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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 2534
性別
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  ウィッシュ 《ネタバレ》 
 ディズニー100周年記念!ってワリには地味と言うか薄いと言うか、随分小さくまとめちゃったのね・・・って印象。  決して悪くはない、楽しめるのだけど妙に淡泊な作りでこの作品ならではの強い個性が感じられなかったの。   ヒロインのアーシャがこれまでの、特にこの10年ほどのディズニーヒロインの寄せ集めみたいな印象で、彼女ならではの個性が感じられないのね。ラプンツェルっぽかったり、アナだったりモアナだったりミラベルだったり(ラーヤ成分は薄めかしら)。そのせいか、行動にも強い意志みたいなのは感じられなくて結構行き当たりばったり。そこでおじいちゃんのだけ取ってくるかぁ?みたいな。  後半、協力する友人たちも初期にそれぞれ個性は与えられているハズなのに取って付けたようなシロモノなせいかキャラとしてはちっとも立って来ないの。おっさん声の子ヤギのヴァレンティノも特に活躍するワケではないし。  ヴィランな王様にしろ、その王を必ずしも信頼してはいない王妃にしろ、全員が妙に薄いキャラに描かれていて、アク抜き状態なためにどうにも印象弱いのよね。王様、絵よりもむしろ福山雅治さんの声の個性が強くて「あー、ましゃだねぇ」って。   舞台は狭いし(『アナ雪』のアレンデール城周辺だけで起こる物語、みたいなモノね)、歌も印象に残りづらく(メインになる歌のシメが「ない!」でさっと切られちゃうの、余韻残らなくて微妙じゃない?)、見終わって記憶に残るのがスター可愛い、ってくらいなの、微妙ね。  っていうかエンドロールが卑怯なのでそっちに全部キモチ持っていかれちゃうかしら。それはこの映画自体のモノではない全く別の感動を与えてくれちゃうワケで。   これまでのディズニー作品のオマージュやエッセンスが散りばめられていて、だからそこを色々見つけて感慨に耽ってね、みたいな側面があるのかしらね。美術の作りなんかも含めてある意味ノスタルジックで後ろ向き。  ここでひと区切りで101年目からのディズニーを乞うご期待ってところかしら。でも『アナ雪3』とか『アナ雪4』とか言ってるけどそんなんで大丈夫なのかしら?
[試写会(吹替)] 6点(2023-12-03 12:10:30)
2.  ウエスト・サイド・ストーリー(2021)
 前回の映画はそんなに好きじゃなくて、今回もそんなにだったのだけれども、「そんなに」の感覚そのものは昔とは別だったわ。昔は物語に引っかかったのだけど、何しろ40年以上前に見たっきりだし。で、じゃあ何が今回そんなになのかな?ってしばし考え込んで。   一つには舞台のミュージカルをいっぱい観るようになって(ヅカオタだし)、生の歌と踊りと演技に触れる事で自分なりにミュージカル映画の在り様を考えるようになって。  古のミュージカル映画はアステアやジーン・ケリーのダンスをそれこそコッテリと見せてくれたわ。きっちり全身の動きを捉えて。だけど前回の『ウエスト・サイド物語』も含めて、以後ミュージカル映画ってカット割り過ぎになった感じがするのね。MTV時代を経て尚更細切れになって。テンポ良く繋ぐジョン・ランディスの『スリラー』の感覚、アレね。でもアレはリズムのキモチ良さを伝える手法ではあっても演者の実力はあんまり伝わらない。  ソロのヴォーカルならばアップでも細かくカット割ってもいいけれど、ダンスのソロやデュエットは足元をしっかり、全身を捉えて、群舞は俯瞰で、しっかと長く撮ってこそ。でもみんな細かく切っちゃう。それってリズム的にはキモチ良くてもダンスを魅せるという点についてはとっても物足らない。ミュージカル映画は演者の実力をあまり信用してないジャンルなんじゃないかしら?って思ってしまうのよね。実際の実力もそうなのかもしれないけれど。この映画もどうにもダンスを見る気持ち良さには繋がりきってゆかなかったわ。もっとステップを見せて、もっと全体を見せて、って。   そしてもう一つ。あたしアレだわ、やっぱりヤヌス・カミンスキーの撮影があんまり好きじゃないんだわ。スピルバーグ大好き!だけど昔の方がカメラは良かったわよねぇ、って。光と影の使い方が特徴的っていうのはスピルバーグ的には昔からだし、ならばバトラーやジグモンドやダビューの方がステキだったわ、って。スローカムはそんなでも、だけど。  今回の映画なんか冒頭にティーガーIのフリしたT34/85がキュルキュル出てきても、トライポッドがヴォーン!って言いながら出てきてもおかしくないような画でしょ。コレが今のスピルバーグ印だ、って言われても、それでいいのかしら?って思ってしまうのね。まあスピルバーグがカミンスキーに絶対の信頼を置いてるようなので仕方ない、こちらが合わないだけのハナシなのだけれども。  でもね、ミュージカルはカチッとした、被写体をしっかと捉える画で見たいのね。スティディカム使いながらなおガタガタするような画はあんまり見たくないのよね。   結局は好みの問題なのでしょうけれど、目とアタマで舞台を切り取ってゆくっていう行為が日常的になってからはミュージカル映画の見方も変わってきたわ。
