14 14:09:56)(良:2票)
25.  シーラ号の謎 《ネタバレ》 
映画プロデューサーのクリントンは妻を轢き殺した犯人を見つけるために容疑者6人を集め、ゲームを始めた。集まったのは全員が落ち目の映画人で、ゲームの賞品の映画への参加に飛びついた。6人は、それぞれ「前科者」「ホモ」「密告者」「万引き」などと書かれたカードを受け取り、毎日停泊する港に隠された証拠を探し、誰がどのカードを持っているか当てるというもの。ゲームが最後まで進めば犯人が自ずと知れると思えた。だが二日目にしてクリントンが殺害される。犯人を推理する中で脚本家トムの妻リーがシーラを轢き逃げし、逆上してクリントンも殺したと告白。その後自殺を遂げる。事件が解決したかに見えたが、真相は別にあった。メインの犯罪だけでなく、6人の秘密もあり、クリントンのゲームの真意の真相もあり、飽きさせない。アクシデンによる犯行の変更、SHIELAの文字遊び、証拠となる煙草や凶器のアイスピック等にも無理が無い。複数の要素に逆転があり、非常に良く練られた脚本と思う。 ◆最後の謎解きがみんなの前で行わないのが惜しい。みんなが真相に驚くところにカタルシスがあるのだ。船室のインターコムで二人の会話が聞こえていたというオチは見事。 ◆結局真犯人であるトムを警察に突き出すのではなく、リーから受け継ぐ予定の遺産500万ドルで映画を製作するという”ハリウッド的解決”は面白い。真相を暴いたフィリップもクリントンを殺そうと潜水中を狙って船のエンジンをかけたのだから、説得力がある。全員が落ち目の映画人という伏線が効いている。トムは元恋人のアリスと結ばれることを願っていたが、アリスは本気ではなく不倫を楽しみたかっただけだった。クリントンがみんなを集めた真意は、妻の真犯人をつかまえることではなく、6人の秘密を暴いていじめるゲームだった。これもハリウッド的な自虐だろう。 ◆腑に落ちない点もある。休暇で地中海クルージングは分るが、大の大人が六日もかけたゲーム遊びに熱中するかということ。しかも大層なお金と手間暇がかかっている。お金持ちのやることは分らないね。それとリーがクリントンを殺した(ように見えた)シーン。逆上したとしても、あの場面である必然はなかった。フィリップが船室を点滅させてトムをおびき寄せるのはやや不自然。
[DVD(字幕)] 8点(2011-02-12 07:44:39)
26.  ジャガーノート 《ネタバレ》 
爆弾処理のサスペンスもの、同時に進む犯人探しの捜査もあざやか。構成は合格だ。だが残念に思えるところが多い。第一に伏線が活かされていない。乗船に脱落した海軍のメンバーに変わって船員が参加するが、その後活躍しない。船員の嘘を見破った町長も、結局何の活躍もしない。浮気したことあるのと奥さんに問われるが、あの奥さんじゃ誰だって浮気したくなると思うよ。捜査員の一人の家族が船に乗っている。彼の苦悩が思いやられるが、さほどの心情も表わさず普通に心配するだけ。これらはもったいないですね。彼らをヒーローに仕立ててこそ映画は面白くなるというもの。第二に演出の問題。子供が勝手に厨房に忍び込み、子供を探しに来た給仕と共に爆発に巻き込まれる。給仕は死亡するが、子供はそれを嘆くどころか、父親にそのことを誇るような電話をする。母親も給仕に対して何とも感じていないようだ。悲劇を盛り上げる気がないのか。船長とその恋人の曖昧な恋は最後まで煮え切らないまま。美人でもない中年の恋人に辟易。爆弾が仕掛けられてあり、生きるか死ぬか、絶体絶命のピンチである。それなのに仮装パーティなど開くか?皆思いっきりつまらない顔をしているが、それなら参加しなければいい。このあたりの不用意な演出で作品に散漫な印象になっている。追い詰められた乗客の演出が必要。爆弾は二回爆発するが、被害かよくわからない。爆発で穴の開いた船を見せていないから。船長も妙に落ち着いている。爆弾のある部屋を閉鎖しておけば、全部爆発しても船は沈まないと思えてくる。爆発があっても乗客の態度に変化はない。これではだめ。徐々に盛り上げなければ。監督はパニック映画の基本がわかっていない。最後はキャラ設定。犯行手口と犯人のキャラが合致しない。刑事に船のパンフを見つけられただけで鼻血を出し、すぐに自白。動機は自分を重用しなかった政府への復讐とお金。金の回収に失敗すると、取り決めは全てキャンセルと丁寧に電話。あの方法では失敗するだろう。平凡過ぎて、複雑なトラップを仕掛けた犯人とは思えない。「スピード」の爆弾犯のような毒が欲しい。一方主人公の破天荒な言動や行動は個性的で好ましい。犯人は上司だったわけだが、両者の関係をもっと踏み込んで欲しかった。作品に重みが出る。七つのドラム缶をどうやって運んだのか?船があれだけ揺れて爆発しないのは何故?
