1. シャイニング(1980)
うーん、ニコルソンの狂気、ここにきわまれり・・・という感じなのだろうけど、どうしても納得いかないのは、奥さん。やっぱり、好きで結婚したんでしょ。子供にとっても、唯一の父親なんでしょ。いくら怨霊が乗り移ったとしても、氷漬けになった肉親から逃げ切れて、はいよかったとはいかない。ニコルソンが狂っていく過程で、奥さんが心配する場面、子供を傷つけて心から後悔する場面、それらも氷漬けだ。。。 5点(2004-03-21 03:21:59) |
2. JAWS/ジョーズ2
目から煙吹いてましたね(笑)子供が震えるシーンは大根演技ではあったのかもしれないが、その後一度も映像で見ていないにもかかわらずいまだにまぶたに焼き付いている。 8点(2004-02-02 20:14:51) |
3. ジョーズ3
3D効果を見せようとするがために本来のキャメラワークや編集で見せるという点が希薄だ。見る側も3Dに意識が言ってしまうので不運ではあったが。 5点(2004-02-02 20:12:48) |
4. シンドラーのリスト
長い映画だが、シンドラーの心境の変化を自然な形でえがこうとするならこれくらい時間をかけるのはしょうがないことだと思う。これを2時間の作品で見せていたら、とてつもない駄作になっていたかもしれない。初めは戦争で一儲けするためのあくまでも道具に過ぎなかったユダヤ人を、血の通った人間として理解していく、これを見事に表現していたと思います。また、ユダヤ人役の俳優達。少ないセリフにもかかわらず、生身の人間を、そして人間と扱われない悲惨さを、表情で見事に演じきってくれました。頭を打ちぬかれる瞬間まで、魂のこもった演技だったと思います。死体の一つ一つにも。あの赤いコートの女の子、あのコートは母親が娘に似合うようにと買ったのかな?女の子もお気に入りの服で、家族で外出するときにはあれを着てあの娘なりのおしゃれを楽しんでいたのかもしれない、などと思ってしまいました。さて、日本。日本には杉浦千畝という人がいました。そして他国の人民も大量に虐殺し、自国の人民も大量に虐殺されました。生き残る1億2千万人の未来のために、文化の担い手である映画人達が、今後どのようなメッセージをたたきつけてくれるか。日本人の良心、愛が問われる番ですね。そして私達。この作品をプロパガンダ映画だという評価にしてしまうかそうでないかは、このような出来事は、加害者であれ被害者であれ、だれにでも起こることだという認識を持てるかどうかにかかっていると思います。 10点(2004-01-25 17:10:45)(良:1票) |
5. シックス・センス
話の本線である、子供に霊が見えるという設定の段階で、もはや「まあ、そんなこともあるだろう」くらいの感覚の、ありふれているところがあり、多くの人が映画に期待する、この先どうなるのかというようなドキドキ感が薄いまま話が進んでいくのが、物語を起伏のないものにしているのではないかと思いました。よほどのどんでん返しがない限り観客は納得しないだろうと。監督はそれを見越してあのラストを持ってきているのでしょうが、なんだかラストの企画が念頭にあったようにも感じます。謎解きのもうひとつの、ヴィンセントと少年の関係、母親と少年の関係も説明不足。このあたりをもっとしっかり描いてくれたら、もっと見ごたえのあるものになったのではないかと思います。しかし、何の予備知識もなく観ていたのですっかりだまされました。 7点(2004-01-12 22:13:10) |
6. 情婦
大どんでん返しは言うまでもないですが、そこにいたる描き方も実に巧妙。ファーストシーンから悪態をつく弁護士、「このおっさんどんな奴やねん」と思っていたら、帰還をワクワクして待っている従業員達。小憎たらしいけどいかにも憎めないキャラクターだというのが2シーンでわかります。同じような形でタイロン・パワーにも、ディートリッヒにも描写が重ねられていて、この人達の行く末から目が離せなくさせてしまう。タイロン・パワーが帽子屋で見せるあの笑顔、「きったねぇ!」と思ってしまいます。職人の作品だなと感じました。 10点(2004-01-09 20:05:18) |
7. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 妻の不倫、そして変死。自由の世界に絶望し死を決意した主人公が、皮肉にも自由を奪われることによって、生きる希望を新たに求めるようになる。しかしその胸中は複雑であっただろう。迎えてくれるはずの愛しい妻は、天国にさえいない。ただ求めるものは”記憶のない海”での再出発だけだ。しかしラストの青い海は確かに皆に向かって”YES”と語りかけているようだった。この映画は、話の展開自体はよくある一人のスーパーマンによる奇跡の物語だが、本当のメッセージは、「必死に生きる」ことの尊さである。しかしその提示を受け止めた時には、一方で我々自身の自由世界で生きることの厳しさをも同時に思い出さされ、一種重苦しくすら感じた。現実世界のざらざらした感触をを麻痺させるような、いわゆる現実逃避型の映画とは一線を画す作品であると思う。だからこそ鑑賞の価値は大であると思う。一番印象強いのは、ラストシーンでうっすらと涙を浮かべて笑っている自分の顔だった。 9点(2003-12-31 05:57:18)(良:2票) |
8. 十階のモスキート
裕也さんのためにあるような役ですね。ある意味「タクシー・ドライバー」に通ずるところも感じます。TVでは放送できそうにありませんが・・・。横山やすし、アン・ルイスの名演が光る。 5点(2003-12-23 17:21:41) |
9. 七人の侍
全く長さを感じさせないシナリオ、個性的な配役、さすがに世界の映画の見本となっただけのことはありますね。果たして三船敏郎を超える俳優は出てくるのでしょうか?志村喬のカッコ良さも晩年の作品しか見てなかった私には衝撃でした。また、平八のようなキャラクターは、他の監督だともっとお笑いに走ってしまいがちですが、ちゃんと武士のわきまえを持っているところがいい。リアリティーに対するこういうアプローチが、黒澤作品の好きなところです。 10点(2003-12-17 21:01:28) |
10. 少林サッカー
単純明快なストーリー、荒唐無稽にすぎるとのご意見もあるようですが、それを観る側の元気に変えてくれる、そんなパワーを持った作品だと思います。とにかく面白かったし、最後は普通に感動しました。コテコテのキャラクター設定ですが、人間が人間世界で事物をモデル化するレベルでリアリズムの範疇を逸脱はしていなかったと思います。ここが多くの人を惹きつけたポイントではないかと思います。揺れ動く細かい心理描写はムイ一点に集中したというところもよかったのではないでしょうか? 8点(2003-12-16 21:51:34) |