[映画館(字幕)] 6点(2022-02-15 15:47:56)(良:2票)
3.  ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ 《ネタバレ》 
 「ミシェル・ウィリアムズがステキ」以外のコレと言った感想が出てこない映画で困っちゃったわね。   今回はヴェノムとエディの痴話喧嘩を延々と見せられる恋愛映画だったりして、そこを楽しめるのならばいいのだけど、いかんせんアタシから見たら魅力に欠ける2人なのよね。エディなんてただのダメ男以外になーんにもなしって状態だから見ててむしろツライし、ヴェノムは妙に人間臭過ぎちゃって怪物エイリアンとしての誇りは何処行っちゃったワケ?ってカンジだわ。いじけちゃってる夜の酒場シーンなんて共感性羞恥出ちゃうわよ。  で、もう一方のボニーとクライド組はただもう悪いだけ。それにくっついてるコピー赤ヴェノムはほぼキャラ無し。  何しろさっくりと終わっちゃう簡潔な短い映画なので世界もごく小さめ、ミシェルの扱いもその程度?って感じ、特に作品世界の発展的進行があるってほどでもなくて。こんなものなのねぇ、さっさとピーター・パーカー出しちゃってバキバキやってよ、くらいな。   IMAXでバーン!って見せるホドでもない、ちょっとしたドタバタアクションってところかしらねぇ。ついでにBRAVIAの宣伝とかもういいから。
[映画館(字幕)] 5点(2021-12-21 21:24:25)
4.  ウルフウォーカー 《ネタバレ》 
 これまでアートは最高だけど脚本と演出はダルいデキなトム・ムーア監督作品だったけれど、ここにきて最高傑作を出してきたわ。アタシ的に10年に1本の傑作。   あくまでクラシカルな2Dの手描きアニメ(CGは全く使ってないワケじゃないわ)のスタイルを貫く中で、そのこだわりの表現法は魅力的。透視図法を放棄した平面的な絵創り、人工世界の直線と自然界の曲線、匂いの表現、特に強調されるカットでのアスペクト比の変化とフレームの激しい揺らぎ。絵を見せる事に拘りまくった表現の数々。  一方でこれまで不足していたオーソドックスながら娯楽映画の王道に則ったストーリーラインとカタルシス(そのために棄てたものがあると思う人もいるでしょうけれど)。ひと皮剥けたエンターテイメントとしてのアニメーションのカタチを完成させた感じがするのね。   アイルランドの歴史を背景に、大自然と、信仰を前提とした人間の対立を描く作品は、勧善懲悪では済まない問題を投げかけているわ。良かれと思った言動が相手を縛り、傷つける。自分を抑圧していたそれを同じように他者にしてしまう、その繰り返される痛み。そしてそこからの解放。  人としての抑圧とウルフウォーカーとしての解放(その映像の甘美なこと!)は『もののけ姫』の影響を思わせつつ、一見、もう少し楽天的に思えながら、でも実はもっと突き放しているようにも思えて。そこにあるのは人に対する希望よりはまるで失望、諦めのような視点も見られる気がして、怒涛のハッピーエンドに何故か漂う切なさ、みたいな感じなのよね。   魅力的なキャラ、ロビンとメーヴのシスターフッド映画としての側面も持つ今作、まるで絵本のような映像、クラシカルな子供向け作品に見えながらその表現や底に流れるものにアニメーション映画の確実な進歩を感じ取る事ができるわ。
[映画館(字幕)] 10点(2021-04-15 18:50:14)
5.  宇宙でいちばんあかるい屋根 《ネタバレ》 
 清原果耶の繊細な透明感と、相変わらず個性的演技の桃井かおりの存在感がいいわ。セットとVFXによる作り物感丸出しな屋上も箱庭っぽくてそれはそれで味があって。だけど、映画はパラリパラリと散漫なイメージが連なっていて綺麗にまとまってはゆかない感じで見ていてストレスたまるのね。   伊藤健太郎と姉、その恋人のエピソードなど、映画内の不協和音としてフラフラしてるばかりでカタチを成さないままに置かれている感じがするし(姉は健太郎の説明セリフ一つでフェードアウトかいな)、主人公の実母と新しい母親の設定と展開は読めまくって仕方ない定番お馴染みワールド。  屋根探しからの真実へ到達するまでの流れはこの映画の世界にとって必ずしも重要ではないんじゃない?とも思うし。  時代設定の意味がラストシーンのためだけにあるとしか思えないのもなんかねぇ。   主人公と星ばあだけの時間の尊さをもっと純化してくれていたら、と思うのね。