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-11 10:42:39)(良:1票)
27.  七人の侍 《ネタバレ》 
【感動】①農民の境遇に同情した侍が、金、出世に無縁の野武士との私闘に命を張る。ヒューマニズムとヒロイズム。②言葉では百姓を罵倒していた人足が、心底では窮状に同情しており、勘兵衛が断ったとき、飯を突き出して説得する。③心離れた侍に菊千代が百姓の実態を訴える。「百姓は嘘つきで業突張りだ、そんな百姓に誰がした」④菊千代が火中から救出した赤子を抱いて「この赤子は俺だ」と叫ぶ。 ・勝四郎が食事を削り、娘に米の飯を与える。娘はそれを最貧困の老婆に渡す。それを知った侍が食事を削り、子供たちに与える。⑤決戦前夜、勝四郎と村娘との恋の激情。⑥勘兵衛を師と仰ぐ勝四郎の成長ぶり。⑦「勝ったのは百姓達だ」と心憎い言葉を残す勘兵衛。大地に生きる者が勝利者、戦に生きる者の心は虚しい。【悲劇】①百姓利吉の妻は野武士に差し出されていた。野武士の砦を襲ったとき、利吉の姿を見た妻は火中に飛び込む。そのとき利吉を助けようとした温厚な侍平八が射殺される。②戦術上離れ屋は見放される。長老は自らそこに残って死を選ぶ。③菊千代と良いコンビを組んでいた弱い百姓代表与平が戦死。④人格の高い久蔵が戦死。仇を討ちに行った菊千代は敵と差し違える。久蔵と菊千代とは表面上正反対の存在だが、心ではつながっていた。【野武士】40人もいるのに屑揃いで無能、同じ戦法を繰り返す。鉄砲も弓も甲冑も馬もあり、村は四方から襲撃可能なのに。いきなり斥候が殺され、奇襲を許す。村の木柵は焼き払えば良い。近くの家も火矢で焼けば、防ぐのは困難。槍襖などは鉄砲と矢で蹴散らせば良い。隠れている小屋も焼く。何軒かの家も火矢で焼いておいて談合を持ちかけ、ゆさぶりをかけるのが定石。一旦引いて、数か月後に奇襲するのが最上手段か。侍が去るのを待つべし。復讐するなら村ごと焼き払えば良い。【その他】①婆さんに人殺しさせるのは良くない。止めてあげないと。②長老の死が理解不能。③百姓を無力な存在に描いているが、秀吉の刀狩令が出たことでも分る通り、当時は百姓も武装していた。④青年がほとんどいないのも疑問。⑤せっかく甲冑や槍、奪った鉄砲があるのに活用しない。弓矢が当っただけで死ぬ。⑥馬から降りた野武士が弱すぎる。悲鳴を上げて女の鍬に追い立てられる。剣豪が一人ぐらいいても良い。⑦菊千代を除いて侍達の体格が貧弱。⑧ラスボス不在が残念。
[DVD(邦画)] 10点(2011-01-27 23:45:09)
28.  新・刑事コロンボ/初夜に消えた花嫁<TVM> 《ネタバレ》 
次のような企画会議が行われたと予想される。「良い脚本が上がってこないね」「どーしよう、もう時間が無い」「マクベインの小説で映像化権利を買っといたのがあるんだけど」「コロンボと違いすぎるじゃないか」「異色なものがあってたまにはいいでしょ」「そーだなあ。このごろマンネリぎみだからな」「数字がとれるかな」「マクベインの名でとれるでしょ。それときれいな女優を使ってなんとかもたそう」「じゃあ、そうするか」「このシリーズもそろそろ潮時かな。ピーターもいい年だし」「絞りとるだけ絞りとる。これが業界の常識でしょ」「まあね」 ◆次の3点においてコロンボシリーズを逸脱している。①倒叙形式じゃない。②推理が皆無。③犯人が射殺される。良い脚本がなくて、エド・マクベインの小説を利用しただけ。花嫁が初夜に誘拐されるというアイデアは面白い。だが犯人にたどり着く推理は無くて、ただ地道に結婚パーティの写真を調べるだけというのはいただけない。もう一つは車を目撃した老人に車のカタログを見せて確認してもらうだけ。犯人はモデルである花嫁に横恋慕したのはわかるが、その目的は結婚式を上げてから殺すという不自然なもの。母親が父にメスで喉を掻き切られ殺されたらしいが、それを再現してどういう意味があるのか?