そりゃ主人公は色々と悩みや問題があるわけだけれども、それを具体的に映像で羅列してゆくとどんどん陳腐に、雑味になってしまって。ひたすら苦悩顔を続ける吉岡秀隆、なんてのを別に何度も見たくはないわよ。  この映画の場合、他の現実的要素がガチャガチャしてるからこそ対比して二人の時間が純化してゆく、っていう手法は違うと思うのね。映画そのものから俗っぽさは排除されていても良かったんじゃないかなぁ?  書道教室の講師に勧められ、実母の仕事に魅かれ、水墨画の道を進んでゆくにしても、これこれこうだからこうなりました、って説明的な映像ではなくて、主人公の成長に絡めてカタチ作られてゆくものだったら良かったんじゃないかしら。   映画の視点がもう少し主人公の近くにあった方が良かったと思うわ。
[映画館(邦画)] 5点(2021-04-07 19:53:50)
6.  ヴェノム 《ネタバレ》 
 予告編の映像を見て、これって『寄生獣』みたいな映画?って思って、惨虐な映像を覚悟していったら、そこは全然安心な感じで。『デッドプール』なみのブチブチゴロゴロがあるのかと思ってたわ。  そして、その設定からヘヴィな物語が展開するのかと思ってたら、意外と軽いノリで。  そういう意味では、ちょっと肩透かし?   ダークヒーローでスパイダーマンの仇敵、のわりにはアメコミヒーローもののフォーマットに則っている感じで、コレは!っていうこの作品ならではの面白さは、少なくとも陰謀がどうこうとかアクションとかクライマックスの展開とかって部分にはあまり無かった気がしちゃった。   主人公とヴェノムとのやりとりが面白くて、そこをもっと見せてもらいたかったかな。2人が近づいてゆく過程みたいなのは、必ずしもキチンと描かれてるとは思えなくて、なので、その関係性をもう少しやりとりから感じさせてくれればいいのに、って。  コレってつまりバディものなのだからね。   ヴェノムはあんなビジュアルなのだから、もっともっと怖い存在でも良かったんじゃないかなぁ。絵的にそこまで恐怖を飾るような魅せ方はしてなかったし。っていうか、むしろ可愛かったりしてたし。っていうか、途中のレディヴェノムはちょっと萌えちゃったわよ。   最後の最後に流れる映像は蛇足すぎちゃって、あれは付ける必要なかったんじゃない? オマケっていうか、宣伝よね? アレ、逆に『スパイダーマン』の世界観を損ねちゃう可能性ない? まだトム・ホランド=ピーター・パーカーの次の映画だってあるのだし。   でも、わりと最近、『ヴェノム』とよく似た映画を見た気がするんだけど、って考えて思い出したわ、『ボス・ベイビー』。
[映画館(字幕)] 6点(2018-11-04 17:55:35)
7.  ヴァレリアン 千の惑星の救世主 《ネタバレ》 
 特に「いち早く見なくちゃ!」ってほどでもなかったのですが、TOHOシネマズ日比谷のIMAXに、東京ミッドタウン日比谷オープン日よりも2日早く入れるって事で。ミッドタウンの内覧会を招待客と同じ扱いで見学できる(中に入っちゃえば招待客と映画の観客の区別無し)のがポイント。   リュック・ベッソンのSFときたら、その底抜けっぷりを楽しんでナンボって気がしないでもなく、その点ではかなり純度の高いベッソンっぷりだったのですが、でも思ったよりもフットワークの重い、鈍重な映画って印象を抱いてしまって。日本語タイトルと予告編から、主人公がひたすら千の星々をガシガシ救いまくる映画だと思ってたんですよ。ところが実は「千の惑星の救世主」じゃなくて、「千の惑星の民族が棲みついている宇宙ステーションの中に忍び込んだかつて栄えた1つの惑星の民族の救世主」で、話ほとんど宇宙ステーション内。いや、ステーション自体がとても広くて色んな風景があるんですけどね、ズートピアみたいに。でも、前半延々遭難した主人公の探索、後半延々さらわれたヒロインの救出って、本題から離れたエピソードが続くあたりの脇道が多いRPG感ときたら。そこそこ尺の長い映画ですが、本筋だけ追ったら上映時間半分もかからない程度のハナシ。   ビジュアル的には色々と可愛らしい?エイリアンが出てくるあたりの楽しさとか、グリグリとめまぐるしい3Dの戦闘シーンとかの見どころはあります。が、どっかで見たようなビジュアルの寄せ集めのようでもあり、美しいキレイキレイな美術は、なんつーかラッセンの絵みたいなモンで、私にはあんまり響くモンはないなぁ、と。   でも若い頃のディカプリオみたいなデハーンはいいです。彼が映ってる間は画面にキレがあります。キレイなのは美術よりも彼の存在だったかも。
[映画館(字幕)] 5点(2018-04-10 21:15:12)(良:1票)
8.  打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(2017) 《ネタバレ》 
 新房昭之と大根仁という2人の退屈なおっさんのつまらないリビドーによって出来上がったオタクアニメは、2人が岩井俊二(と押井守)の才能のカケラすらも持ち合わせていない俗物である事をわざわざ世間にお披露目してみせただけという状態でございましたとさ。   絵がキレイ。それだけ(それも後半パートになると怪しい箇所が出てくるんですが)。岩井俊二のドラマを原典としてどうしてこの程度の発想力と表現力しか持てませんでしたかぁ? この映画、ドラマ版がわざわざそーっと避けてきた部分を無神経に露骨に得意気に披露してみせていて、見ている方が恥ずかしいです。  キーアイテムを出して、SFにしてみせちゃった時点で大失敗って感じな訳ですが、あのドラマ版からそういうカタチで展開させてしまったっていう、その絶望的な頭の悪さにはマジで頭痛がしてきます。そんな事しなくても発展的に描くことはできたでしょうに。  なずなに対するエロティズムの視点はドラマ版から存在していましたが、今回はもっと露骨で、そしてそれは確実におっさんの視点で、自分がこの2人と同世代であるだけにもう本当に恥ずかしくて。  オタクアニメではこう表現します、っていう現実から離れた記号的表現、きっと無自覚でやってるんですよね。  本来ブラウスは胸の大きな女性の、その胸の形をクッキリ表現するような構造にはなっていませんし、スカートで自転車に乗る時には絶対スカートごとサドルに座りますわね。スカートのお尻をヒラヒラさせる事はしませんわね。そういうオタク思考表現を深夜アニメやOVAじゃなくメジャーなハコにかかるアニメ映画でやってるのがとっても恥ずかしくて。こんなモンがクールジャパンってヤツなんか?って。  ドラマ版から新たに展開してゆくエピソードの通俗的な流れ、『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』の表面だけなぞって古びたメッセージを投げかけてくるさま、あちこち色々と恥ずかし過ぎてもう逃げ出したくなりましたわ。   劇団イヌカレーの助けをもってしても、このおっさん達の絶望的なセンスを覆い隠す事はできなかったのですなぁ。
[映画館(邦画)] 3点(2017-08-20 17:37:18)
9.  美しい星 《ネタバレ》 
 この監督のクセで、今回もやや説明的な感が無きにしもあらず、ですが、ヘンであるがゆえの「これは一体どういう話なんだ?」っていう興味の持続と、ヘンでありながらも映画としてきっちりとまとまってゆく巧さに満足させて頂きました。   宇宙の中で長い時を刻む地球の、そのいっときの物語、1つの家族の話。『メッセージ』にも繋がるミクロとマクロの世界が、オフビートな笑いとちっとも先の見えて来ないドラマによって紡がれてゆきます。バラバラに撒かれた家族のそれぞれのエピソードが、宇宙人という突飛なモチーフを通して、やがて1つの形を成してゆく、その面白さ。  「美しい地球」に対する固定観念、人間の眼から見ながら人間の存在が排された自然に対する視点、対する人工物の美しさ。その投げかけられるメッセージにハッとして。   最後まで見て、佐々木蔵之介の「まばたきしない男」や、今のこの日本で「牛が自由に歩いてる、入ってはいけない、警察が追いかけてくる場所」などの、なお曖昧に残る虚と実に至るまで、その「考えさせるバランス」が気持ち良い映画でした。
[映画館(邦画)] 8点(2017-06-06 20:37:37)(良:1票)
10.  海街diary 《ネタバレ》 
 原作は『BANANA FISH』で少女マンガの極限にまで到達した作者がガラリと雰囲気を変えて打ち出してきた純文学路線。  画面にすずが出てきた時点でそれまで頭の中に圧縮されていた原作の記憶がばーっと解凍されて先読みしまくって感動先走り状態だったりしたのですが・・・   この映画は原作にかなり忠実、ゆえにメリハリのない、だらーっとしたものになってしまった感があって。姉妹たちの日々の生活のエピソードが幾重にも重ねられてゆく事で作品世界を形作ってゆく、それは単純な起承転結構造の中には納められないもので、元々映画化は難しい素材だったと思います。原作を壊さずに表現しようとすれば、やはりエピソードの羅列状態になってしまうのは明白で。  原作にあったすずの友人関係のエピソードを大幅に省き、「四姉妹の映画」を強調した事は間違いではなかったと思います。ですが、外には四人それぞれの世界があって、それが時に摩擦やすれ違いを生んだり、共鳴したりといった、作品の持つ奥行きは中途半端にスポイルされ、原作ファン的に見ても、映画として見ても、少し残念な、物足りない感覚を受けてしまいました。原作にあまり囚われず、もっと特定の何か(幸かすずの内面とか)を強調したドラマ作りがあっても良かったかもしれません。   四姉妹の個性はとても良くて、原作のイメージから最も遠い綾瀬はるかも気の強い長女役を好演していました。この姉妹の物語をもっともっと見ていたい感じで。   あと、鎌倉を舞台にした、風景がポイントになるのは明白な作品だった筈ですが、これがあまり良く捉えている感じがしなくて。景色と人間との調和、そこに腐心してない訳じゃない、それをやろうとしているのだけど、なんかしっくり来ない、そんな感じ。  ビスタサイズじゃなくてシネスコサイズで撮ったら良かったんじゃないでしょうかねぇ。ラストの海辺の4人の間隔はビスタならではの距離感なんですけど、シネスコの余白があっても問題は無かったかな。   作品世界の雰囲気、空気感はちょっと残念、人は良かった、そんな感じでした。