[ビデオ(吹替)] 3点(2011-01-24 08:29:39)
29.  市民ケーン 《ネタバレ》 
全編特撮映画と考えた方が良い。例えば後妻が去った後で大暴れするシーン。ローアングルで怪獣映画と見まがう迫力。大映しのガラス球を掴む腕。廊下越しのロングで心の空虚さを表現した後、虚ろに歩くケーン(K)。やがてその姿が鏡に多重に映り、複雑な彼の人生を縮図にして見せる。後になって分るが、それは彼が人生を悟った瞬間であった。感嘆しきりである。◆判りづらいのは、金持ちになった母親が銀行を後見人として息子を手放すところ。日本には無い習慣ですね。理由として父親の暴力が示唆され、愛を知らない子供が誕生。◆重みを加えているのは、Kの複雑で矛盾を抱えた性格。金持ちに満足せず、常に何かと闘う。新聞に興味を持つのは社会と闘えるから。唯一の友人とも闘う。若くエネルギッシュで理想と野心に燃えるが、自己矛盾に気づかない。彼が悪と叩く対象は、彼が最大の個人株主の会社。産業界からはコミュニストと呼ばれ、労働者からはファシストと呼ばれる。貧しい人たちの味方を標榜しても、労働者が団結すれば叩き、新聞を選挙に利用する。後妻の酷評を自ら書く。最初の結婚は政治的野心のため。闘争は彼の自己確認の方法で、常に忙しく、家族との対話も少ない。後妻に歌えと命令するは世論との闘い。少年期の愛情の飢えが生んだ歪んだ自己愛。◆ザナドウ城は自己防衛、現実逃避の象徴。政治的に挫折し、大恐慌で新聞経営にも行き詰る。残されたのは自分の殻に閉じこもる事。美術品を買いあさるのは心の隙を埋める行為。最後の心の砦であった後妻に去られたとき、Kは初めて自分の人生について反省する。自己愛と虚栄心でただやみくもに突っ走り、欲しいものを手に入れたいと闘ってきたが、欲しいものは愛であり、結局何一つ手に入らなかった。世界有数の富豪で買えるものなら何でも手に入るというのに。多くの人を幸せにできると自負していたのに、自分一人さえも幸せになれなかった。Kの目に留まったのは雪の見えるガラス球。雪は幸せな子供時代を想起させた。愛情に恵まれていた時代。遊んだ橇には「薔薇の蕾」の文字が。人生は薔薇色に輝いており、やがて花開く未来が約束されていた。薔薇の蕾は彼自身だ。いくらお金を積んでも人生をやり直すことはできない。焼かれる橇は葬式の象徴。◆息子の事故死の様子が描かれていない。彼を最も苦しめた事件なのに。記者の黒子演出に違和感。「ローズバド」と言ったとき看護婦いない。
[DVD(字幕)] 9点(2011-01-19 04:09:59)(良:2票)
30.  将軍の娘/エリザベス・キャンベル 《ネタバレ》 
冒頭の謎の提示は見事。次期大統領を目指す大物将軍は退役間近。そんな折将軍の娘大尉が強姦され殺される事件が発生。将軍は犯罪捜査官にFBIが来る三日以内に犯人を挙げろと命令。いかにも怪しそうな目で威圧する副官。大きな陰謀が隠されているに違いないと思わせる演出。人間関係も込み入っていて、捜査官と娘、捜査官と将軍に接点がある。そして捜査官とその相棒が元恋人。◆事件の真相は誰にも想像できないものだった。なんと強姦は自作自演。理由はこうだ。士官学校に入った将軍の娘は優秀すぎるが故に男の嫉妬を買い、演習中に暴行、輪姦された。学校と父親は、学校の名誉と娘の将来のために事件をもみ消した。娘は父親に見放されたと思い、父親を憎んだ。そして精神を病み復讐を企てる。その方法は部隊中の男と寝て醜聞をまき散らすというもの。将軍は彼女に最後通牒をつきつけた。軍隊を辞めるか、治療を受けるか。娘は夜中に父親を呼び出して輪姦の場面を再現。「もみ消し」を取り消すことを迫った。だが将軍は立ち去った。そこへケント大佐が登場。彼は娘に片思いしていたので後をつけてきたのだ。娘は誰も愛せなかったので冷淡だった。罵倒された大佐は娘を絞殺。こうして奇妙な殺人現場が出来上がった。そこへ副官が登場。将軍が犯人と思い込み、事件の隠ぺいを図る。捜査が真相に近づくと、大佐は情報を握っている娘の上官ムーアを自殺に見せかけて殺した。◆唖然、茫然、驚愕。そりゃあないでしょうの連続。娘はどうして退学しなかったのか。仲間から暴行・輪姦され、性病を移され、子供を堕胎し、鬱病にかかった。それで学校にいられるわけがない。それに士官学校のエリートが将軍の娘を輪姦するというリスクを負うだろうか。発覚すれば身の破滅は間違いない。何より娘の反逆ぶりが度を越している。SM趣味、誰とでも寝る、強姦の再現。娘が精神に異常をきたしているとしても、捜査官に対して親切だったし、非常に知的であるという矛盾がある。娘は父にただ誤って欲しかったのか。犯人の行動も不審。誰とでも寝る女に「彼女に全てを捧げるつもりだった」などと片思いするだろうか?最後の行動も意味不明。捜査官を呼び出して、地雷があると警告し、自ら地雷を踏んで自殺。◆将軍が捜査官に捜査妨害で起訴されたのは痛快。殺人を示唆する血染めの猫の演出は見事。ところで娘の強姦現場再現を手伝ったのは誰?一人じゃ無理でしょ。
[DVD(字幕)] 7点(2011-01-18 05:51:19)
31.  自転車泥棒 《ネタバレ》 
過去に自転車5台盗まれた経験あり。スーパーでアイスを買って出てきて、自転車が無くなっていたときは茫然とした。警察は探してくれず、自分で探すしかないのは同じですね。◆この映画は絶望的に見えるが、救いがある。第1に父親には仲間がいて、同情してくれ、一緒に探してくれた。友達は大切だ。第2に自転車を盗んだ親父が事情を察して、警察沙汰にしなかったこと。これは大きい。一歩間違えば、1本のパンを盗んだために19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンと同じ運命になったかも知れない。失うものは大きかっただろう。第3に親子の信頼関係が失われなかったこと。息子は事情を知っているので、父親を尊敬する気持ちは持ち続けるでしょう。第4に妻も理解してくれるだろうということ。家族の中で孤立するのは悲劇です。◆素直な人は感動すると思うが、そうでない人がひっかかる部分がある。それは「鍵はかけておけ」「自転車は借りたらいい」「自転車探しに子供を連れ歩くな」ということ。「鍵は無い」「誰からも借りれない」が前提条件になっているのか?給与が確実に出るのだから、貸してくれる人はいると思うけど。まあ目をつむりしかなさそうだ。◆単純な話だけど”魅せる”のは、演出がうまいから。インチキと見抜いていた女占い師に占ってもらうのは精神的に追い詰められている証拠。レストランで裕福な家庭との対比。「くよくよしていてもしょうがない」と一度前向きになったあとにどん底へ突き落す。子供に入る予定の給与計算をさせる。犯人の家が貧乏。ラストの前に一度親子の信頼関係をぐらつかせてみせる。いらだって子供を殴る→子供すねる→川で誰か溺れた→心配して探す→食事で仲直り。それぞれ理にかなっていて光るものがあります。不条理な展開がだらだら続くだけの演出では無いということ。◆クライマックスは、善良な父親に魔が差した瞬間。失敗して、民衆からこずかれ、罵倒される父親。父親に泣きながら走り寄る息子。手をきつくつないで無言で帰る二人。冷徹なカメラがそれを追います。でもそれは単純な絶望ではない。善良な市民が一度は通らなければならない通過儀礼、試練のような一面もある。悪を知って善を知るということ。二人の人生観に深みを増した経験でもあります。悪いことがあれば、次は良いことがある。人生山あり谷あり。そう信じて強く生きていける二人の後ろ姿だと思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2010-12-27 00:47:58)
32.  地獄に堕ちた勇者ども 《ネタバレ》 
【相関図】ヨアヒム=当主、社長。コンスタンチン=当主の甥か次男、突撃隊。ギュンター=コンスタンチンの真面目息子。ソフィ=当主の長男(戦争死)の未亡人。マルティン=ソフィの馬鹿息子。フリードリヒ=ソフィの愛人、重役。エリザベート:当主の姪の娘。ヘルベルト=エリザベートの婿、重役、反ナチ。アッシェンバッハ=当主の遠縁、親衛隊。【歴史】1933年1月=ヒトラー内閣発足。2月=国会議事堂放火事件。1934年6月=長いナイフの夜事件(突撃隊粛清)【突撃隊】1921年発足、ナチ党と党員を防衛する組織、300万人。国防軍(10万人)に代わり正規軍になることを画策し、軍・親衛隊と対立。同性愛者集団という悪評あり。【H・バーガー】幼少より女装癖あり。ヴィスコンティ監督と愛人関係。【感想】ナチ台頭という歴史に翻弄される鋼鉄財閥一族の骨肉の争いと精神的堕落が破綻無く描かれる。