[映画館(邦画)] 6点(2015-06-14 14:34:28)
11.  宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 《ネタバレ》 
 現代風にクリーンナップされたガトランティスの艦船とか、斉藤始やサーベラー登場とか、ここで『新銀河誕生』か!とか、そういう古びたヤマト世代をときめかす数々の小ネタはいいんですけど、でも映画としては志が低すぎてしまって。   『宇宙戦艦ヤマト2199』全26話を見ていてナンボです。いきなりこの作品から見て面白いか、或いは旧『ヤマト』を知っているなら面白いか、と問われればNO。完全に一見さんお断り。  今回の映画で描かれるエピソードは新シリーズの設定、エピソードから派生しているものばかりで「あのキャラと関連がある」「あのエピソードとシンクロしてる」というのが判らないままに見ると意味不明な箇所だらけです。  物語自体が全26話で完結している、その途中に起きた話となっているので単なるサイドストーリーの域を出ません。   で、ならばせめて密度のある、濃厚な物語を期待したいところなのですが、今回のキーとなる桐生美影がガミラスのバーガーの恋人に酷似しているという設定は単に謎解きのための都合のいい、それ以上には意味のない設定だったり、美影の父の死や斉藤始との関係が結局放置されたり、沢村とメルヒの関係が別にそんなに近いものには思えなかったり、色々と雑です。  特に大和ホテルに閉じ込められてからの停滞感は結構見ていてシンドく。「そういうミステリー的なモノは別に『ヤマト』で見たいとは思わないし」というのは14話でも思ったのですが、それを受け継ぐような形で映画でやられてしまうとキツいです。そこは好みの問題でしょうけれど、でもやっぱり『ヤマト』なら戦いの中でのドラマが見たいです。   こうしてまた『ヤマト』の新作が見られるというのはとても嬉しいのですが、いかんせん「映画」を見ている感覚に乏しく、その「知っていて当たり前」ばかりで構成された作品はテレビスペシャルの如き世界。  広い層を楽しませようという意識がとても薄い作りになっているという点では、今までの全ての『ヤマト映画』の中で最低だと思います。もう少し高い志を持って「映画」という表現に臨んで欲しかったと思いました。
[映画館(邦画)] 5点(2014-12-07 00:30:03)(良:1票)
12.  宇宙兄弟#0 《ネタバレ》 
 原作未読、テレビシリーズは放映時間が変更になる前まで、実写映画版は見てます、という状態。  これ一作のみの映画として見ると色々とキツいかな。後にどんなドラマが待ち構えているか知っていてこそ楽しめる部分が多いように思います。   既知である過去部分の映像化という事で物語的な冒険はできません。キャラに思考や行動の大きな飛躍をさせる訳にもいきません。  ゆえに本筋上に存在しているような日々人のNASAでのドラマは予想の範囲の中に収まっている感じ。  一方、左遷という脇道を進む六太のドラマはキャラも活かされ六太の成長が描かれて楽しめました。   問題は作画。雑です。映画クオリティに達していません。  傾けたグラスの中の梅酒の梅が全くグラス内を移動しないというような細かい部分はともかくとして、ブライアンが月面を歩くシーンなどはとても重要なのですから、そこはちゃんと描いてくれないと。  月面を人が移動するのはどんな感じなのかは実際の映像でよく知っているわけですよね。その6分の1の重力の世界をブライアンがどう踏みしめたのか、どう歩んだのか、それを雑なぴょこぴょこしたアニメートで描いちゃうのってかなり残念。  地球での重力足らない感じのふわついたアニメート共々、その表現の差を求めるのは酷なんでしょうかねぇ。この題材ならばそこはとても重要になってくると思うのですが。   キャラや展開の説明不足、投げっぱなしになるエピソードの数々など、ファン向け映画といった風情で、知識あればこその感動はありますが、一見さんだとキツいですか。   個人的には雑な作画のアニメよりはむしろ実写版の小栗旬と岡田将生で見たかったかも。
[映画館(邦画)] 6点(2014-08-24 21:37:31)(良:1票)
13.  ウォールフラワー 《ネタバレ》 