財閥もナチスも内部に矛盾を抱えており、両者があいまって、それが一気に噴出。ただ女装ショー、乱痴気パーティ、少女への偏愛などが必要以上に長く、以下のカットされた部分が見たかった。①当主殺害容疑で海外逃亡したヘルベルトの逃亡生活と帰宅後の顛末。②エリザベートの強制収容所での死。③フリードリヒが当主を射殺。④マルティンが少女を犯す。⑤憎しみのとりことなったギュンターの顛末。⑥夫婦はどうして死を選んだのか。◆総じて権謀術策がお粗末。逆転が無いし、皆あきらめが早すぎる。人間の醜さを描くなら、もっとどろどろした権力闘争を。フリードリヒが粛清に参加して、コンスタンチンを射殺するのは無理がある。粛清シーンは撃たれても血が出ず、誰も抵抗しないので迫力不足。◆マルティンは父親を早くに亡くし母親の愛を得られず育つ。母親は他の男に愛を与え、息子を甘やかしつつ拘束し続けた。彼は独立心を得られず、臆病で、女装趣味、幼児偏愛の性癖、遂には近親相姦に。母親への復讐が心の解放となり、独立心を持つが、それはナチスに操作されていることであり、将来の破滅を意味する。結局母親が一番罪が重いのか。◆フリードリヒに人間の弱さと、人生の天国と地獄を見た。しかし彼が当主殺害に至るまでの心の葛藤が詳細に描かれていないので、軽い人物にしか見えない。彼は自分の手を黒く染めてしまったのだが、そうする必要があったのだろうか。財閥一家崩壊の発端となる重要な事件で、この部分に時間を割いてほしかった。
[DVD(字幕)] 7点(2010-12-23 19:23:40)
33.  白いドレスの女(1981) 《ネタバレ》 
これでもかと畳み掛ける蒸し暑い夏の描写、汗染みの服、退廃的なジャズのメロディ、犯罪の匂いのぷんぷんする映画だ。◆遠くのホテルで火事がある。愛人との情事を楽しんでいる弁護士ラシーン。「放火らしい」と呟く。対岸の火事と思っていたが、やがてそれは自分に降りかかる厄災の火の粉だった。映画全体を象徴するうまい冒頭シーンである。音楽やカメラワークが洗練されており、質を高めている。映画作りを良く知った監督の作品と思う。◆男は人妻の色香に溺れる。独身で女性をつまみ食いするのが趣味、元々溺れやすいタイプだ。米の弁護士は数が多く、皆高所得とは限らない。仕事面でミスが多く、うだつは上がらない。◆女は男に、夫の悪口と財産の多さを強調して吹き込み、殺人へと誘う。すっかり騙された男は、殺人を実行する。だがそれは女の巧妙に仕組んだ罠だった。◆それにしても夫殺害の実行は、お粗末すぎる。自宅で殺し、廃屋に運び、発火装置で燃やす。発火装置を知人の放火マニアに作ってもらっているので、証拠も証人も残る。家に侵入しても音をたてて気づかれてしまう始末。もっと別な方法があったはずです。眼鏡の紛失も女の仕業とはいえ、気づかないのはうかつなことで、夫が外出したストーリーなのに車はそのまま。電話がかかってきたというが、記録は無い。これではきっとレンタカーの記録も残しているのだろう。弁護士にしては杜撰すぎる。◆誰が見ても証拠一つ残らない完全犯罪計画が破綻する様子を観たかったのに残念である。そこがこの手の知的犯罪映画の肝と思うがどうであろうか。計画が破綻してゆくサスペンス、犯人の焦り、犯罪を補完する次の手立てなどが無く、あっさりした印象である。あの立場で男は、ジョギングをしている暇は無い筈である。◆女が放火マニアに相談して、発火装置を作るのも解せない。告げ口されれば終わりである。そもそも二人に接点があったのか?女は身代わりのアンの死体を焼いて逃亡をするが、死後に焼かれたことは、調べればすぐに分ることである。これがわからない警察はありえないだろう。◆女の入れ替わり(名前を交換)であるアンの登場場面(男が女と誤解して卑猥な言葉をかける)や二人の情事を目撃した少女等は、徐々に綻びてゆく完全犯罪の伏線として魅力的であった。◆悪女映画としては成功している。
[DVD(字幕)] 6点(2010-12-10 14:01:38)
34.  シャーロットのおくりもの(2006) 《ネタバレ》 