 昔、サーティーワンアイスクリームのバイトの女の子2人に「気持ち悪い」って客としてまともに扱って貰えなかった事があって以来、いかに目立たずこっそり生きてゆくかが私の人生のテーマみたいになっていました。何かを期待したり望んだり、そういう資格がそもそも無いんじゃない?って思う日々。  そんな私をIBMで出会った仕事仲間達は週末ごとに誘ってくれました。毎回、私を中心に据えてみんなで映画を見て食事をして。彼等、彼女達に一体どれだけ救われた事か、あの時間がどれだけ大切だったか。今も深く感謝しています。   なのでこれは私の心を映すような映画で、とても冷静に語る事はできません。その人々、その時間の大切さ、そのかけがえの無さ。   ハーマイオニーからあんまり変わらない演技のエマ・ワトソンが適役か否か、微妙な感じがしますし(昔ならウィノナ・ライダーや少し前ならキーラ・ナイトレイが似合いそうな役)、主人公の過去のトラウマ話が最後に至るまでなんだか上手く作品世界に噛み合ってゆかないままになってしまった感じもします。   でもエズラ・ミラーのシャープで繊細な感じが作品のカラーを決定付けていて、それはこの「心の映画」にとても相応しい色で。   トラウマなんてそう簡単に克服できるわけもなくて、冒頭の件もこの映画を機会に今回初めて向き合ったりしてる訳ですが(友人達にもその件を明かした事はありません)、それでも生きてゆかなくちゃならないし、そして生かしてくれる人が存在するならば、それはとても幸せな事で。   どうかみなさま、現実の人と時間を大切にしてください。
[映画館(字幕)] 8点(2014-06-10 22:22:28)(良:3票)
14.  WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ 《ネタバレ》 
 見る前は、どうせこの監督の「極端にデフォルメされたダメなヤツが笑わせつつ頑張って最後には感動的な展開」っていつものパターンなんでしょ?って印象だったんですが、実際も全くその通りで、それでもまだ今回はおふざけっぷりは控えめ、林業ってモノに対しては真面目に向き合ってる感じがします。でも、この題材に矢口監督がふさわしかったのかどうかは疑問で。   主人公がいかにも矢口監督のキャラらしいウザいレベルのダメさで、そこから感動まで持って行こうとするあざとさっていうか、無理矢理さがシンドいなぁ、って。あそこまでダメなヤツって普通じゃないですし、そこに共感が無いまま、努力の積み重ねみたいな描写も欠如して流れて、タナボタ的展開によって良き方向に転じてゆく感じなのがどうもノレなくて。  森に消えた子供を見つけて周囲の信頼を得るよりは、林業の部分で実績を示してこそなんじゃないでしょうかねぇ。  大体、主人公の1年間を追った物語なのに、最後の半月の時点で主人公、体ダルダルで色白のまま、冒頭から全く見た目変わらないっていう。   あと、ちゃんと画として撮りきれてない、繋がりきってない部分が多い気がしました。背中の中村林業の社名から中村林業に行くまでの流れは途中が飛んでる感じですし、水辺のお地蔵さんはそれがお地蔵さんであるとハッキリ認識できるだけのディティールが出てなかったり。高い杉の上の二人を捉えた画も、なかなか安定せずにいい画に収まりきるまでが大変、って状態でしたしねぇ。   最も気になったのは林業の大切さや良さは描けているのですが、じゃあ、それが都会生活とどう繋がって、どう未来への可能性を拓く事ができるのか?って点についてはちっともなところ。  結局、都会生活と山暮らしとで断絶しちゃってるんですよ。類型的な、排除すべき悪役として都会の若者を登場させる事によって「山暮らし最高!」ってところに閉じちゃってます。排他的、閉鎖的な状態こそを是としちゃってたら、そもそもこの映画を作る意味があるんでしょうか?   しかし伊藤英明は良いですなぁ。あの性格、あの体格。この映画の中で最も生きたキャラになってて素晴らしいです。   クライマックスの騎乗状態もアレな感じで、もっと真面目な作りで良かったんじゃないかなと思いますが、矢口監督だとこんなところなんでしょうね。
[映画館(邦画)] 6点(2014-05-15 21:41:53)
15.  Wake Up, Girls! 七人のアイドル 《ネタバレ》 
 色々とかなりダメ、なのだけれども枯れちゃってる『アイマス』なんかよりよっぽどイキが良くて面白いっていう。   作画が「劇場にかけるレベルじゃないよ」って状態ですし、脚本も、映像の繋ぎも悪く。キャラの顔はみんな似ていて髪型で見分けるような感じで。そもそも上映時間が短いので内容はごくごく浅く。   「ご当地アイドルグループが結成されたのはいいけれど、弱小プロダクションの社長が夜逃げしてグループ解散の危機!」っていう物語で、メンバー一人一人にドラマがあって、主人公的存在は元人気アイドルグループのセンターを競ったほどの存在だったものの、訳ありで退団して、って、1時間足らずの「映画」としてまとめるにはかなり無理があります。  それって本来はテレビシリーズの第一話、第二話で描くべき事なんじゃ?