◆平凡、普通であることがキーワード。「普通の生活の中に起きる奇跡」が主題。ごく普通の町の普通の農家の普通の子豚の奇跡の物語。「平凡なものがタイミングよく二つ揃うと、お互いが輝きだすことがある。子ブタと臭い納屋のように」それぞれは平凡でも、両者に絆が出来れば奇跡が起こることがある。 ◆発育不良で殺されそうになる子豚の生命が少女によって救われる。「私が育てる」小さな生命を助けたい素直な心の叫び。これが最初の奇跡。ウィルバーと名付けられて人格が生じる。 ◆納屋の動物達は皆元気がなかった。でも子豚が泥遊びをしたり、無邪気に「遊ぼうよ」と話しかけてくることによって心を開くようになり、元気を取り戻してゆく。これが第二の奇跡。 ◆子豚は嫌われものの蜘蛛と友達になる。「君は美しいよ」無邪気さの中に真実を見抜く眼がある。蜘蛛の美しさは生命の美しさそのもの。蜘蛛は初めて友を得て喜ぶが、彼女は子豚を導く母のような存在でもあった。 ◆やがて子豚は家畜の運命を知る。冬まで生きられないのだ。蜘蛛は誓う。私が助けてみせると。そして奇跡を起こす。巣に「たいした子豚」という文字を編んで。 ◆あくまで子豚は普通の豚だが、蜘蛛にとっては”特別”な存在。両者に絆が出来たからだ。星の王子様ときつねとの関係と同じ。 ◆人間にとって家畜とは、その命を断って、人の命を継ぐもの。だが家畜の立場に立てば、そうは割り切れない。「食べられる生命の問題」に簡単な答などない。蜘蛛は生きるために蝿を獲る。そして生命と引替えに卵を産む。卵から子供が生まれた。子豚に死と新しい生命の連環を示した。生命の問題に対して間接的な回答を提示したのだ。これが最後の奇跡。主人公はあくまで蜘蛛。子豚は受け身なだけ。◆誰でもいつか死ぬ運命。故に「生きていること」は奇跡。生命の躍動する日常はどんなに平凡に見えても奇跡に充ちている。だからこそ我々は毎日を大切に生きなければならない。これが原作者のメッセージ。監督がこれを理解していないのは残念。少女にボーイフレンドを作らせたり、大人が心ない発言をするなど、不要な要素を混入したので主題が解りにくい。原作では少女が動物達の話を完全に理解できるのだが。名作童話が平凡、普通の映画になったのは皮肉か。ただCGは素晴らしく、子供たちに是非見せてあげたい。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-20 23:30:02)
35.  勝利への脱出 《ネタバレ》 
◆全体的に緊迫感が足りない。冒頭場面では脱出者が銃で撃たれた。これは厳しい収容所だなと思っていたが、あとはゆるゆる。ハッチ(スタローン)が脱出する場面はうまくいきすぎ。何度か気づかれそうになるが何とか切り抜けるという演出を何故しない。それからハッチは一度収容所に戻るように説得される。ここの葛藤も描かれていない。同じく腕を骨折させられる選手の人間性がどれだけ描かれていたか?上辺をなぞっているだけだ。そして最大のクエスチョンは、ハーフタイムで脱出するのを選手たちが拒否する場面。それまで選手たちのサッカーに対する思い入れが語られてはいない。だから彼らの思いが伝わってこないのだ。このあたりの演出の不首尾が映画全体としてのドラマ性の希薄につながっている。演出上のタメがなく、なにもかもあっさりと進みすぎる。 ◆恋愛部分にしてもしかり。子持ちの未亡人じゃヒロインにはなれない。せめて彼女の悲惨なバックグランドが語られていたら反戦映画になれたのに。女性レジスタントという魅力的なキャラがもったいない。 ◆捕虜にハングリーさが感じられないのも残念。顔や眼にぎらぎらするものがほしい。彼らはただ安穏と生活しているように見える。 ◆サッカーの試合が決まったとき、コルビーコーチは各収容所から有名選手を集める。これは明らかに間違い。あの収容所のメンバーで試合することが大切なのだ。素人が一丸となって我武者羅に練習し、チームワークにより、奇跡的に勝利するという筋書きが一番感動できる。寄せ集めチームじゃ感情移入できない。 ◆サッカー場面はそこそこ見れたが、不満要素も多い。もっと華麗なプレーが見たかったし、スローやアングルにも工夫が欲しい。実際のサッカー選手を使っているのだからもっと魅せることはできたはず。ハッチのキーパーは全くの素人で見どころがない。最後ももっとぎりぎりのところでセーブすべきだろう。ところで同点の場合は延長戦があるはずだが、アメリカ人は知らないのだろうか。 ◆最後のどんでん返しは賞賛できる。なだれこんだ観衆と共に脱出というアイデアにはしびれた。脱帽です。ドイツ軍将校が紳士的なのにも好感。同点で終わらせたのも気遣い?サッカーファン、脱出ものファンなら楽しめる作品には仕上がっています。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-07 03:40:49)(良:1票)