みたいな感じで、実際、テレビシリーズの第一話は、この映画を見ていないと判らないところが多いっていう。そういう作品の成立のしかたを、私はあまり好ましいとは思いません。   社長の夜逃げエピソードなど、ドラマとして真面目に見られるレベルではありませんし。   ところが、その作品的な未熟さのあまりに、見ている側が行間を埋める作業をしないとならなくなり、結果、思わぬ感動を生むという。  それぞれの「設定はちゃんとしてあるけれどちっとも描ききれていない人物背景」をその短い間にどんどんと脳内で補完してゆく事で生まれるドラマ、それがラストのライブシーンに結実して、って。いや、それってちっとも好ましい状態じゃないのですが。   結果的に「ダメだけど面白かったけどやっぱりダメ」って。やっぱりこういうのってあんまり褒めちゃいけない気がします。
[映画館(邦画)] 5点(2014-03-31 22:57:25)
16.  ウォーム・ボディーズ 《ネタバレ》 
 素材こそゾンビものですがあくまで恋愛映画ですね。   設定自体は思ってた以上にゾンビワールドです。世界はウィルスに侵されゾンビに支配され、一部の生き残った人々が高い壁を築いて立て籠もるという(『進撃の巨人』とか『パシフィック・リム』とか『ワールド・ウォーZ』とか外敵避けのデカい壁が流行りですな)。   しかしゾンビになっちゃった青年のモノローグから始まるこの映画、系譜はむしろシネクイント系公園通りオシャレ映画な、ほら『(500)日のサマー』とか『ルビー・スパークス』とか、あの辺な感じ。もっともシネクイントは古くは『ギャラクシークエスト』から最近では『宇宙人ポール』『キャビン』なんかも上映するところなので、その極が合体したようなこれこそシネクイントに相応しいタイトルかもしれません。   ゾンビは孤独の象徴。主人公が回想する空港での幸せな人々の姿、でもみんな携帯やらゲーム機やらを見つめていてちっとも幸せそうには見えないところが、つまりはそういう事で。それぞれの孤独がゾンビっていうコミュニケーションの取れない存在へと反映されて。   そして、その孤独を壊すものとしての愛。愛の魔法が孤独の病を治すというファンタジーだったりするんですよね。主人公がヒロインに出会って人間らしさを取り戻してゆく、その過程がじわじわと染みるように描かれて。  ラスト、二人の前で人を隔てるものの象徴だった壁が壊される映像の、その楽天的な希望に満ちた感じがゾンビものなクセして爽やかで良いです。   途中、不穏な存在となりそうなゾンビ仲間やヒロインの友人が、実は二人を善き方向へと導いてゆくのでした、ってところもホカホカ系な感じで。  ヒロインの友人役アナリー・ティプトンが『ラブ・アゲイン』のベビーシッター役に次いで好印象でした。   残虐なシーンも無いですしゾンビもユルい存在ですしゾンビ映画としては地雷な感じがしますが、私は心温まるラブファンタジーとしてかなり好印象を抱きました。
[映画館(字幕)] 8点(2013-10-16 22:44:04)(良:2票)
17.  ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 
 楽しい楽しい。笑えました。   やっぱりニンジャ軍団とか、ポン刀振り回すギャルとか、ハイテク武将とかがいてこそ、新幹線が時速500kmですっ飛ばしてこそのニッポンですよね。  画面にマジメにリサーチした結果じゃなくて「ぼくのかんがえたニッポン」が溢れてて、とっても馬鹿馬鹿しいのだけれども「しょーもなー」って笑って済ませられる程度の映画で。   話自体はなんだか強引な展開が目立って、不恰好な映画って感じもします。  登場人物が考えてる事がもうワケ判らなくて。ウルヴァリンの行動一つ一つがその場その場の思いつきみたいで一貫性がありませんし、ヒロインが葬儀会場から逃げていきなり新幹線乗っちゃうとか田舎暮らししちゃうとか、真田広之とうちゃんもフィアンセもたどたどしい日本語の幼なじみも結局何がしたかったんだ?みたいな状態で。  でも、それらも「元からヘンな映画だから」で済ませちゃえそうなバカっぷり。   ワンダーランドニッポンに迷い込んだウルヴァリンという名のアリス、そういう映画。おかしなおかしなオリエンタルファンタジー。   2020年までに我々はこの映画に描かれた楽しいニッポンに近付けるべく努力をすべきかもしれませんね。ニンジャ養成したり。ヤクザは要らんけど。
[映画館(字幕)] 7点(2013-09-25 20:02:56)(良:1票)
18.  宇宙兄弟 《ネタバレ》 