36.  人狼 JIN-ROH 《ネタバレ》 
【伏】特機隊の諜報部隊「人狼」。ゲリラ「セクト」の武器の運び屋「赤頭巾」の少女を撃てなかった。少女が自爆し、負傷を負う。もう一人の少女圭は撃てた。そして狼になった。【圭】赤頭巾だったが、警察に捕まり、公安のスパイに。命令で伏を騙すつもりが騙される。【感想】◆底が浅い。少女達はどうして赤頭巾になったのか。そもそもゲリラの目的は?その辺りの消息が不明なのが欠点。殺される側の人間像を深めることで、より悲劇を演出できた筈。圭は伏と一緒に死んでもいいと思っていた。だがそれは映像からは伝わってこなかった。◆殺す側の伏は、少女を射殺するのに躊躇する人間性を持っていた。圭と出会い、心を通わせてゆく。無表情なのでわかりづらいが、心は許していた筈である。だが命令により圭を殺す。人間を脱ぎ捨て獣に成った。「そして狼は赤頭巾を食べた」その間何が彼に起こったのか?彼は罰として再訓練を受けていたが、圭拉致の命令を受け実行。ただそれだけ。心の成長や葛藤が見られない。だから感情移入しにくい。しかも騙されたのではなく、騙していた側。正義の味方でもなく、仁義を重んじるわけでもなく、人情に厚いわけでもなく、少女を愛することもできない。人の皮を被った狼になる必然性が感じられない。人間性を失ってまで得たものは何?観客を納得させるものがあるだろうか。◆登場人物に血汗が通っていない。観念で作り出した人物のように思える。少なくとも悲劇の少女は可愛いさがなくてはだめだろう。冷血なスパイではなく、転向させられた女なのだから。◆特機隊といっても強化服等や暗視カメラなどの装備が優れているだけ。個人としての凄さが感じられなかった。見せどころの銃撃戦も突っ立っているだけ。普通服なら殺されていた。つまり戦闘員としての魅力も薄い。「007」のようにスカッとしたアクションがほしい。◆諜報戦を描くのはいい。相手をスキャンダルの罠に嵌めようとして、逆に罠にはまったという展開は意外性があって面白い。だが、警察の内部闘争・内輪もめというのはいただけない。警察が多くの仲間を殺しておいてただで済むわけがない。そこには正義のためという観念がない。警察の犯罪や警察の殺し合いは後味が悪いだけ。その上拉致した少女を殺す。そんなこと警察がするわけないと皆思う。設定に無理があるのだ。冒頭世界観を説明していたが、活かしきれていないと感じた。
[ビデオ(邦画)] 5点(2010-06-25 04:37:16)
37.  シベリア超特急 《ネタバレ》 
悲劇の連鎖を生む戦争を起こしてはいけないという反戦映画。それなのに主人公はB級戦犯の山下奉文陸軍中将(後に大将)という首をかしげる設定。山下が生き残るのはわかっているので、もともと少ないサスペンスがさらに半減する。致命的である。水野晴郎は山下奉文を尊敬するあまり、本名を「山下奉大」と改名していたそうである。このあたりで既に理解に苦しむ。それに2,3人の軍人を殺したからといって戦争が回避できるはずがないではないか。彼女達の殺人の動機は単純な憎しみであり、偶然の交換殺人である。戦争の悲劇を描いているとも思えない。冒頭の自殺シーンは、映画終了後の寸劇につながってるとは、あきれ果ててものがいえない。真面目な反戦映画ではなかったのか。車掌の死体が発見された時点で全車両中大騒ぎとなるはずだが、何事もなかったかのように物語が進むのがオカシイ。山下を殺しに来たリーランが何もかも話しすぎ。これから殺そうとうする相手に何もかも懇切丁寧に教えてやることないじゃん。あーあ、だからあんなことになっちゃった。書記官の恋人とリーランがウリ二つという設定は安直。リーランが一目見て書記官を好きになるのもへん。
[DVD(邦画)] 1点(2010-03-11 01:13:26)(良:2票)
38.  静かなる男 《ネタバレ》 