原作未読です。今、邦画の多くがマンガ由来だったりするのですが、マンガであるがゆえに許して貰えるんじゃない?って甘えてる事が多分にあるかと思うんですね。ウソっぽくてもあり得なさそうでも、元がマンガなんだからいいじゃんっていう。この映画も最初の印象はあり得なさそうな感じ。史上最年少の宇宙飛行士で日本人で初めて月面に降り立つなんて言ったら、とにかくマンガ的な常人とは違う生まれた時からずっと天才な人間のハナシですよ、みたいな感じで。でも、この映画は真面目な姿勢とリアリティある描写の積み重ねでそのウソっぽさに説得力を与えてゆきます。私が最初に感心したのは日々人が「UFO」を日本語では「ユーフォー」、英語では「ユーエフオー」と発音し分けていた事。アレを「ユーフォー」と発音してもアッチでは通じません。そういう細かい部分からロケット打ち上げのCG、月面での光と影の描写といった大々的なものまで、なんとなく甘えてみました、みたいないい加減さが感じられないのが良かったです。最終選考に残った6人のうちオタクと関西人はあそこに選ばれるレベルの人間じゃないだろとは思いましたが「ガンダム」と「京大」の2つのモチーフがその背景を物語っているのかもしれません。あと、月から地球はもちろんあんなに大きく見えませんが、アレは『E.T.』の大きな月と同じようなモノで。人の視覚は物を正確に捉えている訳ではありませんしね。説得力が与えられてゆくと共に六太のコンプレックスと諦めた夢とが浮かび上がり、日々人との繋がりに魅入り、最後にはみんなの夢にまで繋がって感動に導かれてゆく、それは真面目に組み上げられた、とても良く出来た映画だと思いました。
[映画館(邦画)] 9点(2012-05-11 22:21:32)(良:1票)
19.  宇宙人ポール 《ネタバレ》 
『スーパー8』よりも更にスピルバーグの血が濃い映画で、だけどアチラは昔の子供時代のノスタルジー、こちらは昔をひきずったまま大人になってる現在のイタい人のハナシ。冒頭のほんの数カットで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』から『ポルターガイスト』そして『未知との遭遇』!ってハマれる人間には間違いなくツボを押さえて来まくる映画です。この映画の情報を一切シャットアウトしていても、映画を見ていてポールがどこを目指しているのか(ワイオミングって言われたらねぇ)、黒幕の正体が誰なのか(この人しかいないでしょ?)はすぐに判ってしまって、その通りになる事に無上の喜びを得られるっていうのがとても幸せな事で。大量のレイア姫(しかもEP6のジャバに捉えられてる時の衣装!)や聖櫃が眠っている倉庫、クリンゴン語にオタク歓喜。だけど、それだけでいいんか?っていうのがこの映画でもあって。価値観が固まって停滞したところから先に進む事を示してみせるワケです。『けいおん!』に今更どハマリして、スタンプラリーで池袋から新宿そして渋谷に流れた末の映画館でこの映画を見てる自分の状態が、なんとも内容によくマッチしていて。まあ、だけどこの映画のメッセージは、それでいいから突き進め、って事だと理解するコトにしました。はい。
[映画館(字幕)] 9点(2011-12-18 21:31:28)
20.  うさぎドロップ 《ネタバレ》 
SABU監督だからって、無理して走るシーンいっぱい入れるってどういう事なんでしょうねぇ? こんな事をするくらいならば、この監督ではない方が良かったかも。元々は、このあまりにスクリーンやテレビでお馴染み過ぎなキャストの面々に不安いっぱいだったのですが、終わってみればキャストはみんな良くて、むしろ演出や脚本に難アリな映画でした。特に脚本のだらしなさは何とした事やら。原作の要素をかいつまんで羅列しているだけという感じなので、大吉の感情の動きがメチャクチャ。いきなり怒ったり泣いたりしている印象。そこに至るまでのエピソードの積み重ね、心の流れの変遷はまるっきり欠落しちゃってるものだからブツ切れ状態。時間経過も、家と職場と保育園とお墓の位置関係もグチャグチャだし、原作のエピソードを微妙に位置替えするものだから矛盾も生じちゃってるし(大吉が正子に会いにゆくシーンでりんを「初めて」実家に預けてますが、原作ではその前の、じいちゃんの家にゆく時に預けている訳で、映画は実家に預ける以前に大吉とりんが離れた状況を作り出しちゃってます。一体りんはどこに居たの? 二人が離れるって部分を大事に描かないといけないのに、何やってんのやら)。設定変えや原作にないエピソードは無駄ばかりで、特にクライマックスの凡庸っぷりは目も当てられない状態。居なくなった、みんなで探そう、って、なんて陳腐なネタやっているのやら。これも「走らせる」ための無理な設定って感じですし。で、そういうかなりダメな状態なのですが、キャストの存在感がドーン!ってあってそれでもイイ感じで見られちゃう、っていう。またこの人達ぃ?って思いつつもやっぱり松ケンも愛菜ちゃんも上手いのだわ。いいキャストに救われて命拾い、みたいな映画でした。
[映画館(邦画)] 6点(2011-09-06 21:18:46)(良:2票)
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