アイルランドの片田舎が舞台。素朴で、大らかなで、伝統を守って暮らす人々の中に、ヤンキーのソーントンが移住してくる。メアリーを一目見て気に入り、いきなり結婚を申しこんでびっくり。ソートンはリタイアした身で、50歳くらいと思っていたので。ソートンが始めて自分の家に入ったときにメアリーがいて、いきなりのキスにもびっくり。メアリーは野生そのままの女だけど表情は豊か。伝統的な意味の強い「持参金と嫁入り道具」に執拗にこだわるのには、理解できませんでした。最後のほのぼのとした大団円に水を差すようですが、二人の結婚生活はうまくいかないと思いますよ。外国人が異文化に溶け込むにはお祭りのような通過儀礼が必要。それがクライマックスのソーントンとダナハーの大喧嘩。要するに、これを見せるための映画ですね。わっしょい、わっしょい。みんな楽しそうですね。「静かなる男」が静かでなくなったとき、村に溶け込めました。ケンカをやめさせるべき神父や牧師までもが高見みの見学で、賭けまでするのはどうかと思います。アイルランド人蔑視に取られないかと心配になります。酒とケンカと賭け事とお祭の好きな人向けの映画。古きよき伝統、理想郷と取るか、打破すべき因習と取るかは意見が別れそう。何しろ奥さんをずるずる引きずってゆきますからね。完全な男社会です。「これで奥さんを殴りなさい」と枝を渡した奥さんって親切?サブストーリーは、試合で相手を殺して、人を殴れなくなった元ボクシング・チャンピオンが殴れるようになるという成長物語。これは描写不足で不発ぎみ。そもそもソーントンという人物像がよく見えてきません。年齢不詳。無口であまり心を開かないですね。バラは似合わないと思うけど、父親が庭にバラを植えていたのを再現するんですよね。でも競馬のときどうして未亡人の帽子をとったの、教えて!忘れられないのは都会生活を説明するのに「溶鉱炉で熱した鋼鉄を胃に飲み込むのさ。だがな、強くなりすぎると折れやすい」という名台詞。たったこれだけで都会生活のハードさと孤独が見えてくる。感服しました。作品の意図はわかるのですが、田舎の人を馬鹿にしているような印象がぬぐえず、あまり楽しめませんでした。 御者ミケリーンのキャラは好きですが、定型で作りすぎ。多様な価値観社会の現代には支持されない映画かもしれません。
[DVD(字幕)] 5点(2009-09-26 07:46:25)
39.  じゃじゃ馬ならし(1967) 《ネタバレ》 
ドタバタの舞台の演出をそのまま映画でやっても大仰すぎてつまらない。オチが、妻はどんな場合にも夫に従っていればよいという女性蔑視ともとれる内容になっており、気後れがする。また男勝りの女性が、従順になってゆく過程がぶっとんでいて理解できない。とんでもないあばずれ娘なので、夫の家でも暴れるのを観たかった。夫の方が理不尽に暴れており、不幸な家庭としか思えない。そもそも常識的に女性の顔も知らずに、持参金目的だけで結婚を決めた結果がうまくいきはずがない。そこをもっともっとユーモアのある演出で補うべきだった。雨に打たれ、池に落ち、食事も抜かれ、妹の結婚式に着てゆくドレスや帽子も破かれては、カタリーナがかわいそうに思えてしまう。映画の意図としては失敗だろう。また全体を通して、シェイクスピアが見たら目をそむけるであろうような下品さと猥雑さに満ち満ちている。ドリフのコント以下であろう。頑張っている主役二人が哀れである。
[DVD(字幕)] 4点(2009-09-24 17:48:40)
40.  ジュラシック・ジョーズ 《ネタバレ》 
あー、見ないほうがいいといわれるとつい見てしまう人間の習性が憎い。後悔の念でいっぱいです。本当に見て欲しくなかったらどう言えばいいのだろう?映画の感想より、そんなことを考えてしまうくらいの低レベル。恐怖0、サスペンス0、スペクタクル0、人間ドラマ0です。これに較べるとテレビ用B級映画が大作に思えてくるから不思議。「ジュラシック・ジョーズ」の題名は詐欺罪が適用可能でしょう。恐竜もサメも出てきません。おっと、あんまりけなすと間違って見てしまう人もいるので、ほどほどで留めていかないと。怖いもの見たさということもありますからね。ハリボテの魚がときどき顔を出す海岸物語といったところです。
[DVD(吹替)] 1点(2009-09-23 15:17:55)
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